転生魔王はカエルだった勇者を最強にする

マイきぃ

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勇者の復活

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 俺はトラックにひかれ、異世界転生してしまった。そして、女神とやらに転生を告げられ、やってきた転生先は……魔界だった。

 俺は魔族として生まれ、パコパコスキーという名前を付けられた。そして、魔界ですくすく育ち、やがて、魔王軍100万を率いる魔王大将軍の地位を手に入れた。
 そして、前魔王のピコピコビッチ超ヒモ大魔王を倒し、俺は魔族の頂点、大魔王になった。

 だが、その後の生活は、ひどく退屈だった。凍てついた大地、変わらない御馳走、遊ぶものなど、なにもなかった。
 たまに、魔族の子供たちと頭蓋骨を蹴ってサッカーの真似事をするぐらいだった。

 そんな生活をするうちに、どんどん俺の心はやさぐれていった。

「ああ、暇だ」
「どうかなされましたか、大魔王様」

 俺に話しかけてきたのは魔王軍師のオパピエール。俺の大事な片腕だ。

「前魔王のピコピコビッチ超ヒモ大魔王を倒したのはいいが、それ以来、何もすることがない」
「では、サキュバスと戯れるのはいかがでしょうか」

「サキュバスか……だが、やつらは俺の瘴気に当てられると、かってによがり狂ってイッてしまうからな……ヤる前にイかれてはつまらん……」
「そうですか……では、これならどうでしょう。強い人間を育て、魔王VS勇者戦を再現してみるのは……」

 その申し出を聞いた瞬間、なにかがビビっときた。少しだけ、頭の回転が速くなったような気がした。

「ふむ、それは……面白そうだ……。だが、人間はそこまで強くなれるものなのか? 前前魔王のプロパンツガンダ時代に、唯一この城に攻めてきた勇者だった……たしか……なんていった?」
「たしか、名前はタンスドロ・セコビッチだと、記憶にございます」

「そうだった。でも、やつは、魔王のところにたどり着いたのはいいが、MPもやくそうも全て使い果たしてレッドステータスで戦いを挑んだ愚か者だったと言われているぞ」
「はい、それで、やつは前前魔王の逆鱗に触れ、カエルにされてしまいました」

「そうか……ではそいつとはもう戦えないのか」
「いいえ、ご安心ください。そのカエルは冷凍保存にて、保管しております」

「なに! じゃあ、それを解凍してカエル化の魔法を解けば、戦えるわけだな!」
「そうなります」

 魔王軍師のオパピエールは、宝物庫にある冷凍庫から、カエルの入った箱を持ってきた。

「よし、サラマンダー……それを燃やせ。そお~っとだぞ、そお~っと」
「ハ……イ……」

 すると、サラマンダーは、ほのかに暖かな炎を出し、カエルを解凍しはじめた。約30分後、そのカエルは解凍を終え、息を吹き返す。

「ゲロゲロゲーロ」

「よし、オパピエール! 呪いを解け!」
「かしこまりました。【カエルピョコピョコミピョコピョコアワセテピョコピョコムピョコピョコ】」

 オパピエールが魔法を唱えると、カエルはどんどん大きくなり、人間の姿へと変化した。レベル40のステータス、昔の勇者の顔立ち、傷だらけの鎧、目は死んではいないが、ボロボロだった。

 勇者は声を発した。
「お、おまえは……誰だ?」
「俺か……俺は……魔王だ」

「ばかな! 魔王はもっと、最悪な顔だったぞ」
「ふっ、まだ気が付かないのか。お前はその最悪な顔の魔王にカエルにされ、この城の冷凍庫に保管されていたのだよ」

「な……そんなばかな!」
「その証拠に、おまえの手は水かきが付いている」

「!!」

 勇者は手を広げ、自分の手をじっと見つめた。少しづつ回復しつつはあるが、それは、完全にカエルの手だ。

「お……思い出した……俺は、魔王のところまでたどり着いて……何もできなかった」
「ようやく思い出したか」

「しかし……それならなぜ俺を復活させたんだ……殺してしまえば良いものを……」
「それはな……おまえに俺と戦ってほしいのだよ」

「な……無理に決まってるだろ!」
「今すぐとはいわない。5年の猶予を与えてやる。それまでに、限界まで強くなってここへ来い。なんなら、パーティーを連れてきてもかまわん」

「後悔するぞ……」
「ふん……そのぐらいでないとな……。念のためにお前の首に爆弾魔法を仕込んでおく。もし、約束を破ればドカンだ」

俺は、時限の魔法を使った。勇者の首元に爆弾付きのネックレスが埋め込まれる。

「俺は勇者だ。挑戦されたからには、逃げるわけにはいかない」
「念のためだ。じゃあ、おまえを下界へ解き放つ。行け! 次に会う時を楽しみにしているぞ!」

 こうして俺は、勇者を下界に解き放った。
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