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5章 嵐は…
12話 想い
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途中三人称です
少し短め
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回のウリュ君に教えてもらいながらだった時に比べてチョットましだけどやはり初級ポーションとしては少し及ばずと、言うところなのでチョット良い魔石を使用する。
「うー、難しいな」
「アレクス君はチョット焦り気味かな、落ち着いて『ゆっくり』を意識しながらだと大丈夫と思うけど」
「次、頑張る」
レイディとカルラが立ち上がる。アレクス君の耳もピクピク動く。
『私だけで十分、レイディはここで皆をお守りしなさい』
『はいなのヨ、カルラママ、アタチ守るなのヨ』
数分後、カルラがポイズンタランチュラの死骸を持って帰ってきた。その後2度ほど同じような反応があり、レイディ、アレクス君と順番にポイズンタランチュラを持って帰ってきた。脚と毒袋、魔石をとって少し離れた場所に放り出すと10分ほどで死骸はダンジョンに吸収された。
そろそろ交代の時間だ。
「アレクス君、ウリュ君とリッサを起こしてくれる、交代だって」
「ふわぁぁっっと、わかった、起こしてくる」
あくびをしつつアレクス君が中に入って行き、しばらくするとウリュ君が眼を擦りながら、ママンは寝起きと思えない爽やかさで出てきた。
「アレクス君はもう寝てるわ」
「私お風呂入ってから寝ることにします。2人共時々ポイズンタランチュラが現れるから気をつけてね」
「わかりまちた」
ーーーここから三人称ーーー
エルが中に入るのを見届け、クラリッサは焚き火の前に座り枯れ枝を追加する。ウリュは座らずに、アップルトレントの杖を取り出すとクラリッサに尋ねる。
「ちゅこち型のれんちゅうちていいでちゅか?」
「ええ、見ててあげる」
時々リッサがアドバイスをしながら30分ほど教えてもらった型を流した。
「ウリュ君は基本後衛なんでしょう?魔法とクロスボウを使うと聞いたけど、どうして棒術まで習おうと思ったのかしら」
汗を拭きながらクラリッサの横に座ったウリュに聞いていた。
「僕、強くなりたいんだ。オネーちゃんに守られるんぢゃなくって守れるようになりたい…」
意外な答えに驚くクラリッサだった。10歳の、しかも出会って間もない少年の言葉が、まるで永の友人の様に、または最愛の恋人の様に。
「ねえ、ウリュ君、貴方エルのことどう思って?」
突然の質問にウリュは眼を見開くが、すぐにクラリッサににっこりと微笑む。
「ちゅきでちゅよ、オネーちゃんがいなかったら僕はとっくに死んでまちた」
「それは、命を助けられて感謝しているってこと?」
首を傾げ考えるウリュ。
「…最初は、たちゅけてもらって…ちょうでちゅね。けど今は、違いまちゅ」
ウリュは真剣な眼差しでクラリッサを見る。
「はぢめは、オネーちゃんに会ってなにか…どこか違う気がして、ううん、助けてもらって嬉しかったけどちょうじゃなくって…」
自分の言いたいことが言葉にできずもどかしいウリュは自分の胸を抑える。
「オネーちゃんが笑うとココがすごく暖かくなるんだ。反対に寂しそうな顔を見るとココがギュウッとくるちくなるんでちゅ。…今度は絶対守るって、ずっといっちょに居られればと思いまちゅ」
クラリッサがウリュの言葉の一説にひっかっかった。
「今度は絶対って、あの娘と前に会ったことあるのかしら。あの娘、オルフェリアから出るのこれが初めてよ」
「え、僕チョンなこと言いまちた?オネーちゃんとはエオカで初めてあいまちたよ、僕もオルフェリアには行ったことないでちゅ」
キョトンとするウリュを不思議そうにみる。会話を続けようとしたがカルラとレイディが近づくポイズンタランチュラに反応した。少し遅れてウリュも気がついたがすでにカルラが倒しに向かったので周囲を警戒するに留めた。
カルラが持って帰ってきたポイズンタランチュラを解体してマジックバックに入れていると、また現れたようで今度はレイディが向かった。
そうこうするうちに会話の内容はモンスターの話や野営時の警戒についてのレクチャーなどに移っていった。ただクラリッサの野営知識についてはあまり役に立たなかったことを、後日エルは知ることになる。
周りがじんわりと明るくなってきた。そろそろ朝だろう、太陽もない地下の筈が明るさで朝がわかるなんてダンジョンというのはおかしな場所だ。
ふとクラリッサはまだ眠っているだろう娘のことを考える。
あの子には辛い思いをさせてしまった。この国の未来の王妃にと望まれ幼い頃から政治経済、帝王学など詰め込むように学ばせた。なまじ出来が良くなんでもソツなくこなしてしまうから王妃教育も苦もなくこなしていくあの娘を見て皇太子との婚約を望んでいたのだと勘違いしてしまった。
そんな努力をなのにあのバカ皇子は台無しにした…いえ、今となっては自由を手に入れられたのだからよしとしましょう。それに、長く平民として育った男爵令嬢がどこまで…まあそんなことは今はいいわ。楽しそうなあの娘の笑顔を見たのはいつ以来かしら。
………若干性格が違うような気がするけど、国を出てハッチャケただけかしら。
「おはようウリュ君、リッサ」
「おはようエル、早いのね」
「ん、朝食の準備しようと思って。ウリュ君少し寝てきていいよ。ご飯できたら起こしてあげる」
眠そうに眼を擦るウリュにエルが微笑みながら言う。エルの笑顔がクラリッサには眩しく感じた。
「そうしなさい、中ボス戦もあるのだから無理してはダメよ」
クラリッサにも勧められるとウリュは素直に中へ入っていった。
「じゃあワタクシも…」
「リッサはダメです」
「ええ、なんだかエルがワタクシにだけ冷たい気がする」
「いい大人が何をいってるんですか」
やはり性格が違う気がするのだけど…そう思いつつエルに渡された角猪肉をカルラとレイディに持っていくクラリッサだった。
朝食が済み野営地を崩して4人と2頭は中ボスの扉に向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三人称なのでリッサはクラリッサ表示ですがエルはわざとエレーニアにせずエルにしてます。
少し短め
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前回のウリュ君に教えてもらいながらだった時に比べてチョットましだけどやはり初級ポーションとしては少し及ばずと、言うところなのでチョット良い魔石を使用する。
「うー、難しいな」
「アレクス君はチョット焦り気味かな、落ち着いて『ゆっくり』を意識しながらだと大丈夫と思うけど」
「次、頑張る」
レイディとカルラが立ち上がる。アレクス君の耳もピクピク動く。
『私だけで十分、レイディはここで皆をお守りしなさい』
『はいなのヨ、カルラママ、アタチ守るなのヨ』
数分後、カルラがポイズンタランチュラの死骸を持って帰ってきた。その後2度ほど同じような反応があり、レイディ、アレクス君と順番にポイズンタランチュラを持って帰ってきた。脚と毒袋、魔石をとって少し離れた場所に放り出すと10分ほどで死骸はダンジョンに吸収された。
そろそろ交代の時間だ。
「アレクス君、ウリュ君とリッサを起こしてくれる、交代だって」
「ふわぁぁっっと、わかった、起こしてくる」
あくびをしつつアレクス君が中に入って行き、しばらくするとウリュ君が眼を擦りながら、ママンは寝起きと思えない爽やかさで出てきた。
「アレクス君はもう寝てるわ」
「私お風呂入ってから寝ることにします。2人共時々ポイズンタランチュラが現れるから気をつけてね」
「わかりまちた」
ーーーここから三人称ーーー
エルが中に入るのを見届け、クラリッサは焚き火の前に座り枯れ枝を追加する。ウリュは座らずに、アップルトレントの杖を取り出すとクラリッサに尋ねる。
「ちゅこち型のれんちゅうちていいでちゅか?」
「ええ、見ててあげる」
時々リッサがアドバイスをしながら30分ほど教えてもらった型を流した。
「ウリュ君は基本後衛なんでしょう?魔法とクロスボウを使うと聞いたけど、どうして棒術まで習おうと思ったのかしら」
汗を拭きながらクラリッサの横に座ったウリュに聞いていた。
「僕、強くなりたいんだ。オネーちゃんに守られるんぢゃなくって守れるようになりたい…」
意外な答えに驚くクラリッサだった。10歳の、しかも出会って間もない少年の言葉が、まるで永の友人の様に、または最愛の恋人の様に。
「ねえ、ウリュ君、貴方エルのことどう思って?」
突然の質問にウリュは眼を見開くが、すぐにクラリッサににっこりと微笑む。
「ちゅきでちゅよ、オネーちゃんがいなかったら僕はとっくに死んでまちた」
「それは、命を助けられて感謝しているってこと?」
首を傾げ考えるウリュ。
「…最初は、たちゅけてもらって…ちょうでちゅね。けど今は、違いまちゅ」
ウリュは真剣な眼差しでクラリッサを見る。
「はぢめは、オネーちゃんに会ってなにか…どこか違う気がして、ううん、助けてもらって嬉しかったけどちょうじゃなくって…」
自分の言いたいことが言葉にできずもどかしいウリュは自分の胸を抑える。
「オネーちゃんが笑うとココがすごく暖かくなるんだ。反対に寂しそうな顔を見るとココがギュウッとくるちくなるんでちゅ。…今度は絶対守るって、ずっといっちょに居られればと思いまちゅ」
クラリッサがウリュの言葉の一説にひっかっかった。
「今度は絶対って、あの娘と前に会ったことあるのかしら。あの娘、オルフェリアから出るのこれが初めてよ」
「え、僕チョンなこと言いまちた?オネーちゃんとはエオカで初めてあいまちたよ、僕もオルフェリアには行ったことないでちゅ」
キョトンとするウリュを不思議そうにみる。会話を続けようとしたがカルラとレイディが近づくポイズンタランチュラに反応した。少し遅れてウリュも気がついたがすでにカルラが倒しに向かったので周囲を警戒するに留めた。
カルラが持って帰ってきたポイズンタランチュラを解体してマジックバックに入れていると、また現れたようで今度はレイディが向かった。
そうこうするうちに会話の内容はモンスターの話や野営時の警戒についてのレクチャーなどに移っていった。ただクラリッサの野営知識についてはあまり役に立たなかったことを、後日エルは知ることになる。
周りがじんわりと明るくなってきた。そろそろ朝だろう、太陽もない地下の筈が明るさで朝がわかるなんてダンジョンというのはおかしな場所だ。
ふとクラリッサはまだ眠っているだろう娘のことを考える。
あの子には辛い思いをさせてしまった。この国の未来の王妃にと望まれ幼い頃から政治経済、帝王学など詰め込むように学ばせた。なまじ出来が良くなんでもソツなくこなしてしまうから王妃教育も苦もなくこなしていくあの娘を見て皇太子との婚約を望んでいたのだと勘違いしてしまった。
そんな努力をなのにあのバカ皇子は台無しにした…いえ、今となっては自由を手に入れられたのだからよしとしましょう。それに、長く平民として育った男爵令嬢がどこまで…まあそんなことは今はいいわ。楽しそうなあの娘の笑顔を見たのはいつ以来かしら。
………若干性格が違うような気がするけど、国を出てハッチャケただけかしら。
「おはようウリュ君、リッサ」
「おはようエル、早いのね」
「ん、朝食の準備しようと思って。ウリュ君少し寝てきていいよ。ご飯できたら起こしてあげる」
眠そうに眼を擦るウリュにエルが微笑みながら言う。エルの笑顔がクラリッサには眩しく感じた。
「そうしなさい、中ボス戦もあるのだから無理してはダメよ」
クラリッサにも勧められるとウリュは素直に中へ入っていった。
「じゃあワタクシも…」
「リッサはダメです」
「ええ、なんだかエルがワタクシにだけ冷たい気がする」
「いい大人が何をいってるんですか」
やはり性格が違う気がするのだけど…そう思いつつエルに渡された角猪肉をカルラとレイディに持っていくクラリッサだった。
朝食が済み野営地を崩して4人と2頭は中ボスの扉に向かう。
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三人称なのでリッサはクラリッサ表示ですがエルはわざとエレーニアにせずエルにしてます。
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