レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ

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2章

第25話

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「追試?」

「あなたは冒険者試験に不合格となったようですが、ベルセルクオーディンを倒した功績は評価に値します。なので追試を行ってそれをクリアすることができたら、当ギルドの冒険者として認めることにするのですよ」

「それはありがたい提案だが、追試の内容はどうするんだ?」

「そうですね。チノと一対一で勝負してください。それで一撃でもチノにダメージを与えることができれば、ベルセルクオーディンを倒した功績もあるので、当ギルドのSランク冒険者として認定します。もちろんチノは本気でいきますよ? なので、エルハルトも全力で向かって来てください。手加減はしないので下手すると死んじゃいますから」

「ちょ、ちょっと待ってよ……チノ! 命懸けなんてそんな……。エルハルト君にはリスクが高すぎるって!」

 周りの冒険者たちの間にも動揺の声が広がる。
 そのどれもがディーネと同じ意見のようだ。

(本気のチノに一撃当てることはベルセルクオーディンを倒すことよりも難しいって、皆そんな風に捉えているみたいだな)

 けどこれはチャンスでもあった。
 Sランク冒険者に認定される機会なんてそう滅多に訪れるもんじゃない。

(それに俺が余計なことをしたせいでこうなっているんだ)

 自分で蒔いた種は自らの手で刈り取る必要がある。

「大丈夫なのですよディーネ。ちょっと大げさに言っただけなのです。ベルセルクオーディンを倒したエルハルトなら死ぬことはないはずです」

「でも……」

「それとディーネには謝らなければなりません。チノが余計なプレッシャーを与えてディーネの負担になっていたのですね。好意に甘えていたのはチノの方です。これまで何度も難しいクエストはディーネに押し付けてきてしまいました。本当にごめんなさいなのです」

「そんなことないって。ウチがちゃんとあの魔物を倒せていたらよかったんだよ」

「ディーネ。そんな風に感じるのは違うのですよ。あなたにクエストを依頼したのはチノです。だから、責任は全部チノにあります。それにチノはもうディーネ1人にだけ大きな負担を背負わせたくないです。もしエルハルトが今回の追試をクリアすることができたら、チノには新たに1人頼る相手ができます」

「それはエルハルト君に悪いんじゃ……」

「そうですか? チノにはそうは思えません。エルハルトには内に秘めた野心があるように感じます。このギルドで何か大きなことを成し遂げようとする強い意志を感じるのですよ。そういう子は目を見ればすぐに分かるんです。だから、ディーネも信じてください。エルハルトならきっとチノの追試を乗り越えられるはずだって」

「っ……」

 チノにはっきりそう言われてしまうとディーネも反論できないようだった。
 
(なかなか鋭いな。こっちの考えてることはバレているみたいだ)

 だが、その方が今後冒険者としてやっていく上では好都合だ。
 最強の無双神器を作るためには難易度の高いダンジョンへ入る必要があるからな。

 難しいクエストを回してもらえるのに越したことはない。

 すると、ちょうどそんなタイミングで。

「マスター。少しよろしいでしょうか?」

 これまで状況を見守っていたナズナが小声で話しかけてくる。



「なんだ?」

「あの、本当にチノさんの追試を受けられるのですか?」

「そのつもりだ」

「何か勝手に話を進められているような気がします。危険を冒してまでこちらのギルドで冒険者になる必要はないのでは?」

「いや。ここまで話を大きくさせた責任があるからな。ここは追試を受けるべきだ」

 俺がそう言うと、ナズナはさらに声をひそめて続けた。

「お言葉ですが、マスター。チノさんは相手にするなら、相当腕が立つ難敵かと思われます。私の正体も見破られかけました」

 ナズナがここまで警戒するのはかなり珍しい。
 それだけチノが厄介な相手だって分かっているんだろう。

 それでも俺の答えは変わらなかった。

 ナズナも俺の性格が少し分かってきたんだろう。
 俺が一歩も引かないってことが分かると、それ以上何か言ってくるようなことはなかった。



「それでどうします、エルハルト? チノの追試を受けますか?」

「一撃当てるだけでいいんだよな?」

「はい。それで問題ないのですよ」

「そんな妥協案を出してもらえるなんて願ったりだ。ありがたく受けさせてもらうよ」

「分かりました。ではチノの後について来てください」
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