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じゅうななわ
しおりを挟むあれからいろいろと避けて避けて避けまくって、何事もなく体育祭当日になった。
「おはよぉー、華ちゃん!」
「うん、おはよう!香織ちゃん!今日は、体育祭だね!頑張ろー!」
「うん、頑張ろー!」
教室で体操服に着替え、グランドに行く。
すでに体育祭独特の雰囲気でいっぱいのグランドで思わず飲み込まれる。
よし、頑張るぞ!
って、意気込んでたのに…。
「大丈夫?緩くない?」
「うん、大丈夫。宇佐波くん。」
二人三脚の紐を結びながらそう言う、宇佐波くんの顔を見て、思わずため息をつきたくなった。
宇佐波くんとペアだった子が、怪我をして体育祭委員会の私が代わりに出ることになったけど。
誰か、代わりません?
「伊月さん、出番来たよ!」
「うっうん。」
物凄い勢いで走る宇佐波くんについて行くのに精一杯。
早すぎだよおぉぉ。宇佐波くん。
案の定1位でゴールしてしまった。
「お疲れ様、伊月さん。1位だったね!」
「うん、お疲れ様、宇佐波くん。」
そう言って、宇佐波くんとハイタッチをする。
あれ、普通に楽しんでない?私?
「あっ、華ちゃんいた!一緒に来て!」
「えっ、浪川くん?!」
借り物競争で、浪川さくが私のとこに来てそのまま私の腕を掴んで走る。
って、浪川さくも足速い!
「お題、何だったの?」
一着でゴールした後、浪川くんにそう聞くとお題の紙を渡してくる。
―好きな人―
そう書かれた紙を二度見、いや三度見して、浪川くんに詳しいことを聞こうと思ったら、
「じゃ、そーゆーことだから。考えててね。」
なんて言って、走り去ってしまった。
えっと、ことごとくイベント避けてたから好感度なんてクソもなかったよね?
あれ、どーなってるの?
応援ありがとうございます!
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