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第一部 VR花子さんの怪
第十一話 信じる者は救われる話
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桜聖の話が始まった。
「私、VR花子様を崇め奉る会。VRHASの桜聖と申します。皆様は、VR花子様を何と心得ておりますか? 幽霊? ウイルス? 人工知能? いいえ、違います……VR花子様は……高位精霊なのです! メタバース世界から現実世界に干渉することのできる電子精霊なのです」
この場での話は実際にあった事象である必要はない。VR花子さんに関係していれば自論でも構わないわけだ。
「今は小さな存在ですが、皆さまの信仰があれば、必ずメタバースの神となり、私たちは多大な加護を得ることができるでしょう。現実はメタバースに溶け込み、世界は広がるのです! この世界全てがメタバースになるのです!」
……どうやら、VR花子さんを信仰によって神に祭り上げたいようだ。
「私は、VR花子様を毎日崇めました。その結果、神託を授かりました。どうやらVR花子様は、この世界に顕現するおつもりとのこと。なので我々は逸早くVR花子様をこの世界に顕現させるため、依り代を作ることにいたしました。それが、こちらです!」
視界に画像が映し出される。そこにあるのはキャスターがついた円柱の台座の上に清らかな女子生徒の上半身を乗せたものだった。おそらく人型ロボットだろう。まさか、これにVR花子さんを乗り移らせるつもりなのだろうか……。
「どうでしょうか。この美しい姿ならVR花子様もご満足いただけると思うのです。ですが、まだこの依り代は未完成……完成形になるまでVR花子様をお迎えするわけには参りません。ただし、我々だけではこれを完成させるに時間がかかります……」
……と、突然神々しく光り始める巫女アバターの桜聖。VR花子さんより神々しくなってどうするのだと言いたいが……
桜聖は光った状態のまま祈るように語り始める。
「お気持ちで結構です。VR花子様を崇め奉る会。VRHASへのお布施をよろしくお願いします。入会の方は、月1000円となっております。入会特典はVR花子様情報のメルマガです。それと……この依り代の儀式が成功いたしましたら、会員の方で一定以上のお布施をしてくれた方のみに、VR花子様と握手ができる権限を与えたいと思います。ぜひぜひVRHASにご入会いただき、どしどしお布施をよろしくお願いいたします。以上です」
どうやら、VR花子さんは宗教になってしまったようだ。桜聖の話が終わり、住職が挨拶をする。
「桜聖さん、ありがとうございましたぁ! それでは今の話についての視聴者コメントを見てみたいと思います」
──動画のコメントボード──
……
……
VR花子様は偉大です!
VR花子様を崇めましょう!
VR花子様万歳!
VR花子様!
入信します!
VR花子様が降臨できますように!
……
……
……と、降臨できるかどうかは別として、神として祭り上げられるVR花子さんというのはいかがなものだろうか……まあ、それは自分が考えても仕方がない。ただ、ロボットに憑依させることができたならば、電子精霊と定義されてもやぶさかではないだろう。
コメントが流れ終え、住職と桜聖が会話する。
「VR花子様は電子精霊! メタバースの神になられるお方だったのですね!」
「メタバースの世界には、まだ知られざる数多の神々が存在します。VR花子様も、強い信仰よりその一角となります。その恩恵は、とてもとてもすばらしいものとなるでしょう」
「ありがとうございましたぁ! それではろうそくの火をお願いしまぁす」
桜聖は住職にそういわれるとろうそくを吹く動作をする。ろうそくの火がまた一つ消えた。
「私、VR花子様を崇め奉る会。VRHASの桜聖と申します。皆様は、VR花子様を何と心得ておりますか? 幽霊? ウイルス? 人工知能? いいえ、違います……VR花子様は……高位精霊なのです! メタバース世界から現実世界に干渉することのできる電子精霊なのです」
この場での話は実際にあった事象である必要はない。VR花子さんに関係していれば自論でも構わないわけだ。
「今は小さな存在ですが、皆さまの信仰があれば、必ずメタバースの神となり、私たちは多大な加護を得ることができるでしょう。現実はメタバースに溶け込み、世界は広がるのです! この世界全てがメタバースになるのです!」
……どうやら、VR花子さんを信仰によって神に祭り上げたいようだ。
「私は、VR花子様を毎日崇めました。その結果、神託を授かりました。どうやらVR花子様は、この世界に顕現するおつもりとのこと。なので我々は逸早くVR花子様をこの世界に顕現させるため、依り代を作ることにいたしました。それが、こちらです!」
視界に画像が映し出される。そこにあるのはキャスターがついた円柱の台座の上に清らかな女子生徒の上半身を乗せたものだった。おそらく人型ロボットだろう。まさか、これにVR花子さんを乗り移らせるつもりなのだろうか……。
「どうでしょうか。この美しい姿ならVR花子様もご満足いただけると思うのです。ですが、まだこの依り代は未完成……完成形になるまでVR花子様をお迎えするわけには参りません。ただし、我々だけではこれを完成させるに時間がかかります……」
……と、突然神々しく光り始める巫女アバターの桜聖。VR花子さんより神々しくなってどうするのだと言いたいが……
桜聖は光った状態のまま祈るように語り始める。
「お気持ちで結構です。VR花子様を崇め奉る会。VRHASへのお布施をよろしくお願いします。入会の方は、月1000円となっております。入会特典はVR花子様情報のメルマガです。それと……この依り代の儀式が成功いたしましたら、会員の方で一定以上のお布施をしてくれた方のみに、VR花子様と握手ができる権限を与えたいと思います。ぜひぜひVRHASにご入会いただき、どしどしお布施をよろしくお願いいたします。以上です」
どうやら、VR花子さんは宗教になってしまったようだ。桜聖の話が終わり、住職が挨拶をする。
「桜聖さん、ありがとうございましたぁ! それでは今の話についての視聴者コメントを見てみたいと思います」
──動画のコメントボード──
……
……
VR花子様は偉大です!
VR花子様を崇めましょう!
VR花子様万歳!
VR花子様!
入信します!
VR花子様が降臨できますように!
……
……
……と、降臨できるかどうかは別として、神として祭り上げられるVR花子さんというのはいかがなものだろうか……まあ、それは自分が考えても仕方がない。ただ、ロボットに憑依させることができたならば、電子精霊と定義されてもやぶさかではないだろう。
コメントが流れ終え、住職と桜聖が会話する。
「VR花子様は電子精霊! メタバースの神になられるお方だったのですね!」
「メタバースの世界には、まだ知られざる数多の神々が存在します。VR花子様も、強い信仰よりその一角となります。その恩恵は、とてもとてもすばらしいものとなるでしょう」
「ありがとうございましたぁ! それではろうそくの火をお願いしまぁす」
桜聖は住職にそういわれるとろうそくを吹く動作をする。ろうそくの火がまた一つ消えた。
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