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4章 ダンジョンに行きます
1話 四季のダンジョン
しおりを挟む宿を引き払いギルドにダンジョンへ行くことを告げてから出発。馬車?乗りませんよ。1時間も板の座席に座ってられませんもん。しかもこの馬車結構高速らしくて揺れが半端ないという話だ。
門を出てしばらく歩いてからレイディに乗りひとっ飛び。ウリュ君も怖がらずレイディと仲良くしてます。あのプルプルはそれはそれで良かったのだけど。惜しい気もする。
最初に行くのは【四季】のダンジョン。冒険者ギルドも『先ずはここから』と進めていることだしね。私とレイディなら問題ないけどアレクス君とウリュ君連れてだからここは慎重にいきます。
【四季】のダンジョンの出入口は山肌にぽっかり開いたのトンネルの様な見た目そこに扉を取り付け出入りを冒険者ギルドがクロード辺境伯から委託され管理している。出入口の周りには三重の壁が作られ魔物大発生対策をしてある。
内側は石で組まれた壁でその直ぐ外は水のない堀?壕っていうの?まあ深さ5メートル、幅4メートルくらいあるので石壁を乗り越えてもここに落ちる。この石壁内にはギルド職員がダンジョンに出入りする冒険者をチェックする場所がある。
真ん中と外側の塀は木造。真ん中の木造の塀には足場や挟間があり壕に落ちた魔物に対処できる。外塀との間にダンジョン村があり、警備兵詰所、冒険者ギルド、商業ギルド、宿、食堂、酒場、屋台、武器屋、防御屋、道具屋、薬屋などがある。
ダンジョン村に入る門は一つだけだが、朝の馬車の時間が過ぎているので人は少なかった。ギルドカードを見せ、金を払って獣魔の首輪を受け取る。二人は初めてのダンジョンということもありキョロキョロしている。
「じゃあ、ギルドハウスに行きましょう」
「「うん」」
村の割に大きなギルドハウスだ。大きいと言ってもイチニよりは小さいが。まあ、ここに来るのは冒険者と商人だけだから。カウンターは買い取りを兼ねているのか広めだね。
受付は痩せたお兄さんだった。
「冒険者ギルドエオカ支部【四季ダンジョン】出張所、担当のリックです。ご用件をどうぞ」
「今着いたばかりで【四季ダンジョン】に初めて来たのですが」
「ではギルドカードを」
アレクス君のカードを預かり二枚一緒にリックさんに渡す。
「チーム【金色の翼】は2名でしょうか?」
リックさんは後ろのウリュ君を見る。
「彼はポーターですがチームのメンバーです」
「ではリーダーのエルさんのカードに追記します、商業ギルドカードはお持ちですか?」
ウリュ君はカードをだしてカウンターに置くと、リックさんは受け取り魔道具に差し込む。
名前:エル・年齢:16歳・性別:女
出身地:ディヴァン領、オルフェリア王国
職業:魔法剣士、冒険者
所属:ウェイシア王国、クロード領、エオカ支部
ランク:E
チーム:金色の翼/リーダー
チームメンバー
・アレクス(剣士)・ウリュ(ポーター)
賞罰:ー
そういえばチームの手続きしたのアレクス君の登録前だったからチーム名だけしか載ってなかったのか。もしくはアルカさんの説明忘れか…
「これでポーターもダンジョンに入れます。ダンジョン前で入出確認をしてるのでポーターの彼も商業ギルドカードを提出する様にしてくださいね。初めてでしたら道具屋で地図なども販売しているので購入されてはどうですか」
「ありがとうございました、そうですね一度寄って見ます」
無くとも困らないと思うがまあ行ってみよう。カードを3枚受け取るとそれぞれに返す、ちょっと依頼ボードものぞくかな。
「えっと、さい…しゅ…やく、薬ぞ?」
「薬草だよ」
「やくちょう?」
「うっ、やくちょう……」
依頼書を読もうと頑張るアレクス君に、教えようとするウリュ君。しかし、『ソ』発音できなくてうまく教えることが出来ない様だ。
「あ、薬草か。ありがとな、ウリュ」
うん、優しいね二人とも。
ふむ、薬草採取もダンジョン内とあって特殊な種類が多いしランクも(F)なのか。常時依頼でゴブリンなどの討伐系があるのは増えすぎるとダンジョンからか出て来ることがある為。定期的に間引かないとスタンピードの原因になるかもって事か。安くて旨味は無いが襲って来たら倒さないとね。討伐証明部位は『右耳』か、ま、依頼はあと受けでいいか。
「ちょっと道具屋覗きに行こうか」
「「うん」」
レイディにはギルドハウス前の騎獣待機所で待っててもらおう。
「エル姉ちゃん地図売ってるよ、うわー高え」
うん、四季ダンジョン春階層だけで1万メルか。春階層って草原とかだだっ広いって聞いたんだけど。あ、夏階層は倍の2万メル、いるかな?よく見ればポーション類も高いな。ヒールポーションが街価格600メルなのが1000メル、マナポーションが街価格1000メルのところ1500メルもする。自分で作ったら実質瓶代だけだし、マナ草を採取したら即作ろう。ん?ウリュ君が何かをじっと見つめてる。
「【四季ダンジョン図鑑】?」
「あ、オネーちゃん」
ウリュ君が手にしていた本を棚に戻す。
「そいつは【四季ダンジョン】に出る魔物からか採取できるありとあらゆる素材を絵付きで解説してる図鑑だ、一冊あると便利だぜ」
道具屋の親父が売り込んで来た。価格なんと10万メル!この世界紙は普及しているが印刷は活版印刷が主流でガリ刷りがようやく出て来た感じ。文字だけの本はそれなりに冊数が発行できる。だが図付き、しかも彩色は一冊一冊手作業なのでお高いのだ。
それにしても10万メル、情報代も含んでるんだろうな。そうそう売れるものでも無いし値切って見るか。
ポーション20本分(中身のみ)を一本100メルで後日追加で30本卸す約束で5万メルの半額に値切った。入れ物代引いても4万メルの売上が見込めるので道具屋のオヤジとしてはさほど損では無いだろう。
「オネーちゃん…」
申し訳なさそうにするウリュ君に本を渡しながら
「薬草採取に調合手伝ってね」
「うん、頑張る」
「オレも薬草採取いっぱいするよ」
「アレクス君は?欲しいものあった?」
「ん~、今はない、カナ」
「じゃあダンジョン行こうか」
地図は買わなかった。二人にマッピングの練習も必要だと思ったから。私?《エリアサーチ》と新しく土魔法《地形探索》でRPGゲーム並みの脳内マップ作成に成功しました。《地形探索》は扉の向こうもOKなのだ。ある程度の罠も感知可能。これで《気配察知》などのスキルもあげれば言うことなしだね。
ダンジョンに入る前に二人に予備の武器としてアレクス君には私が腰に下げていたブロードソードとクナイ(小)を10本。
アレクス君は体は小さくても筋力は私よりあるから問題なく使えると思う。ブロードソードを腰にと思ったが微妙に引きずりそう。それはそれでおいしい…おっと、とりあえずロープで背中にセッティング。今度剣帯買おう。
ウリュ君にはマンゴーシュを渡す。解体ナイフを武器がわりに使ってたから、問題なく扱えると思う。
私は背中にグレイブと腰にはミスリルのエストックを差して準備オーケー。
ではレイディを連れダンジョンの入り口に向かいましょう。
「チーム【金色の翼】メンバー1名、ポーター1名、獣魔のグ、グリフォン?う、あ、で間違いない、ですね、予定期間は?」
期間?特に考えてなかったな。まあ3日くらいにしておくか。
「とりあえず3日で」
「わかりました。…【金色の翼】は3日っと、では気をつけて」
確認をおえ、ギルドカードを返してもらい扉へ進む。高さ3メートル横2メートルの扉の片方が解放された状態だ。
二人はやや緊張している様だ。レイディは「Gyua!」っとひと鳴きいつも通り。
では出陣です。
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やばい、ストックあと1話しかない…
10
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