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騎士VS大魔術師
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バトルロイヤルの運営人達が話し合っていた。
「今回も中々盛り上がってるな。視聴者も満足だろう」
「そうだな・・・優勝候補は殆んど奴に殺られたようだが」
「優勝候補に限らないぞ。今回の参加者の内、半分は奴が殺ってる。奴の能力は雑魚狩りにも格上相手にも使えるからな」
彼等が見ていたのは奴がバトルロイヤル中盤で起こした大虐殺の映像だった。
黒い狼や巨大なムカデなど、様々な種類の怪獣が参加者達に群がり、殺している。そして一人、怪獣の上に偉そうに座っている老いた男性がいた。
奴はパラドラナ。今回のバトルロイヤル優勝候補であり、世界中で指名手配されている狂人だ。
「うるせぇ黙ってろ。お前はまだ出なくていい」
独り言を呟きながら、優勝候補者であるブレンは歩いていた。残り人数も少ない。つまり残っているのは猛者ばかり。油断はできない。すると、
「───」
「ん?」
隣にある建物から何か声が聞こえてきた。
「・・・誰か隠れてんのか?」
ブレンは建物に侵入する。
三階まで上がり歩いていると、
「あ─ぞ─ぃ─」
やはり声がする。
そして声のした壁の裏を覗き込むと、
そこに居たのは猿のような怪物だった。
「ザバッ!バゾバイッ!ボギャブッ!」
猿の怪物は訳の分からぬことを叫ぶ散らす。それを見てブレンは冷静に刀を召喚した。
「・・・お前参加者には見えな──」
「バババブバッ!!」
次の瞬間、建物の最上部からバキリと大きな音がした。
「ちっ!」
ブレンは直感で何が起こっているのか理解し、急いで盾を召喚して上向きに構えた。
そしてブレンの予想通り、建物を切り裂く程の威力を持った斬撃が、幾つも上空から降り注いだ。
しばらくして、斬撃の雨は止んだ。
「ふぅ・・・驚いたぜ。・・・流石は国際指名手配犯」
ブレンはゆっくりと顔を上げ、 上空にいる人物を見た。
ガリガリに痩せこけた老人。バトルロイヤル優勝候補者、パラドラナ。
「世界中を敵に回してる大魔術師と相対せるとは光栄だね」
「パギャパ」
「・・・そうだった、お前は何千年も生きてるんだったな、現代語を話すわけないか」
こちらの言葉を理解しているのかすら怪しい。ガンギマリの目をしているし。
「まあいいさ。俺の相手に相応しいか確かな?」
ブレンは刀を構えて飛び上がった。そして足元に大剣を召喚し、サーフボードのようにその大剣に乗って立った。
ブレンに飛行能力はないが、本来生物を動かせない念力を上手く使えばこのようにして実質飛行することができる。
しかし、
「パギャァアアッ!!」
パラドラナは空高く舞い上がると、翼を生やして空を飛び始めた。
「おいおいマジかよ・・・」
「ポパラパッペパァ!」
そして大量の怪物達を召喚する。黒い狼、鉄の虫、顔に穴の空いた人形など様々。
「刀もう一本だ!」
ブレンは更に二本目の刀を召喚した。
そして両手に持つと、大量に降ってくる怪物達を高速の斬撃で一匹一匹切り裂いた。
「パベバッ!」
「現代戦士舐めんな!」
ブレンは上昇スピードを上げ、パラドラナに接近する。そして奴に切り掛かったのだが、
「スワパヤペ!」
パラドラナは火球を手に作り出し、ブレンに投げつけた。
「うおっ!?」
ブレンは咄嵯の判断で横に回避した。
火球はそのまま落下し、地面に激突して大爆発した。
「わぉ、えげつない威力だな」
「パパポデキャ!」
ニタニタ笑いながらパラドラナは何か言っている。恐らくだが、何か煽っている。
「調子乗ってんなジジイ」
ブレンの手に長い鎖が召喚される。先端には分銅が付いていた。
「パポッ!?」
ブレンが鎖を放つと、狙い通りにパラドラナに絡まった。
「せーーのっ!」
そして鎖を地面に向けて振り下ろす。その先で鎖に引っ付いているパラドラナは、当然地面に叩き付けられた。
「パジャァッ!!!」
コンクリートが砕け、小さなクレーターができる。
が、パラドラナはすぐに起き上がり、ブレンに向かって手をかざす。すると手から炎の塊が現れた。
「パバビャャャ!!」
パラドラナが炎塊を放つ。
ブレンは接近する炎塊に刀の一本をぶん投げた。
刀は炎塊に突き刺さり、爆発して爆炎が広がる。
「ギャパワワッ!」
パラドラナは広がった爆炎に向かって魔法で作った無数の針を放った。
すると、爆炎の中から大きな盾を構えて針を防いだブレンが出てきた。
「ビザピッ!」
ブレンは盾を消すと、一気に距離を詰めてパラドラナを斬り付けた。
「ベゼカパッチェ!!」
「ちっ!浅い!」
切れはしたが、胸を浅く切っただけだ。
「キャパポッギャ!」
パラドラナは両腕を巨大化させ、手を叩くようにしてブレンを押し潰そうとした。が、刀を突っ返させることで逆にパラドラナの手に刀を突き刺す。
「パガバボッ!」
「剣!」
ブレンは大剣を召喚し振り下ろした。
しかし、
「バザシャボパバッ!!」
パラドラナは口から光線を放ち、ブレンの大剣を溶かした。
「ちぃ!気色悪い!」
ブレンは後ろに飛び退く。
「ペギャピィィイッ!」
パラドラナは巨大化した手でブレンを殴った。ブレンは腕をクロスしてガードしたが、防ぎ切れず吹っ飛ばされる。
「うぐっ!!」
建物の壁に激突する。
「いてぇなぁ・・・!」
「ラパピゲッタペォポッ!!」
パラドラナは浮かんで高速で動き出し、ブレンに接近した。
「パパペパァッ!」
パラドラナの体が隕石のように燃え始めるが、奴は構わずブレンへ向かって突撃した。
ブレンは咄嵯に盾を召喚する。
砲弾のようになったパラドラナがブレンの盾に激突する。
そしてその衝撃で建物が倒壊し、辺り一面を土煙が覆った。
しばらくして、土煙の中から一部鎧の欠けたブレンが出てきた。
「ふぅ、流石にヒヤッと来た」
ブレンは盾を消して刀を構える。
「まだ生きてるだろ?」
その問いに答えるようにパラドラナが現れる。しかも煙の中で召喚魔法を使用したようで、4匹の魚が奴の周囲を舞っていた。しかも魚には刃が生えている。
「パポパベレドッ」
ニヤニヤしながらまた何か言っている。
「・・・何言ってんのかは分からねぇが、楽しそうで何よりだ」
ブレンの鎧の隙間から黒い霧のような物が少し立ち上る。武器を召喚する際に出てくる黒霧と同じ物だ。
「俺も楽しませて貰う」
ブレンが地を蹴った。
そして次の瞬間、
「ビビガポポッ!!」
パラドラナの肩から血が噴き出した。
ブレンが目にも止まらぬ速度で切りつけたのだ。
「・・・やっぱ現代語喋れやお前」
「パパドゴボッ!」
パラドラナの刃魚達がブレンに向かって飛んでいく。
ブレンはその鋭利な刃魚達の体当たりを刀で弾き返すが、刃魚は絶えずブレンに突撃し続ける。
ブレンが飛び退いてパラドラナから距離を取っても刃魚は追い掛けてきて体当たりをし続けてくる。
「鬱陶しいな」
「ポババポッ!」
すると、奥にいたパラドラナが手をパンッと叩いた。
すると、ブレンが立っていた地面が突如盛り上がった。
「うおっ!?」
ブレンは咄嵯にジャンプするが、地面から出て来た何かに天高く打ち上げられる。
「くっ!」
「パパボビブカギャッ!」
地面を割って出てきたのは、龍のような蛇のような見た目で、不気味な目をした怪物だった。
「何だこいつ!」
「ギャガァァァァアア!!!」
蛇龍が大声で鳴き、その巨体でブレンに体当たりを仕掛ける。
「ぐあっ!!」
ブレンは刀で防御するも、あまりの威力に地面に叩き付けられた。
「痛ぇなこの蛇野郎!」
ブレンは立ち上がると同時に刃魚達が斬り掛かって来た。
「ちっ!」
舌打ちをしながら刃魚の攻撃を受け流し、その内の一匹を切り殺す。だが間髪入れず蛇龍が地面にいるブレン目掛けて頭突きを喰らわそうとする。
「おいおいマジかよ!」
ブレンは横に転がることでギリギリ回避する。
「邪魔だ!!」
ブレンは立ち上がりながら大蛇の頭を蹴った。
「ギャインッ!」
ブレンのあり得ない程の膂力で蹴られ、蛇龍が少し飛んだ。そしてブレンは素早く振り返り、接近していた刃魚をまた切り捌く。
「あと二匹!」
「パジェクコモポロッ!」
パラドラナは空中に浮かび上がって両手を上に掲げた。
すると、空に暗雲が立ち込め、雷が鳴り始めた。
「雷撃か」
刃魚の突撃と蛇龍のタックル、そして空から降ってくる雷がブレンを襲った。
「ちっ!面倒だ!」
ブレンは刀を横に構えた。すると、刀身に刻まれた文字が青白く光り出す。
「水月!!」
ブレンが刀を振った直後、巨大な三日月型の斬撃が放たれた。
「パパッ!?」
その斬撃は雷を切り裂き、バラバラになった雷は周囲に降り注いだ。結果、蛇龍や刃魚が雷撃を受けて消し炭となってしまう。
「後は、お前だけだな」
「パパツボッ!」
水月を放って刃が砕けてしまった刀を放り捨て、ブレンは槍を召喚して構える。
「来いよクソジジイ、テメェの長ぇ人生に終止符つけてやる」
「ボバババッ!!!」
パラドラナが腕を巨大化させ、さらにその大きくなった手に炎の剣を作りだす。巨大な剣だ。
「バババボォッパァ!!!」
炎の巨剣がブレンへと振り下ろされる。
「貫け、グングニル!」
そしてブレンは、その槍をパラドラナ目掛けて力強く投擲した。
剣と槍が激突し、その衝撃が周囲の物を吹き飛ばす。
そして、
「パガッ!?」
炎の巨剣はグングニルによって貫かれた。
「これで終わりだ」
ブレンは槍を念力で押し込み、パラドラナの胸に突き刺した。
槍は奴の体を貫通し、パラドラナの身体に風穴が空いた。
「─パ・・・パポッブ──」
パラドラナは血を噴き出してドサリと倒れた。
バトルロイヤル ブレンVSパラドラナ
激戦の末ブレンの勝利
残り3人
「今回も中々盛り上がってるな。視聴者も満足だろう」
「そうだな・・・優勝候補は殆んど奴に殺られたようだが」
「優勝候補に限らないぞ。今回の参加者の内、半分は奴が殺ってる。奴の能力は雑魚狩りにも格上相手にも使えるからな」
彼等が見ていたのは奴がバトルロイヤル中盤で起こした大虐殺の映像だった。
黒い狼や巨大なムカデなど、様々な種類の怪獣が参加者達に群がり、殺している。そして一人、怪獣の上に偉そうに座っている老いた男性がいた。
奴はパラドラナ。今回のバトルロイヤル優勝候補であり、世界中で指名手配されている狂人だ。
「うるせぇ黙ってろ。お前はまだ出なくていい」
独り言を呟きながら、優勝候補者であるブレンは歩いていた。残り人数も少ない。つまり残っているのは猛者ばかり。油断はできない。すると、
「───」
「ん?」
隣にある建物から何か声が聞こえてきた。
「・・・誰か隠れてんのか?」
ブレンは建物に侵入する。
三階まで上がり歩いていると、
「あ─ぞ─ぃ─」
やはり声がする。
そして声のした壁の裏を覗き込むと、
そこに居たのは猿のような怪物だった。
「ザバッ!バゾバイッ!ボギャブッ!」
猿の怪物は訳の分からぬことを叫ぶ散らす。それを見てブレンは冷静に刀を召喚した。
「・・・お前参加者には見えな──」
「バババブバッ!!」
次の瞬間、建物の最上部からバキリと大きな音がした。
「ちっ!」
ブレンは直感で何が起こっているのか理解し、急いで盾を召喚して上向きに構えた。
そしてブレンの予想通り、建物を切り裂く程の威力を持った斬撃が、幾つも上空から降り注いだ。
しばらくして、斬撃の雨は止んだ。
「ふぅ・・・驚いたぜ。・・・流石は国際指名手配犯」
ブレンはゆっくりと顔を上げ、 上空にいる人物を見た。
ガリガリに痩せこけた老人。バトルロイヤル優勝候補者、パラドラナ。
「世界中を敵に回してる大魔術師と相対せるとは光栄だね」
「パギャパ」
「・・・そうだった、お前は何千年も生きてるんだったな、現代語を話すわけないか」
こちらの言葉を理解しているのかすら怪しい。ガンギマリの目をしているし。
「まあいいさ。俺の相手に相応しいか確かな?」
ブレンは刀を構えて飛び上がった。そして足元に大剣を召喚し、サーフボードのようにその大剣に乗って立った。
ブレンに飛行能力はないが、本来生物を動かせない念力を上手く使えばこのようにして実質飛行することができる。
しかし、
「パギャァアアッ!!」
パラドラナは空高く舞い上がると、翼を生やして空を飛び始めた。
「おいおいマジかよ・・・」
「ポパラパッペパァ!」
そして大量の怪物達を召喚する。黒い狼、鉄の虫、顔に穴の空いた人形など様々。
「刀もう一本だ!」
ブレンは更に二本目の刀を召喚した。
そして両手に持つと、大量に降ってくる怪物達を高速の斬撃で一匹一匹切り裂いた。
「パベバッ!」
「現代戦士舐めんな!」
ブレンは上昇スピードを上げ、パラドラナに接近する。そして奴に切り掛かったのだが、
「スワパヤペ!」
パラドラナは火球を手に作り出し、ブレンに投げつけた。
「うおっ!?」
ブレンは咄嵯の判断で横に回避した。
火球はそのまま落下し、地面に激突して大爆発した。
「わぉ、えげつない威力だな」
「パパポデキャ!」
ニタニタ笑いながらパラドラナは何か言っている。恐らくだが、何か煽っている。
「調子乗ってんなジジイ」
ブレンの手に長い鎖が召喚される。先端には分銅が付いていた。
「パポッ!?」
ブレンが鎖を放つと、狙い通りにパラドラナに絡まった。
「せーーのっ!」
そして鎖を地面に向けて振り下ろす。その先で鎖に引っ付いているパラドラナは、当然地面に叩き付けられた。
「パジャァッ!!!」
コンクリートが砕け、小さなクレーターができる。
が、パラドラナはすぐに起き上がり、ブレンに向かって手をかざす。すると手から炎の塊が現れた。
「パバビャャャ!!」
パラドラナが炎塊を放つ。
ブレンは接近する炎塊に刀の一本をぶん投げた。
刀は炎塊に突き刺さり、爆発して爆炎が広がる。
「ギャパワワッ!」
パラドラナは広がった爆炎に向かって魔法で作った無数の針を放った。
すると、爆炎の中から大きな盾を構えて針を防いだブレンが出てきた。
「ビザピッ!」
ブレンは盾を消すと、一気に距離を詰めてパラドラナを斬り付けた。
「ベゼカパッチェ!!」
「ちっ!浅い!」
切れはしたが、胸を浅く切っただけだ。
「キャパポッギャ!」
パラドラナは両腕を巨大化させ、手を叩くようにしてブレンを押し潰そうとした。が、刀を突っ返させることで逆にパラドラナの手に刀を突き刺す。
「パガバボッ!」
「剣!」
ブレンは大剣を召喚し振り下ろした。
しかし、
「バザシャボパバッ!!」
パラドラナは口から光線を放ち、ブレンの大剣を溶かした。
「ちぃ!気色悪い!」
ブレンは後ろに飛び退く。
「ペギャピィィイッ!」
パラドラナは巨大化した手でブレンを殴った。ブレンは腕をクロスしてガードしたが、防ぎ切れず吹っ飛ばされる。
「うぐっ!!」
建物の壁に激突する。
「いてぇなぁ・・・!」
「ラパピゲッタペォポッ!!」
パラドラナは浮かんで高速で動き出し、ブレンに接近した。
「パパペパァッ!」
パラドラナの体が隕石のように燃え始めるが、奴は構わずブレンへ向かって突撃した。
ブレンは咄嵯に盾を召喚する。
砲弾のようになったパラドラナがブレンの盾に激突する。
そしてその衝撃で建物が倒壊し、辺り一面を土煙が覆った。
しばらくして、土煙の中から一部鎧の欠けたブレンが出てきた。
「ふぅ、流石にヒヤッと来た」
ブレンは盾を消して刀を構える。
「まだ生きてるだろ?」
その問いに答えるようにパラドラナが現れる。しかも煙の中で召喚魔法を使用したようで、4匹の魚が奴の周囲を舞っていた。しかも魚には刃が生えている。
「パポパベレドッ」
ニヤニヤしながらまた何か言っている。
「・・・何言ってんのかは分からねぇが、楽しそうで何よりだ」
ブレンの鎧の隙間から黒い霧のような物が少し立ち上る。武器を召喚する際に出てくる黒霧と同じ物だ。
「俺も楽しませて貰う」
ブレンが地を蹴った。
そして次の瞬間、
「ビビガポポッ!!」
パラドラナの肩から血が噴き出した。
ブレンが目にも止まらぬ速度で切りつけたのだ。
「・・・やっぱ現代語喋れやお前」
「パパドゴボッ!」
パラドラナの刃魚達がブレンに向かって飛んでいく。
ブレンはその鋭利な刃魚達の体当たりを刀で弾き返すが、刃魚は絶えずブレンに突撃し続ける。
ブレンが飛び退いてパラドラナから距離を取っても刃魚は追い掛けてきて体当たりをし続けてくる。
「鬱陶しいな」
「ポババポッ!」
すると、奥にいたパラドラナが手をパンッと叩いた。
すると、ブレンが立っていた地面が突如盛り上がった。
「うおっ!?」
ブレンは咄嵯にジャンプするが、地面から出て来た何かに天高く打ち上げられる。
「くっ!」
「パパボビブカギャッ!」
地面を割って出てきたのは、龍のような蛇のような見た目で、不気味な目をした怪物だった。
「何だこいつ!」
「ギャガァァァァアア!!!」
蛇龍が大声で鳴き、その巨体でブレンに体当たりを仕掛ける。
「ぐあっ!!」
ブレンは刀で防御するも、あまりの威力に地面に叩き付けられた。
「痛ぇなこの蛇野郎!」
ブレンは立ち上がると同時に刃魚達が斬り掛かって来た。
「ちっ!」
舌打ちをしながら刃魚の攻撃を受け流し、その内の一匹を切り殺す。だが間髪入れず蛇龍が地面にいるブレン目掛けて頭突きを喰らわそうとする。
「おいおいマジかよ!」
ブレンは横に転がることでギリギリ回避する。
「邪魔だ!!」
ブレンは立ち上がりながら大蛇の頭を蹴った。
「ギャインッ!」
ブレンのあり得ない程の膂力で蹴られ、蛇龍が少し飛んだ。そしてブレンは素早く振り返り、接近していた刃魚をまた切り捌く。
「あと二匹!」
「パジェクコモポロッ!」
パラドラナは空中に浮かび上がって両手を上に掲げた。
すると、空に暗雲が立ち込め、雷が鳴り始めた。
「雷撃か」
刃魚の突撃と蛇龍のタックル、そして空から降ってくる雷がブレンを襲った。
「ちっ!面倒だ!」
ブレンは刀を横に構えた。すると、刀身に刻まれた文字が青白く光り出す。
「水月!!」
ブレンが刀を振った直後、巨大な三日月型の斬撃が放たれた。
「パパッ!?」
その斬撃は雷を切り裂き、バラバラになった雷は周囲に降り注いだ。結果、蛇龍や刃魚が雷撃を受けて消し炭となってしまう。
「後は、お前だけだな」
「パパツボッ!」
水月を放って刃が砕けてしまった刀を放り捨て、ブレンは槍を召喚して構える。
「来いよクソジジイ、テメェの長ぇ人生に終止符つけてやる」
「ボバババッ!!!」
パラドラナが腕を巨大化させ、さらにその大きくなった手に炎の剣を作りだす。巨大な剣だ。
「バババボォッパァ!!!」
炎の巨剣がブレンへと振り下ろされる。
「貫け、グングニル!」
そしてブレンは、その槍をパラドラナ目掛けて力強く投擲した。
剣と槍が激突し、その衝撃が周囲の物を吹き飛ばす。
そして、
「パガッ!?」
炎の巨剣はグングニルによって貫かれた。
「これで終わりだ」
ブレンは槍を念力で押し込み、パラドラナの胸に突き刺した。
槍は奴の体を貫通し、パラドラナの身体に風穴が空いた。
「─パ・・・パポッブ──」
パラドラナは血を噴き出してドサリと倒れた。
バトルロイヤル ブレンVSパラドラナ
激戦の末ブレンの勝利
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