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ごわ

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彼らには、関わらないと決めたはずなのに。
なぜ、こうなった?

絶賛桜木廉とのイベント中です。

学校についた時まではよかった。
わぁー、想像より学校でかいなぁー。
なんて、思いながら歩いていたらお兄ちゃんがいなくて。仕方ない!お兄ちゃんのことだし!なんて、思ってたらここどこ?

うん、迷子になった。
いや、だってここ広いもん!
仕方ないもん!

なんて、心の中で言い訳をしていると綺麗な桜の木を見つけ見惚れていた。

でかい桜の木を見ながら、前世のことを思い出す。
叔母の家からも、こんな綺麗な桜が見えた。毎年、春になると祖母と庭に出て花見をしていた。

懐かしい気持ちと、もう私は桜木響子じゃない、もう違う世界なんだと変に現実を見て涙がこみ上げてくる。

帰りたい、ばあちゃんのとこに帰りたいよ。

「おい。お前、てっ、泣いているのか?」

低くもなく、高いでもないちょうどいい声が聞こえた。
その声は、妙に懐かしく聞きなれた声だった。

声の方へと向くと、あまりのかっこよさに思わず息をのむ。
それと同時に、桜木廉だと気づき顔を青くする。

いま、この人に関わりたくない。
桜木廉が、私にもう一度話しかけようとするのがわかりごめんなさいと謝ってその場を後にする。

ゲームの中でしか見たことなかったけど、ゲームどおりいや、ゲームで見るよりもかっこよかった。
まあ、もうこれ以上関わることはないだろうし。

私は、入学式が行われる体育会へと足を向けた。


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