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5章 嵐は…
15話 さらっと7階層
しおりを挟む【炎の剣】の4人の居るところで食事がしにくかったので7階層で食事をする事にしました。
「熱い」
7階層は砂漠エリアでした。まあストーンウォールで天井も塞いで風結界と氷魔法で温度下げてご飯にしました。
春階層が蟲系とゴブリンだとすれば夏階層は爬虫類系と【オーク】でしょうか。この熱い(砂漠は暑いじゃなく熱いです)砂の中から現れるサンドバイパーは厄介ですね。突然飛びかかって来ます。噛まれても毒にやられますが、多少離れていても毒液飛ばして来ます。なのでもっぱら遠距離攻撃でーと思ったらレイディとカルラが速攻ゲシゲシしました。
オークは豚鼻豚耳メタボ腹のオッサンでした。いやもうファンタジーによくあるそのままの姿ですね。しかしこう見えてゴブリンよりも力が強い、初回遭遇時オークの棍棒の一撃を盾で逸らそうとしたが真正面で受けてしまったアレクス君はしばらく腕が痺れてました。
ウリュ君も杖でそらし損ね風の指輪を初起動、風の盾でなんとかしのぎましたね。
「コレ貰っててよかったでちゅ」としみじみ呟いてましたもん。
ネット小説なんかでオークを食べてる作品もありますが、この世界のオークは食べれません。さすがのうちのニクスキー君も何も言いません。だってこいつら共食いするし、人間も食べるんだよ、そんなの食べれるわけないよ。他種族の雌は繁殖用、雄は食用らしいです。オークって人型意外とも交尾可能らしいんですが、DNAどうなってんだ?
それと討伐証明部位は鼻です。鼻削いで持って帰るのやだなぁ。
固有種の【サンドゴーレム】ですが砂漠を歩行中モコモコっと砂が盛り上がったと思ったら身長2.5メートルの巨体でのそのそと近づいて来きます。動きはトロイと思わせておいて突然ガバッと覆いかぶさってきました。もう、どこの変態さんかと思うような仕草です。アレクス君は風のブーツと《瞬足》同時発動で飛んでいきそうになりました。
サンドゴーレムはママンの鞭が唸りました。砂だけに剣とかの方が通りにくく、鞭の締めの方が首チョンパしやすかったのは意外です。
アレクス君が「オレも鞭使えるようになろうかなぁ」なんて言いだす始末、アレなかなか扱い難しくて慣れない間は自分を鞭打つんですよ(エレーニアちゃん経験アリです)
ただ倒したあと崩れるとサンドゴーレムの砂と砂漠の砂の区別がつきません、かろうじて魔石は探せましたが。これはエドワードさんが持ち帰り勧めなかった理由の1つかもしれません。
階段まではオーク12匹、サンドゴーレム8体、サンドヴァイパー12匹、(あ、サンドヴァイパーの皮は武具の素材になります)ほど倒しました。小ボスは【ツインヘッドヴァイパー】こいつも毒持ちなんですが、レイディとカルラにボコられあっという間に終わりました。グリフォンもヒッポグリフも蛇に思うところがあるのでしょうか?
こんな感じであっという間に7階層が終わりました。砂漠で野営じゃなくてよかったし、2人のマントに《温度調節》付加してて正解でした。私はリバーシブルマントに急遽《温度調節》付加しましたよ。だって身躱しマントをママンにとられましたもん。
次は岩石エリアの8階層だ。そこで野営だな。
ーー補足ーー
7階層の砂漠エリアにはオアシスがあり、そこではヤシ、パパイヤなどが取れたのだが相変わらず直線で進んでいるので気が付かずに終わる。
ーーーーーー
今日も階段部屋での野営はママンに拒否られましたので8階層に出て少し行ったところで野営準備です。岩石エリアはゴツゴツの岩山って言うか火山?山があるので進み辛そうなエリアですね。
平な所が少ないので野営準備は地ならしからです。
「える~、お風呂、お風呂先に出して」
貴女、私の身躱しマント使ってたから熱くなかったでしょう。
「戦闘中に砂がかかっちゃって気持ち悪いのぉ」
ハイハイ、解りました。確かにサンドゴーレム戦助かりましたからね。
野営地内の温度コントロールしてますが、気分的に暑いので食事は冷たいものにしましょう。豚シャブサラダならぬ、角猪シャブサラダとパン、ジャガイモの冷製スープ。デザートに昨日採った果物でスムージー作りましょう。
ママンがお風呂上がりに飲めるようアイスハーブティーも用意して。
「あ~さっぱりしたわ、やっぱりダンジョンはエルと行くと快適よね」
まあ、一般的でないのは認めます。じゃあ浴槽に《ピュリフィケイション》かけて再度湯を貯めてアレクス君とウリュ君に声をかける。2人はヒールポーション作りのお勉強してました。
「2人先にお風呂に入ってね、リッサはそこの角熊肉カルラ達にあげてきてください」
そんなこんなで今日も1日が終わって行く。あ、でも夜番がまだある。前半は私とウリュ君、後半がママンとアレクス君ですね。
暑いので暖をとるための焚き火は必要ない。では獣避け…と行ってもゴブリンやオーク等の魔物は火を使うし恐れない。と言うと灯り的な意味しかないのですが、夜の暗闇に焚き火の火ってホッとすると言うか…しかしそうは言っても暑いのでここは魔法の《ライト》で十分です。
「ウリュ君は北方連合国に帰りたい?」
最近は棒術習得に勤めていたので、本を読むウリュ君の姿を久しぶりに見る気がする。ウリュ君は本をパタンと閉じてこっちを見た。
「僕、と言うよりアレクちゅが、家族がどうなったのかちん配なんだと思う。僕はなんであちょこにいたのか覚えてないし、どこのちゅっ身かも覚えてないから帰る場ちょが解りまちぇん」
「ゴメン、ウリュ君」
謝罪の言葉ににっこり笑うウリュ君。
「気にちないでくだちゃい。家ぢょくや故郷が思い出ちぇないことはちゅらくないでちゅ、ちょれよりもっと…」
もっと大事ななにか、思い出さなければならない何かがあるような…
だけどそれは霧がかかった様におぼろげで、掴めなくて…
「もっと?」
急に黙り込んだウリュ君は、何所か遠くを見ている様で少し不安になった。だから話しの先を促すふりをして注意をこちらに向けようとした。
「ううん、なんでもないでちゅ。今オネーちゃん達といっちょが楽ちいでちゅ」
そんな風な、お互い何を求めているのか解らない会話を交わしているとカルラとレイディが頭を上げた。
「なにか来たみたいでちゅ」
夜の闇の中で杖を構えるウリュ君をみてグレイブを手に自分も立ち上がる。
「8階ちょうには【ロックアリゲーター】や【ファイヤーリザード】がいまちゅが夜行ちぇいではなかったと思いまちゅ」
ファイヤーリザードは私も持ってるマントの素材、《火耐性》を持っている。ただそんなに大きいモンスターではないのと、臆病で普段は岩場に隠れているのだ。多分違うと思う。
「「ブヒブヒ」」
あ、オークだった。ブヒブヒ聞こえた、あいつらの雌を見る目が気持ち悪いので、遠距離で仕留めてしまおう。
「《ファイヤーサークル》」
「「ブヒィ」」
まだ50メートル以上向こうだが岩陰に捉えた気配に向かって魔法を放つと悲鳴?が聞こえた。
青白い炎の柱が上がる。ちょっと魔力多めに込めて高温の炎にしてみました。
「ん、片付いたかな」
カルラとレイディは寝そべったのでオークは事切れたと思う。確かめに行く気はない。魔石もどうしても欲しいわけじゃないから放置で。
静かになった野営地でウリュ君と図鑑を見ることにしよう。
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