乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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5章 嵐は…

16話 サクッと夏階層

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ご無沙汰です。かなりあいてしまいました。
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「オーーホッホッホ、ワタクシをなめないでちょうだい、カルラやっておしまいなさい」

『はい、リッサ様』


   私たちは今9階層の山岳エリアにおります。ここは夏エリアですがコンセプトは『夏の山』なんでしょうか、今までの6~8階層に比べると涼しく過ごしやすいのですがエリア全てが斜面、すなわち山なのです。ところどころに洞穴と言うか坑道と言うか、まあ斜面にぽっかり穴がありましてそこからモンスターがお出でになります。多くは【ケイブクロコダイル】と【ケイブタートル】…
なぜ穴からワニとカメが、きみらの生息地は水辺じゃないのかと小一時間問い詰めたい。
あとたまに【マーブルゴーレム】が現れる。このマーブルゴーレムの出てくる穴は様々な鉱石が取れるのである。

   まあそう言う話は置いておいて、ただいまマーブルゴーレム戦の真っ最中です。

   ガキィィン

「クソ、硬え」

   アレクス君の一撃が弾かれる。ママンが鞭を絡めて動きを抑えている間に攻勢に出たが硬すぎるマーブルゴーレムにはじかれてしまった。

「関節、節目を狙って、アレクス君」

「《ウォーターアロー》」
「《フリージング》」

   ウリュ君の水魔法に私の氷魔法がマーブルゴーレムの動きをにぶらせる。

『アタチ、ヤルなのヨ』

   ガキン

   勢いつけ飛び出したレイディの蹴りがマーブルゴーレムの頭部を吹き飛ばす。

「「やった」」

   頭部を失ったマーブルゴーレムがガクンと膝をつくと、ゆっくりと前のめりに倒れて行く。

   ズズン…

「弱点さえ押さえればどうって事はないですわ」

   髪をかきあげながらママンがポーズをとっている。何の為?カルラがレイディが飛ばした頭を持って帰って来た。魔石を削りとり別々に分けてインベントリにしまう。

「やっぱり、ゴーレムの振り回す腕を避けながら首を狙うのは難しいな」

   アレクス君が剣が欠けてないかチェックしながらマーブルゴーレム戦の感想を言う。

「マーブルゴーレムより次の階ちょうのミちゅリルゴーレムはもっと魔法が効かないでちゅよ」
「凍らせて動きを鈍らせるしかないかな、デバフ系の魔法がかかりにくいからね」
「もう1匹出てこないかな、今度こそオレが倒してやる」

   いいところをレイディにとられたせいでアレクス君は今ひとつ納得いかない様だ。マーブルゴーレムを集め終わったので洞穴を確認、良さげな鉱石があれば持って帰ろう。

「ケイブクロコダイルとかケイブタートルとか硬いのばっかりだなここ」
「ここだけでなく夏階階ちょうはロックリザードとか硬いのが多いでちゅ」

 などと会話をしながら洞窟で採掘してます。しかし取れたのは鉄鉱石が5キロほどと銅鉱石が3キロほどとあまりいいものは出なかったので、サッサと次のマーブルゴーレムを探しつつ階段に向かうことにした。



   結局9階層ではマーブルゴーレム4体、ケイブクロコダイル8匹、ケイブタートル6匹などを倒して素材を手に入れつつ、うっとおしいオークナイト、オークメイジ、オークアーチャー、オークウォリアーなどを蹴散らしながら進んだ。
   このオークナイトが『ブッヒ、ブヒッ』とヨダレを垂らしてこっちを見た瞬間背筋が寒くなった。どこがナイトやねん!お巡りさ~ん、変態がいますぅ!
   そしてこいつの装備、ミスリル合金だった、生意気な。ミスリル含有量は少なめだったがこんな奴に勿体無いわ!私はオーク装備は触りたくなかったがウリュ君が《ウォーター》で水洗いしてからアレクス君がマジックバックに収納してた。武器に罪はないか、オークを憎んで武器を憎まず、で。


   10階層は沼地エリアなので野営は階段部屋でする事になった。一度10階層に出たのだが蒸し暑さに戻って来た。ここなら広く場所を取れないので壁を背に左右をストーンウォールで遮り、レイディとカルラに番をしてもらって全員寝る事にした。

「エル、お風呂入りたいわ」
「今日1日は我慢してください」
「エル、お風呂に入りたいの」
「ここは他の冒険者がいつ来るかわからないのですよ」
「エル、お風呂…」

   名を呼ばれるたびに漂う冷気の温度が下がっていく為仕方なく小さく囲ってリッサを入浴させた。

「オレはいいよ、エル姉も入ったら?」

   なんて言ってくれますが、明日の夜には10階層クリアできると思うので《ピュリフィケイション》で充分です。

   ママンがサッパリした顔で出て来ましたよ。

「ああ、気持ちよかった、エル、アイスハーブティーちょうだいな」

   ママン、ダンジョンでくつろぎすぎてやしませんか。言われると思ったから準備してましたけどね。

「はい、どうぢょ」

   ウリュ君がハーブティーの入ったカップを渡すとママンはそれはそれは素晴らしい笑顔をウリュ君に向けました。ああっ逃げてー、ウリュ君逃げて~!

「ふふふ、ありがとう」
「あぅっ…」

   ああ、ママンに捕まったウリュ君はほっぺにちゅーーっとされました。

「もう、エルったらそんなに睨まなくってもいいじゃない」

   いえ、ママンの魔の手からウリュ君を護れなかった事を嘆いているだけです。

「さあ、カルラ、レイディ。見張りをお願いね」

『お任せを』
『あい、任せてなのヨ』

   浴槽を片付けて、(捨てた水はあっという間に地面に吸収されていく、水さえも吸収するこのダンジョンシステム。現代にあれば素晴らしいゴミ処理場になっただろうな)マットを出した。追加で石壁をこしらえ見えないようにしてから全員眠る事にする。




   翌朝、10階層は温度より湿度が高く、大小の沼地が其処彼処にあり進み辛い階層だった。

「いっそ飛んでいく?」

   ママンは提案するがそれではダンジョンを制覇したとは言えない。一応そこはこだわる。

「春階層は一度クリアしてるから飛んで移動したけど、夏階層は初めてだからちゃんとやりたいのよ」
「あ、オネーちゃん」

   会話を割ってウリュ君の注意が入ったのは目前に沼から飛び出した体長二メートルの【ポイズンフロッグ】が現れたから。

「うお、滑る?」

   速攻放たれたアレクス君の一刀がヌメるポイズンフロッグの表面を滑る。

「斬撃より刺突の方がいいかも」
「《ちゃンダー》」

   しかしウリュ君の魔法はポイズントードの表面を滑りダメージを与えられなかった。

「図鑑に『特ちゅな粘液に覆われている』って書いてありまちたが、魔法も弾くなんて」
「じゃあ燃やすか、凍らすかがいいんじゃないかしら。粘液というくらいだから水属性でしょう?」
「弱点となるぢょくちぇいをちゅかう方が効果が高いのは当然でちゅね」

 ママンの言葉に頷きながら次の魔法を打つウリュ君。

「《ファイヤーボール》」

「ゲコッ」

 火に驚いたポイズンフロッグは頬袋を膨らませたと思ったらビュッと粘液を吹き出した。
 じゅうっと音を立ててウリュ君のファイヤーボールが鎮火されると共に異臭が漂う。

「あれ、毒だから気を付けて」

「《ファイヤーボール》《ファイヤーボール》」

   2発続けてのウリュ君の魔法は避けられずポイズンフロッグに命中した。

「よし!」

   風の靴+瞬足で一気にポイズンフロッグ の後方に周り焼けた部分に突きを繰り出すアレクス君。

「グゲェ」

   前方からミスリルの槍に炎を纏わせた一撃を食らわせポイズンフロッグを無事仕留めた。

「討伐ちょう明部位はちたでちゅね」
「おっし!」

   ウリュ君の説明にアレクス君が舌を切り落とし麻袋に入れてからマジックバックに収納する。素材は毒袋と皮という事で2人は解体を始めた。するとママンが私の方にやって来て

「2人でも十分倒せたわね、エルは手を出さなくてもよかったんじゃなくて」
「そう…かな、そうした方がいい?なんだか見てるだけっていうのがなれなくて」
「貴女は昔からなんでも自分でしてしまうところがあるから、他人任せにできないのよね。でも2人に判断させる事も必要よ」

   ママンのいう事ももっともだと思うのだが、つい手が出てしまう。この辺りは子育て経験によるものなのかな?

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