【堕天】スキルのせいで速攻島流しされたけど、堕天希望の天使達が割と多いので、一緒に楽園を創ることにします

ゴトー

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Falling 1

衝突

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「カイネさん、そろそろこの島の土地を浄化させましょうよ!」
 

 ようやく最低限の生活ができるようになった今日この頃。
 突然、朝からこの堕天使1号がおかしなことを言い出した。

「土地を浄化……?何言ってんだ?」

 これだから人間はものを知らないと、ルルフェルは首を横に振る。
 何だ、そのドヤ顔は。引っぱたいてやろうか。

「あのですね。このヘルヘイムが、何でこんな荒れ果てているのか分かりますか?」
「それは、昔ここで天使達と魔王とかってやつが戦ってその影響で……」

 あの国で聞かされていた神話レベルの話を、たどたどしく口にする。

「そうです。その戦争の代償として、この土地は呪われてしまったんです。日の光を浴びても、恵みの雨が降り注いでも全てが無になる呪い。この土地の命を拒絶する、停滞の呪い……」

 胸に手を当てて、神妙な面持ちで語るルルフェルは、いつものポンコツ堕天使とは思えないほど天使らしかった。
 もう、天使ではないのだけれど……。


「しかも、その影響で変なモンスターが生まれて、まともな生き物は住めなくなったのよ」
「うお!?起きてたのかよ……?」


 今まで横で眠っていたユールが、いきなり会話を補足してきた。
 まだ目が完全に開いてないのに、器用なやつだ。

「そうなんです!だから、聖水を地道に撒いて撒いて……この土地をあるべき姿に戻していくんです!」

 キラキラ目を輝かせながら力説するルルフェル。
 だが、こいつの乗り気な態度とは対照的に、俺は結構冷めていた。

「そんな大規模な環境整備する必要あるか?今は生きていくだけで、いっぱいいっぱいなのにさ……」
「で、でも、いずれここにはもっと沢山の堕天使達が住むんですよ?浄化活動を進めておいて、ヘルヘイム全体をもっと住みやすい土地に……」


 ちょっと前から、少し気になっていた事があった。
 
 それはルルフェルと俺の考え方のだ。
 
 俺はルルフェルの言葉を遮る。


「ちょっと待て。お前、確か前も楽園がどうのって言ってたけど……。別に俺はそこまでやるつもりないからな?」

 「もぉ何を今さらぁ」と、ニコニコしたままの堕天使に、俺ははっきりと言ってやることにした。

「生活に必要なことはやるけど、それ以上はやる必要ないだろ。いずれここからも出るつもりだし」
「な、何でですか!?一緒にここを天国より快適な楽園にしましょうよ!」

 俺の目が本気だと察すると、ルルフェルはあわあわとしだした。

「そ、それにそうなればカイネさんは、堕天使の楽園の主ですよ?堕天の王ですよ?ほぉら、かっこいいー!ね、なりたくなりました!?」

 ちょっとバカにしてるだろ、それ。

「あれ……?人間の男の子はこういうの好きって聞きましたけど……」

 やっぱバカにしてるだろ。



「ていうか、俺は一方的に巻き込まれたんだぞ!?これだけ協力してやってんだから文句言うなよ!お前らが自由になる代わりに、俺は全部失ったんだからな!!」



 いつもヘラヘラしているこいつに、俺も少し不満が積もり積もっていたのかもしれない。
 こいつのせいでこんなことになって、それでも生きるために一緒に協力していかなきゃと、そう思って考えないようにしていたが……。
 些細なきっかけで、つい言ってはいけないことを口にしてしまった。


「カ、カイネさん……?やっぱり、私のこと……」


 露骨に悲しそうな顔をするルルフェルだったが、ここまで言ったらもう止まれなかった。

「と、とにかく!そんな意味があるかも分からない、途方もない作業……俺はやるつもりないからな!!」

 下を向いて、ふるふる震えるルルフェルをじっと見つめる。
 そして…。
 


「カイネさんのバカぁ!!一級犯罪者ぁ!!お風呂入った後に変な毛浮いてるぅ!!」
「な!?それは仕方な……おい、どこ行くんだよ!?」



 言いたいだけ言うと、ルルフェルはどこかへ飛んで行ってしまった。


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