乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

文字の大きさ
73 / 140
5章 嵐は…

11話 色々訓練

しおりを挟む
 
 
 
   前回ランチをとった場所(扉のすぐ近く)より少し離れた場所で野営の準備をする。

   オークトレントはママン達ががサクッと伐採したので私は野営地作りだ。
   《ストーンウォール》でG型に壁を作る。訓練した後は汗をかくだろうと今回はお風呂スペースを確保、風呂桶を出しておく。窓も作って2人の訓練風景を調理しながら見える様にした。
   匂いが漏れないように風結界で囲っているので音は聞こえないのだ。
   アレクス君はレイディを連れて採取に行った。なんでもポーションを作るのだとか。うん、勉強熱心でいいね。
   料理は角鶉と角猪をアップルトレントの削りカスを使って燻製を作るつもり。鍋に塩、胡椒、砂糖、ハーブを入れてソミュール液を作る、煮立ったら氷魔法で冷やし、角鶉と角猪の肉を漬ける。ここで《時間加速》の魔法で早送り、魔法便利、究極の時短技だ。
   イナミさんにもらったイーストを使いパンをこねる。これで使い切っちゃった。醗酵時間も魔法で時短。後はサラダと野菜を賽の目に切ってスープを作る。出汁は角鶉のガラでとった。
   24時間漬け込んだことになる肉を取り出し水洗い。《石型作成ストーンクリエイト》で燻製箱を作り肉をぶら下げる。ついでにゆで卵も。
   アップルトレントの杖を作った残りを火魔法で炭にし、その上に木っ端と砂糖(残念だがザラメはない)混ぜたものをのせ煙がたつのを確認。燻製箱の下から差し射込みまた《時間加速》。
   燻製が失敗した時のために角鶉のソテーも作っておく。

   アレクス君達が帰って来たのを機会にウリュ君の訓練も終わりとなる。ほぼ、2時間の特訓でウリュ君は疲労困憊の様だ。

「ウリュ君、アレクス君と先にお風呂に入りなさい、お湯入れてあるから」
「わかりまちた」

   2人を壁向こうに案内する。

「お風呂があるの?」

   ママンが飛びついて来た。

「お風呂と言っても大きい桶ですけど、バスタブとしてちょうどいいので使ってます、リッサも2人の後で使ってください」

「あら、一緒でいい「ダメです」」

   一緒に行こうとするママンの首根っこを捕まえテーブルに座らせる。その前に、冷えたハーブティを出し自分も座る。

「ウリュ君はどんな感じですか?彼は獣人にしては魔力保有量が多くて、基本は後衛で魔法とクロスボウメインなんですけど、敵に突破された時を想定して自衛手段として棒術を習うことにしたんです」

   ママンはコクリと冷えたハーブティを飲むとコップを置いた。

「さすが獣人だけあって10歳でも基礎能力が高いわね、理解力も優れているし飲み込みが早いわ。なぜ棒術なのかしらと思ったらそういう事だったの。このまま続ければ十分前衛が務まると思うけど、性格かしらね。アレクス君の様に前に前にってタイプじゃないのでしょう」

「問題なさそうでよかった」
「あまり色々やると器用貧乏になって特出する武術がなくなったりするんだけど、あ、貴女は別よ。何を教えても人並み以上に出来るものだから、ついあの人と競争の様に鍛えてしまったわ。
   ウリュ君はこのまま棒術でもいいけど、魔法発動体を組み込んだ槍とか…サイスなんていいんじゃないかしら。黒いローブに似合いそう」

「ローブに鎌…何を想像してるんですか、お母様」
「普通は売ってないけど貴女なら作れるでしょう、サイス自体武器として珍しいから、鎌の部分はドワーフの鍛治師に発注して柄に貴女が陣を組み込んでもいいし」

「今回のトレントや、ゴーレム素材がかなり高額みたいなので作れないことはないですけど…その辺はウリュ君次第ですよ?」

   ハーブティを飲み干して立ち上がる。

「もう直ぐ出てくるでしょうから食事並べて準備しますね、お母様、カルラ達に餌をあげて来てください」

   テーブルに大皿に載せた角猪肉と水用の桶を出す。一瞬眉間に皺を寄せたが「ハイハイ」と呟きながら外にいる2頭に角猪肉を持って行った。


   さて、パンが魔導オーブンの中でいい感じに焼きあがっているので籠に移しインベントリに、燻製は表面が色付き見た目はいい。スモークチキンを薄くカットする。少ししょっぱいかな、野菜と一緒にパンに挟めばいい感じかも。次は角猪肉の方、、、熱燻じゃあなかったのに肉を大きく切りすぎたか、中が生だ。うーん失敗、これはカットして焼いてしまおう、スモークステーキだ、なんちゃって。煙も匂いも風魔法で散らない様にして焼き上げる。

「エル姉、お腹すいたっ」

   ちょうど2人がお風呂から出て来た、ママンも戻って来たので食事にしましょう。

   ナンもどきに野菜と一緒にスモークチキンを挟んで…アレクス君、肉だけじゃなくて野菜も挟みなさい。
   味の評価はまあまあですね。獣人は匂いのキツすぎるものは好みではないと、スモークステーキは『チョットしょっぱい』ママンは『ワインが欲しいわ』と、酒のアテっぽかったか。卵は美味しくいただけた様です。今回は時短で手抜きだし仕方ないか。

   食後はいつもの様に2人があと片付け。ママンは入浴(食後直ぐは良くない気がするが)だ。

   テーブルを角によせエオカで購入したマットを出す。このマットはダブルベッドサイズで宿のベッドとほぼ同じサイズ、ここに角熊の皮をしき寝床完成。ママン用に毛布も出しておく。

   ただ、前回も野営中、夜番の訓練をしなかったので今回はママンもいることだし2人組で前後半に分けようと思う。訓練で疲れているだろうウリュ君を先に休ませる。ママンも先に寝てもらうかな。と言うことで先に私とアレクス君ペア。薪になる枝を拾い集め薪を組む。

   今アレクス君の使用可能な魔法属性は光、水、火、風、もうチョットで雷。練習兼ねて火魔法で着火してもらう。

「赤々と燃えあがれ《ファイヤー》」

   詠唱なしではまだ無理ですが、ちゃんと着きました。

「ここは背面が壁だから三方を警戒することになるけど、森とか街道にテントを張って野営するときは全方向を警戒する必要があるわ。今みたいに2人でやれる時は1人を残して1人は巡回する事もできるわね。風魔法がもっと上達したら《風結界》に同じ風魔法の《警告アラート》を組み合わせて結界に触れるものがあればアラームでわかる様にする手もありそうだけど」

「ん~オレにはまだまだ無理、ウリュならできそうだけど」

「気配を察知する能力はアレクス君が一番優れてるから油断しなければ大丈夫よ」

   この前もレイディとほぼ同時に察知してたし、野生の勘?いや《気配察知》のスキルレベルが高いのか。

   突然アレクス君の耳がピクッと動く、同時にカルラとレイディが頭をあげた。ほらやっぱり、みんなで同じ方を見る。私の《気配察知》はそこまで遠距離カバーしてないので《サーチ》で調べるけど。何か動くものが3つ、ゴブリンかな?距離は200メートルほど離れている(私の《サーチ》今では1キロくらいはいける様になりました)だがこちらとは反対方向に去っていった。するとレイディとカルラは前足に頭をのせ眠る体勢になる。
   アレクス君も剣から手を離す。うん、すごいね。

   何もないとわかるとアレクス君は調合セットを取り出した。

「エル姉、調合教えて。オレ前ウリュが怪我した時みたいにオロオロするの、嫌なんだ。薬草の見分け方とか、薬の作り方覚えておけばさ、エル姉とサヨナラした後でも大丈夫だと思うんだ」

   !!

   な、なんですと……サヨナラ?

「……アレクス君は……私と……一緒にいるの……いや?」

   ハッとするアレクス君、私のショック顔を見てワタワタする。

「チ、チガウ…違うんだ、エル姉、そうじゃなくて…」

   アレクス君が俯く私の頭を撫でる、いつもと逆だ。

「ウリュとも話ししたんだけど、オレ達もっと強くなって、ダンジョンでお金稼いだら1度故郷へ戻ろうと思うんだ。エル姉が一緒に来てくれるんならすっげー嬉しいけど……
   リッサさん、エル姉を連れ戻しに来たんだろ」

   ああ、そうか。母親がわざわざ娘を探しに来る=連れ戻しに来たと思うのは当然。私は全然帰る気ないですけど。

「あの人、絶対エル姉より強い…多分オレとウリュとエル姉3人掛りでも負けると思う…」

   あながち外れてはいない、それも野生の勘?ステータス的には私の方が上だけど経験という部分ではお母様には及ばない。多分お母様が本気で私を連れ戻そうとするなら……
   いえ、その時は徹底抗戦、そして何度でも逃げてやるわ。

「大丈夫、もし連れ戻されそうなら全力で逃げるわ、レイディと私の魔法を使えばカルラを軽く引き離せると思うの。ダンジョンは他にもあるし、うん、一緒に北方連合国に行きましょう」

「うん、オレもっと強くなる、ウリュもエル姉も守れる様に強くなるよ。でも調合も覚える、エル姉教えて」

「じゃあ採って来た薬草出して」
「うん、これ」











   ふとカルラは眼を開け後ろを振り向こうとしたが、そのままジッと耳をすます様なそぶりのあと、静かに眼を閉じた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回も遅くなりましたm(_ _)m
しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

処理中です...