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7章
10話 ストーンゴーレム戦
しおりを挟む「ではバフかけます。集まってください」
それぞれの武器を手にしてギルマス、【ドーマの疾風】クリフリンディア、私達が固まる。
「《物理耐性》《物理防御盾》《速度上昇》《筋力上昇》《体力上昇》《魔法効果上昇》」
「「「「「「!!!」」」」」」
「何これ」
「えっと、何種類の魔法?」
「嘘だろ」
「いいとこ《筋力上昇》と《体力上昇》くらいかと…」
「呆けてる場合じゃないぞ、用意はいいか」
バフかけまくりに驚く【ドーマの疾風】メンバーにカードさんの叱責が飛ぶ、リーダーだねえ。
「では行きます。ウリュ君」
「はい」
レイディに乗り主道を第3採掘場に向かって走りだす。
東京ドームほどもある第3採掘場に入った途端、重力魔法でサポートし一気に上まで飛び上がりストーンゴーレムを無視してジャイアントを目指す。
だが走り込んできた私たちにゴーレム達の注意が向いて後を追いかけ出す。
12体のゴーレムが全てこちらに向かって歩き出した。
「せいやっ」
出入り口に背を向けたゴーレムの背後に気合いとともに繰り出されたガリアンソードが1体のストーンゴーレムに絡みつく。
ミニアの背から飛び降りたアレクス君は一気に蛇腹剣を引き戻すが、ゴーレムにがしりと捕まれたたらをふむ。
「ちっ、一撃で頭引っこ抜くのは無理か、なら《ライトニングボルト》」
ガリアンソードを伝って紫電が走る。石でできているストーンゴーレムに致命傷にはならないが剣を掴む力が緩み、アレクス君は剣を引き戻した。
「ぼさっとするな、行くぞ」
アレクス君の特攻に度肝を抜かれた面々にギルマスの叱咤が飛ぶ。
戦いの喧騒にゴーレム達が一斉に出入り口の方に向き直る。
崩れた第4採掘場に続く主道を掘っていた(というか殴ってさらに崩れを誘発していた)ジャイアントも出入り口の方を向く。
ゆっくりと一歩、二歩と地響きをたてアレクス君の方に歩き出すジャイアント。
そして3歩目を下ろす地面は一瞬で空洞に変わる。
ズズズズン………
「く、硬くて浅かった。一回《ディグディッチ》」
硬い岩盤があると訊いていたのでシルバーの時より魔力を込めたが2メートルほどしか掘れなかった。
もう一度さらに魔力を込め穴を掘る。
穴から這い出ようとしていたジャイアントはさらに胸下あたりまで沈みこむ。まだ浅いもう一回。
3度目の《ディグディッチ》にウリュ君の詠唱が重なる。
「大河の流れよ、降り注げ《大滝》!」
肩まで沈み込んだジャイアントの上に大量の水が降り注ぐ。
「ありがとウリュ君!《凍結》」
穴掘りの魔法が下に進まなかったせいかどうかわからないが、予定よりも大きな穴になってしまい、凍りつくまでしばらく時間がかかってしまって、ジャイアントは顔以外右手が上に出てしまった。
しかしこれでしばらくは動けないだろうから先にストーンゴレムに向かう。
「レイディ、お願い」
『あい、いくなのヨ』
レイディは1体のストーンゴレムめがけ急降下から前足の一撃を放つ。
ドシャッ
頭部を吹っ飛ばされたストーンゴーレムは動きを止め、頭はレイディの一撃で叩きつけられ粉々になる。
「あ、魔ちぇきも潰れちゃいまちた、勿体無いでちゅ」
「Gyua!」
「まあ、1体くらいいいんじゃない」
そう言いながらレイディから降り、周りを確認する。
アレクス君は最初の1体を倒し2体目と戦闘中。ミニアも1体倒したようで、あ、2体目の頭をブレスのようなもので吹っ飛ばした。
ギルマスは一人で1体の相手をしている。自分の背丈ほどもあるバスタードソードを振り回しストーンゴーレムの頭を砕いた。おお、馬鹿力。
カードさん達はケイケイさんが弓で、ロンディさんが両手もちのショートソードでストーンゴーレムの注意を引きカードさんが攻め込むという方法で1体を相手にしている。
クリフリンディアが後ろ足蹴りをストーンゴーレムにお見舞いしていた。
デュドさんは大きなハルバートワーカーさんは槍で二人で1体を相手にしていた。
ウリュ君は魔法を放つ。
「燃えろ《ファイヤーちゅトーム》」
火柱が渦を巻きながらストーンゴーレムを焼く。炎が収まり赤黒くなったところに直径1メートル以上もある大きな《ウォーターボール》が…
「あ、やば」
ドン
高温に熱せられたストーンゴーレムに水。当然爆発するような水蒸気が一気に捲き上る。
水蒸気を《ウインド》で吹き飛ばし視界をクリアにする。一体一体離れているとはいえ、視界を塞ぐと他の人たちの戦闘の邪魔になる。ウリュ君には後で注意だね。
ウリュ君は動きの止まったゴーレムの頭部にツキを放つ。脆くなったドーレムはあっけなくボロボロと崩れた。
気がつけばアレクス君2体、ウリュ君1体、ミニア2体、レイディ2体、ギルマス2体、ドーマの疾風合わせて3体(クリフリンディアが1体倒していた)と、私の獲物はなかった。まあいいけど。
「まさかこんなに早く片付くとは」
カードさんがやってきた。
続いてギルマスも。
「まだメインディッシュが残ってる」
「予定より穴が大きくなってしまって……どうしよう」
そう、ジャイアントの周囲半径2メートルほどが氷になってしまった。そして右腕も肩関節あたりから出ているのでさっきから振り回しているから近づけない。足元が氷のせいで踏ん張りが効かないだろうし。
「魔法で攻撃ちまちゅ?」
「炎はダメよ、氷が溶けるから」
しかしさっきからビキビキと氷にヒビが入ってきている。長く持たない。
「俺が右手を絡めて抑えるから、みんなでボコる?」
「そうね、ギルマス。足元補強するんでみんなでかかってもらっていいですか?」
「あ、ああ」
「じゃあ行くよ、せいっ」
アレクス君がガリアンソードを伸ばし右腕を絡め取る。
「《ストーンクリエイト》お願いします」
氷の上を石の板で覆い足場を作るとその上をギルマス、カードさん、デュドさんワーカーさんが走りジャイアントの頭をボコ殴りにする。
「どりゃあぁぁ」
ギルマスの振り下ろされたバスタードソードがジャイアントの額を削り切る。
「あ」
アレクス君が引っ張っていた右腕から力が抜けたせいで後ろに転びそうになった。そこをすかさずミニアが支えに潜り込む。
「ありがとな、ミニア」
『どういたしまして』
そしてストーンゴーレム戦はあっけなく終了した。
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