レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ

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2章

第9話

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「クルッシャ~~ッ!?」

 【無法者の偃月刀】を素早く斬り返して最後の討伐を完了させる。
 その場に倒れたラギアクルガから【七色のトサカ】を剥ぎ取ると、俺はようやくひと息ついた。
 
「これで30体目か。目的は果たしたな」

「お疲れ様ですマスター」

 あれから1時間もしないうちに俺はラギアクルガ狩りを終えてしまった。
 希少種と言えどもナズナの《天竜眼》にかかればザッとこんなもんだ。

(だいぶ助けられたな)

 ナズナがいなかったらこんなにも早く目的を達成することはできなかったはず。
 
「ナズナ、本当に助かった。全部あんたのおかげだ」

「とんでもないです。私は従者ですからマスターのお役に立つのは当然の務めです。なので、私にはもったいないお言葉かと」

「そう謙遜するな。いつも本当に感謝してるんだ。ありがとな、ナズナ」

「ぅ……。そんな風に言っていただけると……素直に嬉しいです……」

 ナズナは恥ずかしそうに両手を前に置くと頬をほんのりと赤くさせた。

 ここまでストレートに感謝を伝えたのは初めてのことかもしれない。
 けど、すべて本音だった。
 
(俺1人の力なんてたかが知れている。これからも俺にはナズナが必要だな)

 ナズナと出逢うことができて本当に幸運だったと俺は改めて強く感じた。



「それじゃそろそろ引き上げるとするか」

「はい。今から戻れば日没までには間に合いそうです」

 頭上に広がった葉の隙間からは眩しい光が差し込んでいる。
 陽はまだ高い。

 ナズナが言うようにこれなら時間内にバルハラへ帰ることができそうだ。
 
 そう思ってその場を後にしようとしていると。



 バッゴゴゴーーン!!



 突如、遠くの方から爆音が響いてくる。
 同時にほんの小さく悲鳴のようなものも聞えてきた。

(なんだ?)

 突然の出来事に一気に緊張が走る。
 俺もナズナもとっさに警戒の構えを取った。

「マスター。森の奥の方で何かあったようです」

「悲鳴も聞えなかったか?」

「はい。女性の声に聞えました」

 どうやらナズナにもそう聞えたらしい。

(たしかに女の悲鳴だった。爆音も普通じゃなかったぞ)
 
 俺はすぐにナズナに声をかけた。

「一度確認しに向かうぞ」

「ですが……マスター。ここで何か問題に巻き込まれてしまうと日没までにバルハラへ戻るのが難しくなってしまうかもしれません」

「だが命の危険が迫ってるのかもしれない」

 もちろん、今が実技試験の最中だってことは分かっている。 

 けれど。
 大変なことが起こっているかもしれないこの状況でそれを放置して帰ることはできなかった。

 俺がまっすぐにそう伝えるとナズナは静かに頷いてくれる。

「……承知しました。私も同行させていただきます」

「ああ、急ごう」



 ◇◇◇



 俺たちが大森林を駆け抜けている間にも奥地からは何かが炸裂するような音が数回に渡って聞えてきた。
 それを耳にして俺は確信を抱く。
 
(誰かが魔物と戦っているな)

 それも並大抵の魔物じゃない。
 前世で数多くの魔物と戦いを重ねてきた経験から俺にはそれがはっきりと分かった。

 おそらく助けが必要な状況だ。

 走りながらナズナにそのことを伝えると俺たちはさらに足を加速させる。





 そのまましばらく走り続けていると、突如前方に開けた草地が現れた。
 かと思えば、次の瞬間には信じられない光景が目に飛び込んでくる。

(!)

 漆黒の騎馬に乗った鎧姿の亡霊が冒険者らしき女にとどめを刺す場面を俺は目撃した。

 悲鳴を上げることもなく、女は魔物が手にする鋼の槍で胸を一突きされていた。

 女の手から大きな剣がこぼれ落ちる。
 胸元を真っ赤に染め上げてそのまま敵に投げ捨てられたようだ。

(あれはベルセルクオーディンか?)

 まだ距離があって確信はできなかったが、おそらくあの風体は間違いない。

 ベルセルクオーディンは悪魔系に分類される凶悪な上級魔物で、レベル80ほどあるボス級の強敵だ。
 俺は戦った経験はないが、前の世界でもかなり手ごわい魔物だっていう話は聞いたことがあった。

 ユリウス大森林の奥地にはレベルの高い魔物が棲息しているとは聞いていたが、まさかこのクラスの魔物が出現するとは少し油断していたな。

(いや、今はそんなことよりもあの女を助ける方が先だ)

 たとえ致命傷を負ったとしても応急処置すれば助かる場合がある。
 このまま放置しておくわけにはいかない。
 
 すぐに救出へ向かおうとしていると、珍しくナズナが声を張り上げた。

「マスター! あの女性……ディーネさんです!」

「なんだって?」

 切迫した表情でナズナが倒れた女を指した。
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