転生魔王はカエルだった勇者を最強にする

マイきぃ

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カンストした勇者

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 ──それから一か月が経過した。

 ある日、何者かが俺の魔王城ホイホイへと侵入した。
 すぐに、俺はスキル【キャッスルバインド】のトリモチ効果で侵入者を捕まえた。

 侵入してきたのは、前に下界に解き放ったはずの勇者だった。

「おまえ、戦いに来たのか……いいや、まったく強くなっていない……レベル40のままだぞ」
「いや、実は、話があってきた。町へ戻ったのはいいが、もうすっかり様子が変わっていて……国王にもあったが、まったく知らない国王だった。それと、わたしを勇者と認めるものは、誰もいなかったんだ。これでは、勇者特権を駆使して強い武器をそろえたり、強い仲間を集めることができない」

「なんだと……そうか。もうかれこれ300年前の話だ。お前を知っている人間はほぼ存在しないか……早く気づくべきだった…………よし、わかった。では、策をあたえる」

 勇者を強くするシナリオは簡単に思いついた。

「まず、最初は町を救え。俺の部下が町を襲う、それをお前の最大奥義で蹴散らせ、まずはそこからだ。勇者と認められれば、勇者特権が使える。それで最強の装備や最強の仲間を手に入れろ」
「そんな簡単にお前の部下を殺していいのか?」

「俺の余興のためだ。あいつらは、喜んで死んでくれる」
「そ……そうか……わかった、それでいく」

「それと、おまえにクエストを用意してやる。順番にこなしていけば、必ずレベルアップし強くなる。そして、名声も得られるだろう。勇者、死に物狂いで強くなれ! そして、俺を楽しませろ!」
「わかった。ここまでされては、おれも覚悟を決めるしかないな。必ずお前を倒しに来る! 待っていろ、魔王!」

 その後勇者は、どんどん強くなっていった。
 武器をそろえ、仲間を集め、そして、俺の作ったクエストをクリアしてどんどんレベルアップする。
 俺は、それを見るのが楽しくて仕方がなかった。

「いいそ、もっとだ。もっと強くなれ! もっとスキルを覚えろ! 俺を楽しませろ!」
 まるで、育成ゲームで最強の勇者を育てているような、そんな気分だ。

 ────それから、四年と六か月が過ぎた。もうすぐ約束の一年だ。

 俺は玉座に座り、頬杖をついて、勇者が来るのを楽しみに待っていた。

「大魔王様! ご報告があります」
「どうした! オパピエール!」

「勇者、タンスドロ・セコビッチが死にました」
「な……なんだと……! 誰がった!」

 馬鹿な! あいつが死ぬわけがない! 俺はあいつをものすごく強くしてやった!
 すでにレベル99! カンスト状態だ!

 なのに……なぜ……。

「老衰です」
「老衰? やつはまだ、40過ぎのおっさんだったはずだ!」

「いいえ、この世界の人間の寿命は50歳がいいところです」
「そう……だったのか……」

 思い知らされた。人間がどれだけ弱い生き物かを。
 俺はもっと知るべきだった。この世界の人間を……。

 でも……それでも……俺は勇者の成長を見るのがすごく楽しかった。
 多分、今までで一番楽しい時間だった。

 ありがとう勇者タンスドロ・セコビッチ。
 俺は、おまえの名を一生忘れない……。

END
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