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3章 ウェイシア王国に来ました
閑話 その頃のクリストフと…
しおりを挟む「父上、ち~ち~う~え~~!」
「クリストフ、学園で勉強中の時間だろう」
「姉上は、エレーニア姉様はどこですか?」
「ギクゥ!」
執務室の机の上に身を乗り出しキースクリフに詰め寄るクリストフ。
「新学期が始まったのに姉様は学園寮どころか授業にも全く顔を出されておりません。確かに『婚約破棄』は不名誉ですが、此度の非は下のダラシない王太子にあります。姉様が恥じることなどないのですよ」
唾の飛ぶ勢いで食ってかかる息子に思わず身を引くパパン。
「王太子の出方を見るためと、姉上をどこかに匿われたのはわかります、けれどもう3週間も姉上にお会いしていないのです、3週間もっ!!」
苦渋の表情で大きくため息を吐くキースクリフ。執務机の鍵付きの引き出しから一通の手紙を取り出し、クリストフの目の前へ置く。
「なんですかこれは」
「読めばわかる」
クリストフは手紙を手にとって開く、其処には最愛の姉の筆跡、所々滲んでおり読みにくくはあるが。
「そんな……まさか……嘘だ、嘘だ、姉様が、僕の姉様が出奔…もう戻らない、そんなそんな」
手紙を持つ手がふるふると震える。
「うそだあぁぁぁぁ、姉様、ねえさまあぁぁぁぁ」
蹲り慟哭するクリストフを痛ましげに見つめるキースクリフであった。
「そうだ、こんなところで嘆いている場合じゃない、今すぐ姉様を探しに行かねば…」
ガタンと椅子を撥ねとばす勢いで立ち上がるキースクリフ。
「馬鹿なことを言うんじゃ無い」
「馬鹿な事?僕がどれだけあの淫乱男爵令嬢を追い出そうと頑張ったと思うんですか?あんな下のダラシない男でも姉様の婚約者だ。近づく女を追い払うために…怪しまれないよう変装する為に姉様のドレスを着て化粧までして嫌がらせをしてやったのに!あの女はちっとも堪えなかった。教科書を隠したり、ロッカーの中の制服を破いたり、階段から突き落としたり、其処までやったのにあのビッチは王太子を落としやがった。ならいっそ婚約破棄した方が姉様の為になると反対に2人をそそのかして……
僕の苦労は……」
「………犯人はお前か……」
キースクリフの冷たい声はクリストフには届かなかったようだ。しかしクリストフはキッと父親を睨む。
「なぜ姉様を探しに行かないのですか、父上が行かないのならば僕がっ」
堪えきれずキースクリフはクリストフの胸ぐらを掴む。
「誰が、誰が好き好んで…俺がどんなに我慢してると……俺だって、俺だってなあぁぁぁ、アズスラぶっ飛ばして今すぐ行きたいんだよおぉぉ、だけどなぁ、クラリッサがダメだって言うんだよおおぉぉぉぉ……うおおぉぉ」
「ち、父上えぇぇぇ、うおおぉぉん」
「「うわああぁぁぁ」」
2人は抱き合いながら床に崩れ落ちる。
バンッ!!
執務室の扉が勢いよく開かれた。
「うるさいですわ!二人とも!何を叫んでいるの!」
飛び込んできたクラリッサが見たものは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった似た者親子の顔であった。
「はぁ、もう、仕方ないわねぇ」
どこからか取り出した二枚のハンカチで二人の顔を拭く。
「ほら、チーンしなさい」
「「ちーん」」
「クラリッサ…」「母上…」
「そんなに心配なら私が探しに行きます」
「「ええっ?」」
「いや僕が」「いや俺が」
「何を言ってるの、あなたたちは侯爵として、侯爵嫡男としてすることがあるでしょう」
腕を組み二人を見下ろすママン。ハンカチはいつの間にか後ろに控えていたスチュアートに渡し済みだ。
「あなたたちには政務や勉強があるのです、それをおろそかにして追いかけてこられてエレーニアが喜ぶとでもおもって?」
うっと、息を飲み込む二人を睨みつけるママン。次の瞬間それをなかったことのようにニッコリ微笑みかける。
「あの子の事は私が一番よく知っているわ、すぐに見つけて来るからおとなしく待っていなさい」
シュンとする二人の頬に手を添え優しく撫でる。
見つけて来るとは言ったが連れて帰るとは言っていないママンであった。
「さあ、行くわよカルラ、ヒャッハーーッ!」
なんてことがあったかどうかはわからない……………
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やらかした感満載…
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