時計の形をした心臓

茉莉花

文字の大きさ
17 / 19
第1幕

第十六話

しおりを挟む
 そうして俺達は同盟を組んだ。

 仲間になったのが確定すると親睦を深めるために、俺はトランプを出す。

 もちろんやるのは大貧民だ。

 それぞれに手札を配る翔太。

 四人もいるからゲームとしておもしろくなるだろう。

 鈴香は、「いつでも戦闘できるように」と、スタンガンを片手にドアを睨んだ。あとで翔太に聞いた話だと、兄貴のほうにいいようにされてたらしい。なんでも一度も攻撃されなかったとか……。遊ばれてやがる。

「そういや、二人には俺達の紹介してなかったな」

 手札を切りながら俺達はそれぞれ自己紹介をする。

「失礼、恩にきる。僕たちも自己紹介すべきだろうか」

「名前すら知らないやつを、信頼する気にはなんねぇだろ。逆もしかりだ。よろしく頼むぜ」

 そうして二人は自己紹介した。

 弟のほうは風山立というらしく、兄貴のほうは風山小夜というらしい。ついでに双子。どうりで顔とか似ているわけだ。

 それでも好みとかはぜんぜん違うらしく、味覚はもちろんのこと、感覚の違いから喧嘩をすることもよくあるらしい。大抵小夜が指一本触れられずに、立をそのまま疲れさせて降参させるとか……。

 外から生暖かい風が吹き、賑わってる中数度目の時計の反応。そう、レーダーが午前七時を知らせたのだ。

 俺達は慌てて、近くに敵がいないか確認する。

 幸いにも敵がいる様子はなく、俺達は安堵する。いや、今なら三銃士すら怖くないかもしれない。

「そういやさ、お前らは人を殺すことについてどう思う?」

 それは俺の口から出た疑問だった。別にゲームだからって、自分のことを正当化するつもりはない。ただあとには引けないとこまで来ているのも事実だった。さっき三人でいた時は強気だったのに、俺も弱い奴だ。

「俺は、別にどうも思わない」

 最初に口を開いたのは立だった。そのまま立は口を休めることなく、話し続ける。

「実際ゲーム開始から数人の時計を奪ってきたが、そもそもそうでなくとも俺と兄貴は裏社会の人間だ」

「そうだな、俺と立は法に触れることならいくらでもやってきた。当時は戸惑うこともそりゃ、あったが、今ではもうどうともおもわない」

 そうか……。そういう価値観のやつもいるんだな。

「それで鈴香と翔太はどう思う?」

「俺は、正直学校の道徳とか嫌いだからさ、別にそれはそれでいいんじゃね? っておもう。誰だって人を殺してーって嫌なやつには思ったことあるだろうし、実際に行動に移すかだと思う」

「私も同じく。自分がやらなきゃやられるなら躊躇なく殺す覚悟はできてる」

 そうして、全員が思っていることを話した後、俺は一つの結論に至った。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

それなりに怖い話。

只野誠
ホラー
これは創作です。 実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。 本当に、実際に起きた話ではございません。 なので、安心して読むことができます。 オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。 不定期に章を追加していきます。 2026/2/9:『ゆぶね』の章を追加。2026/2/16の朝頃より公開開始予定。 2026/2/8:『ゆき』の章を追加。2026/2/15の朝頃より公開開始予定。 2026/2/7:『かいぎ』の章を追加。2026/2/14の朝頃より公開開始予定。 2026/2/6:『きんようび』の章を追加。2026/2/13の朝頃より公開開始予定。 2026/2/5:『かれー』の章を追加。2026/2/12の朝頃より公開開始予定。 2026/2/4:『あくむ』の章を追加。2026/2/11の朝頃より公開開始予定。 2026/2/3:『つりいと』の章を追加。2026/2/10の朝頃より公開開始予定。 ※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...