【堕天】スキルのせいで速攻島流しされたけど、堕天希望の天使達が割と多いので、一緒に楽園を創ることにします

ゴトー

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Falling 2

お姉ちゃん

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 俺の腹部にヘビーな衝撃を与えたどんぐり。
 転がり落ちたそのどんぐりの中からは、ホラー映画のようにペタっと手だけが出てきた。
 そして……。



「わあ!!びっくりした!?」



 元気な声と共に中から出てきたのは、ルルフェル達よりも一回り幼い容姿の少女だった。
 どんぐりの中から、顔と手をひょこっと覗かせている。
 それと何となく予想はしていたが、いつもの天輪とファンシーな羽もついていた。

「……知り合い?」

 俺はルルフェルとユールに顔を向けた。

「まあ、そうね。この子も天使よ」

 ルルフェルは首を横に振ったが、その代わりユールが答えた。
 俺はもう一度その天使の方を見た。

「近くまで飛んできてね、途中でどんぐりに入ってきたの!ねえ、びっくりした?びっくりした? 」

 幼い天使は、無邪気に何度も驚いたかを聞いてくる。
 この子は見た目通り、他の連中より喋り方も幼い。
 ……かと言って、こいつらが大人びているなんてことは全くないが。

「いや、したはしたけどさ」

 俺はこの子の高いテンションに当惑しながら答える。

「んふふ、やったぁ!!」

 その天使はどんぐりから出てきて、ぴょんぴょんジャンプしながら喜んでいる。
 天使は登場する際に、一発芸するルールでもあんのか?
 ていうか、こんな小さい子も天界に不満持ってるのかよ。
 世知辛ぇ……。

「で、君はどういう天使なの?」

 俺は視線の高さを合わせて、しゃがみながらその子に尋ねてみた。



「どんぐり!!」



 どんぐりだそうだ。
 屈託のない笑顔で即答されたが、どう解釈していいのか図りかねる。
 知り合いと言っていたユールの顔を見て、俺は助けを求めた。

「どんぐりの天使って言ってるじゃない、 何でこっち見るのよ?」
「マジでどんぐりでいいの!?」

 確かにどんぐりから出てきたが、いくら何でもそれはないだろうと思っていた。
 何だよ、どんぐりの天使って。
 破滅、聖水、豊穣ときて、まさかどんぐりがその並びに名を連ねるとは……。
  
「えーと、どんぐりの天使はどんなことができるのかな?」

 この手の子に話しかける時は、どうも自然と優しいお兄ちゃん口調になってしまう。
 実はすごい能力かもしれないという淡い期待を込め、もう一度尋ねてみた。


「どんぐりが出せるの!ほら、手からどんぐりが出るよ!」  


 両手から楽しそうにどんぐりを出すその様子を見て、俺はもうにっこり微笑むことしかできなかった。
 それ何の役に立つの?
 何でどんぐり担当なんて用意されてるの?

「あの……私は初めて見ましたが、どんぐりの天使は天界でも一二を争う最弱の天使と聞きます。とても可愛らしいので、人気者らしいですが」 
「そうですか」

 ルルフェルが補足情報をこっそり耳打ちしてきた。
 正直、どんぐりを誇らしげに出すこの子を見て、最初に俺の頭をよぎったのは「ハズレ」という言葉だった。

 でも、もう最弱だとかそういうのはどうでもいい。
 役に立つかどうかだけで判断しようなんて間違っていると、今はそう思う。
 こんな幼い子相手に。
 ほら、この子自分で出したどんぐり転がして遊びだしちゃってるもん。
 何しに来たのかな、本当に。

「あれ?カイネさん、もしかして子供に優しいタイプですか?」

 面白いものを見つけたみたいな顔するルルフェル。
 さっきまで死にそうな顔で俺を心配してたくせに、こいつは……。

「お前は後で反省文な」
「ええ!?でも、私があの子拾ってきたんですよ!逆にカイネさんが、表彰状書いてくださいよ!」

 表彰されたいなら、あんなプロリーグでも通用するようなパスすんな。
 だが、次の瞬間、そんなのどうでもよくなるような言葉が俺の耳に入った。



「ねえ、ユールねえぇ!私も早くこの輪っか外したいの!どうすれば外せるの!?」
「あー。それはね、こっちの人間がやってくれるわ。だからいい子にしてなさいね」



 ユール姉ぇ……。
 確かにこの子は今、ユールに向かってそう言った。
 ユールも否定せず、そのまま会話している。

 ……え、2親等の関係?
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