悪役令嬢の次は、召喚獣だなんて聞いていません!

月代 雪花菜

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第七章 外から見た彼女と彼

本当の強さと内包された矛盾(アレンハイド視点)

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 油断していた───

 もう誰もが忘れ去ったのではないかと思えるほど古い墓の前、ここには誰も来ないからと気が緩んでいたのだろう。
 どこからともなく現れた大型の魔物が、襲いかかってきたことに気づくのが遅れ、頬に涙とは違う熱い液体が流れ落ちる。
 すぐさま凍らせて魔素が入り込むのを防ぐが、血を流すなど久方ぶりであった。
 紫色の炎を纏う四足の黒い獣……これは、フォルディア王国の守護騎士であるクルトヘイム家の長男を殺害した獣と同型かっ!?

 武器を持たずに来ていると知っているのか、獣は態勢を整えたあとすぐにこちらへ飛びかかってきた。
 見くびられたものだ。
 素手ではあるが、自らの属性である氷魔法があれば問題ない。

 しかし、素早く展開させた術式により出現した巨大な氷柱を一瞬にして崩し、こちらへ飛びかかってくる。
 竜族の魔力が凝縮した氷の柱を根底から崩すなど、魔法特化のキマイラならできるだろうが、普通の獣風情には不可能なはずだ。
 これほどの力を持つ魔物が、街から少し離れた墓地とはいえ、広範囲を結界で守っているこの地へ侵入できるはずがない。
 神界に通じる門を守護するために、厳重に管理されているのだ。
 万が一ということすらあり得ない状況で、どうやって結界をすり抜けてきたのか……
 しかも、妻の墓を見舞うときは護衛をつけないと知っていたのかのような、絶妙なタイミングである。
 偶然にしては不自然な点が多い。

 魔法に長けた魔物であるということは理解できたが、身体能力もバカにはできないレベルだ。
 年老いたせいで、昔ほどの力はもうない。
 全盛期であったのなら、片腕一本で滅することも出来たというのに、口惜しいっ!
 神の力を食らった魔物は計り知れない力を得るというが、コレはその類かもしれんと考え、何とか間合いを取る。
 魔法ではあちらが上、ならば竜形態になり全てを凍りつかせるブレスで殲滅するしかないか?

 この一帯が氷漬けとなって砕け散り、無となるが……

 そこまで考えて、チラリと妻の墓を見たのがマズかった。
 研ぎ澄まされた術式による強化を加えた爪の一撃が、頭上から襲いかかる。
 逆光になっていて相手を視認することが難しい状況ではあるが、この攻撃で死ぬことはない。
 傷つきはするが、仕方がないと一旦無難に体で受け止めて反撃するしかないと判断した儂の横を、一迅の風が通り抜けた。
 爪は突如現れた壁のような防御魔法に防がれ、魔物の背後に出現した影は相手が逃げられないよう、更に術式を展開させて包囲する。
 バカな……防御魔法だけではなく、更に他の術式も、この魔力濃度で発動させているのかっ!?
 竜人族ならば発動した魔法の濃度を色で視認できる。
 これだけ濃い色の魔力を見たことがない。

 今まで一番濃い色を宿したヤマト・イノユエをも凌ぐとは……

 それだけでも驚きだというのに、敵を包囲するために展開された術式は、ざっと数えても5つ。
 しかも、それはそれぞれに相性の良い属性と相反する属性のセットであるため、全てを合わせれば軽く二桁を越える術式が瞬時に展開したのだ。
 とんでもない微調整を、この短時間で行える……だとっ!?
 そんなことが可能なのだろうか……
 魔術師たちに目をつけられると厄介であるから内密にしてあるが、術式が得意である息子でも同時に9つが限界だ。
 この者は、どれだけ同時展開が可能だというのだろうか。

 逃げ場を失った魔物は、逃げるよりも攻撃を選んだのか、先程、儂の氷を砕いたように術式の破壊を試みたようだが、その男が持つ魔力の大きさに呑まれ圧されていく。
 スラリと抜いた剣は細身であったが、どこかで見たことがあると記憶が蘇る前に、黒い魔物を一刀両断にしてしまった。
 なんとも鋭い太刀筋である。

 何故か儂の部屋にある、ヤマト・イノユエが打った片刃の見事な剣を思い出した。

 波模様の入った、見た目も鮮やかであり惹きつけられるような魅力を持つソレは、ヤマト・イノユエの故郷に伝わる剣らしい。
 名前をなんと言ったが忘れてしまったが、何体切っても、血と脂で汚れても切れ味が変わること無く、刃こぼれ一つせずに切り捨てていく姿を、今でも忘れられずにいた。
 いや……アレはこの世界では異質であり、使い手を選ぶ武器だと頭を振って記憶から追い出す。

 しかし、あの黒い獣は、敏捷性や肉体の強靭さから言って、只者ではなかったはずだ。
 それを一刀両断など……簡単に出来ることではない。
 剣の腕前も荒削りな部分はあるが、底しれぬ素質を感じさせた。

「何とか間に合った……ったく、十神って奴らは、いつも急だから困る」

 耳に心地よい音程の声は、男のものだ。
 逆光でよく見えなかった長身の男が近づいてくるに連れ、その見間違うはずもないマナの輝きに驚き、どうしてここにいるのかと疑問が浮かぶ。

「竜帝陛下、お怪我はございませんか……って、あ……血……!」

 こちらの様子を確認していた青年は、慌てた様子でハンカチをどこからともなく取り出すと、未だ血が流れているだろう頬にあてた。
 ぴりっとした痛みがいい刺激となり、止まりかけていた思考が動き出し、目の前の男を改めて見つめる。

「リュート・ラングレイ……何故、お主が……ここにおる」
「愛の女神様からの要請にて、竜帝陛下の窮地をお救いするために馳せ参じました」
「愛の女神か……」

 悪趣味なあやつのことだ、妻との語らいを覗いていたのかもしれない。
 泣いていたところを見ていたら、次に会ったとき、間違いなく意味深な言い回しをしつつ、からかわれるだろう。
 これは……面倒なことになった。
 しかし、今は違うことが気になる。

「先程の術式はなんじゃ。あの数を瞬時に展開するなんぞ、聞いたことがない。何か特別な手法があるのか?」
「えっと……説明するとややこしい……というか、かなり難しいかもしれませんが、それでも宜しいでしょうか」

 どうやら隠しておくつもりもないようだ。
 ただ、説明が難しいという言葉が本音のようである。
 今までもこうして問われ、説明してきたが理解されなかったのだろう。
 俄然、興味が湧いてきた。

「内密にしていないのであれば、説明してもらいたい」
「別に秘密にしていることではないので……では、説明させていただきます。まず、よく使う魔法の出力を20段階にわけ、それぞれの制御系魔法と相性の良い魔法の出力バランスのマクロを組んで……いえ、あー、えっと……パターンをセットして登録します。その際に、すぐ引き出せるように図形にしておけば、必要な時に他の術式に組み込み、発動させることが可能になるのです」

 待て……言っている意味がわからん。
 まず、言っていることが正しければ、膨大な数の登録が必要になるだろう。
 それをどこへ登録するのかもわからんし、図形化して他の術式に組み込むなんて発想も、わけがわからない。
 しかも、数百にも及ぶ図形化された術式を記憶するため、自らの魔力の内に『仮想領域』なるものを形成し、常に魔力を一定量消費しながら、大量のパターンを保存しているとのことであった。

「保存数により必要になる魔力も変わるのですが、俺……私の場合はかなり登録数が多いので、魔力総量の3割くらいを消費しているような感覚です」

 数値化できないから説明が難しいな……と、独りぼやくリュート・ラングレイは、「術式の処理の為に物理メモリが不足しているから仮想メモリを作ったみたいな感覚か、ずっと魔力総量の3割減で登録された術式を使えるようになるパッシブスキルみたいな物っていっても、わかんねーだろうなぁ」とため息交じりに呟いたのだが、まったくもって意味がわからない。

「いや……もっと簡略化するなら、辞書に短縮で単語登録するようなものか? 図形が入っているなら、顔文字……いやいや、プログラミングみたいな物だから、辞書登録も不適切だな」

 ブツブツ呟きながら考えをまとめているようだが、知っている単語はあっても何一つ理解できない言葉の羅列である。
 ただ、このわけのわからない感覚は、ヤマト・イノユエの話に感じた物と同類に思え、目の前の男が底しれぬ何かを持っているように感じられた。

「つまり、俺の魔力を10と仮定して、3の領域をパターン登録の【仮想領域】に割り当てていて、普段から使えない魔力があるという説明が一番しっくりくるかも……しれません」

 その説明が妥当だとして、お主の【仮想領域】がわけわからんわい。
 そう言ってやりたくなったが、どうやらリュート・ラングレイが自ら編み出した方法らしく、他の者が同じことをしようとしたら、とんでもない労力と魔力が必要であることだけは理解した。
 その旨を伝えると、リュート・ラングレイは嬉しそうに「良かった」とわずかに微笑んだ。
 昔とは違い、その笑顔はとてもぎこちないものであったが……

「すまんな、助かった。儂も甘くなったものだ……何も考えず、この一帯を魔物もろとも吹き飛ばせば、そなたの手をわずらわせることもなかった」

 そう言った瞬間、目の前の男が持つ空気が変わる。

「……それ……本気で言ってんのかよ」

 目の前の男から、言いしれぬ怒気が溢れ出し、刺すような魔力がプレッシャーとなって襲いかかってきた。
 言いしれぬ力の奔流にさらされた体は、立っているのがやっとという状態である。

「その墓に奥さんが眠っていると聞いた。大切な奥さんの眠る場所だったから躊躇ったんだろ……それが間違いだったなんて、何があっても言うもんじゃねーよ」
「もう……抜け殻じゃぞ」
「そう思うのなら、なんでアンタは躊躇ったんだよ」

 不可思議な青の輝きを放つ鋭い視線は、容赦なく睨みつけてきた。
 こんな視線を向けられたのは、どれくらいぶりだろう。
 妻が本気で怒ったときだったか……それとも、親友が怒り狂ったときだったか……

「何故……じゃろうな。ここに眠るのは、もう物言わぬ躯で……いや、既に何も残ってはおらんかもしれん。そう理解しておるのに……何故じゃろうな」

 墓石を見てから空を見上げる。
 空の青さが、今は目に染みるように感じた。
 雄大で優しさを持つ青い空は、全てを忘れさせてくれないだろうか……この痛みすらもいつかは消えていけば……と願ってしまう。
 心が弱っている。
 そう感じた儂から離れたリュート・ラングレイは、再びどこからともなく取り出した花を妻の墓前に手向けてくれた。
 それは、色とりどりのルナフィルラの花であった。
 いつもは儂の花でしか彩られることのない妻の墓が、とても華やかである。

「俺は……墓参りの時にいつも思う。もっと守れたら……もっと強かったら……もっと優しく出来たら……もっと一緒にいられたら……って……」

 その一言一言が胸に刺さった。
 覚えのある言葉の羅列が、今は痛い。

「墓の前で思い出すことは、優しいだけじゃなく、痛くて苦しいときもある。でも、そこに眠る人のことを思い出し、忘れないでいることも大切なことだと思う。記憶にとどめ、未来を共に歩いていくために……」
「共に……?」
「俺が忘れなければ、ずっと記憶の中で生きていてくれるだろ? その人との記憶が、時には俺の行動を諌め、叱り、励まし、応援してくれる。いつまでも見守っていてくれる気がして、今度会った時に顔向けが出来ないような生き方はできねーって思う」

 誰を思い出しているのか、柔らかく優しい眼差しを墓石へ向ける。
 その瞳の奥に苦しみも寂しさも痛みも悲しみも……全てを内包した色が宿っては消えていく。
 死を悼み、忘れずに背負いながらも前に進む覚悟ある者の目であった。

「守りたくても守れない、非力な俺が言うのも何だけどさ……奥さんが眠る墓を平気で壊すような人にならないでくれよ。それは、強さでもなんでもないから……」

 弱々しく懇願するように紡がれた言葉は、心を大きく震わせる。
 何という声を出すのか……聞いているこちらが痛く苦しさを覚えてしまう。

「強さとは……なんじゃ」

 ずっと疑問だった。
 国を治める者として、ずっと自らに問いかけてきた。
 外敵全てから、儂が倒れるまで民を守る。
 そして、儂が倒れたら、それは息子に引き継がれ……この先ずっと続いていくものだと考えていた。

 しかし、いつの頃からか「そうではない」とわかっていたのだ。

 だからだろうか、目の前のこの男の答えが知りたかった。
 何故か……儂が求める答えを持っているような気がしたのだ。
 難しい質問だなと笑ったリュート・ラングレイは、こちらをまっすぐ見つめて微笑む。

「俺が強いって思った人が言っていた。一人の力には限界がある。だけど、周囲と力を合わせていけば、それは無限の可能性を秘めた繋がりや絆になり、何よりも強い力になる。だから、恐れず勇気を持って人を信じろって……」

 誰に言われたのかは言わなかったが、墓石を見つめて語るリュート・ラングレイの横顔は、16歳の少年とは思えないくらい大人びていた。

「あとは、守るべきものを守れ。守りたいと思った者は、どんなことがあっても守るんだって……人は守るべきものがいれば、どこまでも強くなれるんだって」

 どこか遠くを見て、誰かの言葉をなぞるように語る。

「これは、俺の爺さんと婆さんの言葉。すげー……

 調査書を読む限り、リュート・ラングレイの祖父母は健在だったはずだ。
 しかし、彼の言葉に嘘偽りの色はない。
 雑音が混じらなかったのが、その証拠だ。
 真偽を聞き分けるスキルを持つ儂が、嘘の言葉を聞き違えるほど耄碌もうろくはしていない。

「お主は……それが強さだと信じておるのか」
「ああ。俺は、そうなりたい。そうであるように、努力したい。今度こそ、守りたいから……」

 強い意志を秘めた瞳がこちらを射抜くように見つめ、不可思議な青い瞳が太陽の下でも負けない輝きを宿す。
 強いな……
 本当に強い。
 本当の強さを知りながらも、家族を守るために孤独を選び、折れること無く前へ進む。
 自らが内包する矛盾から歪みそうなものだが、「家族を守るために必要な孤独」と知っているから耐えられるのだろう。
 全く、不器用だが強くも優しい愛情を持つ男である。

 だが、その強さ故に暗き心を持った者たちが、己の弱さを、この者のせいにして見なかったことにしようとしている。
 お前の輝きが邪魔だと、塗りつぶそうとしている。
 リュート・ラングレイの何倍も生きてきたくせに、自分の気持の整理を他者に押し付け、輝きを失わず同じところへ堕ちてこないことに苛立ち、八つ当たりをするように傷つけるとは……まったくもって情けない!
 守らなければ……この輝きに惹きつけられながらも、壊そうとする愚か者たちから───

「しかし、竜帝である儂に、えらくぞんざいな物言いをしたものじゃな。リュート・ラングレイ」
「あ……えっと……す、すみません」
「今更じゃな」

 先程までのキリリとした様子はどこへやら、年相応の少年に戻ったような狼狽を見せる。
 それが面白くて、思わず吹き出してしまいそうになるが、なんとか堪え、できるだけ平坦な声で話を進めた。

「聖騎士の称号を持つ家の者で、命の恩人と言っても過言ではないから、多少は大目に見てやろう」
「は……はい」
「丁度、夏休みシーズンに入ったころじゃな」
「ええ……」
「今年も家にも帰らず、寮で鍛錬か」

 何故それをっ!? と驚いた表情のまま固まるリュート・ラングレイにニヤリと笑って見せる。

「どうなんじゃ」
「今年も……帰れません……年々、面倒事が増えておりますので……」
「そうじゃろうな」

 魔法教師であるエイリークの話は、監視役から報告を受けていた。
 ある意味、同情気味な調査書の内容ではあったが、致し方がないと思える状況である。

「よし、罰として、二週間は儂の護衛役を任命する」
「……は?」
「三食出すし、給金も払おう」
「えっと……それは……罰になるのでしょうか」

 完全に困惑した表情で首を傾げているリュート・ラングレイに、儂は言葉を続けた。
 あまりにも良い反応をするので、からかいたくなってしまったのだ。

「あと、儂のことはアレンと呼べ」
「……はいいぃぃっ!? それは絶対に罰則って言わねーだろっ!……あ、いえ、あー、えっと……言わないと思いますが……」
「追加で、楽な言葉遣いをせんか。十神でさえタメ口のくせして、儂には丁寧な言葉づかいなんぞ必要あるまい」
「い、いや、あれはアーゼンラーナが勝手に言いだしたことだし、泣き落としをしてくるから仕方なくであって……」
「ふむ……泣き落としか」
「いや、やめて、マジやめて……爺さんの泣き落としとか、意味わかんねーから!」
「ほれ、泣いてやるから呼んでみ」
「泣いてやるって言う意味もわかんねーよっ! あーもーっ!アレン様!」
「様はいらん」
「アレン……の……爺さん」

 何とかしっくりくる呼び方を探して言葉を紡いだリュート・ラングレイに満足した儂は、大きく頷いた。

「うむ。それで良い。さて、これから二週間の護衛を任せたぞ、リュート」
「……わかったよ、アレンの爺さん」

 それからの二週間は、本当に楽しかった。
 息子や孫もリュートに興味を持ち、他の者達も「アレは知っているか」「コレは知っているか」と構いたがる始末だ。
 リュートは意外に博識で、ヤマト・イノユエが残していた手記と言えば聞こえはいいが、走り書きのメモ帳でしかないソレに興味を持ち、誰も読めないソレを見ては「字が汚ぇ……」と文句を言っていた。

 術式のことについて息子と話が盛り上がり、儂も含めて夜通し騒いでいたら、息子の嫁に揃って怒られたが、それも良い思い出だ。
 荒削りである剣術の稽古もつけ、本当の孫のようだと感じるようになるのに、そう時間はかからなかった。

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