乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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1章 どうやら転生したようだが

閑話 その時のパパン②

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 今回も閑話

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「そろそろ1週間が経つがエレーニアから連絡はないのか」

   ディヴァン侯爵キースクリフはスチュアートに尋ねながら執務室をイライラと歩き回っていた。

「管理人夫婦からもなんの連絡もない、どういう事だ、ヘンリーとエドワーズを呼べ」

   スチュアートは一礼をし、執務室を出て行ったが、程なく2人の騎士を連れて戻ってきた。

「お前たち、エレーニアを無事イラの湖の塔に送り届けたのか」

「「はい、間違いなく」」

「管理人は何か言っていたか?」

「は?いえ、管理人夫婦にはあっておりません」

   ヘンリーが返事をすると、キースクリフは驚き2人の騎士に詰め寄る。

「お前たち、管理人夫婦に手紙を届けなかったのか?」

   キースクリフの剣幕に驚きつつもエドワーズが、

「手紙はお預かりしとりませんですが…」

「何を、管理人夫婦に渡す…よう…に………、あ………」

   己のミスに気付きキースクリフはフリーズする。そんな主人を横目にスチュアートは2人の騎士を下がらせた。

「侯爵様、すぐに飛行騎獣を持つものを行かせましょう。それと速文はやぶみを飛ばし管理人夫婦にお嬢様の御様子を確かめるよう指示致します」

   スチュアートの声にハッと我に帰るキースクリフ。

「そ、そうだな速文を…いや、私が直接行く、私のスレイプニルなら飛ばせば4時間ほどでつく、スチュアート支度を、お前も付いて来い」



◇◇◇◇◇



「すまん、アズスラ、無理をさせるが頑張ってくれ」

『主、了解した』

   漆黒の八本足の巨馬は、キースクリフの言葉に応じ、スチュワートと二人を乗せ速度を上げる。怒涛のごとく裏街道を駆け抜けるスレイプニルの姿を見たものがいなかったのは幸運としか言えないだろう。



「塔が見えてきたぞ。ん、あれは…」

   湖の手前にいたのは見知った男だった。減速しつつ近づくと男は蹄の音に気付き振り返る。

「侯爵様?なして此処へ?」

「お前こそ此処で何をしている?」

   男は塔の管理を任せていた猟師フレドであった。

「それが、今朝方湖で大きな音がしたもんで、女房が見てこいつーもんで、確かめに来たところです。そったら、ヌシが水面まで上がって来ておったみたいで。滅多に上がってこん奴なのにどしたか思っとったんです」

「そんなことより塔は、塔は変わりないのか」

「はあ、特に。鍵はきっちり閉まっとります」

「鍵をかせっ!」
   
   フレドからひったくる様に鍵を奪い急いで扉に向かう。慌てている為ガチャガチャと無駄に鍵を回しやっと開くと中に駆け込んだ。階段を上がり次々と魔法鍵の扉を開け、ついに部屋に飛び込んだ。

「エレーニア、エレーニアーーッ」

   部屋数がある訳ではない、見渡して居ないのなら隠れるところなどないのだ。扉が開け放たれたままのバルコニーへ出るが誰もいない。手すりから下の湖を覗き込む。大きな音……まさか此処から飛び込ん……

「侯爵様」

   スチュアートの声に部屋の中に引き返すと一枚の便箋と見事な銀の髪の束を渡される。貴族の風習として、志半ばで倒れる時、髪を切り後継に託すと言うものがある。それに担い、処刑される者や、自ら命を絶つ者も遺髪を残す事がある。手紙にはたった一行。

『お腹が空きましたわ』

   その一行が意味するものは……

「ま、まさか、空腹に耐えきれず、自ら命を……バルコニーから身をなげて……」

   キースクリフは便箋と髪を握りしめたままがくりと膝をつく。

「エレーニア……お、おお、おううぅ……そんな…」

   とすんと座り込んだキースクリフ。

「エレーニアァァァァァーーッ!!」


「うるさいですわ、あなた。みっともない」











  



   バルコニーからヒッポグリフに乗って現れた、ピンクブロンドの髪に菫色の瞳、とても二人の子持ちとは思えない美しい女性、ママンであった。

「クラリッサ、エレーニアが、エレーニアがぁ」

   涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔を見てママンは溜息をつきつつどこからかハンカチを取り出し、夫の顔を拭く。

「ほら、チーンして。エレーニアなら無事よ。私のヒッポグリフカルラが教えてくれたの。エレーニアあの子グリフォンレイディが呼び出されていっちゃったって」

   エレーニアは雛だったレイディを育てる為ママンのヒッポグリフに里親になって貰ったのだ。その為2匹は仲が良く、今も一緒にいる事が多い。エレーニアがレイディを呼び出した時ちょうど2匹は一緒に過ごしていたのだった。(しかしヒッポグリフに育てられるグリフォンってどうよ)

「あの子のことだからレイディに乗ってその辺ぶらついているか……まあ、食事もなくほったらかされたので最悪家出くらいはしても仕方ないんじゃないかしら」

   クラリッサの言葉にスチュアートは頷き、キースクリフは青くなってプルプル震えだす。

「い、い、家出…」

「心配しなくたって大丈夫よ。あなたが思っているほど弱い子じゃないんだから。さあ、とっとと帰るわよ。本当、いつまでたっても子離れできないんだから…」


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   エレーニアが行動派なのはママン譲り?

ちょっと毎日更新が厳しくなって来ました。次話明後日更新になると思います。申し訳ありません。
2016.11.10一部言い回し変更と誤字修正
2016.11.12誤字修正
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