上 下
20 / 26

じゅうはちわ

しおりを挟む

「華ちゃん、頑張ってね!」
「うん、頑張ってくる!応援よろしく、香織ちゃん!」


体育祭と言ったら、リレー!

ということで、今からリレーが始まります。
私、何気に楽しみなんです。


男女混同のリレーで、私はアンカーを走る。私の前が宇佐波くん。まあ、宇佐波くんはゲームの中でも運動神経良かったし!心配はしてないけど、プレッシャーがでかい。

そして、アンカーを一緒に走るのは轟くんなんだよね。轟くんも、運動神経いいからな。

って、そんなこと考えてるうちに宇佐波くん来っちゃった!

「伊月さん、頑張って!」

そう言ってバトンを渡してくる。

宇佐波くんは、1位で走ってきた。
誰にも、抜かれるわけ行かない!

迫ってくる轟くんを背中で感じながら、一緒懸命走る。

「よしゃー!」

そう言って、宇佐波くんがハイタッチしてくる。

「えっ、1位?」
「うん、そうだよ!華ちゃん!」

いつの間にか香織ちゃんも、近くにいて抱きついてくる。
よかった~、1位だった。

「伊月さん、ちょっと。」
轟くんがそう言いながら、近づいてくる。

「どうしたの、轟くん?」
そう言うと同時に、目の前の目線が高くなる。
私の顔の近くには、轟くんの顔。
えっ、これってお姫様抱っこって、奴ですか?

「えっ、轟くん?!」
「足、捻ったでしょ?保健室行こ?」

えっ、確かに最後捻ったけど、そんなこと気づく?

「重いでしょ!下ろして?」
「ううん、重くないよ?」
「いやいやいや、てか周りの人見てる。」
「うん、でも、伊月さんのことの方が大事だから。」

キュンときた。
いやいや、王子様スマイルでそんなこと行っちゃいます?!
反則だよおぉぉ。

てか、女子の目線怖いです。

香織ちゃん、頬赤くしてかわいい顔でこっち見る前に助けて?


しおりを挟む

処理中です...