乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

文字の大きさ
138 / 140
7章

11話 あっけなく

しおりを挟む
2017.09.29
一部文章のおかしな所と誤字修正。回復魔法についてのセリフはケイケイからロンディに変更。ケイケイは留守番でいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 
 
「終わり……でいいのよね?」

「うん、そう、と思う」

 ケイケイさんとロンディさんがお互いの顔を見合わせて首をかしげる。

「まだ肝心の第4採掘場を確認できていないぞ」

 そう、閉じ込められた(閉じこもった?)人達の救出がまだだ。

「向こうの坑道が第4採掘場に繋がっていたはず、行くぞ」

 ギルマスの指示の元坑道に向かうが件の坑道は狭かった。

「従魔は無理だな」

 高さは2メートル、幅は1メートルほど、レイディとクリフリンディアは通れそうにない。
 クリフリンディアにケイケイさんがついて残ることになった。うちのレィディはいい子なので一人で待てますよ。
 ミニアはぎり通れます。

 斥候職のロンディさんを先頭に坑道を行くことになりました。
 ロンディさん、ダークエルフだけど魔法職じゃないんだね。
 そして2番手は私、坑道は明かりがないので《ライト》で先を照らします。
 次は魔法が使えるウリュ君、その後ろはギルマス、カードさん。ウリュ君や私達女性陣とならギリすれ違えるので交代可能を考えて。かなり密着しないといけないので何も出ないことを祈りつつ《サーチ》。よかった、当分何もいそうにない。
 この坑道はまっすぐ第4採掘場に繋がってるわけじゃないのでくねくねと曲がり道、分かれ道を過ぎ30分ほどかかってっようやくたどり着いた。

「皆無事か!」

 ギルマスが声をかけると何人かが立ち上がった。

「ベルク!」
「マスター」

 商業ギルドのマスターと冒険者ギルドの職員のようだ。
 第4採掘場は出入り口近くの3分の1が崩れ埋まっていたが奥の方は無事のようだ。

 そこに取り残されていたのは総勢32名。
 商業ギルドのマスターと職員2人。冒険者ギルドの職員2人、領主の派遣した監査役員2人、護衛の兵士2人。
 監査団の案内をしていた鉱山職員1人の他、残りは第3採掘場と第4採掘場で作業していた鉱夫達だった。

 ざっと見回すと怪我人が結構いるようだ。重傷者が一人、護衛の兵士がジャイアントの一撃をくらい肋骨をおり息絶え絶えだ。

「ヒールポーションを持っていないか、できれば上級を」

 同僚の兵士も左腕を折ったのか添え木をされた腕を釣っている。
 全員が自分のポーションバックからヒールポーションを取り出すが、カードさんとギルマスが中級を持っているだけで上級を誰も持っていない。

 アレクス君とウリュ君から期待のこもった視線が。
 ふう、じゃちょっくら治しますか。私は寝かされている護衛兵の横にしゃがみ込む。

「ちょっと失礼」

「あ、エルって回復魔法使えたのよね」

 ロンディさんの言葉に周りの視線が集まる。
 重症の兵士を見るとかなりやばい状態だった。折れた肋骨が肺に刺さってる。

「すぐに楽になりますから

       《エクストラヒール》
 《ハイヒール》」

 《ハイヒール》くらいじゃ治らない。超小声で《エクストラヒール》をかけてから誤魔化すように《ハイヒール》をかける。
 部位欠損まで治せる《エクストラヒール》が使えることを知られるのってよくないんだよ。
 ごまかしに《ハイヒール》を3回唱えた後、感染症予防に《キュアディシーズ》も追加。
 重症の護衛兵の呼吸が落ち着き少し顔色に赤みがさす。

「とりあえずはこんなとこですか、さすがに魔力枯渇しそうなんで他の方はヒールポーションでお願いします」

 インベントリから全員に1本づつわたるよう31本のヒールポーションを以前パン売りに使った移動販売トレーに乗せてアレクス君に渡す。
 アレクス君とウリュ君は全員に行き渡るように配りだした。

 実際枯渇どころか余裕の魔力残量なんだけど今日は結構魔法使ったから。ストーンゴーレム戦まえに全員にバフかけまくって、穴掘ってとか(特に岩盤硬くて穴掘りに魔力つぎ込んだ)短時間に大量に魔力消費すると倦怠感がくる。

「ああ、すまん。しばらく休んでくれ」






 結局、崩れた主道を復旧するには時間がかかるということで、元気なものから坑道を歩いて戻ることになった。
 怪我人といっても皆ヒールポーションで治っているからね。重傷者護衛兵はミニアの背にくくりつけて運ぶ。

 第3採掘場に到着すると後発隊の冒険者が到着しており、体力の尽きた連中に肩を貸す程度ですることがなく、ランクDの冒険者にストーンゴーレムの後始末を任せ帰還した。

 こうしてジャイアントストーンゴーレムの緊急依頼はAランク相当にもかかわらず、発生から半日も経たず終了したのだった。









 後日監査役人からの報告。

 今回のジャイアントストーンゴーレムの出現について。
 第4採掘場の一部がダンジョンの中ボス部屋に繋がったことで起こったと見られる。
 このダンジョンは未発見のダンジョンで後日ドウニ山脈を捜索したが入り口は見つからず、ガガート帝国側に入口があるのだと推測、捜索は打ち切る方向で協議中。

 新しく見つかった鉱脈は、実はダンジョンだったと推測される。ジャイアントストーンゴーレムが出現した穴はジャイアントストーンゴーレムが通ったあと、すぐに塞がってしまい戻ることができなくなった。
 ダンジョンの壁や床は傷をつけたり穴を開けても一定の期間で自動修復される。そのためゴーレム達は戻れなくなってしまったのだろう。
 第3採掘場に出てきたがそれ以上進むことなく、ジャイアントが第3採掘場を掘り進めようとしたのも元の場所(ダンジョン)に戻ろうとしたためと思われる。

 なお、第4採掘場はダンジョンに近いため封鎖し、以後第3採掘場より東側への採掘は中止した方が良いと具申する。


 追記

 この度の救出に際し、多大な功績を残した冒険者チーム【金色の翼】は既にウェイシア国外に出ている模様。
 所属のクロード辺境伯領、エオカ支部に問い合わせたところ、クロード辺境伯爵令嬢の護衛も務めるほどの冒険者で、既にクロード辺境伯爵の『紐付き』と思われ、勧誘を断念しました。

 

しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

処理中です...