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4章 ダンジョンに行きます
3話 ウリュ君は図鑑を活用してます
しおりを挟む階段を降りると薄暗くてよく見えないので《ライト》で明るくする。2階の階段部屋は洞窟の様な感じで何もない。後ろに降りてきた階段と反対方向に2階層への通路。
『転移水晶柱』はないので壁を背に土結界を張って昼ご飯にする。ちゃんと他の冒険者が余裕で通れるくらい開けてあるからね。
レイディに兎肉を出す。私たちはシチューとサラダ、ソーセージとパン。インベントリに入れてたから熱々です。あ、二人にはダンジョンに来る前にインベントリの事は話してあるよ。マジックバックじゃ熱々のご飯は出て来ないからね。「ナイショだよ」って言ったらブンブン頷いてくれました。
食休みが終わったら通路を出て2階層へ。これまた広い林です。花をつけた木がいっぱい。あれはもしかしてもしかする、桜の木だ。綺麗……
「オネーちゃん、あれは【チェリートレント】でちゅ」
また図鑑を広げて見せてくれるウリュ君。其処には桜の木に枝の鼻とうろの目がついた【チェリートレント】の絵。焚き木にすると良い香り、肉を燻すと美味しい燻製ができる、とな。これはゲットでしょう。
《エリアサーチ》で木と【チェリートレント】を見分けながら伐採しませう。
【チェリートレント】は近づくと枝を鞭の様にしならせて攻撃して来る。なぜか左右の2本の枝しか使わないので、アレクス君とウリュ君が囮りをかって出た。
2人は右に左に軽やかなステップで枝の鞭をヒョイヒョイと躱す。さすがです、見惚れて…る場合じゃありませんでした。
【チェリートレント】は切り倒して根と離すとあっという間に昇天されます。他に冒険者が居なそうなのでミスリルの槍を取り出し《ウインドブレード》付与して後ろから忍び寄りサクっと切り倒します。
切り倒した【チェリートレント】はアレクス君とウリュ君が枝打ちをしてくれました。とりあえず10本ほど伐採終了。トレント系の魔石は目のうろの中にありました。脳ってあるのかな?
トレント系の討伐証明部位は鼻枝、他の枝より色が濃く先が丸くなっており、他の枝と見分けがつく。鑑定しても【◯◯トレントの鼻枝】となるので他の枝でカサ増ししようとしてもバレるのだ。
伐採中辺りを警戒してくれてたレイディはゴブリン8匹と角猪1匹狩ってましたよ。
トレントの切り株に座り休憩してるとウリュ君がまた図鑑を見せてくれる。
「2階ちょうには【ワーキングアント】がいるみたい」
【ワーキングアント】体長1メートル程の黒い蟻、働き蟻かよ。殻は硬く防具の素材に使われる。ただ剣などの刃が通りにくく、ハンマーなどの打撃武器がオススメ。打撃系無いな。ハンマーとかメイスとかモーニングスターとか。魔法で行くか、関節部分を狙うかだね。
「Gyua!」『ご主人、なんかきたのなのヨ』
噂をすればなんとやら、列を組んでやって来る【ワーキングアント】3匹。
「2人とも躱しながら関節部分を狙って、レイディ、1匹お願い」
『了解なのヨ』
レイディは【ワーキングアント】に突進し撥ねとばす。飛んでった【ワーキングアント】は木にぶつかり『グシャッ』と潰れた。あ、これも打撃系?
アレクス君はブロードソードで牽制しつつスローイングナイフを投げるが動く【ワーキングアント】の関節には当たらず攻殻に『キィン』と弾かれる。
ウリュ君も避けながらは命中率が落ちるようでなかなか苦労している。
そして私は後ろからオリジナル土魔法
「《石抱きの刑》」
突如上空に現れた50キロの石材が数個【ワーキングアント】の上に落ちる。それだけでは無く、【ワーキングアント】の下の地面がギザギザの山形に変わる。
時代劇なんかで見た【石抱きの刑】をそのままイメージして見ました。山形の板の上に正座させられ足の上に石を積み上げるってやつです。
流石に3つも落とせば【ワーキングアント】は2匹ともグシャって潰れました。いや~ちょっと見ためよくないな、中身はみ出た感がグロい。この魔法あんまり使わないでおこう。
石は魔法で撤去して素材回収。討伐証明部位は触覚2本、なんか潰したから全部で4本2匹分しかないや。次は普通に火魔法で燃やすか、風魔法で関節部分狙おう。
【チェリートレント】の伐採で結構時間くってしまった。ダンジョンは不思議空間、太陽が無いのになんとなく夕焼け色に変わって行く。
「オネエちゃんあれ」
ウリュ君がリポ草の群生地を見つけた。リポ草は体力回復効果があってマナポーションの必須素材だ。1階層でマナ草を採取してあるのでここでたっぷり採取すればマナポーションが作れる。
マナポーションはマナ草、リポ草、魔石で作る。ポーションは使う魔石により回復効果が変わるので魔素量の少ない魔石だと効果が薄くなるのだ。
色々採取しつつ降り階段を目指すと、またも小山が立ち塞がる。これ蟻塚だよねー。高さ5メートルくらいだけど地下にも多少広がってそう。うん、避けて進もう。
ぐるりと周って小山の後ろへ…あ、しまった。
「Gyua!」
ドスドスドス…
レイディが1匹出てきた【ワーキングアント】を踏み潰した。仕方ない。
「下がって、魔法で巣ごと焼くから出てきたのを各個撃破で」
「「はいっ」」
「本日2度めの《炎の竜巻》」
ゴオオオォォッっと燃え上がる蟻塚、そこからワラワラと出て来る【ワーキングアント】
レイディはジャンプしては両前脚でどーんっ、ジャンプしてはどーんっ、を繰り返し頭を潰している。それ、討伐証明部位潰れてないか?まあいいけど。
アレクス君は逃げ出す【ワーキングアント】の首をスパン、スパっと跳ねている。【ワーキングアント】の注意が私達より、炎から逃げ出すことにいってるせいか、先ほどよりも動きが直線的で狙いやすいようだ。
ウリュ君は《クレイコントロール》で地面からつちの柱を生えさせ、【ワーキングアント】を下から突き上げる。築き上げられた【ワーキングアント】の上半身が浮いたところでクロスボウで首を狙い撃つ。すごいな、そんなのどこで覚えてきたの?
私はミスリルの槍に《ウインドブレード》付与で片っ端からクビチョンパです。
2度ほど追加で《炎の竜巻》を唱えた。ウリュ君はボルトを撃ち尽くし今はマンゴーシュで牽制したのをアレクス君が屠って行く。どれくらい経ったか二人の疲れがピークに達したか息が上がり動きも鈍くなってきた頃、ようやく蟻の行進が止まった。
「ああ~疲れたぁ」
「もう蟻はいいでちゅ」
よく頑張った。100匹位は倒したのではないでしょうか。
「もうひと頑張りよ。解体は後でやるからマジックバックに放り込んでウリュ君のボルト回収優先しましょ」
片っ端からインベントリに放り込んでボルトだけ取り出すという裏技でわざわざ刺さったボルトを引き抜かなくても回収できる。あっという間に回収作業が済んだので蟻塚の後ろの階段をさっさと降りた。
「ギギッ、チキチキ…ギギッ」
牙を鳴らし体長2メートルの【クイーンアント】が巣から現れた時、そこには【ワーキングアント】の死骸も憎き冒険者の姿もなく、【クイーンアント】の威嚇音だけが風にさらわれ消えて行く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
地下部分にいたクイーンアントは出て来るのに時間がかかりすぎ。2階層の小ボスだったのに。
2階層の獲得品
ヒール草22本、マナ草35本、リポ草86本、ゴブリンの耳8、チェリートレントの鼻枝10本、チェリートレント10本、ワーキングアントの触覚2対、ワーキングアントの攻殻3体、ワーキングアントの死骸102体(使えるかどうかは確認未)、角猪1匹、
魔石
ゴブリン8個、チェリートレント10個、ワーキングアント3個、角猪1個
◇◇◇◇◇
ペットショップでフェレットの赤ちゃん見た(//∇//)
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