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5章 嵐は…
17話 フラグ立てないでください
しおりを挟む「シルバーゴーレム出なかったな」
「どんなのか戦ってみたかったでちゅ」
途中【シルバーゴーレム】に会うことなく中ボスの扉の前に着いてしまったが、ウリュ君の言うように戦って見たかった、というより素材欲しかったな。
現れたのはおなじみオーク軍団と【ポイズンフロッグ】と【キラーアリゲーター】。このキラーアリゲーターは一度噛み付くと死んでも離さないと、冗談でなく死ぬと顎の筋肉が拘縮して口が開かなくなると言うある意味凶悪モンスターでした。死んでもと言うより死んだら離さないやつでしょう。こいつの牙が結構貴重素材だったりする。まあ死ぬと口開けないから解体に時間がかかるのだから。鋭く丈夫な歯を仕込んだナイフなんかは硬いケイブタートルの甲羅やマーブルゴーレムも削るらしい。
このダンジョンってその季節層に役立ちそうなものが最後の中ボス階に出ないか?5階層の除虫草もそうだよ。
「昼食済ましたら中ボスに挑戦しましょうか」
「何が出るのかな」
「可能ちぇいとちたらオーク軍団か爬虫類系の上位ちゅとゴーレム系の上位ちゅでちゅか」
「打撃系の攻撃力に欠けるこのチームとしてはゴーレムは遠慮したいですわね」
……なんてママンがフラグ立てるからこんなことになるんですよ。
「…【ジャイアントシルバーゴーレム】」
ジャイアントとつくだけあって馬鹿でかい、身長5メートルはありそうだ、この高さでは剣や槍で頭を狙うのは難しいな。
ジャイアントシルバーゴーレムは中ボス部屋(野球場サイズ)のど真ん中に鎮座しておりまだ動き出してない。この隙にまずは強化から。
「《物理耐性》《物理防御盾》《速度上昇》《筋力上昇》《体力上昇》《魔法効果上昇》」
バフかけまくる。《フィジカルシールド》は一回だけ物理攻撃を逸らしてくれるというものだ。相手は魔法耐性高すぎるのでデバフ系は意味ないだろう、そして魔法攻撃がないとふんで魔法防御はかけなかった。
のそりとジャイアントシルバーゴーレムが立ち上がり自らの拳を打ち付ける。
ガシーーン!
どこのスパロボやんねん!
「まずはお試し!」
アレクス君が《瞬足》で駆け寄りゴーレムの足の間をすり抜け後方へ回り込む、レイディがゴーレムの気をそらそうと正面から飛びかかる。
ガキィン
アレクス君は足首の関節を狙って剣を振るうが弾かれてしまった。
「関節も硬えよ!」
ゴーレムはレイディに向かって拳を振り下ろすが、レイディは軽く躱し後ろに下がる。ゴーレムの拳はそのまま地面に…
ズズズズガーーン
「わっ」
「きゃっ」
「うわっ」
「ッツ!」
空振りのはずの一撃が地面に直径2メートル深さ50センチほどのクレーターを作り地面を揺らす。
「あれ一度でも食らったら終わりそう」
「まずはなんとか拘束できないかしら」
クレーターを見て1つ思いついた。
「穴掘って埋めてみる、《ディグディッチ》」
ゴーレムの足元、深さ5メートルをイメージ。発動とともにズズンズンと土煙を上げゴーレムが沈む。そこにウリュ君が魔法を放つ。
「大河の流れよ、降り注げ《大滝》!オネーちゃん凍らちて」
「了解!《凍結》」
ビキピキピキっと凍りつくゴーレム。だがもがくゴーレムが振動となって地面を震わせる。
「長くもたないわ、土系の魔法なら物理攻撃効果があるでしょう」
ママンの言葉に従い土魔法を放つ。
「ちゅきちゃちゃれ《ちゅトーンランちゅ》」
「《ストーンハンマープレス》」
石のハンマーがゴーレムの頭めがけて落ちる。
「エル、今のより小さめのストーンハンマーちょうだい!」
「了解」
ママンの近くにストーンハンマーを作り出すとそれを掴んでゴーレムめがけて走り出す。
「どっせい!」
ママン、侯爵夫人の掛け声としてはいかがなものでしょうか?ママンの一撃が効いたようでゴーレムの頭部が変形した、しかしストーンハンマーは衝撃でぼろりと崩れる。
「次!」
「エル姉、オレにも!」
ママンにはさっきより少し大きめ、アレクス君にはママンよりさらに小さめのストーンハンマーを出す。
「たあっ」
「うりゃぁ」
『お手伝いします』
カルラは後ろ足キックを炸裂、うわーなんか凄いことになった。続けて3回ほどストーンハンマーを出したが、最後にはジャイアントシルバーゴーレムの頭がボコボコになり、むき出しになった魔石をアレクスが剣でほじくり出して終了した。
「ふう、いい仕事したわ」
ハンマーを地面につきひたいの汗を拭くママン。どこの土建屋ですか貴女は。あ、ゴーレム消える前にインベントリに収納しないと。
ゴーレムを収納すると氷が吸収されていき、地面の穴がすすすと閉じていく。
ガコッ
奥の壁の一部が開き階段への通路が現れた。そしてジャイアントシルバーゴーレムが最初座っていた辺りに宝箱が現れる。
「わーい、宝っ箱っ!」
さて何が入っているかな?
1、炎の蛇腹剣
魔力を 流すことで節が離れ鞭のように扱うことができる。炎を纏うことで火属性攻撃が可能。
ふへ?なんじゃこりゃ。えらく浪漫武器な一品が、あ、アレクス君の眼がキラッキラッです。これはアレクス君いきかな。
2、火の腕輪
ミスリル製、装着者の火魔法の威力を1.3倍にあげる。
3、火躱しマント
ファイヤーリザードの皮製、炎、火魔法を防ぐ、温度調節効果あり。
以上の三品です。
「エル姉、エル姉、オレ、コレ欲しい、お願い」
「これ扱い難しいそうよ」
「頑張る、練習するから」
「いいんじゃないかしら、多少なら私がアドバイスできそうよ」
「リッサ姉、ありがとう」
飛び上がって喜ぶアレクス君にママンの魔の手がっ、
「ん~~」
抱きついたママンに抱き返すアレクス君、そしてちゅ~~っと頬に。しかしアレクス君は嬉しいのでそのまま抱きついてます。まあ、今回はいいでしょう。
「ウリュ君、火の腕輪を風の腕輪の反対の腕に付ける?指輪とか一杯になっちゃうけど」
「いいんでちゅか?僕ばっかり」
「今のところ、私はなくても大丈夫だよ、リッサは…あの人魔法使えるのにあんまり使わないのよねぇ」
チラリとママンをみると自分の名を呼ばれたのがわかったのか、抱擁を解いてこっちに来た。
「なあに?」
「リッサは火の腕輪より、火躱しマントがいいんじゃないかなって」
「あら、ワタクシにくれるの?」
「私は身躱しローブがあるでしょう(今はママンにとられてますが)」
「ん~、そうね。デザインは趣味じゃないけれど、エルがそういうならもらっておくわ」
防御力や機能よりデザイン重視なのはいかがかと思うんですが。
「そろそろ行きましょうか」
通路を進むと【転移水晶柱】の部屋に出る。
レイディとカルラに別れて乗った状態で【転移水晶柱】に触れる。すると頭の中で無機質な女性の声で、
『現在選択できる柱は1階層、5階層です。どちらに転移しますか?』
『『「「「「1階層」」」」』なのヨ』
一瞬青い光に包まれた、前回同様1階層の大きな扉から外から光が差し込むのが見えた。
「宿をとったら今日はゆっくりする?」
「オレ、リッサ姉に訓練して欲しい」
「僕も」
「あら、いいわよ。まだ十分明るいし」
「わかったわ、みんな行きましょうか」
夏階層を無事制覇して全員で外に出た。
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2017.01.31お宝配分と転送のあたりのおかしな文章修正しました。
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