乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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5章 嵐は…

14話 エルドール商会初売り

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   6階層の小ボスは【ジャイアントリザード】でした。こちらも皮が防具に向いてます。肉は、はぁ、食べれるんですね。わかりました。体長5メートル、そのうち尾が2メートル近くありぶん回して攻撃してきます。尾の先にモーニングスターの様なコブと棘が付いているので当たるとやばそうです。あ、アレクス君が小盾でうけ流そうとして吹っ飛ばされました。

「大丈夫、問題ない!」

   器用に木の幹に着地、反動をつけて飛び出し

「《シールドバッシュ》」

   ジャイアントリザードは数歩よろけるもののすぐに持ち直す、クロスボウやスローイングナイフ、ウィンドカッターまでもその分厚い皮に弾かれる。
   ママンが鞭を首に巻きつけ動きを抑えた。さすがにちぎれない様だ。

「《フリージング》」
「《アイスランちゅ》」

2人の魔法で凍らせてさらに動きを抑制する。

「はあっ!《回転斬りローリングアタック》」

   新たな《剣スキル》ですね、高速回転しながら何度も斬り刻む。

「ギシャアアアァァァ」

   首を半分切り裂かれ血飛沫と断末魔の叫びをあげてジャイアントリザードが倒れる。

「くっ、目が回る…」

   アレクス君がぐるぐるバットの後の様にふらついていた、慣れるまで大変な技ですねー。

「階層ちゃがるとだんだん強くなってきまちゅね」
「ダンジョンはそうゆうものですわ」

   残りの首を完全に落としインベントリへ収納する。

「それじゃあ階段部屋でお昼にする、ここ蒸し暑いし」

「わーい、お昼ご飯ー」

   目眩は治ったか、今日のお昼は昨日作った角鶉のソテーだ。ゆっくりと階段を降りて行った。





「ん、誰かいまちゅね」

   ウリュ君の言う通り階段部屋には冒険者が4名ほど座り込んでいた。

   私達、と言うより後ろのカルラとレイディを見て剣士っぽい男の人が剣を抜く。

「この2頭は従魔です、攻撃しないで」

「す、すまん」

   私の制止に剣士っぽい男の人は剣を収めた。

   みると1人女性が壁にもたれぐったりしている。顔色も悪く冷や汗もかいているようだ。

「そっちの女の人具合悪いの?」

   アレクス君も気になったのか。

「ああ、俺たちはチーム【炎の剣】俺はリーダーで剣士のラグ、彼女はチームの剣士でリズ、それと」
「槍士のルカで」
「弓士のレナよ」

   自己紹介されたのでこちらも返す。

「私はチーム【金色の翼】のリーダー、魔法剣士のエルです」
「剣士のアレクス」
「魔法弓士のウリュでちゅ」
「リッサですわ」

   ラグが焦ったように私たちに聞いてきた。

「あんたら、【サンドヴァイパー】の解毒剤持ってないか?リズがサンドヴァイパーの毒にやられて、逃げる途中で荷物を落としちまったんだ」

   レミーちゃんの時もそうだったが解毒剤はその毒にあったものでないと効果が薄いのだ。

「金なら払う、頼む」

   解毒草ならあるがこれだけではサンドヴァイパーの毒には効かない。
   ウリュ君がチュニックの袖を掴んで見上げる。アレクス君も困ったような顔をしてこっちを見た。
   ママンが『別にいいんじゃない?』とでも言いたげな顔だ。

「あいにくサンドヴァイパーの解毒剤は持ち合わせていませんが「クソっ、どうすれば…」」

   人の話は最後まで聴こうね。

「魔法で解毒できますよ」

「「「え?」」」

   3人が呆然とする。

「ちょっと失礼」

   リズさんとやらを介抱する2人の間をすり抜け前にしゃがみこむ。噛まれた腕が紫色に腫れ上がっていた。すでに毒は全身に回っているようだ。

「《毒治療キュアーポイズン》」

   魔法は薬と違ってどんな毒にも効くのだ。多分毒の所為で一部臓器不全も起こしかけているだろうから追加。

「《病気治療キュアーディシーズ》」

   リズさんの呼吸がゆっくりになり表情から苦悶がとれた。炎の剣の3人がポカンと口を開ける。

「しばらく休ませて、栄養とって半日もすれば普通に動いて大丈夫ですよ」

「「「あ、ありがとう」」すまん、感謝する」

「ところで荷物落とされたってことですけど、【転移水晶柱】までは行けそうですか?」

「ああ、落としたのはポーションバックなんだ、解毒剤を飲まそうと取り出したところに攻撃を受けてな」

   ふむ、ならば。懐からギルドカードを2枚出し、商業ギルドカードを上にしてラグさんに見せる。

「えっと、『エルドール商会・会頭』?」

   ニッコリスマイルで

「ハイ、回復魔法について喋らないと約束してくださるならヒールポーション、お安くお譲りしますよ」

「「ええ~」」

   なぜアレクス君とウリュ君が?あのねえ、こう言うことはタダにしない方が効果があるんだよ。施しはダメなんだよ。

「使用期限が短いのでヒールポーション1本500メル、もし空瓶があるなら400メルでいいです。マジックポーションは1瓶1000メル、ダンジョン村価格でなくて街価格です。こちらは使用期限は普通に3ヶ月あります」

   ダンジョン内でポーターとかが販売するヒールポーションは1500メル前後と、まあぼったくり価格である。それを考えれば良心価格だ。使用期限を誤魔化し販売する悪徳商人とかもいるし。
   ポーション系は調合してから徐々に効果が落ちるのだ。インベントリに入れていると関係ないけど。アレクス君とウリュ君に渡したマジックポーチの中のも徐々に効果が低下する。
   そしてアレクス君が最初に作ったヒールポーション、実はあれ効果の落ちが通常より早いのだ。いい魔石を使ったので作りたては通常の効果があるんだけどね。

「あっ、空瓶ならあるわ」
「お、俺もある」

   カチャカチャと荷物から小さなポーチを取り出した。大抵ポーション系は専用のポーチに入れる。空瓶をその場で捨てる事もあるが、余裕があれば持ち帰った方が次の購入時に割引が効く。

   2人が出した瓶は合計5本。私はインベントリからアレクス君のポーションを入れたツボを出す。

「あっ」

   アレクス君が気付いたようだ。少し赤くなって横を向いた。まず空の瓶1本に中身を注ぎレナさんに渡す。

「効果を確かめるためにリズさんに飲ませてあげてください」

   レナさんは恐る恐るリズさんにヒールポーションを飲ませる、いや変なもん飲ませるくらいなら魔法かけて助けませんよ。

「う…ん」
「「「リズ!」」」

   ゆっくりと眼を開けて周りをぼうっと見るリズさん。
「ん、あれ、みんな」

   ルカさんがリズさんを抱きかかえる、あこの2人あれか、恋人同士?

「よかったリズ」
「あれ?私確かサンドヴァイパーに…」
「ああ、こっちのチーム【金色の翼】の人達が助けてくれたんだ」

   起き上がろうとするリズさんを手で制する。
「無理しないでください、まだ休んでた方がいいですよ」

「ありがとうございます」

「じゃあ効果も確認してもらった事だし、この5本でいいですか」
「ああ、お願いする」

   瓶に薬を詰めながら説明をする。
「だいたい効果は後一月くらいと思ってくださいね、じゃあ2000メルです、アレクス君、受け取って」

「あ、うん」

   お金をアレクス君に渡しながらルカさんが

「今リズが飲んだ分はいいのか、あれも合わせて2400メルだろう」
「あれは効果の確認ですからいいですよ、おまけです」

   ラグさんがガバリと頭を下げる。

「ありがとう、本当に感謝する。魔法のことは決して口外しないと誓う、ありがとう」

「いえ、困った時はお互い様ですから」

   実はこの精神はこの世界のダンジョン冒険者にはない。危機に瀕している冒険者を助けるのはよっぽど力に自信があり余裕のあるものだ。ダンジョンという持ち物に余裕がない状態で他者に譲るなど自分の首を絞める行為と考えられている。そして戦闘に割って入る事もしない、助けに入って共倒れになる危険もある。よしんば倒したとしてもどちらの獲物だと剥ぎ取りで揉めたりすることがあるのだ。普通は助けてもらったものが救援に入った者に譲ることをギルドは推奨しているが、いざ命が助かると欲が出るのである。(救援を求めていない、横殴りだ等のいちゃもんつけるケースあり)

   今回は戦闘中ではないし、大量にあるアイテムの販売(まあ格安すぎるが)なので。さらにアレクス君作のヒールポーションがはけてめでたしめでたしである。





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ローリングアタックは正しくは《回転攻撃》ですがこっちの方が聞こえがいいので《回転斬り》にしました。
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