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4章
第12話
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夕陽で真っ赤に染まる差し込むラウプホルツ古戦場跡にゼノの声が響く。
「《拘束》」
聖剣クレイモアを気絶したルーファウスとその仲間たちに向けて詠唱すると、光の縄が彼らの体を縛り付ける。
「ふぅ……。これでよしっと」
そこでようやくゼノはひと息ついた。
なんとか、ルーファウス一味の身柄を拘束することに成功したのだ。
すると、ちょうどそんなタイミングで。
「ベルちゃーーんっ!」
「ガキんちょーー! どこ行ったぁーー!」
声を張り上げるモニカとアーシャが、息を切らしながら駆けつけてやって来る。
「……っ!? おい、見ろよモニカ!」
「ふぇっ?」
「ゼノがルーファウスを捕らえてるぜ!」
「……ほ、ほんとです……! ゼノ様、すごいっ……って、ええぇっ!?」
モニカは、ベルの手の甲に浮かび上がった巨大な青色の光の盾を見て大きく驚いた。
「な、なんだぁ……!? なんでガキんちょが……」
同じように驚いた表情を覗かせるアーシャにゼノは声をかけた。
「あれ? なんで戻って来たんだ?」
「へ? あ、いや……。こいつが来た道を戻り始めてよ。アタシたちはそれで追って来たんだ。つか、ゼノ! 質問したいのはこっちだぜ!? これ……何があったんだ?」
「わたしも知りたいですっ!」
モニカもアーシャも事情が分からず、だいぶ混乱している様子だ。
ひとまず、ゼノは2人にこれまでの経緯を簡単に説明することにした。
◆
「……なるほど。では、あの光の盾がベルちゃんのスキルだったわけですね」
「んで、ガキんちょと一緒にルーファウスを倒しちまった、と」
「やっぱり、ゼノ様はお強いです♪」
「たしかにゼノはすげーんだけど……。でもよ。あのギルド職員の話だと、ラチャオの村を焼いたってのは……その、光の盾を持った女だったんだろ? どー考えてもコイツしかいねぇよなぁ……」
「……っ」
アーシャがそう口にすると、これまでずっと黙っていたベルが体をビクッとさせる。
すでにベルの手の甲からは光の盾は消えてしまっていたため、何かされるとは思っていないのだろうが、アーシャの瞳には疑惑の色が浮かんでいる。
実際、ゼノもその件は気になっていた。
「多分、ルーファウスに利用されたんだよ」
「けどよ、ゼノ。直接、こいつが村を焼いたんなら、このまま野放しにするのは危険なんじゃねーのか?」
「おそらく、ベルちゃんはスカージ諸島から無理矢理連れて来られた奴隷の子ですよね? だったら、まずはイニストラードの奴隷商会に話を通す必要があると思います。今のわたしたちじゃ、ベルちゃんをどうするか決められないですよね」
「ぅぅっ……」
ベルは完全に怯えてしまっていた。
そこには、ゼノのもとへ勇敢に駆けつけて来た少女の姿はなかった。
(たしかに、モニカの言う通りだ。今の俺たちには、ベルの処遇を決める権限はない)
奴隷は合法である。
そのため、主を失った奴隷を発見した場合、その領が管轄する奴隷商会へと引き渡す決まりとなっている。
その後の処遇は、すべて奴隷商会が決めるのだ。
だが、ゼノは奴隷商会のことをまったく信用していなかった。
ベルを引き取った後、故郷へ帰すなどの気の利いたはからいをするはずがない、とゼノは思う。
(きっと、さらに高値をつけて売り飛ばすに違いない)
そんなことをすれば、ベルはさらに心に深い傷を負うことになる。
ゼノは、ある決意を胸にしてベルの前に出た。
◆
「さっきは助けてくれてありがとう」
そう言いながら、ゼノが手を差し出してくる。
「ベルが来てくれなかったら、俺は死んでたと思うから。君は俺の命の恩人だ」
「……(ぷるぷる)」
けれど、ベルは首を横に振ってそれを否定した。
そして、静かにこう口にする。
「……ベルは、そんなんじゃない……。ベルのスキルは、とっても危険で……」
ベルには分かっていた。
自分がどれほど危険な存在であるかを。
(命の恩人なんて……そんな風に思ってもらう資格なんてない……)
また、ベルは先程からモニカとアーシャが鋭い視線を向けていることに気付いていた。
村を一つ焼き払ったのだから当然だ。
結局、逃げ出すことなんて、できなかったのかもしれない、とベルは思う。
レヴェナント旅団から逃れたところで、また他の誰かに捕まってしまうのだから。
(もう、ベルには帰れる場所がないんだ……)
――そう絶望したところで。
「なんでだ?」
と、ゼノの不思議そうな声が上がる。
「えっ……」
「なんで危険なんだ? 光の盾で俺を二度も守ってくれたじゃないか」
「……っ、それは……」
「違うよ、ベル。君のスキルが危険なんじゃない。君はこれまでずっと、レヴェナント旅団に間違った使われ方をしてきたんだ。でも、これからは違う。自分の意思でスキルを使うことができるんだよ。さっき、俺を助けてくれたみたいにさ」
「!」
笑顔でそう口にするゼノの言葉を聞いて、ベルはハッとした。
指摘されて初めて気付いたのだ。
自分が自分の意思で、初めてスキルを使ったという事実に。
そして、それは誰かを守る盾となった。
他人を傷付けるための盾ではなく、他人を救う盾となったのである。
「モニカ。今回の報酬はいくらだったか、覚えてるかな?」
「えっと……たしかティナさんは、金貨60枚って言ってましたね。クエストを達成できた場合、イニストラードの冒険者ギルドで直接報酬を受け取ることができるって」
「そっか。てことは、金貨20枚は俺の取り分だよな? 今、手元に金貨15枚と銀貨150枚があるから……」
「ゼノ様?」
「いや、イニストラードに戻ったら、奴隷商会からベルを引き取ろうと思って」
(え!?)
それを聞いてベルはとても驚いた。
「さっき、ルーファウスは金貨50枚を払ったとか言ってたんだ。今回の報酬が手に入れば、ちょうど金貨50枚になるし、なんとかベルを引き取ることができそうだ」
「ち……ちょっと待てよ、ゼノ! それって、あんたがこれまで冒険者として稼いできた報酬のすべてなんじゃねーのか? それを全部、このガキんちょのために使うなんて、バカかよ!?」
「まさか……。ベルちゃんを私利私欲のために!? ゼノ様、不潔ですぅ~~!」
「2人とも、捉え方が極端だなぁ」
そう口にすると、ゼノは背筋を正してベルの方を向く。
「安心してくれ、ベル。俺は君を引き取って、故郷に帰したいんだ」
「っ!」
「命を救ってもらったわけだし。これくらいはしないと申し訳ないよ」
ベルは、ゼノの顔をまじまじと見てしまう。
よく見れば、彼は書物の中で描かれていた大賢者ゼノとはまったく違った。
けれど、ベルには確信があった。
(……ようやく、出逢えた……)
胸の中がぽわぁ~と暖かくなるのが分かる。
憧れ続けてきた〝ゼノ〟の姿が今、ベルの目の前にあったのだ。
「《拘束》」
聖剣クレイモアを気絶したルーファウスとその仲間たちに向けて詠唱すると、光の縄が彼らの体を縛り付ける。
「ふぅ……。これでよしっと」
そこでようやくゼノはひと息ついた。
なんとか、ルーファウス一味の身柄を拘束することに成功したのだ。
すると、ちょうどそんなタイミングで。
「ベルちゃーーんっ!」
「ガキんちょーー! どこ行ったぁーー!」
声を張り上げるモニカとアーシャが、息を切らしながら駆けつけてやって来る。
「……っ!? おい、見ろよモニカ!」
「ふぇっ?」
「ゼノがルーファウスを捕らえてるぜ!」
「……ほ、ほんとです……! ゼノ様、すごいっ……って、ええぇっ!?」
モニカは、ベルの手の甲に浮かび上がった巨大な青色の光の盾を見て大きく驚いた。
「な、なんだぁ……!? なんでガキんちょが……」
同じように驚いた表情を覗かせるアーシャにゼノは声をかけた。
「あれ? なんで戻って来たんだ?」
「へ? あ、いや……。こいつが来た道を戻り始めてよ。アタシたちはそれで追って来たんだ。つか、ゼノ! 質問したいのはこっちだぜ!? これ……何があったんだ?」
「わたしも知りたいですっ!」
モニカもアーシャも事情が分からず、だいぶ混乱している様子だ。
ひとまず、ゼノは2人にこれまでの経緯を簡単に説明することにした。
◆
「……なるほど。では、あの光の盾がベルちゃんのスキルだったわけですね」
「んで、ガキんちょと一緒にルーファウスを倒しちまった、と」
「やっぱり、ゼノ様はお強いです♪」
「たしかにゼノはすげーんだけど……。でもよ。あのギルド職員の話だと、ラチャオの村を焼いたってのは……その、光の盾を持った女だったんだろ? どー考えてもコイツしかいねぇよなぁ……」
「……っ」
アーシャがそう口にすると、これまでずっと黙っていたベルが体をビクッとさせる。
すでにベルの手の甲からは光の盾は消えてしまっていたため、何かされるとは思っていないのだろうが、アーシャの瞳には疑惑の色が浮かんでいる。
実際、ゼノもその件は気になっていた。
「多分、ルーファウスに利用されたんだよ」
「けどよ、ゼノ。直接、こいつが村を焼いたんなら、このまま野放しにするのは危険なんじゃねーのか?」
「おそらく、ベルちゃんはスカージ諸島から無理矢理連れて来られた奴隷の子ですよね? だったら、まずはイニストラードの奴隷商会に話を通す必要があると思います。今のわたしたちじゃ、ベルちゃんをどうするか決められないですよね」
「ぅぅっ……」
ベルは完全に怯えてしまっていた。
そこには、ゼノのもとへ勇敢に駆けつけて来た少女の姿はなかった。
(たしかに、モニカの言う通りだ。今の俺たちには、ベルの処遇を決める権限はない)
奴隷は合法である。
そのため、主を失った奴隷を発見した場合、その領が管轄する奴隷商会へと引き渡す決まりとなっている。
その後の処遇は、すべて奴隷商会が決めるのだ。
だが、ゼノは奴隷商会のことをまったく信用していなかった。
ベルを引き取った後、故郷へ帰すなどの気の利いたはからいをするはずがない、とゼノは思う。
(きっと、さらに高値をつけて売り飛ばすに違いない)
そんなことをすれば、ベルはさらに心に深い傷を負うことになる。
ゼノは、ある決意を胸にしてベルの前に出た。
◆
「さっきは助けてくれてありがとう」
そう言いながら、ゼノが手を差し出してくる。
「ベルが来てくれなかったら、俺は死んでたと思うから。君は俺の命の恩人だ」
「……(ぷるぷる)」
けれど、ベルは首を横に振ってそれを否定した。
そして、静かにこう口にする。
「……ベルは、そんなんじゃない……。ベルのスキルは、とっても危険で……」
ベルには分かっていた。
自分がどれほど危険な存在であるかを。
(命の恩人なんて……そんな風に思ってもらう資格なんてない……)
また、ベルは先程からモニカとアーシャが鋭い視線を向けていることに気付いていた。
村を一つ焼き払ったのだから当然だ。
結局、逃げ出すことなんて、できなかったのかもしれない、とベルは思う。
レヴェナント旅団から逃れたところで、また他の誰かに捕まってしまうのだから。
(もう、ベルには帰れる場所がないんだ……)
――そう絶望したところで。
「なんでだ?」
と、ゼノの不思議そうな声が上がる。
「えっ……」
「なんで危険なんだ? 光の盾で俺を二度も守ってくれたじゃないか」
「……っ、それは……」
「違うよ、ベル。君のスキルが危険なんじゃない。君はこれまでずっと、レヴェナント旅団に間違った使われ方をしてきたんだ。でも、これからは違う。自分の意思でスキルを使うことができるんだよ。さっき、俺を助けてくれたみたいにさ」
「!」
笑顔でそう口にするゼノの言葉を聞いて、ベルはハッとした。
指摘されて初めて気付いたのだ。
自分が自分の意思で、初めてスキルを使ったという事実に。
そして、それは誰かを守る盾となった。
他人を傷付けるための盾ではなく、他人を救う盾となったのである。
「モニカ。今回の報酬はいくらだったか、覚えてるかな?」
「えっと……たしかティナさんは、金貨60枚って言ってましたね。クエストを達成できた場合、イニストラードの冒険者ギルドで直接報酬を受け取ることができるって」
「そっか。てことは、金貨20枚は俺の取り分だよな? 今、手元に金貨15枚と銀貨150枚があるから……」
「ゼノ様?」
「いや、イニストラードに戻ったら、奴隷商会からベルを引き取ろうと思って」
(え!?)
それを聞いてベルはとても驚いた。
「さっき、ルーファウスは金貨50枚を払ったとか言ってたんだ。今回の報酬が手に入れば、ちょうど金貨50枚になるし、なんとかベルを引き取ることができそうだ」
「ち……ちょっと待てよ、ゼノ! それって、あんたがこれまで冒険者として稼いできた報酬のすべてなんじゃねーのか? それを全部、このガキんちょのために使うなんて、バカかよ!?」
「まさか……。ベルちゃんを私利私欲のために!? ゼノ様、不潔ですぅ~~!」
「2人とも、捉え方が極端だなぁ」
そう口にすると、ゼノは背筋を正してベルの方を向く。
「安心してくれ、ベル。俺は君を引き取って、故郷に帰したいんだ」
「っ!」
「命を救ってもらったわけだし。これくらいはしないと申し訳ないよ」
ベルは、ゼノの顔をまじまじと見てしまう。
よく見れば、彼は書物の中で描かれていた大賢者ゼノとはまったく違った。
けれど、ベルには確信があった。
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フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
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