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第23章 淫紋の宝珠編
第370話 オーバーライト・メモリー
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魔道具店『闇夜のカラス』はコアクトーの予想以上に繁盛していた。
怪しい魔道具の売れ行きは上々で、あと少しで立地の良い目抜き通りに移転できそうだ。
ある日の昼下がり、真っ黒なローブに身を包んだ男が店を訪れた。
フードを目深に被り、いかにも怪しそうな男だ。
まあ、そういう輩が集まる店だから仕方ない。
その男は店内をくまなく物色し、やがてある商品の前で足を止めた。
その商品の品書きには、こう書いてあった。
【淫紋の宝珠】
『この宝珠を意中の女の前で翳し、呪文を唱えると、その女の体に淫紋を刻み、思うがままにすることができる』と書いてある。
価格は金貨2枚半(25万円)とかなり高価である。
男は、商品をまじまじと眺め、腕組みしてしばらく何事か考えていた。
「店主はいるか?」
その声は思っていたより若い声だった。
カウンターの奥で様子をうかがっていたコアクトーは、立ちあがると客の前に進み出た。
「お客様、お呼びでございますか」
「店主、この『淫紋の宝珠』は、何に使うのだ?」
「お客様、お目が高い。
これは当店一番人気の商品でございます。
この宝珠を女に近づけ、呪文を唱えるだけで女の下腹部と胸に淫紋を刻む事ができるのでございます」
「それで、女はどうなる?」
「はい、淫紋が刻まれた女はどんなに身持ちが堅い女でも、あるいは清純可憐な生娘でも、男が欲しくて欲しくてたまらなくなり、自ら股を開くのでございます」
「股を開くだと…」
「はい、左様でございます。
この宝珠は女を発情させることが出来る男性垂涎の魔道具なのでございます」
「それは本当か?」
「はい、ただ1点注意事項がございます。
この宝珠は呪文を唱えてから女の体に淫紋が刻まれるまで、約12時間掛かるのでございます」
「なるほど、12時間か…」
「しかし、一度淫紋が刻まれた女は男の言いなりです。
効果のほどは私が保証致します。
もし効果がご不満でしたら、お代は全て返金させていただきます」
「返金保証まであるのか…」
「お客様、この宝珠は最後の1点。
今なら金貨2枚にお値引き致しますが、いかがでしょう」
「なるほど……
それがお前の殺し文句なのだな、コアクトー」
コアクトーは見知らぬ客から名前を言われ唖然とした。
「お、お客様、私の名前をご存知なのですか?」
「知ってるとも、何度も会っているではないか?」
「ど、どこかでお会いしましたか?」
「コアクトー、オレを忘れたとは言わせないぞ」
男はフードを取り、顔をコアクトーに見せた。
「お、お前は…、シュテリオンベルグ」
コアクトーは驚愕した。
「おいおい、コアクトー、呼び捨ては無いだろう。
これでも大臣で公爵なんだからな」
「な、なぜ、お前がここに…」
「それはこっちのセリフだ。
何故お前がウェスタニアにいるのだ?」
「そ、それはお前が俺を追放したからだ」
「そうか、でもそれは自業自得だろ。
国内で大人しくしていれば良いものを…
国外へ逃げて、このような不法な魔道具を造りおって…
さあ、もう逃げられんぞ、大人しく縄に付け!」
その言葉を聞き、コアクトーは一目散に出口へ走った。
ドアを開け外へ出たが、そこには屈強な男たちが幾重にも店を包囲し、逃げ場は無かった。
「だから言ったろ、もう逃げられんとな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ミルカラーニ・コアクトーは、ソランスター王国情報省特務本部の精鋭部隊により捕縛され、店内にあった危ない魔道具は全て没収された。
コアクトーの逮捕容疑は国外逃亡、不法魔道具製作、婦女暴行幇助等で、その日のうちに円形監獄に移送された。
コアクトーが入れられた監房は10人部屋であった。
他のメンバーは人相の悪い盗賊のような連中であったが、その中の一人に見覚えがあった。
相手もこちらに気付いたようで、顔を見合わせてお互いを指さした。
「お、お前は、あの時の……」
それは、もちろんオレの差し金である。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
トリンは『1級メンタルキュア・ポーション』を5本、その日の内に完成させオレに届けてくれた。
そのポーションを秘書のセレスティーナに持たせ、大司教の部屋へ届けさせた。
その際にポーションの効能と服用間隔(朝晩の1日2回)を記入したメモを付けて渡したのだ。
『1級メンタルキュア・ポーション』の効果は抜群で、アウレリアは見る見るうちに回復していった。
そして2日後の朝には、ベッドから起き上がれるまでに回復し、食事が取れるようになったと大司教から連絡があった。
さすがはトリンの造った1級ポーションである。
その日の午後、オレはトリンを連れてアウレリアを見舞った。
ドアをノックすると大司教が笑顔で出迎えてくれた。
「ご領主様、何度も何度もお見舞いいただきありがとうございます。
アウレリアは、テラスで湖を眺めております」
大司教は、オレ達をスカイテラスへと案内した。
アウレリアは、スカイテラスの展望デッキで笑顔で出迎えてくれた。
少し窶れたように見えるが、5日も寝込んでいたのだから無理もない。
「アウレリア、元気そうで安心したよ」
「ご領主さま、わざわざお見舞いいただき、ありがとうございます。
さあ、どうぞこちらへお掛け下さい」
オレとトリンは、白い日除けパラソルの掛かった6人掛けのテーブル席へ案内され、大司教とアウレリアの向かいの席へ座った。
「紹介しますね。
彼女が『メンタルキュア・ポーション』を造った錬金術師のトリンです」
「え、ポーションを造られたのが、こんなに若い女性だったのですか?
しかも、お美しくて可愛いらしい方だったとは…」
大司教はトリンの容姿を絶賛した。
「お、お美しいだなんて、カイト様にも言われたこと無いですよ~」
トリンは柄にもなく照れた。
「いえいえ、本当のことです。
あんな凄いポーションを造られる方が、こんなに可愛いらしい美少女だとは思いませんでした」
大司教はポーションの効能とトリンの容姿を何度も絶賛した。
「あのポーションのお陰で、私は精神的ダメージから立ち直れました。
カイト様とトリンさんは私の命の恩人です。
本当にありがとうございました」
アウレリアは席を立つとオレとトリンに深々と頭を下げた。
「元気なアウレリアに戻れたみたいで本当に良かった」
オレがそう言うと、大司教とアウレリア親子はお互いの顔を見合わせた。
「完璧に元通りというのは、さすがにちょっと無理みたいです…
この通り精神的にも身体的にも元通りに回復することができましたが、一つだけ回復できないことがあるんです。
でも、それを回復させるのは難しそうなので、諦めることにしました」
アウレリアは奥歯に物の挟まったような言い方をした。
精神面と身体面以外に回復不可能なこととは、いったいなんだろう?
「差し支えなければ、それが何か教えていただけますか?
私が力になれることであれば、ぜひ協力させてください」
すると母と娘は再び顔を見合わせた。
アウレリアはなぜか顔を赤らめ、下を向いてモジモジし始めた。
何かオレに言い難いことなのだろうか?
アウレリアの横顔をじっと見つめ、大司教は意を決したようにオレに言った。
「ご領主様、回復不可能というのはアウレリアの『記憶』でございます」
回復不可能な記憶とは、いったい何のことだ?
少し考えて、オレはそれが何か気付いた。
恐らく大司教の言っている『記憶』とは、アウレリアが淫紋に支配されていた間の記憶を指しているのだろう。
その間の鮮明な記憶は、ポーションでも消すことは出来ない。
「確かに…、あの記憶を消すことは難しいか…」
オレは独り言のように呟いた。
「ご領主様にお願いしたいことがございます」
「どのような事ですか?」
「娘を…、アウレリアを、もう一度抱いていただきたいのです」
オレは大司教の言葉に唖然とした。
「抱いて欲しいと言われても、淫紋は消えたのですから、もうその必要はない筈ですが…」
「いいえ、そうではありません…
アウレリアが淫紋に支配されていた際の記憶を上書きしていただきたいのです」
オレは大司教の言葉の意味を理解した。
記憶の上書きで忌まわしい記憶を消すことなど可能なのだろうか?
これは後で調べて分かったことであるが、記憶の上書きは、EMDRと呼ばれる精神療法の一種でトラウマなどの辛い記憶を、よりポジティブな記憶に書き換えることで症状が改善されることが実証されているそうだ。
「アウレリア、君は今の話がどんな意味か分かっているのか」
「ご領主様、これは私と母が十分に話し合ったことです。
もし、可能であれば、私の記憶を上書きして頂きたいのです」
二人で熟慮したことなら、オレが断る理由もない。
「分かりました、記憶の上書きにご協力致しましょう」
「でも、その際にひとつだけ不安に思っていることがあります」
アウレリアがポツリと言った。
「何が不安なのです?」
「いつか私も殿方と契を結ぶ機会があると思ってました。
でも、結果的にそれが悪しき力に心を支配され、それに抗うためにご領主様と契を結ぶこととなりました。
今、改めてご領主様と褥を共にすると考えると不安でいっぱいなのです」
オレ達の話を黙って聞いていたトリンが口を出した。
「アウレリアさん、大丈夫ですよ。
カイト様に任せれば上手く行きますから」
「でも、何をどうして良いのか全く分からなくて不安なのです」
どうやら大司教は娘に性教育をしていないらしい。
「あ~、それなら私が教えて差し上げますよ。
私がカイト様とお手本をお見せしますから」
トリンが妙なことを口走り、事態はおかしな方向に進み始めた。
怪しい魔道具の売れ行きは上々で、あと少しで立地の良い目抜き通りに移転できそうだ。
ある日の昼下がり、真っ黒なローブに身を包んだ男が店を訪れた。
フードを目深に被り、いかにも怪しそうな男だ。
まあ、そういう輩が集まる店だから仕方ない。
その男は店内をくまなく物色し、やがてある商品の前で足を止めた。
その商品の品書きには、こう書いてあった。
【淫紋の宝珠】
『この宝珠を意中の女の前で翳し、呪文を唱えると、その女の体に淫紋を刻み、思うがままにすることができる』と書いてある。
価格は金貨2枚半(25万円)とかなり高価である。
男は、商品をまじまじと眺め、腕組みしてしばらく何事か考えていた。
「店主はいるか?」
その声は思っていたより若い声だった。
カウンターの奥で様子をうかがっていたコアクトーは、立ちあがると客の前に進み出た。
「お客様、お呼びでございますか」
「店主、この『淫紋の宝珠』は、何に使うのだ?」
「お客様、お目が高い。
これは当店一番人気の商品でございます。
この宝珠を女に近づけ、呪文を唱えるだけで女の下腹部と胸に淫紋を刻む事ができるのでございます」
「それで、女はどうなる?」
「はい、淫紋が刻まれた女はどんなに身持ちが堅い女でも、あるいは清純可憐な生娘でも、男が欲しくて欲しくてたまらなくなり、自ら股を開くのでございます」
「股を開くだと…」
「はい、左様でございます。
この宝珠は女を発情させることが出来る男性垂涎の魔道具なのでございます」
「それは本当か?」
「はい、ただ1点注意事項がございます。
この宝珠は呪文を唱えてから女の体に淫紋が刻まれるまで、約12時間掛かるのでございます」
「なるほど、12時間か…」
「しかし、一度淫紋が刻まれた女は男の言いなりです。
効果のほどは私が保証致します。
もし効果がご不満でしたら、お代は全て返金させていただきます」
「返金保証まであるのか…」
「お客様、この宝珠は最後の1点。
今なら金貨2枚にお値引き致しますが、いかがでしょう」
「なるほど……
それがお前の殺し文句なのだな、コアクトー」
コアクトーは見知らぬ客から名前を言われ唖然とした。
「お、お客様、私の名前をご存知なのですか?」
「知ってるとも、何度も会っているではないか?」
「ど、どこかでお会いしましたか?」
「コアクトー、オレを忘れたとは言わせないぞ」
男はフードを取り、顔をコアクトーに見せた。
「お、お前は…、シュテリオンベルグ」
コアクトーは驚愕した。
「おいおい、コアクトー、呼び捨ては無いだろう。
これでも大臣で公爵なんだからな」
「な、なぜ、お前がここに…」
「それはこっちのセリフだ。
何故お前がウェスタニアにいるのだ?」
「そ、それはお前が俺を追放したからだ」
「そうか、でもそれは自業自得だろ。
国内で大人しくしていれば良いものを…
国外へ逃げて、このような不法な魔道具を造りおって…
さあ、もう逃げられんぞ、大人しく縄に付け!」
その言葉を聞き、コアクトーは一目散に出口へ走った。
ドアを開け外へ出たが、そこには屈強な男たちが幾重にも店を包囲し、逃げ場は無かった。
「だから言ったろ、もう逃げられんとな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ミルカラーニ・コアクトーは、ソランスター王国情報省特務本部の精鋭部隊により捕縛され、店内にあった危ない魔道具は全て没収された。
コアクトーの逮捕容疑は国外逃亡、不法魔道具製作、婦女暴行幇助等で、その日のうちに円形監獄に移送された。
コアクトーが入れられた監房は10人部屋であった。
他のメンバーは人相の悪い盗賊のような連中であったが、その中の一人に見覚えがあった。
相手もこちらに気付いたようで、顔を見合わせてお互いを指さした。
「お、お前は、あの時の……」
それは、もちろんオレの差し金である。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
トリンは『1級メンタルキュア・ポーション』を5本、その日の内に完成させオレに届けてくれた。
そのポーションを秘書のセレスティーナに持たせ、大司教の部屋へ届けさせた。
その際にポーションの効能と服用間隔(朝晩の1日2回)を記入したメモを付けて渡したのだ。
『1級メンタルキュア・ポーション』の効果は抜群で、アウレリアは見る見るうちに回復していった。
そして2日後の朝には、ベッドから起き上がれるまでに回復し、食事が取れるようになったと大司教から連絡があった。
さすがはトリンの造った1級ポーションである。
その日の午後、オレはトリンを連れてアウレリアを見舞った。
ドアをノックすると大司教が笑顔で出迎えてくれた。
「ご領主様、何度も何度もお見舞いいただきありがとうございます。
アウレリアは、テラスで湖を眺めております」
大司教は、オレ達をスカイテラスへと案内した。
アウレリアは、スカイテラスの展望デッキで笑顔で出迎えてくれた。
少し窶れたように見えるが、5日も寝込んでいたのだから無理もない。
「アウレリア、元気そうで安心したよ」
「ご領主さま、わざわざお見舞いいただき、ありがとうございます。
さあ、どうぞこちらへお掛け下さい」
オレとトリンは、白い日除けパラソルの掛かった6人掛けのテーブル席へ案内され、大司教とアウレリアの向かいの席へ座った。
「紹介しますね。
彼女が『メンタルキュア・ポーション』を造った錬金術師のトリンです」
「え、ポーションを造られたのが、こんなに若い女性だったのですか?
しかも、お美しくて可愛いらしい方だったとは…」
大司教はトリンの容姿を絶賛した。
「お、お美しいだなんて、カイト様にも言われたこと無いですよ~」
トリンは柄にもなく照れた。
「いえいえ、本当のことです。
あんな凄いポーションを造られる方が、こんなに可愛いらしい美少女だとは思いませんでした」
大司教はポーションの効能とトリンの容姿を何度も絶賛した。
「あのポーションのお陰で、私は精神的ダメージから立ち直れました。
カイト様とトリンさんは私の命の恩人です。
本当にありがとうございました」
アウレリアは席を立つとオレとトリンに深々と頭を下げた。
「元気なアウレリアに戻れたみたいで本当に良かった」
オレがそう言うと、大司教とアウレリア親子はお互いの顔を見合わせた。
「完璧に元通りというのは、さすがにちょっと無理みたいです…
この通り精神的にも身体的にも元通りに回復することができましたが、一つだけ回復できないことがあるんです。
でも、それを回復させるのは難しそうなので、諦めることにしました」
アウレリアは奥歯に物の挟まったような言い方をした。
精神面と身体面以外に回復不可能なこととは、いったいなんだろう?
「差し支えなければ、それが何か教えていただけますか?
私が力になれることであれば、ぜひ協力させてください」
すると母と娘は再び顔を見合わせた。
アウレリアはなぜか顔を赤らめ、下を向いてモジモジし始めた。
何かオレに言い難いことなのだろうか?
アウレリアの横顔をじっと見つめ、大司教は意を決したようにオレに言った。
「ご領主様、回復不可能というのはアウレリアの『記憶』でございます」
回復不可能な記憶とは、いったい何のことだ?
少し考えて、オレはそれが何か気付いた。
恐らく大司教の言っている『記憶』とは、アウレリアが淫紋に支配されていた間の記憶を指しているのだろう。
その間の鮮明な記憶は、ポーションでも消すことは出来ない。
「確かに…、あの記憶を消すことは難しいか…」
オレは独り言のように呟いた。
「ご領主様にお願いしたいことがございます」
「どのような事ですか?」
「娘を…、アウレリアを、もう一度抱いていただきたいのです」
オレは大司教の言葉に唖然とした。
「抱いて欲しいと言われても、淫紋は消えたのですから、もうその必要はない筈ですが…」
「いいえ、そうではありません…
アウレリアが淫紋に支配されていた際の記憶を上書きしていただきたいのです」
オレは大司教の言葉の意味を理解した。
記憶の上書きで忌まわしい記憶を消すことなど可能なのだろうか?
これは後で調べて分かったことであるが、記憶の上書きは、EMDRと呼ばれる精神療法の一種でトラウマなどの辛い記憶を、よりポジティブな記憶に書き換えることで症状が改善されることが実証されているそうだ。
「アウレリア、君は今の話がどんな意味か分かっているのか」
「ご領主様、これは私と母が十分に話し合ったことです。
もし、可能であれば、私の記憶を上書きして頂きたいのです」
二人で熟慮したことなら、オレが断る理由もない。
「分かりました、記憶の上書きにご協力致しましょう」
「でも、その際にひとつだけ不安に思っていることがあります」
アウレリアがポツリと言った。
「何が不安なのです?」
「いつか私も殿方と契を結ぶ機会があると思ってました。
でも、結果的にそれが悪しき力に心を支配され、それに抗うためにご領主様と契を結ぶこととなりました。
今、改めてご領主様と褥を共にすると考えると不安でいっぱいなのです」
オレ達の話を黙って聞いていたトリンが口を出した。
「アウレリアさん、大丈夫ですよ。
カイト様に任せれば上手く行きますから」
「でも、何をどうして良いのか全く分からなくて不安なのです」
どうやら大司教は娘に性教育をしていないらしい。
「あ~、それなら私が教えて差し上げますよ。
私がカイト様とお手本をお見せしますから」
トリンが妙なことを口走り、事態はおかしな方向に進み始めた。
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