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サイボーグVS獣VS・・・
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「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」
セイナは壊れている足を必死に動かして走る。そしてそんな彼女を追う存在がいた。
「バゥ!」
「くそっ!」
セイナを黒い狼の群れが追っていたのだ。
(なんだよあれ!)
彼女が見たものそれは一匹や二匹ではなかった。数十匹の巨大な狼。しかもただの狼ではない。体は陽炎のように常に歪んでおり、黒いといっても生物とは思えない程の漆黒だ。まるで闇から切り抜いたような。
「くっ!」
セイナは唯一無事な左足でコンクリートの欠片を後方へ蹴り飛ばし、黒狼の一匹に当てる。
「キャウッ!」
一匹倒れるが、まだ何体も走ってい追ってくる。その光景を見たセイナは絶望する。
(ダメか!)
彼女はもう限界であった。先程からずっと逃げているが、左足の感覚も無くなってきている。恐らくもう走ることもできない。
「あっ」
その時彼女の視界にあるものが映った。
それに全てを賭けることにしたセイナは、壊れている自身の左腕を引き千切った。
「ぐっ!、おら狼共!これで遊んでろ!」
そしてその腕を黒狼の群れへ放り投げる。
「グキャンッ!」
すると千切れた腕は爆発し、辺りを爆煙で包み込んだ。
そうしてセイナはそれに手を伸ばす。そこにあったのは、先程殺られたザークの死体だった。
「ギャン!バゥバゥ!!」
爆煙を突っ切り、何匹か黒狼が現れる。そしてセイナを見付けるや否や彼女に向かって突貫した。が、
「こいよバカ犬」
彼女の姿は変わっていた。
アンドロイドであるザークの死体からパーツを千切り取り、自身の身体にくっ付けたのだ。
「バフッ!?」
そしてセイナは、大きなキャノン砲へと換装した左腕を黒狼に向けた。
「死ね」
直後、大砲から凄まじい音と共に熱線が発射される。
それは一直線に進み、目の前にいた黒狼達を吹き飛ばした。
「ガァアアアッ!」
そして爆煙を吹き飛ばし、まだ煙の中にいた黒狼達も巻き込んで熱線が全てを消し飛ばしていった。
「はぁはぁ・・・ふぅ」
黒狼が消えたことを確認し、セイナがキャノン砲を下ろそうとする。次の瞬間、
火薬の爆ぜる音が鳴り響いた。
「がっ!?」
そしてセイナの左腕は、キャノン砲ごと砕け散った。
砲弾が飛んできて、セイナの左腕を穿ったのだ。
「ぐぅっ!誰だ!」
セイナは左腕を押さえながら、弾の飛んできた方向を睨んだ。そこには、レッドアイが立っていた。
右手には血だらけの金棒、左手には肉が変形して作り出したかのような大砲が担がれていた。
「あら?あいつの大砲一発しか撃てねぇのかよ?ま、そりゃそうか、こっから先が無ぇんだもんな」
そんなことを呟きながらレッドアイが弾切れの大砲も捨てる。
「・・・お前、そのロボットから色々拝借して体を修理したのか?・・・その手があったか、俺もこのままじゃ優勝厳しいしな」
ブツブツとレッドアイが呟く。そんな彼を見ながら、セイナはザークから奪ったブレードを取り出した。
「まぁいいや、取り敢えず、お前は殴り殺す」
「殺ってみろよクソカス野郎!」
そう叫び、セイナはレッドアイに切り掛かった。
セイナは壊れている足を必死に動かして走る。そしてそんな彼女を追う存在がいた。
「バゥ!」
「くそっ!」
セイナを黒い狼の群れが追っていたのだ。
(なんだよあれ!)
彼女が見たものそれは一匹や二匹ではなかった。数十匹の巨大な狼。しかもただの狼ではない。体は陽炎のように常に歪んでおり、黒いといっても生物とは思えない程の漆黒だ。まるで闇から切り抜いたような。
「くっ!」
セイナは唯一無事な左足でコンクリートの欠片を後方へ蹴り飛ばし、黒狼の一匹に当てる。
「キャウッ!」
一匹倒れるが、まだ何体も走ってい追ってくる。その光景を見たセイナは絶望する。
(ダメか!)
彼女はもう限界であった。先程からずっと逃げているが、左足の感覚も無くなってきている。恐らくもう走ることもできない。
「あっ」
その時彼女の視界にあるものが映った。
それに全てを賭けることにしたセイナは、壊れている自身の左腕を引き千切った。
「ぐっ!、おら狼共!これで遊んでろ!」
そしてその腕を黒狼の群れへ放り投げる。
「グキャンッ!」
すると千切れた腕は爆発し、辺りを爆煙で包み込んだ。
そうしてセイナはそれに手を伸ばす。そこにあったのは、先程殺られたザークの死体だった。
「ギャン!バゥバゥ!!」
爆煙を突っ切り、何匹か黒狼が現れる。そしてセイナを見付けるや否や彼女に向かって突貫した。が、
「こいよバカ犬」
彼女の姿は変わっていた。
アンドロイドであるザークの死体からパーツを千切り取り、自身の身体にくっ付けたのだ。
「バフッ!?」
そしてセイナは、大きなキャノン砲へと換装した左腕を黒狼に向けた。
「死ね」
直後、大砲から凄まじい音と共に熱線が発射される。
それは一直線に進み、目の前にいた黒狼達を吹き飛ばした。
「ガァアアアッ!」
そして爆煙を吹き飛ばし、まだ煙の中にいた黒狼達も巻き込んで熱線が全てを消し飛ばしていった。
「はぁはぁ・・・ふぅ」
黒狼が消えたことを確認し、セイナがキャノン砲を下ろそうとする。次の瞬間、
火薬の爆ぜる音が鳴り響いた。
「がっ!?」
そしてセイナの左腕は、キャノン砲ごと砕け散った。
砲弾が飛んできて、セイナの左腕を穿ったのだ。
「ぐぅっ!誰だ!」
セイナは左腕を押さえながら、弾の飛んできた方向を睨んだ。そこには、レッドアイが立っていた。
右手には血だらけの金棒、左手には肉が変形して作り出したかのような大砲が担がれていた。
「あら?あいつの大砲一発しか撃てねぇのかよ?ま、そりゃそうか、こっから先が無ぇんだもんな」
そんなことを呟きながらレッドアイが弾切れの大砲も捨てる。
「・・・お前、そのロボットから色々拝借して体を修理したのか?・・・その手があったか、俺もこのままじゃ優勝厳しいしな」
ブツブツとレッドアイが呟く。そんな彼を見ながら、セイナはザークから奪ったブレードを取り出した。
「まぁいいや、取り敢えず、お前は殴り殺す」
「殺ってみろよクソカス野郎!」
そう叫び、セイナはレッドアイに切り掛かった。
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