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ろくわ

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体育館につくと、先生に捕まった。

うん、文字通り両脇に先生がいて私をステージ裏へと連行する。

「あっあの?先生?」

え、なにこの状況。
意味わかんない?えっ、先生だよね?

戸惑っていると、横にいた若い男の先生が話しかけてきた。

「おはよう、伊月さん。そして、入学おめでとう。」

「はっはい、おはようございます。」

あれ?どっかで聞いたことがある声?
誰だっけ?
顔を見ようとするけど、辺りが暗くてよく見えない。


「お兄さんから聞いてる?」
「なっなにをですか?」

お兄ちゃん?また、なんかしたの?

先生は、「あー、聞いてないな。」て呟きながら頭をかいてる。

「突然で、悪いけどこれ、読んでくれる?」

そう言って、原稿用紙を渡してくる。
私は、わけがわからず素直にそれを受け取った。

「よし、受け取ったからな?頑張れ!」

えっ、と思ったと同時にステージの方へと連れていかれる。

ウソ、なに?
これを読めばいいの?

先生から受け取った原稿用紙に目を向ける。
んー、新入生代表挨拶ね。
えっ、これを今からみんなの前で読むのー?無理、絶ーー対無理。
だって、目立つし。いやいや、絶対やだ。

すると、司会の先生が新入生代表挨拶と言って、私を促す。

あっ、これは読まないといけないやつね…。
意を決めて、みんなの前に立つ。



つっ疲れた。視線痛かったし。

ステージ裏にある椅子に座って、一息つく。無事に、入学式が終わり体育館は静まり返っている。

教室行きたくないなぁー。てか、自分のクラス知らないし。攻略対象者達と違うクラスがいいなー。

「お疲れ様。伊月さん。」
その声と同時に、頬に冷たい物があたる。びっくりして声がした方へと目を向けた。

「はい、これあげる。ごめんね、急にあんなこと頼んで。」

そう言って、コーヒーを差し出してくる。

「ありがとうございます。」

「って、入学してそうそう授業サボるつもり?俺のクラスなんだからそれは、許さないぞー!」

なんて、笑いながら言ってくる。
ほんと、どっかで聞いたことある声なんだよな。

って、先生のクラスなんだ。

「ごめんなさい、サボるつもりでした。」
「おっ、正直でいいな。っと、名前言ってなかったな。俺は、江口大輔。1年間よろしくな、伊月さん。」

まっ、マジか。


本日、2回目のイベントです。


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