12 / 15
2章 蕾と花の指揮の違い
12:新規ダンジョンの発覚
しおりを挟む
訓練生としてアルメリアとフリュウが参加してから数日が経過。
そろそろ彼女達のランク上げに向かう為の場所をまとめるか、とクラン長室で考えていた時に、調査部門長のインフィオが音もなく後ろに立っていた。
「うぉおお!? おま!!? いつの間に入ってるんだよ! ノックは!? そもそも、ここから俺の後ろまでどうやって入ってきた!?」
「気を抜きすぎじゃない? 普通にノックして歩いて来たのにスルーされたから、いつ気が付くかなぁって暫く眺めてたんだよ?」
流石にノックに気付かなかったのは悪いけど、だからと言ってインフィオの歩き方は静かなんだから、声くらいかけてくれよ。
心臓飛び出ちゃうからさ……
俺の心臓、無能者の割に鍛えられてるけど、才能持ちと違ってそこまで能力値上がってないはずだからさぁ……頼むよ。
「悪かったよ……でも、せめて声はかけてくれよな? それで、俺に直接話を持ってくるって事は重要な話なんだろ? なんだ?」
「うん。この間のオークの件だけど、新規ダンジョン出来てるっぽいよ。初心者の森の奥の洞窟だったけど、誰も入らなかったからか、見つかってなかったからか……漏れ出てるんだよね」
この間のオーク騒ぎの話か。
しかし、新たにダンジョンとは恐れ入ったなぁ。可能性として低いだろうと考えを捨てたけど、まさかドンピシャだったとはね……
そうするとオーク系のダンジョンとして、今後有益か判断されるかだなぁ。オークは魔石に加えて肉が食えるんだけど、残す価値あるかなぁ。うーむ……王都にも初心者の森にも近い……
って、そんな事よりも、今のインフィオの言葉、聞き捨てならない言葉があっただろ!!?
「漏れ出てる!? お前、それはスタンピ」
俺の言葉を遮って、やれやれ、とでも言った感じに特に焦った様子もなく、インフィオが告げる。
「スタンピードではなく、ただただ漏れ出てる感じなんだよね。オークに洞窟生活は合わなかったのかな?」
「そのダンジョンから漏れ出てたらスタンピードじゃないのか? ノインの元居た村みたいに」
「ん~、どうなんだろう。スタンピードの特徴である、大軍を率いての行動はないんだよね。実際に見たけど、なんか普通に歩いてたんだよ。それこそ散歩する感じで、のそのそとさ。だから人が普段入り込まないから、警戒しないで出てきちゃったのかなって」
オ、オークって洞窟生活が肌に合わないってあるのか……?
魔物の行動としてはある程度は理解しているつもりだけど、ダンジョン産まれのオークにもある程度引き継がれているのだろうか……?
もしかしたら外で闊歩している魔物も、ダンジョン産がまぎれてるって事もあり得るのか? 結局は構成する魔力が依代に定着していれば可能な気もするし。
いや、でもひとまずはスタンピードの兆候はないらしいし、魔物がどっち由来であるかを考えるのはやめるか。
「そういう意味で漏れて、ねぇ……しかし、オークが散歩を楽しむとはな……いや、王都にも近いし、初心者の集まる森にも近いから良くはないか。本当にこれからスタンピードが起きても困るしな。これは踏破されたら王国とギルドからの依頼で『奇跡協会』によるダンジョン封鎖もあり得るか?」
ダンジョン封鎖。
有益なダンジョンや高難度ダンジョンは封鎖が困難だが、どうしても邪魔な場合は踏破完了後、発生源に魔法――依代を永続的に起動させる事でダンジョン封鎖が可能となる。
その際は各国のどこにも所属しない、魔術と魔法の管理組織『奇跡協会』が派遣され、封鎖を行っている。
依代を壊されたりすると再び解放される事になるため、封鎖時には同時に結界魔法も敷かれて、以降は許可を受けた者以外は立ち入りすらできなくなる。
魔術と違い、魔法は依代にどうやってか霧散しない魔力を固定化し、効力を植え付けた奇跡とも言える代物。
人類にとって毒にも薬にもなる永続効果の為に、『奇跡協会』のみが現在では唯一知り、門外不出の神の御業となっている。
王国やギルドが重く受け止め、あの組織が出張ってくるとしたら、比較的早くにダンジョン壊しになるかもしれない。
それなら先にこちらからギルドに斡旋してもらって、『風運ぶ音色』とアルメリアとフリュウが入っても良いだろう?
「インフィオ、新規ダンジョンのランクは幾つだ?」
俺の言葉ににこりと笑い、意図を理解するインフィオ。
「Dランク相当だね。伝えてこようか?」
「頼んだ。良いね、流れが来てるぞ」
俺は依頼斡旋・獲得部門長のリクエスにこの件を伝えるようにインフィオに頼み、一人ほくそえんだ。
インフィオと会話した後に、恐らくいるであろう訓練場に向かう。
いつもここは誰かが訓練をしているが、ここ最近は活気が出ている。
多分、俺が名前を覚えたアルメリアとフリュウが影響しているだろう。
Eランク冒険者で、久しぶりに俺が見つけ出した――2つの蕾。
扉を開きながら考える。
今、彼女たちは何の訓練をやってるか……な!!?
盛大にゲボってる!!?
なんでこう、お漏らしとかゲボッてる時ばかり、お前らとは出会うんだよ!
そろそろ彼女達のランク上げに向かう為の場所をまとめるか、とクラン長室で考えていた時に、調査部門長のインフィオが音もなく後ろに立っていた。
「うぉおお!? おま!!? いつの間に入ってるんだよ! ノックは!? そもそも、ここから俺の後ろまでどうやって入ってきた!?」
「気を抜きすぎじゃない? 普通にノックして歩いて来たのにスルーされたから、いつ気が付くかなぁって暫く眺めてたんだよ?」
流石にノックに気付かなかったのは悪いけど、だからと言ってインフィオの歩き方は静かなんだから、声くらいかけてくれよ。
心臓飛び出ちゃうからさ……
俺の心臓、無能者の割に鍛えられてるけど、才能持ちと違ってそこまで能力値上がってないはずだからさぁ……頼むよ。
「悪かったよ……でも、せめて声はかけてくれよな? それで、俺に直接話を持ってくるって事は重要な話なんだろ? なんだ?」
「うん。この間のオークの件だけど、新規ダンジョン出来てるっぽいよ。初心者の森の奥の洞窟だったけど、誰も入らなかったからか、見つかってなかったからか……漏れ出てるんだよね」
この間のオーク騒ぎの話か。
しかし、新たにダンジョンとは恐れ入ったなぁ。可能性として低いだろうと考えを捨てたけど、まさかドンピシャだったとはね……
そうするとオーク系のダンジョンとして、今後有益か判断されるかだなぁ。オークは魔石に加えて肉が食えるんだけど、残す価値あるかなぁ。うーむ……王都にも初心者の森にも近い……
って、そんな事よりも、今のインフィオの言葉、聞き捨てならない言葉があっただろ!!?
「漏れ出てる!? お前、それはスタンピ」
俺の言葉を遮って、やれやれ、とでも言った感じに特に焦った様子もなく、インフィオが告げる。
「スタンピードではなく、ただただ漏れ出てる感じなんだよね。オークに洞窟生活は合わなかったのかな?」
「そのダンジョンから漏れ出てたらスタンピードじゃないのか? ノインの元居た村みたいに」
「ん~、どうなんだろう。スタンピードの特徴である、大軍を率いての行動はないんだよね。実際に見たけど、なんか普通に歩いてたんだよ。それこそ散歩する感じで、のそのそとさ。だから人が普段入り込まないから、警戒しないで出てきちゃったのかなって」
オ、オークって洞窟生活が肌に合わないってあるのか……?
魔物の行動としてはある程度は理解しているつもりだけど、ダンジョン産まれのオークにもある程度引き継がれているのだろうか……?
もしかしたら外で闊歩している魔物も、ダンジョン産がまぎれてるって事もあり得るのか? 結局は構成する魔力が依代に定着していれば可能な気もするし。
いや、でもひとまずはスタンピードの兆候はないらしいし、魔物がどっち由来であるかを考えるのはやめるか。
「そういう意味で漏れて、ねぇ……しかし、オークが散歩を楽しむとはな……いや、王都にも近いし、初心者の集まる森にも近いから良くはないか。本当にこれからスタンピードが起きても困るしな。これは踏破されたら王国とギルドからの依頼で『奇跡協会』によるダンジョン封鎖もあり得るか?」
ダンジョン封鎖。
有益なダンジョンや高難度ダンジョンは封鎖が困難だが、どうしても邪魔な場合は踏破完了後、発生源に魔法――依代を永続的に起動させる事でダンジョン封鎖が可能となる。
その際は各国のどこにも所属しない、魔術と魔法の管理組織『奇跡協会』が派遣され、封鎖を行っている。
依代を壊されたりすると再び解放される事になるため、封鎖時には同時に結界魔法も敷かれて、以降は許可を受けた者以外は立ち入りすらできなくなる。
魔術と違い、魔法は依代にどうやってか霧散しない魔力を固定化し、効力を植え付けた奇跡とも言える代物。
人類にとって毒にも薬にもなる永続効果の為に、『奇跡協会』のみが現在では唯一知り、門外不出の神の御業となっている。
王国やギルドが重く受け止め、あの組織が出張ってくるとしたら、比較的早くにダンジョン壊しになるかもしれない。
それなら先にこちらからギルドに斡旋してもらって、『風運ぶ音色』とアルメリアとフリュウが入っても良いだろう?
「インフィオ、新規ダンジョンのランクは幾つだ?」
俺の言葉ににこりと笑い、意図を理解するインフィオ。
「Dランク相当だね。伝えてこようか?」
「頼んだ。良いね、流れが来てるぞ」
俺は依頼斡旋・獲得部門長のリクエスにこの件を伝えるようにインフィオに頼み、一人ほくそえんだ。
インフィオと会話した後に、恐らくいるであろう訓練場に向かう。
いつもここは誰かが訓練をしているが、ここ最近は活気が出ている。
多分、俺が名前を覚えたアルメリアとフリュウが影響しているだろう。
Eランク冒険者で、久しぶりに俺が見つけ出した――2つの蕾。
扉を開きながら考える。
今、彼女たちは何の訓練をやってるか……な!!?
盛大にゲボってる!!?
なんでこう、お漏らしとかゲボッてる時ばかり、お前らとは出会うんだよ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる