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始まりはただのナンパだった。
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チカさんは女の子に対しては基本クズなわけです……。
何故かと言うと、普通のサラリーマンは一回どっかで顔を見かけただけの他人に声を掛けて、一緒に飯を食ったりしないワケ! やだ。またやっちゃったナンパ! だってナンパするとだいたい友だちになれるじゃん? 俺友達増えるの好きだもん。違う? そう思うの俺だけ?
ああ、店の奥から鉄ちゃんがじとーっと俺を見てる。
あの目は『俺の店汚しやがったら許さねえ』という目だ。
安心しろよ。俺はまことの禁欲お兄さんになったの。
真っ昼間から初対面の女子を口説いて、彼女がのちのセフレである……みたいな展開にはしません。
「りんごに乗せて食べたら美味しいですね……」
俺の目の前に腰掛けた女の子が、アイスをすくい、ぎくしゃくした表情で言った。
黒目がちの目にサラサラの黒い髪、真っ白な肌。すごく地味にしてるけど掛け値なく美人さんである。
俺のナンパに乗ってくるくらいだから遊んでるのかな? と思ったけどそうでもないみたいで新鮮だ。緊張してるのか、スプーンをプルプル震わせてて、気弱なうさぎの子みたいな感じがする。
俺はつくづくと、過去に一度だけ見かけたことのある『りっちゃん』を見つめた。
こんなおとなしそうな女の子が、『あの』間宮くんとなんの関係があったんだろう?
なにか言われて、泣きながら飛び出していった、ってことは、間宮くんになにか言われたんだろうなぁ……。
間宮くんっていうのは、外資金融の超大手に勤めるエリート君で、最近その名刺を武器に、俺の交友関係の一部に食い込んできた肉食獣である。
どうも、成り上がり願望強いみたいなんだよね。
そういう人はきらいじゃないんだけど……女を使うことを第一手段にしちゃってるのがちょっとね。目障り。
まあ、目障りだからって何をする気もないけどさ、しょせん他人の人生だし……。
で、まあ、俺が友達と飯食いに入ったレストランで、その間宮くんが、目の前のりっちゃんを泣かせていたのだ。
りっちゃんは泣きながら椅子を倒して走り去っていった。
今でもあの光景が妙に目に焼き付いてるんだよね。
りっちゃんが美人だったからというのと、間宮くんが泣かせてた、っていう二重の理由で、だと思うけど。
「はい、りっちゃん、もう一回クマのツボ押してご覧」
俺は、今にも消え入りそうなりっちゃんに明るく声を掛けた。
この子がこんなに元気ないのは間宮くんのせいなのかな?
ま、俺には関係ないけどさ……綺麗な女子がげっそりうつろな目をしてるのをほっとけないんだよね。
美容が趣味だからかね。
さすが元オカマだよね。
「はい……」
鈴を振るような小さい声で返事をして、りっちゃんが素直に目の下を押した。
おとなしやかな仕草が非常にお上品だ。
ますます良くわからん。
こんな子がナンパに乗ってくるなんて……世界は広いな。神様可愛いお友達をくれてありがとう。
俺はアップルパイを頬張って、あらためて「りっちゃん」を見つめた。
あーあ。それにしても、マジでもったいない。
本来はピチピチなのであろうお肌が荒れている。明らかに何も手入れしてないからだと思われる。
放置してたらせっかくのもち肌がシミになりかねない。
チカちゃんお気に入りの美容液を三回に分けてたっぷり塗り込めた後、毛穴が全部引き締まるまで美白パックをしてあげたい……。
あと、「りっちゃん」は、化粧でチョイスしてる色もヘンだ。なんで緑のアイラインを引いてんの? アイシャドウはブラウン系なのに何故?
そして、そこに淡いローズピンクのチークをいれてみた理由は何? 左右でチークの位置が違うよ?
あと髪の毛、せっかくサラサラ真っ直ぐなのに、右だけちょっと寝ぐせが……嗚呼、頼む、俺にやらせろ、いやセックスじゃなくていわゆるメイクアップというやつをだ!
「あの……」
じーっと自分を見つめている俺の視線に気づいたのか、りっちゃんが怯えたように俺に声をかけてきた。
「アップルパイ食べないの? 熱々のウチが美味しいよ」
俺は、笑顔で話をそらした。女の子の顔に美容液を塗り込める趣味が異常なのは、俺自身も認めているからだ。
りっちゃんが素直に慌てて、素直にアップルパイを口に押し込んだ。
「美味しい?」
「もご」
これまた素直に答えようとしたりっちゃんが、口いっぱいに頬張ったアップルパイに目を白黒させる。
可愛いなー。
何でこんなに可愛いんだろう。
素直な美人さんってなんかキュンと来るわぁ……。
え?
キュン……?
いやいや、だからそういう汚れた触手を出すんじゃねえよ俺。
俺は禁欲お兄さんになったんだろうが。いいかげんにしろよ。
「どうしたの?」
俺のことを警戒の眼差しでじっと見ているりっちゃんに微笑みかけると、不意にぽっと赤くなった。
やだ! 可愛いっ……。
なんか、子猫とか子犬が可愛いのと同じかんじで可愛い!
りっちゃんは、きっと真面目で素直な優等生なんだろうな。
多少勉強ができても根っこがクズい俺と逆で面白い。
彼女は普段、友達とか彼氏にはどんな顔を見せるんだろうなぁ……。もう少し明るかったり積極的だったりするのかな。
「あ、あの、美味しいです、アイスもアップルパイも全部おいし……けほけほ」
必死にアップルパイを押し込んでいたりっちゃんが、律儀に感想を教えてくれ、挙句に咳き込んだ。
「ゆっくりお食べ」
俺はそう言って、あらためてりっちゃんを『かわいいなぁ』と思って眺めた。だって可愛くね? 化粧変だけど。
あ、そうだ。
りっちゃん可愛いから、次回のデートのお誘いしよ。
このように俺というクズは、女の子を誘うハードルが異常に低いのである。
人間何かの精神的ハードルが異常に低い奴は、おしなべてどうかしてるのだが、俺の場合は……いや、落ち込むからよそう……。
俺はカフェの名刺を一枚取り、そこに普段使いのメールアドレスを書き込んだ。
「はい」
「え……?」
りっちゃんが再びびくりとして、おそるおそる俺のメルアドを受け取った。
「またお茶しよ。よかったら連絡して」
だーかーらー! この女口説くとき用の笑顔はもう永遠に葬ろうよ、俺!
「……れんらく……はい……今度……」
釈然としない顔でりっちゃんがつぶやき、逡巡の後、かばんに名刺をしまってくれた。
おお、その辺において帰られなくって良かった。
これで縁あれば、また俺とりっちゃんはめでたくお茶出来るであろう。
何故かと言うと、普通のサラリーマンは一回どっかで顔を見かけただけの他人に声を掛けて、一緒に飯を食ったりしないワケ! やだ。またやっちゃったナンパ! だってナンパするとだいたい友だちになれるじゃん? 俺友達増えるの好きだもん。違う? そう思うの俺だけ?
ああ、店の奥から鉄ちゃんがじとーっと俺を見てる。
あの目は『俺の店汚しやがったら許さねえ』という目だ。
安心しろよ。俺はまことの禁欲お兄さんになったの。
真っ昼間から初対面の女子を口説いて、彼女がのちのセフレである……みたいな展開にはしません。
「りんごに乗せて食べたら美味しいですね……」
俺の目の前に腰掛けた女の子が、アイスをすくい、ぎくしゃくした表情で言った。
黒目がちの目にサラサラの黒い髪、真っ白な肌。すごく地味にしてるけど掛け値なく美人さんである。
俺のナンパに乗ってくるくらいだから遊んでるのかな? と思ったけどそうでもないみたいで新鮮だ。緊張してるのか、スプーンをプルプル震わせてて、気弱なうさぎの子みたいな感じがする。
俺はつくづくと、過去に一度だけ見かけたことのある『りっちゃん』を見つめた。
こんなおとなしそうな女の子が、『あの』間宮くんとなんの関係があったんだろう?
なにか言われて、泣きながら飛び出していった、ってことは、間宮くんになにか言われたんだろうなぁ……。
間宮くんっていうのは、外資金融の超大手に勤めるエリート君で、最近その名刺を武器に、俺の交友関係の一部に食い込んできた肉食獣である。
どうも、成り上がり願望強いみたいなんだよね。
そういう人はきらいじゃないんだけど……女を使うことを第一手段にしちゃってるのがちょっとね。目障り。
まあ、目障りだからって何をする気もないけどさ、しょせん他人の人生だし……。
で、まあ、俺が友達と飯食いに入ったレストランで、その間宮くんが、目の前のりっちゃんを泣かせていたのだ。
りっちゃんは泣きながら椅子を倒して走り去っていった。
今でもあの光景が妙に目に焼き付いてるんだよね。
りっちゃんが美人だったからというのと、間宮くんが泣かせてた、っていう二重の理由で、だと思うけど。
「はい、りっちゃん、もう一回クマのツボ押してご覧」
俺は、今にも消え入りそうなりっちゃんに明るく声を掛けた。
この子がこんなに元気ないのは間宮くんのせいなのかな?
ま、俺には関係ないけどさ……綺麗な女子がげっそりうつろな目をしてるのをほっとけないんだよね。
美容が趣味だからかね。
さすが元オカマだよね。
「はい……」
鈴を振るような小さい声で返事をして、りっちゃんが素直に目の下を押した。
おとなしやかな仕草が非常にお上品だ。
ますます良くわからん。
こんな子がナンパに乗ってくるなんて……世界は広いな。神様可愛いお友達をくれてありがとう。
俺はアップルパイを頬張って、あらためて「りっちゃん」を見つめた。
あーあ。それにしても、マジでもったいない。
本来はピチピチなのであろうお肌が荒れている。明らかに何も手入れしてないからだと思われる。
放置してたらせっかくのもち肌がシミになりかねない。
チカちゃんお気に入りの美容液を三回に分けてたっぷり塗り込めた後、毛穴が全部引き締まるまで美白パックをしてあげたい……。
あと、「りっちゃん」は、化粧でチョイスしてる色もヘンだ。なんで緑のアイラインを引いてんの? アイシャドウはブラウン系なのに何故?
そして、そこに淡いローズピンクのチークをいれてみた理由は何? 左右でチークの位置が違うよ?
あと髪の毛、せっかくサラサラ真っ直ぐなのに、右だけちょっと寝ぐせが……嗚呼、頼む、俺にやらせろ、いやセックスじゃなくていわゆるメイクアップというやつをだ!
「あの……」
じーっと自分を見つめている俺の視線に気づいたのか、りっちゃんが怯えたように俺に声をかけてきた。
「アップルパイ食べないの? 熱々のウチが美味しいよ」
俺は、笑顔で話をそらした。女の子の顔に美容液を塗り込める趣味が異常なのは、俺自身も認めているからだ。
りっちゃんが素直に慌てて、素直にアップルパイを口に押し込んだ。
「美味しい?」
「もご」
これまた素直に答えようとしたりっちゃんが、口いっぱいに頬張ったアップルパイに目を白黒させる。
可愛いなー。
何でこんなに可愛いんだろう。
素直な美人さんってなんかキュンと来るわぁ……。
え?
キュン……?
いやいや、だからそういう汚れた触手を出すんじゃねえよ俺。
俺は禁欲お兄さんになったんだろうが。いいかげんにしろよ。
「どうしたの?」
俺のことを警戒の眼差しでじっと見ているりっちゃんに微笑みかけると、不意にぽっと赤くなった。
やだ! 可愛いっ……。
なんか、子猫とか子犬が可愛いのと同じかんじで可愛い!
りっちゃんは、きっと真面目で素直な優等生なんだろうな。
多少勉強ができても根っこがクズい俺と逆で面白い。
彼女は普段、友達とか彼氏にはどんな顔を見せるんだろうなぁ……。もう少し明るかったり積極的だったりするのかな。
「あ、あの、美味しいです、アイスもアップルパイも全部おいし……けほけほ」
必死にアップルパイを押し込んでいたりっちゃんが、律儀に感想を教えてくれ、挙句に咳き込んだ。
「ゆっくりお食べ」
俺はそう言って、あらためてりっちゃんを『かわいいなぁ』と思って眺めた。だって可愛くね? 化粧変だけど。
あ、そうだ。
りっちゃん可愛いから、次回のデートのお誘いしよ。
このように俺というクズは、女の子を誘うハードルが異常に低いのである。
人間何かの精神的ハードルが異常に低い奴は、おしなべてどうかしてるのだが、俺の場合は……いや、落ち込むからよそう……。
俺はカフェの名刺を一枚取り、そこに普段使いのメールアドレスを書き込んだ。
「はい」
「え……?」
りっちゃんが再びびくりとして、おそるおそる俺のメルアドを受け取った。
「またお茶しよ。よかったら連絡して」
だーかーらー! この女口説くとき用の笑顔はもう永遠に葬ろうよ、俺!
「……れんらく……はい……今度……」
釈然としない顔でりっちゃんがつぶやき、逡巡の後、かばんに名刺をしまってくれた。
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