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優先するのは心の声
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日曜日だけど、なんか早く目が覚めちゃったな。
アトランティーナもまだ寝てるみたいだし・・・。
そうそう、アトランティーナってね、
起きるとすぐに私を起こしに来るんだよ。子供かっつうの(笑)
だから、静かだと、まだ寝てるんだなって、すぐ分かるんだよね。
とりあえず、コーヒー淹れようかな♪
もしかしたら、コーヒーの香りで起きて来ちゃうかもしれないけど。
ん~、この香り、堪んない。芳香っていうけど、まさにだよね。
コーヒーの香りって、幸せの香りだと思う。
恋愛することになるらしいけど、この価値観は共有できる人が良いなぁ。
「おはよう。ミウ、日曜日なのに早いじゃない・・・」
「おはよう。アトランティーナ、まだ眠そうだね。
ゆっくりしてても良かったのに」
「だって、こんな良い香りが漂ってきたら、目覚めるでしょ(笑)」
「起こしちゃったんだね。ごめん」
「いいの。謝らないで。早く起きた方が一日が長くなって、
色々なことが出来るし。ミウもお休みで家にいるんだったら、
久しぶりにたくさんお話し出来るしね」
「ありがとう、アトランティーナ。そう言ってくれて嬉しい♪」
「うふっ。ところで、今日は何か予定あるの?お出かけするとか?」
「ううん。特に無いよ。だけど、ちょっと気になる石があるから、
ネットで見てみようかなって思ってた」
「あら、そうなの?そういえば、クンツァイトを迎えてから、
新しい石、何も買ってなかったわね。クラスターを除いては・・・。
それで、どんな石が気になっているのかしら?」
「どの石っていうところまでは絞られてないんだけど、
なんか最近、グリーンの石が欲しいなって思うようになったの。
なんでだと思う?」
「グリーンの石ねぇ。ミウ、とっても良い傾向だわ」
「えっ、なんで?」
「それは、コーヒー飲んで、ブランチ食べてから、ゆっくりお話ししましょ」
「うん、そうだね。また、お腹ペコペコになっちゃいそうだもんね(苦笑)」
アトランティーナと私って、美味しいものは好きだけど、
食事に時間をかけることってしないんだよね。
食事よりもやりたいこととか、話したいことが、いつもたくさんあって、
そっちが優先なの。恋人になる人もそういう人だと良いよね。
「ねぇ、ミウ、グリーンっていっても色々なグリーンがあるけど、
どういうグリーンが気になっているの?」
「深いグリーン。エメラルドグリーンっていうのかなぁ。
濃い目の緑がキレイだなって、最近、思うんだよね」
「なるほどねぇ。エメラルドグリーン。ますます良いわね」
「そうなの?」
「最初に情報を得てしまうと良くないから、これ以上は言わないわ。
じゃ、一緒に見てみない?クンツァイトとクラスターの時は、
私も傍に居たけど、一緒に見るって感じじゃなかったじゃない?
一緒に見よう、ミウ」
「なんか、アトランティーナ、楽しそうだね」
「ええ、とっても楽しいわ。ミウとこうして過ごす時間、私、好きなのよね」
「私も!アトランティーナとお話ししながら過ごす時間、めっちゃ好き」
「じゃ、一緒に石を見るっていうことでOKかしら?」
「もっちろん!じゃ、クンツァイトを買ったところから見てみるね」
「了解」
「うわっ、楽しみ♪」
「なんか、私以上にはしゃいでる(笑)」
「だって、楽しいじゃない。石って見るだけでもワクワクしない?」
「本当に石が好きなんだね」
「そりゃそうよ!だって、アトラン国は、パワーストーンの宝庫だったんだもの」
「そっか、そうだよね。じゃ、見ていこう!じゃ、クンツァイトを買ったお店ね。
え~っと、あっ、ここだ!
あれっ?クンツァイトを買った時は気がつかなかったけど、
ピンク系の石が多いんだね。グリーンの石は・・・あんまり、ないね。
残念。じゃ、他のところに行ってみよう」
「グリーンの石って、案外、少ないのかもしれないわね。
薄いグリーンとか、黄緑の方が多いのかもしれないわ」
「えっ、そうなの?」
「ローズクォーツやクンツァイトみたいに透明感があるグリーンの石が良いの?
だとすると、濃いグリーンで透明感があるっていったら、
エメラルドくらいなんじゃないかしら。
それもかなり高額なエメラルドになっちゃうわね。
あっ、フローライトとか、トルマリン、クロムダイオプサイトもあるわね」
「結構、あるね。でも、特に透明感とかっていうこだわりはないかなぁ。
逆に透明感は無い方が良いかもしれない」
「じゃあ、マラカイトとか、アベンチュリンとか、グリーンオニキスかな?
濃いグリーンが良いんだものね」
「うん。じゃ、アトランティーナが挙げてくれた石を見てみるよ。
透明感があるのも無いのも両方」
「そうね、それで気に入ったものがあったら買えば良いし、
ピンと来なかったら、無理して買う必要もないしね」
「うん♪じゃあ、早速、エメラルドから見てみるね。
うわっ、イメージしてたのと違う!
ほら、エメラルドって宝石店に並んでる石が浮かぶけど、
パワーストーンのエメラルドは透明感ないんだね。
ふぅ~ん、こういう感じなんだぁ。なんか新鮮かも」
「新鮮かぁ。なんか、良いね、その響き」
「えっ、アトランティーナは、石に対して新鮮だなぁっていう印象は、
もう受けたりしないの?」
「うわぁ、珍しいとかっていうのは、あるかしらね。
あっ、でも、最近は、新しい石もどんどん出て来ているから、
『こういう石もあるのね』とは思うけど、新鮮って感じとは、
また違うかしらね。でも、楽しいわよ、石は見ているだけでも」
「そうなんだぁ。私もいつか、そういう感じになるのかなぁ。
早くそうなれたら良いなぁって、ちょっと思う」
「そう?これからたくさん石を見る機会も増えるだろうから、
すぐ、そういう感じになるんじゃない?」
「そういうもん?」
「そういうものよ。じゃ、次、行こうか」
「えっ、もう?」
「だって、エメラルドにはピンと来てないでしょ?」
「そうだね。今は違うって感じだね」
「じゃ、次よ、次!」
「はぁ~い(笑)じゃ、次は、フローライトだね。
う~ん、もっと濃い方が良いかなぁ」
「そうね、フローライトは濃いグリーンって感じじゃないものね。
ごめんね」
「ううん。いいよ、別に。じゃ、トルマリン!う~ん、これも違うな。
濃いグリーンはあるけど、なんか違う。
あっ、クロムダイオプサイト!これは、結構、好きかも」
「あら、そう?なるほどね」
「何?なるほどって」
「クロムダイオプサイトは、素直に心を解放して、
周囲の人からのサポートや愛情に目を向けさせてくれるの。
心の声に正直になれるように導いてくれる石なのよ。
今のミウに必要なことだと思わない?自分独りで頑張っちゃうでしょ、ミウは」
「えっ、そうかなぁ?確かに誰かに頼るとか、助けを求めるとか、
甘えるっていうのは苦手な方かもしれないね」
「誰かに手伝ってもらうことも助けてもらうことも時には大切なこと。
ミウが誰かを助けたり、親切にするだけだとエネルギーが偏ってしまうのよ。
ミウが誰かを助けたら、それと同じくらい助けてもらう。
ミウが誰かに親切にしたら、それと同じくらい親切にしてもらう。
それで初めてエネルギーのバランスが取れるんだから。
誰かにサポートしてもらう練習もした方が良いわね」
「なるほどね。そう言われると分かりやすいかも。
愛を出すだけじゃなくて、入れなくちゃダメってことだよね?
なんか、空気の入れ替えみたいだね」
「そうね、そう考えると分かりやすいかもね。
ミウは、例えるのが本当に上手よね。感心しちゃうわ」
「ありがとう、褒められるの、苦手じゃなくなってきたよ。
アトランティーナのお陰で」
「それは良かった。進歩ね」
「うん。じゃ、次ね。マラカイトだよね?あっ、これ、好きかも!
黒い縞模様になってるんだね。でも、私がイメージしたグリーンって、これ!」
「何?ピンと来ちゃった?」
「うん・・・でも、アベンチュリンとグリーンオニキスも見てみるね。
アベンチュリンは、なんか、軽い感じがしちゃうね」
「あ~、今のミウには、そうかもね。アベンチュリンは、
イライラや不安を抑えてくれるから、今のミウには必要ないかもね」
「へぇ~、そうなんだぁ。じゃあ、今は要らないね。
たぶん、もっと違う意味でグリーンの石が欲しくなってるような気がするから」
「そうね、私もそう思うわ。
だから、クロムダイオプサイトに惹かれるっていうのも分かる気がするし、
マラカイトもそうよね。でも、グリーンオニキスも見てみるんでしょ?」
「うん、一応ね。あ~、グリーンオニキスも・・・ないね(笑)
色は、結構好きなんだけど、なんか、違う気がする」
「じゃ、クロムダイオプサイトかマラカイトにするの?」
「どっちもキレイだよね。う~ん、迷うなぁ。でも、両方は要らないんだよね」
「じゃ、ちょっとコーヒーでも飲まない?少し休憩した方が良いわよ。
このまま考え出すと頭で答えを出そうとしちゃうでしょ?
いったん、離れて、それからまた見てみたら良いんじゃない?」
「うん、そうする!やっぱり、アトランティーナと一緒だと良いね。
クンツァイトを買った時って、朝ご飯食べてから、パソコンの前に居て、
お昼も食べなかったし、トイレにも行かないで、
気がついたら外が暗くなってたの。目も痛くなっちゃったし(苦笑)」
「知ってるわよ。何度、声かけても全然、気がつかないんだもの」
「あっ、そうだ!アトランティーナ、傍に居てくれてたんだもんね。
ごめんなさい」
「夢中になっちゃうと周りが見えなくなるっていうのは、
少しずつでも良いから改善するようにした方が良いわよ。ミウのためにね」
「は~い、気をつけます」
「よろしい(笑)」
「こうやってアトランティーナと一緒にコーヒー飲んで、
ゆったり過ごすのって、本当に気持ち良いな。
それに『私、今、幸せ!』って感じるもん。
このまま、ずっと一緒に居られたら良いのになぁ・・・。
ねぇ、それってダメなの?」
「う~ん、ダメってことではないけど・・・検討中よ」
「えっ、そうなの!?やったー!」
「まだ、ずっと一緒に居るって決まったわけじゃないんだから(笑)
ま、ミウ次第って感じかしらね」
「私次第?」
「まぁ、この話は、もう少し後になってからね。どう?今日、石は買うの?」
「もう一回、クロムダイオプサイトとマラカイト、見てみても良い?」
「もちろんよ!どちらも良い石よね」
「うん♪」
「決まらないんだったら、無理して買うことないんじゃない?」
「そうなんだけどね・・・実は、グリーンの石って言ってたけど、
さっき見ていて、他にも気になった石が出てきちゃったの(汗)
だから、グリーンの石は、クロムダイオプサイトかマラカイトのどちらかにして、
もう一つ、さっき気になった石にしようかなって思ってるんだよね」
「何が気になったの?」
「モルガナイト。また、ピンクの石なんだよね(苦笑)」
「なるほどね。ミウは、本当に素直で良い!そういうところが好きなのよ」
「えっ、なんで?」
「モルガナイトにしてもグリーンの石にしても、
ミウが恋愛に対して前向きだということを表しているのよ。
それと、これから新しい恋愛を始めるにあたって、
モルガナイトは、とっても良いと思う。
過去の恋愛の傷を優しく包み込んでくれるの。
それにミウは寂しがり屋さんだから、そういう人にもモルガナイトは、
優しく寄り添って、乾いたハートを愛で潤してくれるのよ。
お母さんの愛情みたいな感じ。
ミウは、早くにお母さんを亡くしてるから、
どこかでお母さんを求めているのかもしれないわね。
あと、余談だけど、モルガナイトは、エメラルドのピンク版なの!
エメラルドと同じベリルという鉱物なのよ。
ブルーのベリルはアクアマリンといって、中世のヨーロッパでは、
ダイヤモンドよりも人気があった石なの。
舞踏会の時にダイヤモンドよりアクアマリンの方が輝くから
というのが理由だったみたいね。
ちなみに、アクアマリンには、幸せな結婚に導くサポートをしてくれる石よ」
「さすが、アトランティーナ!また一つ賢くなっちゃった。
でも、賛成してもらえて良かった。「またピンクの石!?」って
アトランティーナに言われちゃうかもって、ちょっとビクビクしてた(苦笑)」
「な~るほど。それで、モジモジしてたのね。ミウったら、可愛い♡」
「もう!からかわないで!」
「それで、クロムダイオプサイトとマラカイト、
どっちにしようと思っているの?」
「私の頭では、クロムダイオプサイトがキレイって思ってるんだけど、
心の声はマラカイトが良いって言ってる感じ。それで、迷ってる・・・」
「そういう時は、どちらを優先したら良いんだっけ?」
「あっ、そっか!心の声だよね!じゃ、マラカイトにする!」
「はい、よく出来ました♪
それにしてもミウ、そんなに過去の恋愛で傷ついたの?」
「えっ、マラカイトもそういう石なの?」
「マラカイトのヒーリング・パワーは、とてつもなくパワフルなのよ。
それに、邪気も祓ってくれるの。
古代エジプトでは、マラカイトを砕いて、アイシャドウにしていたのよ。
クレオパトラも使っていたしね。
目に虫が入らないようにするためとしても重宝されていたの。
大失恋をした後、マラカイトとロードクロサイトを身に着けると良いのよ。
マラカイトが傷を癒し、ロードクロサイトが新しい恋に導いてくれるから。
でも、ミウは最近、大失恋をしたわけではないから、
モルガナイトのお母さんのような愛と癒しのエネルギーに包まれて、
新しい恋愛を迎える準備を整えるという意味で、
この二つの組み合わせは、今のミウに合っていると思うわ。
さすがね、ミウ!選ぶ石が、ちゃんと今のミウを表しているじゃない」
「ううん。私が選んだっていうよりもマラカイトもモルガナイトも
石の方から話しかけてくれてるみたいな感じだったから、
マラカイトとモルガナイトのお陰かな(笑)
石たちも私が恋愛した方が良いって言ってるってことだね(苦笑)」
「そうね。次に進むためには恋愛は必須科目だから。
いずれにしても、ちゃんとミウはメッセージを受け取ったの。
そこは認めて、褒めてあげて欲しいわね。
それに、ミウが私が言ったように直感に素直に行動するという約束を
守ったということことでもあるでしょ?
ここも褒めて欲しいところよ。もっと自分のことを褒めてあげて。
この点だけは、なかなか改善しないわね(苦笑)」
「なんか、謙遜しちゃうクセ、なかなか抜けないね(苦笑)
なんでなんだろう?」
「ミウがもっと自信を持つことが必要なのよねぇ。
自信を持つためには、自分のことを信じることも関わってくるんだけど、
そこで謙遜クセが顔を出してしまうのかしら。
そうね・・・何事も強気で臨む!くらいの気持ちでいた方が良いわね」
「強気!?」
「そう!私に出来ないことはない!私は何でも出来る!って
信じる気持ちが大事!これから、朝起きた時と寝る前に、
声に出しても良いし、心の中だけでも良いから、
この3つを宣言するようにすると良いわ。じゃ、言ってみて」
「え~っ!?」
「ほら、早く!」
「え~っと、私に出来ないことはない!私は何でも出来る!これで良い?」
「はい、よく出来ました。じゃ、今夜から早速、始めてね♪
それに加えて、胸を張ることを意識してみて。胸を張ると自然と自信が
湧いてくるものなのよ。これも今日から始めていこうね」
「は~い。じゃ、マラカイトとモルガナイト、買うね」
「マラカイトはブレスレットで良いけど、
モルガナイトは、ローズクォーツみたいにペンダントトップにしたら?」
「あっ、そうだね!それ、可愛いと思う。でも、ハート型にはしないよ」
「ええ。モルガナイトは、丸い形で良いんじゃない?
丸という形が一番、エネルギーが安定するから。
1.5cmくらいのちょっと大きめの丸玉にしたら良いと思うわよ」
「そういうものなんだね。じゃ、そうする」
「また、週末届くようにするの?」
「ううん、今はアトランティーナが家に居てくれるから、
なる早で届くようにする」
「そうね、早い方が良いと思うわ」
<次回へ続く>
アトランティーナもまだ寝てるみたいだし・・・。
そうそう、アトランティーナってね、
起きるとすぐに私を起こしに来るんだよ。子供かっつうの(笑)
だから、静かだと、まだ寝てるんだなって、すぐ分かるんだよね。
とりあえず、コーヒー淹れようかな♪
もしかしたら、コーヒーの香りで起きて来ちゃうかもしれないけど。
ん~、この香り、堪んない。芳香っていうけど、まさにだよね。
コーヒーの香りって、幸せの香りだと思う。
恋愛することになるらしいけど、この価値観は共有できる人が良いなぁ。
「おはよう。ミウ、日曜日なのに早いじゃない・・・」
「おはよう。アトランティーナ、まだ眠そうだね。
ゆっくりしてても良かったのに」
「だって、こんな良い香りが漂ってきたら、目覚めるでしょ(笑)」
「起こしちゃったんだね。ごめん」
「いいの。謝らないで。早く起きた方が一日が長くなって、
色々なことが出来るし。ミウもお休みで家にいるんだったら、
久しぶりにたくさんお話し出来るしね」
「ありがとう、アトランティーナ。そう言ってくれて嬉しい♪」
「うふっ。ところで、今日は何か予定あるの?お出かけするとか?」
「ううん。特に無いよ。だけど、ちょっと気になる石があるから、
ネットで見てみようかなって思ってた」
「あら、そうなの?そういえば、クンツァイトを迎えてから、
新しい石、何も買ってなかったわね。クラスターを除いては・・・。
それで、どんな石が気になっているのかしら?」
「どの石っていうところまでは絞られてないんだけど、
なんか最近、グリーンの石が欲しいなって思うようになったの。
なんでだと思う?」
「グリーンの石ねぇ。ミウ、とっても良い傾向だわ」
「えっ、なんで?」
「それは、コーヒー飲んで、ブランチ食べてから、ゆっくりお話ししましょ」
「うん、そうだね。また、お腹ペコペコになっちゃいそうだもんね(苦笑)」
アトランティーナと私って、美味しいものは好きだけど、
食事に時間をかけることってしないんだよね。
食事よりもやりたいこととか、話したいことが、いつもたくさんあって、
そっちが優先なの。恋人になる人もそういう人だと良いよね。
「ねぇ、ミウ、グリーンっていっても色々なグリーンがあるけど、
どういうグリーンが気になっているの?」
「深いグリーン。エメラルドグリーンっていうのかなぁ。
濃い目の緑がキレイだなって、最近、思うんだよね」
「なるほどねぇ。エメラルドグリーン。ますます良いわね」
「そうなの?」
「最初に情報を得てしまうと良くないから、これ以上は言わないわ。
じゃ、一緒に見てみない?クンツァイトとクラスターの時は、
私も傍に居たけど、一緒に見るって感じじゃなかったじゃない?
一緒に見よう、ミウ」
「なんか、アトランティーナ、楽しそうだね」
「ええ、とっても楽しいわ。ミウとこうして過ごす時間、私、好きなのよね」
「私も!アトランティーナとお話ししながら過ごす時間、めっちゃ好き」
「じゃ、一緒に石を見るっていうことでOKかしら?」
「もっちろん!じゃ、クンツァイトを買ったところから見てみるね」
「了解」
「うわっ、楽しみ♪」
「なんか、私以上にはしゃいでる(笑)」
「だって、楽しいじゃない。石って見るだけでもワクワクしない?」
「本当に石が好きなんだね」
「そりゃそうよ!だって、アトラン国は、パワーストーンの宝庫だったんだもの」
「そっか、そうだよね。じゃ、見ていこう!じゃ、クンツァイトを買ったお店ね。
え~っと、あっ、ここだ!
あれっ?クンツァイトを買った時は気がつかなかったけど、
ピンク系の石が多いんだね。グリーンの石は・・・あんまり、ないね。
残念。じゃ、他のところに行ってみよう」
「グリーンの石って、案外、少ないのかもしれないわね。
薄いグリーンとか、黄緑の方が多いのかもしれないわ」
「えっ、そうなの?」
「ローズクォーツやクンツァイトみたいに透明感があるグリーンの石が良いの?
だとすると、濃いグリーンで透明感があるっていったら、
エメラルドくらいなんじゃないかしら。
それもかなり高額なエメラルドになっちゃうわね。
あっ、フローライトとか、トルマリン、クロムダイオプサイトもあるわね」
「結構、あるね。でも、特に透明感とかっていうこだわりはないかなぁ。
逆に透明感は無い方が良いかもしれない」
「じゃあ、マラカイトとか、アベンチュリンとか、グリーンオニキスかな?
濃いグリーンが良いんだものね」
「うん。じゃ、アトランティーナが挙げてくれた石を見てみるよ。
透明感があるのも無いのも両方」
「そうね、それで気に入ったものがあったら買えば良いし、
ピンと来なかったら、無理して買う必要もないしね」
「うん♪じゃあ、早速、エメラルドから見てみるね。
うわっ、イメージしてたのと違う!
ほら、エメラルドって宝石店に並んでる石が浮かぶけど、
パワーストーンのエメラルドは透明感ないんだね。
ふぅ~ん、こういう感じなんだぁ。なんか新鮮かも」
「新鮮かぁ。なんか、良いね、その響き」
「えっ、アトランティーナは、石に対して新鮮だなぁっていう印象は、
もう受けたりしないの?」
「うわぁ、珍しいとかっていうのは、あるかしらね。
あっ、でも、最近は、新しい石もどんどん出て来ているから、
『こういう石もあるのね』とは思うけど、新鮮って感じとは、
また違うかしらね。でも、楽しいわよ、石は見ているだけでも」
「そうなんだぁ。私もいつか、そういう感じになるのかなぁ。
早くそうなれたら良いなぁって、ちょっと思う」
「そう?これからたくさん石を見る機会も増えるだろうから、
すぐ、そういう感じになるんじゃない?」
「そういうもん?」
「そういうものよ。じゃ、次、行こうか」
「えっ、もう?」
「だって、エメラルドにはピンと来てないでしょ?」
「そうだね。今は違うって感じだね」
「じゃ、次よ、次!」
「はぁ~い(笑)じゃ、次は、フローライトだね。
う~ん、もっと濃い方が良いかなぁ」
「そうね、フローライトは濃いグリーンって感じじゃないものね。
ごめんね」
「ううん。いいよ、別に。じゃ、トルマリン!う~ん、これも違うな。
濃いグリーンはあるけど、なんか違う。
あっ、クロムダイオプサイト!これは、結構、好きかも」
「あら、そう?なるほどね」
「何?なるほどって」
「クロムダイオプサイトは、素直に心を解放して、
周囲の人からのサポートや愛情に目を向けさせてくれるの。
心の声に正直になれるように導いてくれる石なのよ。
今のミウに必要なことだと思わない?自分独りで頑張っちゃうでしょ、ミウは」
「えっ、そうかなぁ?確かに誰かに頼るとか、助けを求めるとか、
甘えるっていうのは苦手な方かもしれないね」
「誰かに手伝ってもらうことも助けてもらうことも時には大切なこと。
ミウが誰かを助けたり、親切にするだけだとエネルギーが偏ってしまうのよ。
ミウが誰かを助けたら、それと同じくらい助けてもらう。
ミウが誰かに親切にしたら、それと同じくらい親切にしてもらう。
それで初めてエネルギーのバランスが取れるんだから。
誰かにサポートしてもらう練習もした方が良いわね」
「なるほどね。そう言われると分かりやすいかも。
愛を出すだけじゃなくて、入れなくちゃダメってことだよね?
なんか、空気の入れ替えみたいだね」
「そうね、そう考えると分かりやすいかもね。
ミウは、例えるのが本当に上手よね。感心しちゃうわ」
「ありがとう、褒められるの、苦手じゃなくなってきたよ。
アトランティーナのお陰で」
「それは良かった。進歩ね」
「うん。じゃ、次ね。マラカイトだよね?あっ、これ、好きかも!
黒い縞模様になってるんだね。でも、私がイメージしたグリーンって、これ!」
「何?ピンと来ちゃった?」
「うん・・・でも、アベンチュリンとグリーンオニキスも見てみるね。
アベンチュリンは、なんか、軽い感じがしちゃうね」
「あ~、今のミウには、そうかもね。アベンチュリンは、
イライラや不安を抑えてくれるから、今のミウには必要ないかもね」
「へぇ~、そうなんだぁ。じゃあ、今は要らないね。
たぶん、もっと違う意味でグリーンの石が欲しくなってるような気がするから」
「そうね、私もそう思うわ。
だから、クロムダイオプサイトに惹かれるっていうのも分かる気がするし、
マラカイトもそうよね。でも、グリーンオニキスも見てみるんでしょ?」
「うん、一応ね。あ~、グリーンオニキスも・・・ないね(笑)
色は、結構好きなんだけど、なんか、違う気がする」
「じゃ、クロムダイオプサイトかマラカイトにするの?」
「どっちもキレイだよね。う~ん、迷うなぁ。でも、両方は要らないんだよね」
「じゃ、ちょっとコーヒーでも飲まない?少し休憩した方が良いわよ。
このまま考え出すと頭で答えを出そうとしちゃうでしょ?
いったん、離れて、それからまた見てみたら良いんじゃない?」
「うん、そうする!やっぱり、アトランティーナと一緒だと良いね。
クンツァイトを買った時って、朝ご飯食べてから、パソコンの前に居て、
お昼も食べなかったし、トイレにも行かないで、
気がついたら外が暗くなってたの。目も痛くなっちゃったし(苦笑)」
「知ってるわよ。何度、声かけても全然、気がつかないんだもの」
「あっ、そうだ!アトランティーナ、傍に居てくれてたんだもんね。
ごめんなさい」
「夢中になっちゃうと周りが見えなくなるっていうのは、
少しずつでも良いから改善するようにした方が良いわよ。ミウのためにね」
「は~い、気をつけます」
「よろしい(笑)」
「こうやってアトランティーナと一緒にコーヒー飲んで、
ゆったり過ごすのって、本当に気持ち良いな。
それに『私、今、幸せ!』って感じるもん。
このまま、ずっと一緒に居られたら良いのになぁ・・・。
ねぇ、それってダメなの?」
「う~ん、ダメってことではないけど・・・検討中よ」
「えっ、そうなの!?やったー!」
「まだ、ずっと一緒に居るって決まったわけじゃないんだから(笑)
ま、ミウ次第って感じかしらね」
「私次第?」
「まぁ、この話は、もう少し後になってからね。どう?今日、石は買うの?」
「もう一回、クロムダイオプサイトとマラカイト、見てみても良い?」
「もちろんよ!どちらも良い石よね」
「うん♪」
「決まらないんだったら、無理して買うことないんじゃない?」
「そうなんだけどね・・・実は、グリーンの石って言ってたけど、
さっき見ていて、他にも気になった石が出てきちゃったの(汗)
だから、グリーンの石は、クロムダイオプサイトかマラカイトのどちらかにして、
もう一つ、さっき気になった石にしようかなって思ってるんだよね」
「何が気になったの?」
「モルガナイト。また、ピンクの石なんだよね(苦笑)」
「なるほどね。ミウは、本当に素直で良い!そういうところが好きなのよ」
「えっ、なんで?」
「モルガナイトにしてもグリーンの石にしても、
ミウが恋愛に対して前向きだということを表しているのよ。
それと、これから新しい恋愛を始めるにあたって、
モルガナイトは、とっても良いと思う。
過去の恋愛の傷を優しく包み込んでくれるの。
それにミウは寂しがり屋さんだから、そういう人にもモルガナイトは、
優しく寄り添って、乾いたハートを愛で潤してくれるのよ。
お母さんの愛情みたいな感じ。
ミウは、早くにお母さんを亡くしてるから、
どこかでお母さんを求めているのかもしれないわね。
あと、余談だけど、モルガナイトは、エメラルドのピンク版なの!
エメラルドと同じベリルという鉱物なのよ。
ブルーのベリルはアクアマリンといって、中世のヨーロッパでは、
ダイヤモンドよりも人気があった石なの。
舞踏会の時にダイヤモンドよりアクアマリンの方が輝くから
というのが理由だったみたいね。
ちなみに、アクアマリンには、幸せな結婚に導くサポートをしてくれる石よ」
「さすが、アトランティーナ!また一つ賢くなっちゃった。
でも、賛成してもらえて良かった。「またピンクの石!?」って
アトランティーナに言われちゃうかもって、ちょっとビクビクしてた(苦笑)」
「な~るほど。それで、モジモジしてたのね。ミウったら、可愛い♡」
「もう!からかわないで!」
「それで、クロムダイオプサイトとマラカイト、
どっちにしようと思っているの?」
「私の頭では、クロムダイオプサイトがキレイって思ってるんだけど、
心の声はマラカイトが良いって言ってる感じ。それで、迷ってる・・・」
「そういう時は、どちらを優先したら良いんだっけ?」
「あっ、そっか!心の声だよね!じゃ、マラカイトにする!」
「はい、よく出来ました♪
それにしてもミウ、そんなに過去の恋愛で傷ついたの?」
「えっ、マラカイトもそういう石なの?」
「マラカイトのヒーリング・パワーは、とてつもなくパワフルなのよ。
それに、邪気も祓ってくれるの。
古代エジプトでは、マラカイトを砕いて、アイシャドウにしていたのよ。
クレオパトラも使っていたしね。
目に虫が入らないようにするためとしても重宝されていたの。
大失恋をした後、マラカイトとロードクロサイトを身に着けると良いのよ。
マラカイトが傷を癒し、ロードクロサイトが新しい恋に導いてくれるから。
でも、ミウは最近、大失恋をしたわけではないから、
モルガナイトのお母さんのような愛と癒しのエネルギーに包まれて、
新しい恋愛を迎える準備を整えるという意味で、
この二つの組み合わせは、今のミウに合っていると思うわ。
さすがね、ミウ!選ぶ石が、ちゃんと今のミウを表しているじゃない」
「ううん。私が選んだっていうよりもマラカイトもモルガナイトも
石の方から話しかけてくれてるみたいな感じだったから、
マラカイトとモルガナイトのお陰かな(笑)
石たちも私が恋愛した方が良いって言ってるってことだね(苦笑)」
「そうね。次に進むためには恋愛は必須科目だから。
いずれにしても、ちゃんとミウはメッセージを受け取ったの。
そこは認めて、褒めてあげて欲しいわね。
それに、ミウが私が言ったように直感に素直に行動するという約束を
守ったということことでもあるでしょ?
ここも褒めて欲しいところよ。もっと自分のことを褒めてあげて。
この点だけは、なかなか改善しないわね(苦笑)」
「なんか、謙遜しちゃうクセ、なかなか抜けないね(苦笑)
なんでなんだろう?」
「ミウがもっと自信を持つことが必要なのよねぇ。
自信を持つためには、自分のことを信じることも関わってくるんだけど、
そこで謙遜クセが顔を出してしまうのかしら。
そうね・・・何事も強気で臨む!くらいの気持ちでいた方が良いわね」
「強気!?」
「そう!私に出来ないことはない!私は何でも出来る!って
信じる気持ちが大事!これから、朝起きた時と寝る前に、
声に出しても良いし、心の中だけでも良いから、
この3つを宣言するようにすると良いわ。じゃ、言ってみて」
「え~っ!?」
「ほら、早く!」
「え~っと、私に出来ないことはない!私は何でも出来る!これで良い?」
「はい、よく出来ました。じゃ、今夜から早速、始めてね♪
それに加えて、胸を張ることを意識してみて。胸を張ると自然と自信が
湧いてくるものなのよ。これも今日から始めていこうね」
「は~い。じゃ、マラカイトとモルガナイト、買うね」
「マラカイトはブレスレットで良いけど、
モルガナイトは、ローズクォーツみたいにペンダントトップにしたら?」
「あっ、そうだね!それ、可愛いと思う。でも、ハート型にはしないよ」
「ええ。モルガナイトは、丸い形で良いんじゃない?
丸という形が一番、エネルギーが安定するから。
1.5cmくらいのちょっと大きめの丸玉にしたら良いと思うわよ」
「そういうものなんだね。じゃ、そうする」
「また、週末届くようにするの?」
「ううん、今はアトランティーナが家に居てくれるから、
なる早で届くようにする」
「そうね、早い方が良いと思うわ」
<次回へ続く>
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