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10.
ラベンダーのいい匂いで包まれる部屋、塵一つ付いていない床や調度品、そして何よりも――ふかふかのベッド!
私は防御結界の魔道具を部屋で発動させてすぐにベッドに飛び込み、眠りについた。
ゆっくり眠ることができるというのは、こんなにも幸せなことなのだと噛み締めながら、意識を彼方へ飛ばした。
***
「ミアータ!どこにいるんだい?」
私は広い庭園の中の草むらに隠れて、ニヤニヤと笑いながら隠れていた。
遠くで一生懸命カイデンが私のことを探している姿が面白かったから、そして何よりも探されて、求められているという優越感が気持ちよかったから。この、探しているタイミングは絶対に彼は私だけのことを考えてくれる、他のことよりも自分を優先してくれる。そんな子供っぽい独占欲。
好きな人に求められて、嬉しくない人などいないだろう。だから私は昔から、彼から隠れるのが大好きだった。
大人になってからは彼の迷惑も考えて、一切そんなことはしなかったが、子供の頃はそういうことを散々していた。我ながら、嫌な子供だったと思う。
そしてカイデンは――。
「見つけた!ミアータ!!」
必ず私を見つけてくれた。
キラキラとした夢の中だったが、カイデンに見つけられた瞬間、空が曇り、周囲に雨が打ち付けてくる。その上、雷鳴が大きく響き始めた。
「……ミアータ、どうして僕を置いて行ったんだい?」
「っひ!!」
「ずっと一緒にいてくれるんじゃなかったのか?悪い子だ、この裏切者め!」
幼い頃に交わした約束。
ずっと一緒に生きて、幸せになる。お互いに幸せにする。恨みがましい目でカイデンは私のことを見つめ、痛いくらいの力で肩を掴んでくる。
怖くて仕方がなかった。何故、先に裏切ったはずの彼にこんなことを言われて、責められなければならないのだろう。痛いことをされなければならないのだろう。
そう考えると、心の奥底から怒りが湧いてきて、彼の手を強く振り払っていた。
「うるさい!!貴方が先に裏切ったのでしょう!!もう、私に関わらないで!!!」
その言葉は、実際に口に出していたようで、私は自分が出した声に驚いてベッドからガバリと起きた。
最悪な目覚めだ。全身が汗でびっしょりだし、頭もシャワーの後のように濡れている。
本当に嫌な夢だった。
しかし、こんなカイデンから探されるような未練がましい夢を見はしたが、別にカイデンは私のことなんて探していないだろうと思う。私がいなくなったことを良いことに、新しい女と幸せにイチャイチャしているだろう。
むしろ探しているのは絶対に私の両親だ。もしも、見つかって、私が自分の意思で逃げ出したと知ったら、私は八つ裂きにされるくらいでは済まないかもしれない。精神を徹底的に壊され、洗脳すらされるかもしれない。私は私ではない何かになって、家の権力のためにカイデンの隣に置かれることすらあるかもしれない。
それくらいのことは、あの両親であればやりそうだと考えて、身震いする。
私が魔道具を使ってまで、他人の認識を操作している理由。それが自身の両親から見つからないように逃げるためなのだ。
ミアータなんて名前はいくらでもいるから、使ってはいるし、なによりも他の名前では反応速度が落ちて、むしろ怪しまれる可能性まである。だから一時的に名乗るとしても下の名前のみと決めていた。
しかし、少し疲労感が取れた状態で考えると、レオンハルトたちに自身の名前を一部とはいえ名乗り、魔道具を使って認識される姿を変えているほどの事情を持っていると悟られたことは、かなり痛い。
ここから両親につながって、連れ戻されるなんてことがなければよいのだが。そう、考えているとまた暗い気持ちになってくる。
でも今は休むことが最優先だ。
私は熱い風呂を張って、そこに入って身を清めた後に、再度眠りについた――。
私は防御結界の魔道具を部屋で発動させてすぐにベッドに飛び込み、眠りについた。
ゆっくり眠ることができるというのは、こんなにも幸せなことなのだと噛み締めながら、意識を彼方へ飛ばした。
***
「ミアータ!どこにいるんだい?」
私は広い庭園の中の草むらに隠れて、ニヤニヤと笑いながら隠れていた。
遠くで一生懸命カイデンが私のことを探している姿が面白かったから、そして何よりも探されて、求められているという優越感が気持ちよかったから。この、探しているタイミングは絶対に彼は私だけのことを考えてくれる、他のことよりも自分を優先してくれる。そんな子供っぽい独占欲。
好きな人に求められて、嬉しくない人などいないだろう。だから私は昔から、彼から隠れるのが大好きだった。
大人になってからは彼の迷惑も考えて、一切そんなことはしなかったが、子供の頃はそういうことを散々していた。我ながら、嫌な子供だったと思う。
そしてカイデンは――。
「見つけた!ミアータ!!」
必ず私を見つけてくれた。
キラキラとした夢の中だったが、カイデンに見つけられた瞬間、空が曇り、周囲に雨が打ち付けてくる。その上、雷鳴が大きく響き始めた。
「……ミアータ、どうして僕を置いて行ったんだい?」
「っひ!!」
「ずっと一緒にいてくれるんじゃなかったのか?悪い子だ、この裏切者め!」
幼い頃に交わした約束。
ずっと一緒に生きて、幸せになる。お互いに幸せにする。恨みがましい目でカイデンは私のことを見つめ、痛いくらいの力で肩を掴んでくる。
怖くて仕方がなかった。何故、先に裏切ったはずの彼にこんなことを言われて、責められなければならないのだろう。痛いことをされなければならないのだろう。
そう考えると、心の奥底から怒りが湧いてきて、彼の手を強く振り払っていた。
「うるさい!!貴方が先に裏切ったのでしょう!!もう、私に関わらないで!!!」
その言葉は、実際に口に出していたようで、私は自分が出した声に驚いてベッドからガバリと起きた。
最悪な目覚めだ。全身が汗でびっしょりだし、頭もシャワーの後のように濡れている。
本当に嫌な夢だった。
しかし、こんなカイデンから探されるような未練がましい夢を見はしたが、別にカイデンは私のことなんて探していないだろうと思う。私がいなくなったことを良いことに、新しい女と幸せにイチャイチャしているだろう。
むしろ探しているのは絶対に私の両親だ。もしも、見つかって、私が自分の意思で逃げ出したと知ったら、私は八つ裂きにされるくらいでは済まないかもしれない。精神を徹底的に壊され、洗脳すらされるかもしれない。私は私ではない何かになって、家の権力のためにカイデンの隣に置かれることすらあるかもしれない。
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