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13話 そうかこんなこともあるんだ
しおりを挟む「わたし分かんないんだけどさぁー、さっきのマリーツィアって子のあれって魔法?どーなのコル?」
「うーん。魔法で糸か何かを作ってたのかな?操り人形って言ってたくらいだから」
「糸とは違うと思うぜ?罠系の魔法に何かを合わせたとかそういう所と思うぜ?相手の行動が止まったあとに詠唱してたからな」
3人は試合に向う途中クイエートの試合を振り返っていた
するとどこから現れたのかアルの横にはマリーツィアがいた。
「うん!君なら気がつくと思っていたよ、アルディートくん!それ正解だよ?あれは私の操作魔法と罠魔法の組み合わせ!安心して!よっぽど相手が油断しとかないとあんなに上手くはいかないよ♪」
!!!!!
「お前っマリーツィア!いつの間に!それにそんなの敵に教えてもいいのかよ??」
「いや普通にさっきからいたしっ♪そんな化け物みたいにあつかわないで?アルディートくん…あっ!それに少しでも警戒してたら精神操作なんてムリムリ!初見殺しの掛けみたいなものよ♪」
「そんなものなのか?おれたちから見たら初めてみる戦い方だから圧倒されたよ、まぁ初戦突破おめでとう!俺らの試合もみててくれよなマリーツィア!」
「ええ!見てるわ…ずっと、アルディートくん、」
試合へとむかう3人をみてマリーツィアは
「ふぅーん、やっぱりアルディートくん…いいね…気に入っちゃった♡」
とつぶやき控え室へと歩いていった。
そして闘技場中央ではついに
「さぁー衝撃的な1試合が終わり皆さんの興奮はまだ冷めきってはないでしょうが、次の試合も盛り上がっていきましょーう!第2試合、ラヴォラーレ【B】対ナトゥーラ、試合開始!!」
「よしっコル、おれはとりあえずワーグナーを倒しにいくぜ!!」
コルはアルの襟をつかむ
「だーめ!さっきのマリーツィアみたいに罠とかはられてたらどうすんの?とりあえず僕が相手をゆさぶってみるよ!ハーメルンの魔笛も使ってみたかったし」
「ええそうね、とりあえずアル!相手はまず音で厄介なコルを狙ってくるはずよ!私とアルが前衛でいきましょ!」
たしかハーメルンは、燃えるような曲が好きって言ってたよな、だから火属性に魔力も全振りしてるって。ふふっハーメルンっぽいや…
「それじゃいくよハーメルン!【ファイヤードール・タンゴ】♪」
コルが演奏を始めると魔笛から炎が出てきて無数の火の人形がラヴォラーレの3人を囲む
「ふっ派手な魔法を、水魔法【ウォーターロック】わたしがこの火の人形たちを止める、ワーグナーはあの魔笛つかい本体を狙え!ホルストもワーグナーの援護を!」
「はいマーラーさま!いくぞホルスト、【剣技 火 火柱】」
ワーグナーの火柱が真っ直ぐコルに向かっていく
「そーはさせねぇぜ!赤髪つんつん頭!!【水龍濁破】そんな火喰っちまえ!」
あるが剣をふると水が龍のようになり火柱を飲み込みワーグナーへと向かっていく
「おい…この田舎もんどもバケもんだろ…ホルスト!!頼む」
「おうー!!ふぅーーーーん!」
ホルストがワーグナーの前に立つと闘技場の地面のブロックを剥ぎ壁を作る
「おいまぢかよ、あのおっさん顔のやつ、どんな筋肉してんだよ…捕まったらこりゃ一撃だな、きをつけろよセラピア!」
「ええ、あの壁ぶち抜くわ!風の精霊よお願い【ゲイルブレイクショット】!!」
ドカーーーーン!!!
ブロックの壁はバラバラに崩れ宙に舞った
「おまけよー!【瓦礫の突風】!!」
宙に舞った瓦礫がホルストに勢いよく降り注ぐ
「ぐぅわぁーーー!!」
「ホルストー!くっ…ワーグナー、ホルストをかばって後ろに下がれ!」
「でもマーラーさま!火の人形を相手だけでも…」
「いいから私の後ろに下がれ!!」
「はっはい!」
「ここまで強いとは予想外でしたよ、ナトゥーラの3人…私の最大の魔法で決着としましょう。出てこい!サラマンダー!!」
「へっ?サラマンダー?コル、アル!!ヤバッ、ヤバいヤバイよー!?」
「どっどーしたんだセラピア?」
「サラマンダーって火の上級精霊だよ?なんであいつあんなのもってんの?コル!逃げてー!!」
「大丈夫だよ!セラピア、ハーメルンのほうが熱い男に決まってる!」
「いやいや無理だよー、ハーメルンは人間でしょ?サラマンダーは精霊獣だよ?魔力が違いすぎるよ!」
「セラピア?何百年も誰かを封印のなかで待つなんて普通の人間ではできないよ…それだけハーメルンの気持ちと魔力は強い!!」
「もうー!やるなら絶対に勝ってよね!」
「早めに降参したほうが身のためですよ?手加減はしますが、いまの生活を保証することはできませんよ?コルテーゼくん!」
「手加減なんて不要だよ!全力でこい!!」
「大した男だ…では全力でいかせてもらう!【精霊魔法 豪火の息吹】!!」
サラマンダーから大火力の火の玉が吐き出される
「すごいよ!マーラーさん全力できてくれてありがとう!いくよハーメルン【灼熱の円舞曲】」
コルの周辺が赤く光りその範囲は徐々に広がってサラマンダーの炎はかき消されていった。
そしてマーラーの髪が少し焼けた所でその光は止まった。
「まいったよ…私の完敗だっ。
キングゴブリンを討伐したってのはハッタリじゃなかったんだね。納得したよ…」
マーラーは両手をあげロイヤーの方を見た。
ロイヤーはゆっくりと席をたつ
「後悔はないのか?マーラー」
無言でうなずくマーラーをみて
「勝者!ナトゥーラ!よって決勝はクイエート対ナトゥーラとする!」
ワァーーーー!!!
さきほどまで、試合の緊張感で静かだった闘技場にすごい歓声が上がった!
「なおステージの損傷が激しいため管理部での補修作業をおこなう!少しの間休息をとり、昼から決勝戦を行う、以上!!」
ロイヤーが奥にさがろうとしたとき
マリーツィアが闘技場に飛び込んできた!
「隊長ー!!決勝のはなしなんですがぁー………わたしたちしませーーーん!」
「なんだと?」
「えっとーちなみになんですけどー、ここで私が棄権したら私は不合格なんですか?対戦相手がいなくなったナトゥーラも実質一回しか戦ってないので…公平に判断できますよね?♪こうへいに」
「いやだが…」
「だってーわたし、アルディートくんと戦いたくないんです…その…恋しちゃったんです!」
「なっ!マリーツィアおまえっ!」
アルは顔を真っ赤にさせながらおどおどしている
「あっ照れてるアルディートくんもかわいい♡」
「いや俺はお前らと戦ってみたいんだ…棄権なんてするな…」
「いや恋ってのもあるんだけどね……隊長、本当の話しをしたら、私以外の2人はこの3人には手も出ません、そしてわたしは、罠魔法や精神操作…ナトゥーラの3人は警戒していて作戦の幅がきかない状態じゃとてもフェアじゃないと思います!それでも戦えっていうんですか?一方的になりますよ?」
「うむ……それもそうだな、それならクイエートは棄権ってことでいいんだな?すくなくとも合格の審査にはひびくぞ?」
「はい!それでもわたしの事は欲しいというと思いますよ隊長は♡」
「アハハッえらい自信だな!それでは午後から会議の結果が出次第、合格者発表とする!」
会場からはため息やブーイングが聞こえる。
「皆許してあげてほしい!騎士団には相手の力量や自分達の状況を冷静に判断する能力も必要とされる、マリーツィアの意見に少なくともわたしは反論出来なかった…よって決勝はクイエート棄権によりナトゥーラの優勝とする!」
少しの歓声、まばらな拍手、大きなため息、多少のブーイングとなんとも言えない空気のまま騎士団学校の入学試験トーナメントは幕を閉じた。
アルはポカーンとしたまま
そうか…こんなこともあるのか
と複雑な気持でいるのだった。
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