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第8話
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大浴場でのんびりと寛いだ後、俺は1階の食堂室へと向かった。
中へ入ってまず驚いたのが、長テーブルに並べられた豪華絢爛な料理の数々だ。
ベーコンナポリタン、唐揚げカレー、ジンジャーポークサンド、メンチカツ風ミートローフ、マヨ醤油焼き、カツオのレアフライ。
そのほかにも生チョコのホットケーキや桃のフルーツタルトなどのデザートやエールまで用意されている。
「アルディンお帰りなさい。お風呂はどうだった?」
「うん。とってもいい湯だったけど……。これ、まさかぜんぶルーシィが作ったの?」
「ちょっと作りすぎちゃったみたい」
応接間で別れてからまだ1時間くらいしか経ってないはずだ。
この短時間でこんな豪勢な料理を作ったなんて信じられないぞ。
「お姉ちゃんの料理の腕前は一流なんですよご主人様っ♪ 国王陛下にも献上したことがあるくらいなんです!」
えっへん!となぜかリズが大きな胸を張る。
たしかにこんな美味しそうな料理が作れたら王宮のシェフとしてもやっていけそうだ。
「アルディンの口に合うものが分からなかったから。ひとまずいろいろと作ってみたのよ」
「ぜんぶ俺が食べていいの?」
「もちろん。でも無理して食べなくていいからね? 口に合わないものもあると思うし、そーゆうのは残してもらって構わないから」
「こんな豪華な料理を残すだなんてもったいない」
「え?」
「それにルーシィが丹精込めて作ってくれたわけだしさ。ありがたくぜんぶいただくよ」
「アルディン……」
ルーシィはどこか嬉しそうに微笑む。
これをぜんぶ平らげることが彼女への感謝になるはずだ。
俺はさっそくテーブルにつくとずらりと並べられた料理に手をつけた。
「それじゃいっただきまぁーす! もぐもぐ」
んんぅっ~~!
なんだこれ、めちゃくちゃ美味しいぞ!
味もめちゃくちゃ俺好みだし、この分ならぺろりとぜんぶ平らげてしまいそうだ。
「はわわぁ~。ご主人様すごい食べっぷりですぅ~」
「そんなに急いで食べなくても料理は逃げないわよ」
「もぐもぐ……せっかくだから……温かいうちに……もぐもぐ……食べたいし……もぐもぐぅ……」
もう美味しくて手が止まらない。
俺は無我夢中で目の前の料理を口に運び続けた。
「うふふ~♪ なんか嬉しいねお姉ちゃん」
「もぐもぐ……もぐもぐ……んん~本当にうまいなぁ!」
「ホント。いい食べっぷりね」
「だってマジで美味いんだ……もぐもぐぅ……」
「もう。褒めても何も出ないわよ」
そう言いつつもルーシィは満更でもなさそう。
「こうやって新たなご主人様と夕食を一緒にできて夢みたいだよね」
「ええそうね。ずっとこの時を待ちわびてたから」
どこか幸せそうな顔で俺の食べっぷりを眺めるルーシィとリズ。
さっき言ってたことは案外大げさでもなんでもなかったのかもしれない。
2人にとって、俺と出会うことがこれまでの生きる理由だったんだ。
俺なんかが急にこの屋敷の主になって申し訳ないって気持ちがあったけど。
でも。
ルーシィとリズの顔を見てたらそういう気持ちは吹き飛んでしまった。
(これからは2人が仕えてよかったって思える主になれるように頑張ろう)
そんなことを思いながら俺は料理に舌つづみを打った。
◆◆◆
それからあっという間にすべての料理を平らげてしまった。
我ながら驚きだよ。
これまでろくな食事をしてこなかったってのもあるけど、とにかくルーシィの料理が美味すぎた。
お腹も心も満たされてとても幸せな気分だ。
なんでも姉妹の中で分担があるらしく、料理を作るのがルーシィ担当で食後の洗いものはリズが担当のようだ。
なんとなく手伝った方がいいかなって思ってリズに声をかけるも。
「ご主人様がそんなことを気にされないでください~!」
「でも……」
「これはメイドである私たちの仕事ですよぉー。ご主人様はお疲れだと思うので今日はゆっくりお休みになってくださいね」
と背中を押されて追い出されてしまう。
どうやら余計なことはしない方がいいみたいだ。
いまいち主とメイドの距離感が掴めないけどこれも慣れの問題なんだろう。
言われたとおり大人しく私室へ戻ろうと食堂室を出ようとしたところで。
「私室へ戻るなら私も一緒に行くわ」
とルーシィが自然とくっついてくる。
これもメイドの務めってやつなのかな?
特に気にすることもなく一緒に3階へと上がる。
「どう? ここでの暮らしは気に入りそう?」
「大満足だよ。これまで狭いアパートで暮らしてきたから別世界だ」
「ふふふ。満足してもらえたようで素直に嬉しいわ」
廊下を歩きながらぐっと肩を寄せてくるルーシィ。
3人でいた時よりもその仕草や口調は柔らかい。
なんだろう。
めちゃくちゃかわいく感じてしまう。
(ひょっとしてこっちの方が自然体なのかな)
そんなことを思いながらルーシィと楽しく会話して歩いていると、あっという間に私室の前に到着した。
ガチャ。
「え」
「なに? 入らないの?」
ドアを開けるとなぜかルーシィが中へ上がり込む。
「見送りなら部屋の前で大丈夫だよ」
「見送り? なに言ってるの? 一緒に寝るでしょ?」
「……は?」
言葉の意味が分からず一瞬フリーズしてしまう。
「アルディン……。最初はちゃんと優しくしてよね」
と言いながらルーシィは自然と胸元のビスチェを外そうとする。
その瞬間、ぽろりと豊満な胸がこぼれそうになった。
「ちょっとタイムーー!!」
「?」
やっぱりだ。
リズだけじゃなくてこの姉妹は揃っておかしい!
「一応聞くんだけどさ。寝るっていうのは」
「何言ってるよ。もちろん夜のお勤めに決まってるじゃない。さあそっちも服脱いじゃって」
「ぶぶぶっ~~!?」
「あのね。さっきからなんなの? あなたは私たちのご主人様なのよ? 夜のお勤めくらい当然のことだわ」
「当然なの!?」
いったいヴォルフさんは何を教えてたんだ?
実はめちゃくちゃエロいじいさんだったとか……。
「メイドなら当り前のことよ」
「いや、ぜんぜん当たり前じゃないと思うんだけど」
まず根本から考えを改めさせる必要がある。
とりあえず簡単に体を差し出す癖は直してもらわないと……こっちの心臓に悪い。
「あ、分かったわ。アルディン、遠慮してるんでしょ? でもメイドの私にそんな気を遣う必要なんてないわ。好きに弄んでくれればそれでいいの」
「だぁぁ~~! その考えはやめぇーー!」
「なんで? ヴォルフ様にも成人を迎えたら新しい主様にはきちんと体でご奉仕するようにって言われてるんだから」
「そういう問題じゃない!」
ルーシィもまたリズ同様にきょとんとした顔を浮かべている。
どうやら姉妹揃ってどうして俺が反対するのか分かってないみたいだ。
「そりゃこういう大人のご奉仕をするのは初めてのことだし……。拙い部分もあるとは思うけど。私じゃ不満……?」
上目遣いでルーシィが訊ねてくる。
ちょっとだけ涙目だ。
(やれやれ。また言わないとダメなのか)
俺はため息をつくとルーシィの目を見てはっきりと口にした。
「ごめんだけど、こういうのは今後一切やらなくていいから」
「どういうこと?」
「もっと自分の体は大切にした方がいい」
「私はぜんぜん構わないわ。あなたが満足してくれるならそれでいいの」
「ええ……」
どうしてこんなにも献身的なんだ?
危なすぎるだろぉ……。
リズと違ってルーシィは一歩も引かない。
もっと具体的に言わないとダメみたいだ。
「悪いけどさ。夜は1人でゆっくり寝たいんだよ。これでもダメかな?」
「そうだったのね。てっきり男の人はこーゆうのが一番楽しいんだって思ってたわ。ごめんなさい……勘違いしてたみたい」
「う、うん」
「私もリズも王立学院に通ったことがないから。同年代の子たちと比べて少しズレてる部分があるのかもしれないわ」
と真剣に悩み始めてしまうルーシィ。
そっか。
これまでずっとこの屋敷でメイドとして働いてきたんだもんな。
少し強く言いすぎたかもしれない。
「いや。こっちこそごめん。べつにルーシィを責めてるわけじゃないんだ」
「ううん、いいの。むしろこうやってはっきり言ってもらった方がありがたいわ。アルディンには嫌な思いをしてほしくないもの。今後も何かあったらきちんと言ってね? 私、あなたにはきちんと尽くしたいから」
「分かった。その時はちゃんと言うよ」
「ええ。それじゃ……おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
ガチャ。
どことなく悲しそうにルーシィが去っていく。
本当は奉仕をきちんと全うしたかったのかもしれない。
なんだかメイドとしての面目を潰してしまったようで悪い気がした。
「はぁ。とんでもない一日だったなぁ」
ベッドに横になると自然とため息がこぼれる。
本当にすごい一日だった。
(いろいろあったよな)
中でも新たに覚醒した《神眼》の存在が一番気がかりだ。
実はさっきから視えて仕方ないものがあった。
「相手の好感度か……。こんなのも視えるのかよ」
ルーシィやリズの前には好感度を表した透明なウィンドウが表示されてて、正直気になって仕方なかった。
しかも、姉妹揃って俺に対する好感度はMAX。
(才能が有能すぎるってのも悩みものだよなぁ)
まあ好意を寄せてもらえるのは素直に嬉しいんだけどね。
「これからもいろいろと大変そうだ」
だけど。
そう思うと同時にこれからの日々が楽しみでもあった。
「さーてと。今日はもう寝よう」
明りを消すとベッドに潜り込む。
こうして俺の長い一日は終わりを迎えるのだった。
中へ入ってまず驚いたのが、長テーブルに並べられた豪華絢爛な料理の数々だ。
ベーコンナポリタン、唐揚げカレー、ジンジャーポークサンド、メンチカツ風ミートローフ、マヨ醤油焼き、カツオのレアフライ。
そのほかにも生チョコのホットケーキや桃のフルーツタルトなどのデザートやエールまで用意されている。
「アルディンお帰りなさい。お風呂はどうだった?」
「うん。とってもいい湯だったけど……。これ、まさかぜんぶルーシィが作ったの?」
「ちょっと作りすぎちゃったみたい」
応接間で別れてからまだ1時間くらいしか経ってないはずだ。
この短時間でこんな豪勢な料理を作ったなんて信じられないぞ。
「お姉ちゃんの料理の腕前は一流なんですよご主人様っ♪ 国王陛下にも献上したことがあるくらいなんです!」
えっへん!となぜかリズが大きな胸を張る。
たしかにこんな美味しそうな料理が作れたら王宮のシェフとしてもやっていけそうだ。
「アルディンの口に合うものが分からなかったから。ひとまずいろいろと作ってみたのよ」
「ぜんぶ俺が食べていいの?」
「もちろん。でも無理して食べなくていいからね? 口に合わないものもあると思うし、そーゆうのは残してもらって構わないから」
「こんな豪華な料理を残すだなんてもったいない」
「え?」
「それにルーシィが丹精込めて作ってくれたわけだしさ。ありがたくぜんぶいただくよ」
「アルディン……」
ルーシィはどこか嬉しそうに微笑む。
これをぜんぶ平らげることが彼女への感謝になるはずだ。
俺はさっそくテーブルにつくとずらりと並べられた料理に手をつけた。
「それじゃいっただきまぁーす! もぐもぐ」
んんぅっ~~!
なんだこれ、めちゃくちゃ美味しいぞ!
味もめちゃくちゃ俺好みだし、この分ならぺろりとぜんぶ平らげてしまいそうだ。
「はわわぁ~。ご主人様すごい食べっぷりですぅ~」
「そんなに急いで食べなくても料理は逃げないわよ」
「もぐもぐ……せっかくだから……温かいうちに……もぐもぐ……食べたいし……もぐもぐぅ……」
もう美味しくて手が止まらない。
俺は無我夢中で目の前の料理を口に運び続けた。
「うふふ~♪ なんか嬉しいねお姉ちゃん」
「もぐもぐ……もぐもぐ……んん~本当にうまいなぁ!」
「ホント。いい食べっぷりね」
「だってマジで美味いんだ……もぐもぐぅ……」
「もう。褒めても何も出ないわよ」
そう言いつつもルーシィは満更でもなさそう。
「こうやって新たなご主人様と夕食を一緒にできて夢みたいだよね」
「ええそうね。ずっとこの時を待ちわびてたから」
どこか幸せそうな顔で俺の食べっぷりを眺めるルーシィとリズ。
さっき言ってたことは案外大げさでもなんでもなかったのかもしれない。
2人にとって、俺と出会うことがこれまでの生きる理由だったんだ。
俺なんかが急にこの屋敷の主になって申し訳ないって気持ちがあったけど。
でも。
ルーシィとリズの顔を見てたらそういう気持ちは吹き飛んでしまった。
(これからは2人が仕えてよかったって思える主になれるように頑張ろう)
そんなことを思いながら俺は料理に舌つづみを打った。
◆◆◆
それからあっという間にすべての料理を平らげてしまった。
我ながら驚きだよ。
これまでろくな食事をしてこなかったってのもあるけど、とにかくルーシィの料理が美味すぎた。
お腹も心も満たされてとても幸せな気分だ。
なんでも姉妹の中で分担があるらしく、料理を作るのがルーシィ担当で食後の洗いものはリズが担当のようだ。
なんとなく手伝った方がいいかなって思ってリズに声をかけるも。
「ご主人様がそんなことを気にされないでください~!」
「でも……」
「これはメイドである私たちの仕事ですよぉー。ご主人様はお疲れだと思うので今日はゆっくりお休みになってくださいね」
と背中を押されて追い出されてしまう。
どうやら余計なことはしない方がいいみたいだ。
いまいち主とメイドの距離感が掴めないけどこれも慣れの問題なんだろう。
言われたとおり大人しく私室へ戻ろうと食堂室を出ようとしたところで。
「私室へ戻るなら私も一緒に行くわ」
とルーシィが自然とくっついてくる。
これもメイドの務めってやつなのかな?
特に気にすることもなく一緒に3階へと上がる。
「どう? ここでの暮らしは気に入りそう?」
「大満足だよ。これまで狭いアパートで暮らしてきたから別世界だ」
「ふふふ。満足してもらえたようで素直に嬉しいわ」
廊下を歩きながらぐっと肩を寄せてくるルーシィ。
3人でいた時よりもその仕草や口調は柔らかい。
なんだろう。
めちゃくちゃかわいく感じてしまう。
(ひょっとしてこっちの方が自然体なのかな)
そんなことを思いながらルーシィと楽しく会話して歩いていると、あっという間に私室の前に到着した。
ガチャ。
「え」
「なに? 入らないの?」
ドアを開けるとなぜかルーシィが中へ上がり込む。
「見送りなら部屋の前で大丈夫だよ」
「見送り? なに言ってるの? 一緒に寝るでしょ?」
「……は?」
言葉の意味が分からず一瞬フリーズしてしまう。
「アルディン……。最初はちゃんと優しくしてよね」
と言いながらルーシィは自然と胸元のビスチェを外そうとする。
その瞬間、ぽろりと豊満な胸がこぼれそうになった。
「ちょっとタイムーー!!」
「?」
やっぱりだ。
リズだけじゃなくてこの姉妹は揃っておかしい!
「一応聞くんだけどさ。寝るっていうのは」
「何言ってるよ。もちろん夜のお勤めに決まってるじゃない。さあそっちも服脱いじゃって」
「ぶぶぶっ~~!?」
「あのね。さっきからなんなの? あなたは私たちのご主人様なのよ? 夜のお勤めくらい当然のことだわ」
「当然なの!?」
いったいヴォルフさんは何を教えてたんだ?
実はめちゃくちゃエロいじいさんだったとか……。
「メイドなら当り前のことよ」
「いや、ぜんぜん当たり前じゃないと思うんだけど」
まず根本から考えを改めさせる必要がある。
とりあえず簡単に体を差し出す癖は直してもらわないと……こっちの心臓に悪い。
「あ、分かったわ。アルディン、遠慮してるんでしょ? でもメイドの私にそんな気を遣う必要なんてないわ。好きに弄んでくれればそれでいいの」
「だぁぁ~~! その考えはやめぇーー!」
「なんで? ヴォルフ様にも成人を迎えたら新しい主様にはきちんと体でご奉仕するようにって言われてるんだから」
「そういう問題じゃない!」
ルーシィもまたリズ同様にきょとんとした顔を浮かべている。
どうやら姉妹揃ってどうして俺が反対するのか分かってないみたいだ。
「そりゃこういう大人のご奉仕をするのは初めてのことだし……。拙い部分もあるとは思うけど。私じゃ不満……?」
上目遣いでルーシィが訊ねてくる。
ちょっとだけ涙目だ。
(やれやれ。また言わないとダメなのか)
俺はため息をつくとルーシィの目を見てはっきりと口にした。
「ごめんだけど、こういうのは今後一切やらなくていいから」
「どういうこと?」
「もっと自分の体は大切にした方がいい」
「私はぜんぜん構わないわ。あなたが満足してくれるならそれでいいの」
「ええ……」
どうしてこんなにも献身的なんだ?
危なすぎるだろぉ……。
リズと違ってルーシィは一歩も引かない。
もっと具体的に言わないとダメみたいだ。
「悪いけどさ。夜は1人でゆっくり寝たいんだよ。これでもダメかな?」
「そうだったのね。てっきり男の人はこーゆうのが一番楽しいんだって思ってたわ。ごめんなさい……勘違いしてたみたい」
「う、うん」
「私もリズも王立学院に通ったことがないから。同年代の子たちと比べて少しズレてる部分があるのかもしれないわ」
と真剣に悩み始めてしまうルーシィ。
そっか。
これまでずっとこの屋敷でメイドとして働いてきたんだもんな。
少し強く言いすぎたかもしれない。
「いや。こっちこそごめん。べつにルーシィを責めてるわけじゃないんだ」
「ううん、いいの。むしろこうやってはっきり言ってもらった方がありがたいわ。アルディンには嫌な思いをしてほしくないもの。今後も何かあったらきちんと言ってね? 私、あなたにはきちんと尽くしたいから」
「分かった。その時はちゃんと言うよ」
「ええ。それじゃ……おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
ガチャ。
どことなく悲しそうにルーシィが去っていく。
本当は奉仕をきちんと全うしたかったのかもしれない。
なんだかメイドとしての面目を潰してしまったようで悪い気がした。
「はぁ。とんでもない一日だったなぁ」
ベッドに横になると自然とため息がこぼれる。
本当にすごい一日だった。
(いろいろあったよな)
中でも新たに覚醒した《神眼》の存在が一番気がかりだ。
実はさっきから視えて仕方ないものがあった。
「相手の好感度か……。こんなのも視えるのかよ」
ルーシィやリズの前には好感度を表した透明なウィンドウが表示されてて、正直気になって仕方なかった。
しかも、姉妹揃って俺に対する好感度はMAX。
(才能が有能すぎるってのも悩みものだよなぁ)
まあ好意を寄せてもらえるのは素直に嬉しいんだけどね。
「これからもいろいろと大変そうだ」
だけど。
そう思うと同時にこれからの日々が楽しみでもあった。
「さーてと。今日はもう寝よう」
明りを消すとベッドに潜り込む。
こうして俺の長い一日は終わりを迎えるのだった。
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