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17.
巣の奥へ進むほど、空気が重くなるのを感じる。別に実際に重くなっているのではない。プレッシャーだ。奥から、途轍もない圧を放っている『生き物』がいる。
壁面は大量に産み付けられた卵で、脈打つようにうごめき、天井からは半透明の粘液が滴っている。足元では砕けた人間の骨が嫌な音を立てた。
気持ちが悪い。震えが止まらない。腕も、背中も、鳥肌が立っている気がする。
この洞窟の奥行きは思ったよりも深い。戦闘、人間ではないもの――きっと動物であろうミンチ肉に産み付けられ、そこら中に張り付けられた卵の処理、それらを同時に行いながら、進んでいく。
――そして、広間に出た。
そこは異様な空間だった。
天井まで届く巨大な繭。中で大きな何かがうごめいているように見える。そして中央には、ひときわ大きな『それ』が、私達を待ち構えていた。
他の個体よりも二回り……いやそれ以上には大きい。
艶のある黒い外殻、しなやかな肢体、ふわりとした羽、異形じみているが人間の女性のような身体。
下半身から、上半身へと視線を上げて……顔を見て驚いた。人間の女のような顔をしていた。髪の毛、目、鼻、口、耳だけは穴が空いているだけのようだが、耳と触覚以外は全て人間そのもの。
白い肌にも似た外皮。長い白髪。だが首から下は完全に節足動物の体。
赤黒い瞳が、ゆっくりとこちらを向く。
「……あら」
良く通る高い声が、周囲に響き渡った。
洞窟全体に反響する、湿って艶やかな女の声。
「ここまで来た人間のお客様は初めてね」
セルジュが息を呑む。その気持ちは分かる。私と同じ驚きを彼も感じているだろう。
人間じゃない、喋る魔物。私はそんなものは見たことがない。大昔に書かれた本の中で、そういう生き物がいたと見たことがある程度だ。しかも、その資料は古すぎて『創作』だと紹介されていた。それくらいに、今の常識では考えられないこと、あり得ない魔物。
レオンハルトが一歩前へ出る。
「お前が元凶か」
魔物の女は、くすりと笑った。
「元凶?ひどい言い方ね。私はただ可愛い子供たちを増やしているだけ」
周囲で無数の気配が蠢く。魔物に気を取られすぎて、今更気が付いたが、壁一面、そして、床に大量に張り付いた卵。
「あなた達が昼に殺した子たち。あれも私の可愛い、可愛い子供たちだったのに」
「だから街を襲ったのか」
レオンハルトの声は低い。
魔物に対して、何も動じていないように見えた。何も言葉を発せない私とセルジュとは違って。
「補充よ。減った分を、ね。私、私の子孫たちだけで世界を満たすのが夢なの」
恐ろしい願望を綴る。その女の魔物の視線が、レオンハルトに絡みつく。
「あなた……良い器ねー。強くて、丈夫で。あの時に産みつけられたら、きっと立派な子を宿せたのに」
ぞわりと悪寒が走る。しかも、何故か昼間の出来事も全て把握しているらしい。他の『子供』らしい魔物の情報を共有していると考えると、私達の戦い方も、既に分析されているかもしれないという嫌な方向に考えが働く。
レオンハルトの握る剣が軋む。
「黙れ」
「ふふ。あらあら、貴方の後ろの子たちも良い器になりそう。それに……お肉も美味しそうだわ」
私とセルジュを舌なめずりして見つめてきた――その瞬間、レオンハルトが地を蹴った。目の前にいた彼が消えたと錯覚するほどに凄まじい速度。
身体強化の腕輪が最大限までその力を出力されている。
そのまま大剣が、女王の首元へ叩き込まれた――ように見えたのだが。
ほぼ動くことなく、剣を女の魔物の甲殻が受け止めた。
魔法はどちらも使っていないのに、その衝撃で火花が散る。それくらいの力の攻撃だったということだ。
「そんな剣じゃあ、私は斬れないわよ。さて、せっかちな貴方に合わせて、終わらせましょうか」
同時に、天井から無数の個体がボトボトと落ちてくる。
「来ます!」
魔道具に魔力を流し込み、私とセルジュのいる範囲に結界を展開。
私は炎の魔法、セルジュは風の魔法を同時に展開し、空中で全てを焼き落とした。
広間は一瞬で戦場と化した――。
レオンハルトは女王へ張り付き、攻撃を続ける。私とセルジュは、レオンハルトに攻撃しようとする他の魔物の対処をする。あまりにも数が多い上に、一度でも攻撃を受けると同時に死が確定することを知っているため、一切の気が抜けない上に、レオンハルトの手助けは全然できない。
レオンハルトが剣で斬りかかる。弾かれる。再び踏み込む。
それの繰り返し。
「生まれなさい」
突如として、女王の腹部が脈動する。そのまま腹部が割れ、下半身から、大量の幼体が溢れ出る。
産まれたものを全て切り伏せ、対処するレオンハルトだ、その横で女の魔物が何かを準備するように腹をさすっていた。レオンハルトはその怪しい女の魔物の行動に気が付いていない。
「させない!!!」
自分の身体の安全なんて見ていられない。あの速度に、女の魔物に対処できるのは、この中ではレオンハルトだけだ。ここで彼に産み付けさせるわけにはいかない。
その考えが浮かんだのは、完全に安全を捨てて動いた後だ。考えるよりも先に、結界を出て、射程範囲へ。彼を守ろうと身体が動いていた。
自分が他の魔物に卵を植え付けられる恐怖はある。足がすくみそうになる。しかし、ここで勝たなければ、何も終わらない。
走り抜ける。しかし、私の反応速度では、襲ってくる魔物を捌ききれない。撃ち漏れたうちの1匹が身体に貼り着こうとするのが見えた瞬間に、それはジワリと炎で消し炭になった。
セルジュが後方から叫ぶ。
「貴女の身は、僕が守ります!!突き進んでください!!」
きっと女の魔物は、直接レオンハルトに『産み付け』ようとしている。それを絶対に阻止する。
この間、約5秒。ギリギリ射程範囲まで踏み込めた私は、魔力を最大まで引き上げる。
「避けて!!!」
その一言だけで十分だった。レオンハルトはすぐに察し、後ろへ大きく飛び退き、セルジュの方へ向かった。ニヤニヤと対峙するレオンハルトだけを見つめていた女の魔物の不意を突けた。
青白くなった高温の炎が奔流となって広間を呑み込む。
炎に飲み込まれる直前、魔物の女の目が大きく見開かれたのが見えた――。
卵嚢が弾け、幼体が焼け落ちる。
悲鳴のような甲高い音――魔物の女のものが充満する。その悲鳴が完全に聞こえなくなるまで、焼き続けた。
だが、女王はまだ立っている。
焦げて、隅になった外殻の隙間から、赤い体液が滴る。
「……痛い、わ」
その瞳が、私を射抜く。
次の瞬間、凄まじい速度でこちらに突進。
「せめて、貴女だけでも」
速い。
魔力を一気に使って、身体の力が抜けていることもあったが、私の反応速度では完全に間に合わなかった。
私は咄嗟に防御結界を展開――しようとしてが、無理だった。間に合わない。
ああ、でも二人は無事でよかった。これでもう魔物を倒すのは容易になっただろう。そう確信して、目を閉じた――のだが。
いつまでも来ない痛みに、ゆっくりと瞳を開けた。
目の前では、レオンハルトの大剣が、女の魔物をばらばらにしていた。頭、腕、脚、胴体、全て数センチにも満たないくらいに散り散りになっている。
「俺の仲間に触るな」
低く、だが強い、地響きのような声。私はレオンハルトに助けられたようだった――。
これで勝った――と思ったのだが、頭だけになった女の魔物から声が聞こえた。
「……人間は、愚かね」
赤黒い瞳が、薄く笑う。首を切り落とされているのに、動けるだなんて、どれだけ強い生命力なのだろうか。魔物とは、本当に恐ろしい生き物だ。
「どこにでも、私のような欲望を持つ魔物はいる……私が死んでも、また……」
レオンハルトは、『うるさい』と一言呟いて、女の魔物の頭に大剣を上から落とす。
沈黙。
巣全体が軋む。残っていた卵が次々と崩れ落ちていく。
生きていた個体たちも、力を失い、崩れていった。
セルジュが荒い息で言う。
「……魔力反応、消失しましたね。全滅です」
レオンハルトはその場に膝をついた。
私ももう、身体に力が入らない。極度の緊張感が解けた後の気の緩み、終わったと思うと襲ってくる、魔力を使いすぎたが故の疲労感。今日は本当に疲れた。
壁面は大量に産み付けられた卵で、脈打つようにうごめき、天井からは半透明の粘液が滴っている。足元では砕けた人間の骨が嫌な音を立てた。
気持ちが悪い。震えが止まらない。腕も、背中も、鳥肌が立っている気がする。
この洞窟の奥行きは思ったよりも深い。戦闘、人間ではないもの――きっと動物であろうミンチ肉に産み付けられ、そこら中に張り付けられた卵の処理、それらを同時に行いながら、進んでいく。
――そして、広間に出た。
そこは異様な空間だった。
天井まで届く巨大な繭。中で大きな何かがうごめいているように見える。そして中央には、ひときわ大きな『それ』が、私達を待ち構えていた。
他の個体よりも二回り……いやそれ以上には大きい。
艶のある黒い外殻、しなやかな肢体、ふわりとした羽、異形じみているが人間の女性のような身体。
下半身から、上半身へと視線を上げて……顔を見て驚いた。人間の女のような顔をしていた。髪の毛、目、鼻、口、耳だけは穴が空いているだけのようだが、耳と触覚以外は全て人間そのもの。
白い肌にも似た外皮。長い白髪。だが首から下は完全に節足動物の体。
赤黒い瞳が、ゆっくりとこちらを向く。
「……あら」
良く通る高い声が、周囲に響き渡った。
洞窟全体に反響する、湿って艶やかな女の声。
「ここまで来た人間のお客様は初めてね」
セルジュが息を呑む。その気持ちは分かる。私と同じ驚きを彼も感じているだろう。
人間じゃない、喋る魔物。私はそんなものは見たことがない。大昔に書かれた本の中で、そういう生き物がいたと見たことがある程度だ。しかも、その資料は古すぎて『創作』だと紹介されていた。それくらいに、今の常識では考えられないこと、あり得ない魔物。
レオンハルトが一歩前へ出る。
「お前が元凶か」
魔物の女は、くすりと笑った。
「元凶?ひどい言い方ね。私はただ可愛い子供たちを増やしているだけ」
周囲で無数の気配が蠢く。魔物に気を取られすぎて、今更気が付いたが、壁一面、そして、床に大量に張り付いた卵。
「あなた達が昼に殺した子たち。あれも私の可愛い、可愛い子供たちだったのに」
「だから街を襲ったのか」
レオンハルトの声は低い。
魔物に対して、何も動じていないように見えた。何も言葉を発せない私とセルジュとは違って。
「補充よ。減った分を、ね。私、私の子孫たちだけで世界を満たすのが夢なの」
恐ろしい願望を綴る。その女の魔物の視線が、レオンハルトに絡みつく。
「あなた……良い器ねー。強くて、丈夫で。あの時に産みつけられたら、きっと立派な子を宿せたのに」
ぞわりと悪寒が走る。しかも、何故か昼間の出来事も全て把握しているらしい。他の『子供』らしい魔物の情報を共有していると考えると、私達の戦い方も、既に分析されているかもしれないという嫌な方向に考えが働く。
レオンハルトの握る剣が軋む。
「黙れ」
「ふふ。あらあら、貴方の後ろの子たちも良い器になりそう。それに……お肉も美味しそうだわ」
私とセルジュを舌なめずりして見つめてきた――その瞬間、レオンハルトが地を蹴った。目の前にいた彼が消えたと錯覚するほどに凄まじい速度。
身体強化の腕輪が最大限までその力を出力されている。
そのまま大剣が、女王の首元へ叩き込まれた――ように見えたのだが。
ほぼ動くことなく、剣を女の魔物の甲殻が受け止めた。
魔法はどちらも使っていないのに、その衝撃で火花が散る。それくらいの力の攻撃だったということだ。
「そんな剣じゃあ、私は斬れないわよ。さて、せっかちな貴方に合わせて、終わらせましょうか」
同時に、天井から無数の個体がボトボトと落ちてくる。
「来ます!」
魔道具に魔力を流し込み、私とセルジュのいる範囲に結界を展開。
私は炎の魔法、セルジュは風の魔法を同時に展開し、空中で全てを焼き落とした。
広間は一瞬で戦場と化した――。
レオンハルトは女王へ張り付き、攻撃を続ける。私とセルジュは、レオンハルトに攻撃しようとする他の魔物の対処をする。あまりにも数が多い上に、一度でも攻撃を受けると同時に死が確定することを知っているため、一切の気が抜けない上に、レオンハルトの手助けは全然できない。
レオンハルトが剣で斬りかかる。弾かれる。再び踏み込む。
それの繰り返し。
「生まれなさい」
突如として、女王の腹部が脈動する。そのまま腹部が割れ、下半身から、大量の幼体が溢れ出る。
産まれたものを全て切り伏せ、対処するレオンハルトだ、その横で女の魔物が何かを準備するように腹をさすっていた。レオンハルトはその怪しい女の魔物の行動に気が付いていない。
「させない!!!」
自分の身体の安全なんて見ていられない。あの速度に、女の魔物に対処できるのは、この中ではレオンハルトだけだ。ここで彼に産み付けさせるわけにはいかない。
その考えが浮かんだのは、完全に安全を捨てて動いた後だ。考えるよりも先に、結界を出て、射程範囲へ。彼を守ろうと身体が動いていた。
自分が他の魔物に卵を植え付けられる恐怖はある。足がすくみそうになる。しかし、ここで勝たなければ、何も終わらない。
走り抜ける。しかし、私の反応速度では、襲ってくる魔物を捌ききれない。撃ち漏れたうちの1匹が身体に貼り着こうとするのが見えた瞬間に、それはジワリと炎で消し炭になった。
セルジュが後方から叫ぶ。
「貴女の身は、僕が守ります!!突き進んでください!!」
きっと女の魔物は、直接レオンハルトに『産み付け』ようとしている。それを絶対に阻止する。
この間、約5秒。ギリギリ射程範囲まで踏み込めた私は、魔力を最大まで引き上げる。
「避けて!!!」
その一言だけで十分だった。レオンハルトはすぐに察し、後ろへ大きく飛び退き、セルジュの方へ向かった。ニヤニヤと対峙するレオンハルトだけを見つめていた女の魔物の不意を突けた。
青白くなった高温の炎が奔流となって広間を呑み込む。
炎に飲み込まれる直前、魔物の女の目が大きく見開かれたのが見えた――。
卵嚢が弾け、幼体が焼け落ちる。
悲鳴のような甲高い音――魔物の女のものが充満する。その悲鳴が完全に聞こえなくなるまで、焼き続けた。
だが、女王はまだ立っている。
焦げて、隅になった外殻の隙間から、赤い体液が滴る。
「……痛い、わ」
その瞳が、私を射抜く。
次の瞬間、凄まじい速度でこちらに突進。
「せめて、貴女だけでも」
速い。
魔力を一気に使って、身体の力が抜けていることもあったが、私の反応速度では完全に間に合わなかった。
私は咄嗟に防御結界を展開――しようとしてが、無理だった。間に合わない。
ああ、でも二人は無事でよかった。これでもう魔物を倒すのは容易になっただろう。そう確信して、目を閉じた――のだが。
いつまでも来ない痛みに、ゆっくりと瞳を開けた。
目の前では、レオンハルトの大剣が、女の魔物をばらばらにしていた。頭、腕、脚、胴体、全て数センチにも満たないくらいに散り散りになっている。
「俺の仲間に触るな」
低く、だが強い、地響きのような声。私はレオンハルトに助けられたようだった――。
これで勝った――と思ったのだが、頭だけになった女の魔物から声が聞こえた。
「……人間は、愚かね」
赤黒い瞳が、薄く笑う。首を切り落とされているのに、動けるだなんて、どれだけ強い生命力なのだろうか。魔物とは、本当に恐ろしい生き物だ。
「どこにでも、私のような欲望を持つ魔物はいる……私が死んでも、また……」
レオンハルトは、『うるさい』と一言呟いて、女の魔物の頭に大剣を上から落とす。
沈黙。
巣全体が軋む。残っていた卵が次々と崩れ落ちていく。
生きていた個体たちも、力を失い、崩れていった。
セルジュが荒い息で言う。
「……魔力反応、消失しましたね。全滅です」
レオンハルトはその場に膝をついた。
私ももう、身体に力が入らない。極度の緊張感が解けた後の気の緩み、終わったと思うと襲ってくる、魔力を使いすぎたが故の疲労感。今日は本当に疲れた。
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