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7章
4話 クロード辺境伯爵領の端っこに来ました
しおりを挟む手紙の内容はリュミエール神皇国の女神祭に行ったこと。基本先の予定や現在の居場所などは書かないように2人にも言ってある。追いかけられたくはないので。
「エル姉、これも一緒に送れるかな」
アレクス君から渡されたのは小さな小袋。なかみは祝福でした。
「コレご利益あるんだろ、なんだっけ?『豊穣、豊作』と『英華栄達』?」
「あと『子孫繁栄』でちゅ」
……
「どした、エル姉」
いや、なんだか2年後に帰ったら弟か妹が増えてるような気がしまして。
ちょっと送るの躊躇いました。しかしアレクス君のお土産ですから。
「なんでもない、うん、一緒に送れるから大丈夫」
コーサでは2泊して次の街を目指します。
砂漠地帯に行くにはコーサから西第2砦からドウニ山脈(砂漠地帯とガガート帝国の間の山脈)へと入るコース。距離的にはこっちの方が短い。
もう1つは南西のソタの街を経由してヘンリー伯爵領から砂漠地帯へと行くコース。若干回り道だが街道の安全性はこちらが上。
街道の安全性って、飛んで行くんだろ!って言ってはいけない。定期的に休憩挟むんだからそれなりに危険はある。そして街道を使う人もこっちの方が多い。
ウリュ君から諸国漫遊してる訳ではないので最短距離を行くべきと指摘されました。うっ、ごめんなさい。ちょっと観光気分入ってました。
ダメですね、私ってば。早く自分の身体取り戻して姉様に身体返してあげないといけないのに。
ゴージャスボディに執着なんてしてません、してないったら……
ごめんなさい、実はちょっとしました。
自分の今ってどんな風になってるんだろ、あ、そう思ったらちょっと不安になってきた。
無茶な事はされてないとは思う。幽閉されてた時も身体は大事にされてた気がする。
精神の方は削られまくってましたが。もうね、心を折ろうとあの手この手の言葉責めって…違うか、洗脳もちょっと違う?
とにかく精神的に弱らせようと色々言ってくれました。記憶を完全には取り戻してないけど、そういうことがあったのは間違いない。
という訳で西第2砦目指します。
西第2砦まで飛んで行って1日で到着。砦にはホマという村が隣接してます。
元々はドウニ山脈の鉱山で働く人達を中心とした街だったのだが、40年前ガガート帝国の前皇帝即位から国家関係がおかしくなり、30年前にこの西第2砦を含め西第1砦、東第1、2の砦が増設されたとか。
その後さらに国家間の関係が悪化し、鉱山の権利で揉めた為鉱山は縮小、ホマは鉱山より、砦の兵士相手の街になった。
ぶっちゃけ花街が大きいのだ。今もドウニ山脈西側の鉱山から良質の鉄鉱石が採れるので鍛治師も多い。
砦から北への街道はガガート帝国に向かう道なので現在は完全に封鎖されている。
北西方向の門は鉱山へ向かう道なので今も頻繁に人の往き来がある。私達はこの鉱山への道を利用して砂漠に進もうと思っている。
「砂漠地帯が近いからもっと暑いかと思ったけどそうでもないんだな」
村に入っての感想をアレクス君が言う。
「山脈から湿気を含んだ風が吹き下すようだからこの辺りはまだ涼しいみたいよ」
さて、ここを過ぎたら砂漠地帯に行く訳だし、どこかで情報仕入れないと。
所々にオアシスがあってそのオアシスの周りに【砂の民】の住居?村があると言うのは知識としてある。だがオアシスの位置とかは全然わからないので情報が欲しい。
「冒険者ギルドがあるみたいだから行ってみようか」
村に入って門番の人に冒険者ギルドの場所を教えてもらっった。
そこそこ大きな村だ、もうす町になってもいいんじゃないかとも思うけど村と町じゃ税率とかが変わるんだよ。
なので町になりたがらないところもある。
ただ鉱山や砂漠地帯への往き来があるせいで大型従魔は割と通るようなので村に入ってもレイディは驚かれない。
ちょうど向こうから鉄鉱石を積んでいるだろう荷車をマウンテンバッファローという大型魔獣が引いていた。
「でけえ…」
「ちゅごい、大きいでちゅ」
マウンテンバッファロー、バッファローと名がつくがその性質はおとなしく、どちらかと言えば臆病。大きさは象ほどもある。草食なのだが草だけでなく木まで食べるらしい。『気は優しくて力持ち』なのだ。
村の通りをギッシギッシと荷車を軋らせながら、多分製鉄所のある方へ進んで行く。
山から伐採される木々のおかげで製鉄の燃料も豊富なのだ。
「じゃあ冒険者ギルドに行こうか」
村の中心より南側に冒険者ギルドがある。ちなみに砦に近い北側が花街である。
村の冒険者ギルドと言う割に3階建てでそこそこ大きいなと思ったら1つの建物に入り口が……3箇所?
よく見れば右から『冒険者ギルド』『商業ギルド』『鍛治師ギルド』となっていた。
「集めたのか、お役所みたい」
とりあえず冒険者ギルドに行って隣だし後で商業ギルドでも情報もらおう。
なんちゃってマップ
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