17 / 28
第十七話 三人目の仲間
しおりを挟む
僕は、王妃の側近から、支度金、金貨100枚を貰い、城を出た。
成功報酬の金貨1000枚を先に渡してもらえば、最強スキルを駆使して容易に片が付く気はするのだが──どこの馬の骨ともわからない勇者に報酬を先払いする程、この異世界は甘くない。
──とはいうものの、もともと魔王は倒す予定だ。それが前倒しになっただけのこと。そのおかげで金貨100枚をつかむことが出来たのだ。ありがたく思うしかない。
一応、今回の支度金のおかげで資金に余裕ができたので、金貨を10枚消費し、キャラを作成することにする。
[
名前:サード
性別:女性
髪型:ショートツインテール(金)
声のタイプ:機械音声
性格:好戦的・陽気
戦闘タイプ:近接戦闘
]
作成したのは、今回も少女風のメイドだ。これで、メイド三姉妹が完成した。三人ともメイドにしたことについては特に意味はない。僕の趣味についてとやかく言われる筋合いはないからね。
ただ、残念なのは、今回も胸の大きさはAカップ以上に設定することができなかったことだ。これだけは、本当に悔しい。
それにしても、この世界のすべての胸、更には、異世界スマホのキャラ設定にまで干渉してくる魔王とは、いったいどんな存在なのだろうか。
わかっているのは、魔王の名前はギリメカーラ。物理攻撃を反射し、さらに魔法攻撃が弱点ながらも特別な装備をしていて効果が薄いということぐらいだ。
「どうやってこんな奴を倒せばいいんだ!」
──と、最初は思ったが、物理でも魔法でもない腐食系装備破壊スキル(レベル5スキル相当)が僕にはある。これで防具を破壊してしまえばいいだけの話だった。
そして、軍資金さえあれば、スマホ勇者の突出した唯一の能力【課金スキル】を料金分だけ使用できる。いくら魔王でも、備えを失った状態からの課金による連続魔法攻撃には、耐えられない筈だ──と、僕は思う。
だが、一つ問題がある。それは、スマホ勇者レベル3という状況だ。
相手は魔王、一筋縄ではいかないのは至極当然。それに対してスマホ勇者レベル3──衛兵に毛が生えた程度で特に強いといったところはない。魔王ほどの存在の一撃を食らえば、一瞬で消し飛ぶだろう。
勝ち筋があるなら先手必勝。相手に本気を出させずに、勝つ! これしかない!
──と、早速三体目の仲間を召喚する。
キャラをタップすると、スマホから3Dホログラムのような映像が出現、実体化した。
「ご召喚ありがとうですマスター。私はサード、なんでも言ってくれていいんだからねっ!」
ちょっとツンデレっぽい感じのするかわいいメイドだ。ツンデレ属性は入れてないのだが、これはこれで良しとしよう。
ついでにファーストとセカンドも召喚する。ファーストは、既に再生されているので、召喚可能だ。
「ご召喚いただきありがとうございますマスター。この度は、相手の罠にはまるという失態を犯してしまい、申し訳ございませんでした。今後、より一層の注意を払う所存です」
「ご召喚いただきありがとうございますマスター。目的は達成されたのですね……無事でなによりです」
「これで……3人か……」
「ファースト姉さん、セカンド姉さん、初めまして! 私サード! よろしく!」
サードの挨拶が元気よく響く。
「ふむ、挨拶がまだだったな。私はファースト。よろしく頼む」
「私はセカンド。よろしくお願いします」
三人の挨拶が終わった。問題ないようなので、本題にはいる。
「皆、これから僕は、魔王討伐に行く。何か質問は?」
「ライト様、このレベルだと少々厳しい気もするのですが」
と、不安そうな様子を見せるファースト。
「魔王のデータをください。勝つ可能性を割り出します」
と、目を輝かせて情報を欲しがるセカンド。
「少ないレベルで魔王を倒すって……なんだかわくわくするなぁ」
と、輝く視線を投げかけるサード。
セカンドが情報を欲しているので、ひとまず知っている情報と僕の考えた作戦を伝える。すると、セカンドが真剣な顔で意見を出した。
「魔王だけならいいのですが……魔王軍をどうにかしなければなりませんね。スマホ爆弾を量産して、陽動するのはどうでしょうか」
魔王軍──魔王以外の脅威を忘れるところだった。
冷静に考えてみれば、魔王軍と遭遇せずに魔王のところへたどり着くのは困難だ。そう簡単に魔王のところまで行ければ、苦労はしない。このところ、動きも活発化してきているようだし──ちょちょっと暗殺といった具合にことを進められると思ったが、どうやらそれは、あきらめた方がよさそうだ。
「じゃあ、スマホ爆弾はある程度量産しよう。他に質問は?」
「それでいいと思います」
「難しいことはわからないからねー。私もそれでいいや」
ファーストとサードは承諾したようだ。
一応話はまとまった。出発は明朝。僕は、爆弾用のスマホを20個を目標に複製を開始。その後、各々町で装備を整え、明日に備えた。
成功報酬の金貨1000枚を先に渡してもらえば、最強スキルを駆使して容易に片が付く気はするのだが──どこの馬の骨ともわからない勇者に報酬を先払いする程、この異世界は甘くない。
──とはいうものの、もともと魔王は倒す予定だ。それが前倒しになっただけのこと。そのおかげで金貨100枚をつかむことが出来たのだ。ありがたく思うしかない。
一応、今回の支度金のおかげで資金に余裕ができたので、金貨を10枚消費し、キャラを作成することにする。
[
名前:サード
性別:女性
髪型:ショートツインテール(金)
声のタイプ:機械音声
性格:好戦的・陽気
戦闘タイプ:近接戦闘
]
作成したのは、今回も少女風のメイドだ。これで、メイド三姉妹が完成した。三人ともメイドにしたことについては特に意味はない。僕の趣味についてとやかく言われる筋合いはないからね。
ただ、残念なのは、今回も胸の大きさはAカップ以上に設定することができなかったことだ。これだけは、本当に悔しい。
それにしても、この世界のすべての胸、更には、異世界スマホのキャラ設定にまで干渉してくる魔王とは、いったいどんな存在なのだろうか。
わかっているのは、魔王の名前はギリメカーラ。物理攻撃を反射し、さらに魔法攻撃が弱点ながらも特別な装備をしていて効果が薄いということぐらいだ。
「どうやってこんな奴を倒せばいいんだ!」
──と、最初は思ったが、物理でも魔法でもない腐食系装備破壊スキル(レベル5スキル相当)が僕にはある。これで防具を破壊してしまえばいいだけの話だった。
そして、軍資金さえあれば、スマホ勇者の突出した唯一の能力【課金スキル】を料金分だけ使用できる。いくら魔王でも、備えを失った状態からの課金による連続魔法攻撃には、耐えられない筈だ──と、僕は思う。
だが、一つ問題がある。それは、スマホ勇者レベル3という状況だ。
相手は魔王、一筋縄ではいかないのは至極当然。それに対してスマホ勇者レベル3──衛兵に毛が生えた程度で特に強いといったところはない。魔王ほどの存在の一撃を食らえば、一瞬で消し飛ぶだろう。
勝ち筋があるなら先手必勝。相手に本気を出させずに、勝つ! これしかない!
──と、早速三体目の仲間を召喚する。
キャラをタップすると、スマホから3Dホログラムのような映像が出現、実体化した。
「ご召喚ありがとうですマスター。私はサード、なんでも言ってくれていいんだからねっ!」
ちょっとツンデレっぽい感じのするかわいいメイドだ。ツンデレ属性は入れてないのだが、これはこれで良しとしよう。
ついでにファーストとセカンドも召喚する。ファーストは、既に再生されているので、召喚可能だ。
「ご召喚いただきありがとうございますマスター。この度は、相手の罠にはまるという失態を犯してしまい、申し訳ございませんでした。今後、より一層の注意を払う所存です」
「ご召喚いただきありがとうございますマスター。目的は達成されたのですね……無事でなによりです」
「これで……3人か……」
「ファースト姉さん、セカンド姉さん、初めまして! 私サード! よろしく!」
サードの挨拶が元気よく響く。
「ふむ、挨拶がまだだったな。私はファースト。よろしく頼む」
「私はセカンド。よろしくお願いします」
三人の挨拶が終わった。問題ないようなので、本題にはいる。
「皆、これから僕は、魔王討伐に行く。何か質問は?」
「ライト様、このレベルだと少々厳しい気もするのですが」
と、不安そうな様子を見せるファースト。
「魔王のデータをください。勝つ可能性を割り出します」
と、目を輝かせて情報を欲しがるセカンド。
「少ないレベルで魔王を倒すって……なんだかわくわくするなぁ」
と、輝く視線を投げかけるサード。
セカンドが情報を欲しているので、ひとまず知っている情報と僕の考えた作戦を伝える。すると、セカンドが真剣な顔で意見を出した。
「魔王だけならいいのですが……魔王軍をどうにかしなければなりませんね。スマホ爆弾を量産して、陽動するのはどうでしょうか」
魔王軍──魔王以外の脅威を忘れるところだった。
冷静に考えてみれば、魔王軍と遭遇せずに魔王のところへたどり着くのは困難だ。そう簡単に魔王のところまで行ければ、苦労はしない。このところ、動きも活発化してきているようだし──ちょちょっと暗殺といった具合にことを進められると思ったが、どうやらそれは、あきらめた方がよさそうだ。
「じゃあ、スマホ爆弾はある程度量産しよう。他に質問は?」
「それでいいと思います」
「難しいことはわからないからねー。私もそれでいいや」
ファーストとサードは承諾したようだ。
一応話はまとまった。出発は明朝。僕は、爆弾用のスマホを20個を目標に複製を開始。その後、各々町で装備を整え、明日に備えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる