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3章 ウェイシア王国に来ました
12話 出発前の準備
しおりを挟む初依頼を受けてから今日で5日め。午前中は依頼をこなし午後は勉強と訓練を繰り返し、角兎程度なら全く手助けの必要なく狩れる様になりました。
二人とも《気配察知》のスキルを得て獲物を見つけるのが早くなった。
魔法の方もウリュ君は初級は全属性マスター、ただし連発は魔力枯渇を起こすのでNG。アレクス君は今のところ《ライト》と《ウォーター》だけだが、《魔力纏》を覚えた。これは魔力を身体に張り巡らす事で身体機能をあげるもの。今のところ1.2倍が30秒間ってとこだけど、これで角猪も狩ったのだ。
猪突猛進で突っ込んできた角猪を寸前で躱しすれ違いざま頚動脈を切ると言うのを二人の前で見せたのだ。するとアレクス君が《魔力纏》で瞬発力をあげ角猪を躱し、筋力をあげ首にショートソードの一撃を叩き込んだのだ。
見てたこっちは叫びそうになったよ。心臓に悪いってもう。
しかし馴れないうちは急激に筋力アップすることで後で“ヤツ”が襲ってくるのだ。
「イテテテテテっ」
そう、筋肉痛。アレクス君は《魔力纏》を使う度のたうち回ってる。だから当分は『最終奥義』ってことで使用する様言いました。
「『最終奥義』カッケーッ、なんか強そうだ」
って喜んでましたが。
そんなこんなで1日2~3万メルは稼ぐ様になった。それぞれ1割のお金は好きな様に使うよう言ったのだが、食事代を自分で払うと引かず、その為相変わらずギルド宿一階のお安い食堂で夕食を食べている。
朝は私が部屋で作っているのだが、その分も出すと言うので朝食分はチームのお金から出すと言うことになった。お昼は狩りの獲物や採取した野草メインで作ってます。
アレクス君は肉好きゆえか解体が上達した。ウリュ君は薬草などの見分けが上達、一度教えた薬草などは間違えない。アレクス君は時々雑草が混ざってたりするが(笑)
食事をしっかり取る様になったのでウリュ君は血色も良くなり、二人とも少しふっくらして来た。と言ってもまだまだ細いが。
アレクス君はウリュ君の倍は食べるのだが、剣士のせいか消費も激しい。夕食は3人同じものを頼んでウリュ君と私からおすそ分けする。そうすると少し情けなさそうな顔をするものの「余っちゃうから」「残すのはもったいないし」なんて言うと、嬉しそうに「しょーがねえな、残すのはもったいないもんなっ」と嬉しそうに平らげる。それを横目で見つつウリュ君と視線を合わせるとにっこり笑い合うのだった。ああもう、これだけで満腹です。
明日は1日お休みにしてゆっくりしよう。二人の技量もそこそこ上がってるしそろそろダンジョンに行こうと思う。3人になったし食事を作り置きしたりポーション作ったりとすることはあるけどね。
「何が食べたい?」
「クリームちチュー」
「ハンバーグ」
「オムライちゅ」
「生姜焼き」
アレクス君はほんと肉好きだねえ。ちなみにカレーは彼らには香辛料が効きすぎだったみたいで『カレーのプリンス』レベルなら大丈夫だった。弟も小学2年まではおこちゃまでいつも二種類のカレーを作ったものだ。
ふむ、汁物は鍋ごとインベントリという手もあるな。追加の鍋買いに行くか。
ゆっくり朝寝坊した後はブランチをいただく。二人には好きにしていいと言ったのだが、アレク君は庭で剣の稽古。ウリュ君は調薬を手伝ってくれるというので教えつつ作ることにした。
「ヒール草をすり鉢ですりつぶす時はゆっくりと擂粉木を回してね」
「こう?」
ゴリゴリゴリ
「こんな感じで」
ウリュ君の背後から被さる様に擂粉木を持つ手に自分の手を重ねて回すスピードを調節する。ふふふっ
こり、こり、こり
「こう?」
「その感じで、早くやり過ぎると熱を持ってしまうからポーションの効果が落ちちゃうの」
「うん、わかりまちた」
一生懸命こり、こり、こりって、するウリュ君かわいい、ハッ。自分もちゃんとしないと。
1時間ほどでヒールポーションが30本ほどできた。マナポーションは材料が足らない。マナ草がこの辺りにあまりないのだ。魔素の濃い魔の森かダンジョンに生えてるんだけど。【四季】のダンジョンに行ったらマナ草を採取しよう。
次は作り置きの食事だね。リクエストに答えてシチュー、ハンバーグ、オムライス作ろう。ついでにおやつにクリームたっぷりロールケーキね。
ここでもウリュ君お手伝い。ジャガイモの皮むき手伝ってもらいました。ピーラーあるから大丈夫。
「むけまちた」
はや、もしかしてちょっと《鑑定》
職業
%$#=・弓士・戦士・狩人・シーフ・レンジャー・魔術師・掃除夫・娼妓(仮)・薬師・料理人
この前より増えてる。戦士は解体用ナイフ使って角兎仕留めてたからか?でも薬師と料理人って、さっきのほんの数時間で習得したの?
レベルはわからないけどそんなに簡単に習得できるものだったかしら。うーん、考えてもわからないし、ジョブ補正つくからいいか。
「うっ、タマネギが目にちみまちゅ」
ずっきゅ~~ん
ウ、ウリュ君は私を殺す気ですか、はあはあ、色即是空空即是色、般若波羅蜜、ふう
「ただいま~、何やってるのエル姉ちゃん?」
「な、なんでもない。お茶にしようか」
「やったー!今日のオヤツ何かなぁ」
「アレクちゅ、手を洗った?」
「おう、ウリュ、水だして」
「アレクちゅ、ち分で出ちぇるでちょ」
「え~、ウリュほど魔力無いし、魔力纏の練習した後だから魔力枯渇する~」
「もう、ち方ないでちゅね」
二人ともすっかり元気になったね。毎日楽しそうにしてるしよかった。
それじゃ、お茶いれましょう。
第3章ー終ー
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ちょっと短めですいません。
最後はアレクスとウリュがエルとの生活に馴染見つつあるということでシメ。
次章ケモ耳少年達とまったりダンジョン編……まだ何にも考えてもなかったりして。
と、その前に短めの閑話を1つ本日昼に更新します。
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