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執愛 年上従兄×美少年【書籍化】
舞姫の男
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ドドドンッ。
太鼓の音に合わせて神子が舞う。
舞台の右に男神の衣装を身に纏った背の高い整った顔立ちの男。
左には女神の衣装を身に着けた化粧をしている見目麗しい男が踊っていた。
二人の息は寸分狂うことなくぴったりで、まるで妖を見ているような幻想的な光景だった。
やがてドンッと最後の太鼓の音がお社に響き渡ると、二人は生きている人形のようにぴたりと静止した。
ほぅっと周囲から感嘆の息が漏れる。
「綺麗」
どこからか称賛の声が聞こえる。
この世のものとは思えない艶やかさを湛えた男二人は一礼すると、舞台から下がっていった。
熊埜御堂(くまのみどう)家の人間は男も女も美しい。
それをこの地域で知らない者はいなかった。
由世八幡宮では毎年祭りの日に、美しい男二人が男神と女神に扮して伝統的な舞を舞う。
女神にはとびきり綺麗な男が選ばれる。
その役をもう何年も千早(ちはや)は独占していた。
女装した千早の艶を帯びた姿を見たさにわざわざ足を運ぶ参拝者も多くいた。
すらりとした肢体に透き通るような白い肌。
「男に生まれたのがもったいないくらい」
そう周囲から言われるほどだった。
若い生命体だけが持つ鮮やかな花のように千早の動きは優雅で、そしてその容姿は美麗だった。
太鼓の音に合わせて神子が舞う。
舞台の右に男神の衣装を身に纏った背の高い整った顔立ちの男。
左には女神の衣装を身に着けた化粧をしている見目麗しい男が踊っていた。
二人の息は寸分狂うことなくぴったりで、まるで妖を見ているような幻想的な光景だった。
やがてドンッと最後の太鼓の音がお社に響き渡ると、二人は生きている人形のようにぴたりと静止した。
ほぅっと周囲から感嘆の息が漏れる。
「綺麗」
どこからか称賛の声が聞こえる。
この世のものとは思えない艶やかさを湛えた男二人は一礼すると、舞台から下がっていった。
熊埜御堂(くまのみどう)家の人間は男も女も美しい。
それをこの地域で知らない者はいなかった。
由世八幡宮では毎年祭りの日に、美しい男二人が男神と女神に扮して伝統的な舞を舞う。
女神にはとびきり綺麗な男が選ばれる。
その役をもう何年も千早(ちはや)は独占していた。
女装した千早の艶を帯びた姿を見たさにわざわざ足を運ぶ参拝者も多くいた。
すらりとした肢体に透き通るような白い肌。
「男に生まれたのがもったいないくらい」
そう周囲から言われるほどだった。
若い生命体だけが持つ鮮やかな花のように千早の動きは優雅で、そしてその容姿は美麗だった。
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