ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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イライラが止まらない

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あ~、今日も目覚ましが鳴る前に目が覚めましたっと♪
いつもは月曜日って憂鬱だけど、
今日は、ちょっと違う。良い感じ♪

でも、朝は食べない。
それが会社に行く時の私のルーティーンだから。
会社に行く準備もいつもより余裕があって良いな。
気持ちに余裕があると時間的にも
余裕が出来るのかもしれない。
また一歩前進かな。

駅までの道も信号に捕まらなかったし、
いつもと同じ電車に乗った。
会社に行く時間は、めちゃめちゃ混んでて、
立つ場所を探すのも大変なのに、なんでだろう?
今朝は違う。

だって、私が乗った時、1つだけ席が空いてたんだもん!
『みんな、席が空いてるのに気づかないのかなぁ?』って、
ちょっと不思議な感じがしたけど、
空いてるんだから座っちゃおう♪なんか、ラッキー☆
これもアトランティーナのお陰なのかな?
ん?私が成長したってこと?な~んてね(笑)

でも、浮かれてる場合じゃなかった。
会社に着くといきなり部長から呼び出しがかかったから。
『何事?』って、イヤな予感万歳で会議室に向かった。
会議室に入ると、

「一体、どうなってるんだ!」

部長の大きな怒鳴り声が鳴り響いた。

『えっ、何が?』何のことだか、さっぱり分からない。
いきなり怒鳴るんじゃなくて、
まずは起こったことを話してから、
事情を聞くってことが、なんで出来ないんだろう?

人の気分を害することにかけては天才だよね、この人。
ま、今に始まったことじゃないけど。
本当になんで怒鳴られているのか、
全く分からなかったから、
ポカーンとしていたんだと思う。
やっと部長が状況を説明し始めた。

私が担当することになった
新規のクライアントから朝イチで連絡が入ったらしい。
それによると、私がメールに添付した見積書の数字が
大幅に間違っていたのだとか・・・。

『そんなはずはない!』と思った。
だって昨日、じゃなくて先週の金曜日、
私は、クライアントにメールしてないもん!
「あっ!」と言った私に

「やっと思い出したかっ!」

って部長。
勝ち誇った顔がめちゃくちゃムカつく。

「そのメール、私が送ったんじゃなくて、送ったのは高梨です。
私の案件ですけど、金曜日はバタバタしてて
送れなかったから高梨にお願いしました。

先方もお急ぎのようだったので、
少しでも早くお送りしようと思って。
私の案件だから、私の名前で送ったんだと思います。」

「なに、高梨が送った!?
なんで、送った後にすぐ確認しなかったんだ!」

「ですから、金曜日はバタバタしていたので・・・。
確認する余裕があったら高梨になんて頼みませんよ!
高梨に確認してみます」

と言って会議室を出た。

めちゃめちゃ気分が悪い。
席に戻って、一応私が持っている見積書の数字を
確認したけど間違いはなかった。

チームで見積書は共有してるし、
なんで違う見積書がクライアントに届いたワケ?
なんで数字が違う見積書を送ったのか・・・。
まずは送った本人、高梨くんに聞いてみよう。

「ねぇ、高梨くん。金曜日、
見積書を送ってもらったよね?
その見積書の数字が違ってたんだけど、なんでかな?」

「あ~、見積書、幾つかあるじゃないっすかぁ。
それで、どれなのか分からなくなって、
勘で『これだ!』って思ったのを送ったんすよ。
違うヤツでした?オレの勘、ハズレかぁ(笑)」

「いやいや、勘とかで送って欲しくないんですけど・・・。
っていうか、共有ファイルに見積書、入ってるよね?
どこにあった見積書を送ったの?」 

「デスクトップにあった見積書っす」

「デスクトップって・・・。
それって、見積書が更新された時、
置き換えてるんだよね?」

「最初のまんまかな?
いや、置き換えたこともあったな・・・。
最近、見積書の更新ってありましたっけ?」

「なんのためにCcでメールを共有してるのか分かってる!?
チーム内で情報を共有するためでしょ!」

「共有ファイル探すの面倒で、
つい手近にあったのを送っちゃったんすよ。
すいませんでした」

「ねぇ、ホントに悪いと思ってる?
その経緯を部長に報告してね!」

「え~、オレがっすかぁ?
勘弁してくださいよぉ・・・」

「だって送ったの、高梨くんでしょ!?
送った本人が部長に説明しなきゃでしょう。
部長のところに連絡が来ちゃったんだから。
っていうか、それぐらい大変なことなんだよ!
分かってる?」

「なんかぁ・・・せっかく手伝ったのに、
文句言われるのって違う気がするし・・・。

じゃあ、これからはオレには頼まないでください。
後から文句言われるの、無理なんで・・・」

そう言うと高梨は、プイッと背中を向けた。
『はぁ?』って思ったけど、
これ以上、話しても埒が明かない。

『なんで、こんなヤツに頼んだんだ、私。
よりによって、なんで高梨・・・』って、
高梨に頼んだ自分を呪った。

もう入社して3年も経つのに成長するどころか、
悪化してる気がする。
仕事を舐めてるとしか思えない!
会社にさえ来れば良いって思ってるんだろうな。
会社には来るけど、仕事する気ゼロだもんね・・・。

比べちゃいけないのは分かってるけど、
他のチームに居る高梨の同期は、
結構、戦力になってて『いいなぁ・・・』って、思っちゃう。

仕方がないから、部長には、事の経緯を説明しに行った。
変わらず不機嫌な部長。

『部下の指導もアンタの仕事でしょっ!
高梨をどうにかしなさいよっ!!』

って、言ってやりたかったけど我慢した。
こういうのがストレスになるんだよね、きっと。

いつか高梨に迷惑かけられる日が来るんじゃないかなって
思ってたんだよなぁ。
いろんなことをやらかしてるのに、
それでも本人は全く気にしてないみたいだったからね。
反省まではいかなくても、せめて気にしたりすれば、
多少なりとも改善されるんだろうけど(苦笑)

普段なら高梨になんて絶対に頼まないよ。
でも金曜日は他に手が空いてる人が居なかったんだよね。
『もう、これからは、何があっても絶対、高梨には頼まない!』
って心に誓ったよ、はぁ・・・。

週の始めで、しかも朝イチ。
イヤなスタートを切ってしまった。
イヤな予感的中!っていうか、
アトランティーナは、こうなることが分かってたのかなぁ?
朝は気分良かったのになぁ・・・。一気に急降下だよ。

気分が落ちたせいか、イヤなことが立て続けに起こった。
お気に入りだったマグカップを床に落として割っちゃうし、
お昼の約束はドタキャンされるし、
書類をプリントアウトしようとしたら、
紙詰まりで出てこないし、コピーしようとしたら、
こちらも紙詰まりを起こして、業者を呼ぶハメに陥るし・・・。

極めつけは、ほぼほぼ確定していた私担当の案件が
キャンセルされちゃったこと(涙)
結構、数字が大きかったから喜んでたのに、
それもヌカ喜びになっちゃった。

アトランティーナのこともローズクォーツのことも
新しく出会ったクンツァイトのこともすっかり忘れて、
目の前のことで、いっぱいいっぱいの一日になってしまった。

なんとか残業は免れたけど、会社を出る頃には疲れ果てていた。
帰りの電車も座れたけど、疲れてる時は座っちゃダメだよね。
眠り込んで、3駅も乗り過ごしてしまった(汗)
これでまた疲れが倍増。
本当に散々な一日になってしまった。

『起きている時は、アトランティーナの声が
届きづらいのは分かる。

でも、放置はないと思うんだよね。
アトランティーナの声が聞こえないまでも、
何かしらヒントをくれるとか・・・。

それに・・・ローズクォーツも忘れずに
着けてたんだけどなぁ。
クンツァイトが届くのを楽しみにしてたから、
ローズクォーツの機嫌が悪くなっちゃったのかな?(涙)」

あんまり、お気に入りとかってないんだけど、
割っちゃったマグカップは、私にしては
珍しくすっごい気に入ってたんだ。

アトランティーナなら、それも分かっているはず。
ちょっと気をつけさせてくれるとか、
何かフォローとかしてくれたら良いのにって
思うのは、甘え過ぎなのかな?

お昼だって、ドタキャンされて、気分はドン底だよね(苦笑)
今日のランチは、同期の中でも何でも話せるヤツだったし、
ランチの約束も久しぶりだったから、それなりに楽しみにしてた。

今日は朝から色々あったし、
久しぶりなのに申し訳ないとは思ったけど、
グチを吐き出させてもらおうって
思ってたんだよね。

そしたら、少しは元気になれるかなって。
それがいけなかったのかねぇ・・・。

プリンターやコピー機さえも、
今日は、み~んな私の敵みたいだった。

極めつけは、『久しぶりに大きな案件取れたー!』って、
仕事へのやりがいも感じてたのに、
『いきなりのキャンセルって、どーいうこと!?
一体、私が何をしたって言うの?』って感じよ。はぁ~。

声には出さなかった、いや、出せなかったけど、
私の中で文句が炸裂しまくった。
めっちゃイヤな気分。

それでもアトランティーナの声は聞こえないし、
何の解決方法も浮かばない。

こんなはずじゃない!こんなはずじゃなかった・・・。
だって、私は生まれ変わったんだもん。
これからは、ラッキーでハッピーな毎日が
始まるはずだったんだもん(涙)

世の中、そんなに甘くないか(苦笑)
そうだよね。結局、何も変わらないのかもしれない。
今夜は、早く寝よう。何も考えずに、っていうか、
何も考えたくない。
だって、イヤなことばかり考えそうだから・・・。

でも、ベッドに入る前に
ローズクォーツのケアだけはしとかないとっ!
今日はきっと、ローズクォーツにも
イヤな思いをさせてしまったよね。ごめんね。

でも、もうちょっと私を助けて欲しかったなぁ。
イライラを抑えてくれるとか・・・。
ほら、やっぱり濁ってる。申し訳ないね。
水で洗って、両手で包んでっと。
「今日もありがとう。
今夜は、ゆっくり休んでください。おやすみなさい」

私も早く寝た方が良いよね。
だって、起きてるとロクなことを考えないから(汗)
ベッドに入って、電気消したけど、寝られるかなぁ。
心も身体も疲れ過ぎてると逆に眠れなくなるんだよね(苦笑)

今夜は、音楽の力を借りよう。
リラックス・モードに入るために静かな音楽をかけてみた。
ヒーリング・ミュージックってやつね。
うん、効果があったみたい。このまま眠れるかも・・・。

その時だった。
「ミウ」って、声が聞こえた。
『アトランティーナだ!』ってすぐに分かったけど、
ちょっと無視したい気分かも。

「ミウ、そのままで良いから私の話を聞いてくれる?」

アトランティーナって見た目だけじゃなくて、
声もキレイで優しいんだね。

音楽みたいにアトランティーナの声が
スーッと私の中に入って来て、
ちょっと不本意だったけど、気持ちが良くなってきた。
ヒーリング・ミュージックより
アトランティーナの声の方が癒し効果、高いかも!?

「ミウは、今日、私が傍に居なかったって思ったでしょ?
でもね、私はずっとミウの傍に居て、
ミウのことを見ていたし、声も掛けていたの。

ミウは、全く気づかなかったけど・・・。
放置なんてしてなかったのよ。

確かに起きている時は、
自分で意識することが出来る意識の方が優位だから、
私の声が届きづらいのは事実。
でも、ミウ次第で起きている時も
私と会話することは出来るのよ。

ローズクォーツのことも役立たずだって思ったでしょ?
でもね、石のエネルギーは囁き声みたいな感じなの。
何かに気を取られて、余裕がなくなっている時には、
その声に気づくことが出来ないのよ。

ミウのイライラが強すぎて、
ローズクォーツのエネルギーを感じることが
出来なかっただけ。

ローズクォーツだけじゃなくて、
誰かのせいにはしないで欲しい。
誰かのせいにしていると成長が
ストップしてしまうから。

全ての責任は自分にある。
これは、良い時も悪い時もそう。
大切なことだから忘れないでね。

でも、大変な日で疲れてたのに、 
ローズクォーツのケアをしてくれて、ありがとう。
ローズクォーツもミウの優しさに感謝して喜んでいるわ。
ミウは、本当に心が優しい。

アトラン国で過ごしていた時も優しかった。
変わらないでいてくれて、ありがとう、ミウ」

「アトランティーナ、ごめんなさい。
今日は、アトランティーナにいっぱい恨み言、言っちゃった。
そうじゃないって頭では分かってるのに、
誰かのせいにしないではいられなかったの。
今日みたいにイライラがMAXになっちゃった時って、
どうすれば良いの?」

「ミウ、じゃあ今日、起こったことを振り返ってみようね。
まず、間違ったメールを送った人だけど、
ミウはずっと彼のことを信用していなかったんじゃない?
加えて、彼が大きなミスをするんじゃないかとも思っていたわよね?」

「うん、そうだね。
高梨のことを信用したことなんて一度もないと思う。
だって、それだけのことをやってきたし、ヤツは」

「彼が信用に足る人かどうかは関係ないのよ。
ミウがそう思っていたということがトラブルを招いたのよ」

「えっ、なんで!?
さっき言ってた【全ての責任は自分にある】っていうのは、
高梨のミスも私のせいってことなの!?
それは、アトランティーナの言葉でも納得いかないよ!」

「あのね、ミウ。
【思ったこと、考えたことは、現実になる】
という宇宙の法則があるの。

ミウは、彼を信用していなかったし、
大きなミスをすると思っていたでしょ?
だから、その思いが現実になっただけのこと。
だとしたら、これは誰の責任になると思う?」

「もし本当にそうなら、私の責任になるね(苦笑)」

「でしょ?だから、これからは自分が何を思ったのか、
思っているのか、考えたのか、考えているのかに
意識を向けてみて欲しいの。

そうして、起こって欲しくないことを思ったり、
考えた時には、それを取り消してね。
現在進行で思っていたり、考えていたら、
すぐに止めて欲しいの。
そうすれば、それが現実になることはないから」

「どうやって取り消せば良いの?」

「考えたこと、考えていること、思ったこと、
思っていることを否定すれば良いのよ。

例えば、今回のことなら

『彼のことは信用できない。
いや、もしかしたら、信用に応えてくれるかもしれない。
今回は信じて仕事を任せてみよう。
私は、高梨君を信じて仕事を任せます』

って感じかしら。
現在進行で思っていたり、考えていた時も同じことよ。
どう、出来そうじゃない?」

「えっ、そんなに簡単なの?」

「そうよ。人生は、ミウが思っているより、
ずっとシンプルなの。
難しく考えて、シンプルなものを複雑にして、
分かり難くしているのは、人なのよ」

「なんか、すみません(笑)」

「次に、ミウがお気に入りのマグカップを
落として割ってしまった時のことを思い出して欲しいの。

部長に濡れ衣を着せられてイライラしてなかった?
間違ったメールを送った人に対して怒っていなかった?
あと、信用していない人に仕事を頼んだ自分のことを
責めてなかった?」

「確かに・・・怒ってたし、イライラしてたし、自分を責めてたね」

「ほら!イライラや怒りのエネルギーっていうのは、周波数が低いの。
それに一番いけなかったのは、自分を責めたこと!
『なんで私は、あんなことをしてしまったんだ!』って
自分を責める時、そこには【罪悪感】が伴うの。
この【罪悪感】ってね、
イライラや怒りのエネルギーなんて目じゃないほど、周波数が低いのよ。

周波数はね、似た者を引き寄せるの。
だから、ミウがイライラしたり、怒ったり、
自分を責めて罪悪感で満たされているとね、
ミウの周波数が一気に下がってしまって、
同じように周波数の低いこと、
ミウの周波数が下がることが起こるようになってるの」

「もしかして、それも宇宙の法則?」

「その通り!さすがミウ、飲み込みが早いわね。
ミウがイヤな気分でいたから、更にイヤなことが起こった、
それだけのことなの」

「やっぱり、【全ての責任は自分にある】なんだね」

「そうね。せっかく周波数の話が出たから、
少し、周波数の話をするわね。
少し前にも話したけど覚えてる?」

「うん、覚えてるよ」

「良かった。じゃ、続けるわね。
この世にあるものは、全て振動しているの。

周波数は、1秒間の揺れの回数を意味するのね。
振動することで、物質が構成されていることは
学校で勉強して覚えていたのものね。

ミウの身体もマグカップも細かい粒子が振動しているの。
目に見える物だけじゃなくて、イライラとか、怒り、罪悪感
といった感情も同じで振動しているの。

重複するけど、この振動数のことを周波数といって、
同じ周波数同士が引き合うようになっているのよ。
【類は友を呼ぶ】って言うでしょ?
この諺は、ミウが居る日本だけじゃなくて、
世界中にある諺なの。
現代だけじゃなくて、超古代のアトラン国にもあったのよ。

だから、お昼のドタキャンが起こったのも、
この周波数と関係があるの。

今日、ミウがランチの約束をしていた人って、
人の噂話とか、悪口とか、
他にも気分が悪くなるような話ってしない人なんじゃない?」

「うん、そう!だから、一緒に居て楽しいから、
たまに会いたくなるんだ♪」

「ほら、分かるかしら?
今日、ミウは朝からイライラと怒り、罪悪感で
いっぱいになっていて周波数が下がっていたわよね?

だから、その人と周波数が
合わなくなってしまっていたのよ。
それで、一緒にランチに行けなくなってしまったの。
これが宇宙の意図であり、計画なの」

「へぇ~!スゴイね」

「それに、もし、その人と一緒にランチしていたら、
その人は、もうミウと会うのは止めようと
思っていたかもしれないでしょ?

ミウは、グチを吐き出して、一瞬、
スッキリするかもしれないけど、
聞かされた方は気分悪くなるものね。

せっかくのランチ、イヤな気分になるのは
誰だってイヤなはずよ。
逆の立場だったら、ミウもそう思うんじゃないかしら?」

「確かに・・・。今日は会わなくて良かったんだね」

「その人はきっと、これからもミウにとって大切な存在なのよ。
だから、ここで関係を終わらせるわけにはいかなかったってことね。

それと・・・もう少し相手のことを考える余裕が欲しかったわね。
自分のイライラや怒り、罪悪感をぶつけたら、
相手はイヤな気分になるでしょ?

イヤな気分になることは、自分に対しても、
誰かに対してもして欲しくないわ。

それに、イライラや怒り、罪悪感をぶつけても、
その時は、スッキリしたように感じるかもしれないけど、
それは一瞬だけのこと。

すぐに、
『なんで、あんなこと言っちゃったんだろう?』
って、後悔の念に苛まれてしまう。

それによって、罪悪感を増やして、
もっと苦しくなっていくでしょうね。

ミウにとっても、相手にとっても、会わないというのは、
最善だったということ、理解できたかしら?」

「うん、ありがとう。
全然、余裕がなくて、
コントロールが効かなくなっちゃってたからなぁ・・・。
反省しないといけないね」

「分かっただけで充分だから、それ以上の反省は不要ね。
反省することは良いことだけど、
し過ぎると、また、罪悪感を生み出すことになるから気をつけてね」

「はい。分かりました。
確かに反省してると、最終的には自分のことを
責める形になっちゃうもんね。
自分を責めないこと、忘れないようにします」

「そうしてください。
その後で起こった、コピー機やプリンターも同じ原理よ。

コピー機もプリンターも正常に動く時と
トラブルが起こる時とでは周波数が違うの。
ミウの状態にコピー機もプリンターも合わせて、
トラブルが生じたっていうことは、今なら理解できるわね?」

「はい。っていうか、機械もそうなんだね。ちょっとビックリした」

「機械でも人でも何でも、ミウの周りで起こることは全て、
ミウに合わせるということを覚えておくと良いわね。
ミウは自分の姿を見る時、どうするの?」

「鏡を使うよ。そんなの当たり前じゃない!」

「そうよね。エネルギーも同じよ。
自分のエネルギーを自分で見ることが出来ないから、
ミウの周りにいる人や物が鏡になって、
ミウの状態を見せてくれているの。

例えば、ミウが笑えば相手も笑うし、
ミウが不機嫌そうな顔をすれば、相手も不機嫌そうな顔をする。
ウソだと思うなら、今度、試してみると良いわ」

「え~っ、ちょっと面白そう♪早速明日、試してみる!」

「ええ、ぜひ試してみてね。
ただ、面白いで終わらせないで、全てがそうだということ、
ミウ次第で、何事も決まってしまうということを忘れないでいてね」

「はい。あと、仕事のキャンセルもあったんだけど、
あれは、どうして?」

「その仕事、いつもより大きな仕事だったんでしょ?」

「うん!だから気合入ってたし、嬉しかったの」

「他には?」

「他には?って何?」

「他には、どんなことを思っていたり、考えていたのかってことよ」

「え~っと・・・。よく分かんないかも(汗)」

「ちょっと腰が引けていたんじゃない?
『本当に私で大丈夫なの?』とか、
『上手くいかなかったらどうしよう』とか、
『最後まで、トラブル無しで出来るかな』とか。
どうかしら?」

「それは、多少はあったけど・・・。
そう思うのは、いけないことなの?」

「【思ったこと、考えたことは、現実になる】
もう、忘れちゃった?」

「あっ!そうだった・・・」

「ミウは、その仕事を引き受ける自信が
なかったんじゃないかしら?

自分で意識することが出来る意識では、
前向きになっていたんだと思うの。
でも、もっと深いところにある
自分では意識することが出来ない意識の方では、
やりたくなかった、引き受けたくなかったんだと思うんだけど、
どうかしら?」

「う~ん・・・そうだね。
キャンセルの連絡が入って、めっちゃガッカリしたけど、
同時に自分でも不思議だったんだけど、
ホッとしてる自分も居たんだよね。
そっか!それは、そういうことだったんだ!

【思ったこと、考えたことは、現実になる】って宇宙の法則は、
【自分で意識することが出来る意識】で思ったり、
考えたりしたことじゃなくって、
【自分では意識することが出来ない意識】の方で、
思っていたり、考えていたりすることが
現実になるってことなんだね。

うわっ、それって、マジで難しいね。
だって、自分では何を思ったり、考えたりしてるのか、
分からないっていうか、確認できないってことでしょ?ヤバ~」

「確かにそうね・・・。
でも、自分のことだから、
ちゃんと自分に対して向き合うことを忘れなかったら、
【自分では意識することが出来ない意識】の方で、
何を思ったり、考えたりしているのかは、
なんとなくでも分かるはずよ。

ミウにとって、大きく感情が動いた時の記憶が
【自分では意識することが出来ない意識】にストックされるの。

だから、ミウにとって望ましくない方に大きく感情が動いた時に、
そのまま放置しないで、しっかりケアをしてあげれば、
ミウが望まないことが【自分では意識することが出来ない意識】に
ストックされることはないのよ」

「自分に対して、丁寧に接していかないと
結果的に自分が望んだことは起こらないってことなのかな?」

「簡単に言うと、そうなるわね」

「こうして言うだけなら簡単だけど、私に出来るのかなぁ?
不安になってきたよ、アトランティーナ」

「でもこれは、私が代わりにすることは出来ないの。
ミウがしないとね。

あと、出来るかどうかじゃなくて、やるかどうかってことよね。
出来るかどうかを考えたら、きっと出来ないって
結論になると思うの。でも、やるかやらないかを考えたら・・・?」

「やる方を選びたいよね。
だって、幸せになりたいし、
私からハッピーを発信していくことが、私の使命なんだもんね」

「でしょ?だったら、やって行こうね」

「は~い」

なんか、アトランティーナと話してると何でも出来るような
気分になるから、いつも不思議。

<次回へ続く>
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