ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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自信とブレない自分軸

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少し早めに席に戻った。レオンくんが何かを思いついたみたい。
もの凄い勢いで、私のところに来た。いつも冷静なレオンくんが
珍しい。急ぎで伝えたいことでもあるのかな?

「ミウさん、午前中、チームに振った作業、あるじゃないですか。
あれ、データをそのまま僕にくれるように、みんなに言ってください。
そうすれば、午後は、それぞれが抱えている案件に取り組めますよね?

おそらく、何も言わないと彼らなりにまとめて、見やすいように
加工してくれると思うんです。
でも、その時間が、もったいないから・・・。

幸い僕はまだ、来てから日が浅いので、特に抱えている案件もないし、
時間は幾らでも作れるので、僕なりに分析しながら、
見やすい資料にしようと思うんです」

「うん、分かった。ありがとう!」

そういうことか。レオンくんって、いつも冷静かつ客観的に周りを
見てるんだよね。色々なことを引き受けてくれるんだけど、
無理をすることはない。あの姿勢、私も見習わないといけないよね。
っていうか、レオンくんのああいうところ、真似しよう。

レオンくんから提案されてから程なくして、メンバーが
お昼から戻って来た。

「戻ってきてすぐで悪いんだけど、今、レオンくんから提案がありました。
午前中、お願いした資料だけど、データをそのままレオンくんに
渡してください。そうすれば、午後は、みんなが個々に抱えている案件に
取り組むことができるだろうからって。どうかな?」

「めちゃめちゃ助かります!じゃ、早速で悪いけど、これ。
全然、まとまってないんだけど良い?」

「あっ、僕も!見やすくしてから渡そうと思ってたんだけど、
このままでも良い?」

「私も、自分で個人的に調べたのと、午前中に調べたのと、
時系列に並べてからにしようと思ってたんだけど・・・。
なんか、ぐちゃぐちゃだけど、大丈夫?」

「僕も、まとまってないんだけど、渡しちゃっても良いかな?」

「っていうか、みんな、午前中に調べてくれたの!?」

「はい、一応・・・」

「なんてスピード感!素晴らしいです!ありがとう!!!」

「っていうか、このままの状態で、レオンくんに渡すのが
申し訳ないような・・・」

「いえ、大丈夫です!ミウさんにも言いましたが、幸い僕はまだ、
来てから日が浅いので、特に抱えている案件もないし、
時間は幾らでも作れるので、僕なりに分析しながら、
見やすい資料を作りますので、お任せください!」

「レオンくん、頼もしい!」

「ありがとう、レオン!」

「じゃ、頼むな、レオン」

「ちょっとだけ急ぎの案件があったから、助かったぁ。
レオンくん、ありがとう!」

「みんな、迅速な対応、ありがとう!助かります!」

「それだけみんな、ブルータイガーからの発注を狙ってるって
ことですよ。せっかく、チーフがチャンスを作ってくれたんだから、
僕たちは、それに応えなきゃ!一緒に頑張りましょう!」

「うん。みんな大変だと思うけど、よろしくね」

「はい!」

ランチで、元気を回復しておいて良かった。
これもレオンくんのお陰だね。もう、感謝、感謝。
足向けて寝れないね(笑)

それにしても・・・私がチャンスを作ったって思ってくれてるんだ。
それ、なんか嬉しいかも。じゃ、そのチャンスを活かすために私も踏ん張る?
ううん、違う!楽しまなくっちゃ(笑)

「レオンくん、ありがとう!私も手伝えるから、言ってね」

「ありがとうございます。でも、これは僕がやります。
ミウさんは、自分の仕事をしてください」

「はい、分かりました」

「なんだかんだで、チーフ、仕事抱えてるからなぁ」
「なんかチーフ、レオンくんに叱られてるみたい(笑)」

っていう声が聞こえてきた。今の私は、結構、他の人に仕事を
振ってるつもりなんだけどなぁ・・・。それでも、「仕事抱えてる」って
思われちゃうってことは、前の私って、どんなだったんだろう?(汗)
相当ヤバかったのかもしれないね(苦笑)

でもさ、そういうのって、自分では気づけないから厄介なんだよなぁ。
もしかしたら、これも私の中にある思い込みとか、手放さないと
いけない何かなのかもしれないよね。今度、ゆっくり探ってみた方が
良いのは分かってるんだけど、やらないんだろうなぁ、きっと(苦笑)

とりあえず、今は余計なことを考えてないで、企画を考えよう!
シネコンのロビーって、場所によって、まちまちだから、
ここならこんな感じっていう具合に、場所を指定して考えた方が
効率良いかも!?

この仕事を始めて、結構、色々行ったからなぁ・・・。
どこが良いんだろう?また、改めて、足を運んでみても
良いのかもしれないね。そのためにも、やっぱり候補は幾つか挙げないと
話が進まないか・・・。あっ、そうだ!まずは、候補になる場所を
幾つかピックアップして、実際に足を運んでみよう!
その方が、具体的なプランが浮かぶよ、きっと!
レオンくんに言って、また、つきあってもらおう!

「レオンくん、少し良いかな?」

「はい。何ですか?」

「あのね、実際、シネコンのロビーに行ってみようと思ってるんだけど、
また、つきあってもらっても良いかな?」

「えっ!今からですか?」

「ううん。今日じゃなくて。みんなが調べてくれたデータを
レオンくんがまとめてからで良いんだよね。そうだなぁ・・・。
早くて木曜日の午後とか。もし、無理そうだったら、金曜日とか。
どうかな?実際に行って、場所を見た方が、具体的なプランが
浮かぶような気がするんだよね。

この仕事を始めてから、いろんなシネコンに足を運んだし、
ロビーもそれなりに見てきたけど、何か案件があってというワケでは
なかったから、イマイチ、浮かばないんだよ(苦笑)
だから、実際に足を運んで、見てみたいって思ったの。
そのシネコンの立地条件とか、利用者も見ておきたいし。
その上で、どのシネコンにするのかを決めたいの」

「なるほど、確かにその方が良いですね。じゃ、木曜日の午後、
ランチを食べながら、シネコン巡りをしましょう!
そのためにも、早く頂いた資料をまとめますね」

「うん。ありがとう!今日と明日は、叩きになる案を
幾つか出しておくね」

「はい。そうしてください」

「じゃ、引き続き、よろしくね」

少しずつだけど、見えてきたな。久しぶりの大型案件。
肩に力が入っちゃったけど、レオンくんの言葉と朝、
チェリーに言われたことを思い出したお陰で、また、楽しくなってきた。
この調子で、最後まで突っ走って行くぞ!オー!

午後は、私を含め、みんな、ほぼ無言で、無心に仕事をした。
みんな、現在、抱えている案件を早く終わらせて、今回の大型案件に
力を結集させたいんだよな、きっと。
その気持ち、思いが痛いほど伝わってくる。

今までは、個々で仕事を進めてきたから、チームとは名ばかりで、
それぞれが個人事業主っぽい感じがあったけど、ここでやっと、
チームとしての仕事が出来る。以前の私だったら、煩わしいって
思ったかもしれないけど、今は、この感じが、堪らなく嬉しいし、
楽しいって思える。人って、本当に変わるんだな、変われるんだなって、
また、改めて感じて。それも自分がより好きになれるようにね。

あっという間に定時を迎えた。何かに集中してると時間が経つのが
めっちゃ早く感じる。就業のチャイムが鳴ったのに、誰も顔を上げないし、
帰ろうともしない。これは、ダメだよね、やっぱり・・・。

「みんな、終業のチャイムが鳴ったよ。今日は、このくらいにして、
帰ろう!残業しないと間に合わないっていう人はいる?」

「あっ、もうチャイム鳴りました?」

「うん。今さっき鳴ったよ」

「全然、気づかなかった(笑)」

「私も!なんか、久しぶりに集中して仕事したって感じ(苦笑)」

「なになに、今までは、どんな感じで仕事してたのよ!」

「あっ、すいませ~ん(汗)」

「たぶん、私だけじゃなくて、みんな、そうだと思うんですけど、
早く自分が抱えてる仕事を終わらせて、今度のブルータイガー1本に
絞りたいんですよね。それだけ、気合が入ってるってことなんですよ」

「うん。それは、みんなを見てて、痛いほど伝わってきた。
でも、だからといって、残業したり、無理をするのは違うと思う。
どうしても、今日、残業しないと間に合わないっていうのなら、
仕方ないけど、そこまで切羽詰まった作業はないよね?」

「まぁ・・・そうですね」

「他の人もそうだよね」

チームメンバー全員が頷いた。

「じゃ、今日は、ここまでにして、帰ろう!それで明日また、やろうよ。
それに明日は、英語研修の初日でもあるし、今日は、早く帰って、
ゆっくり身体を休めて、明日に備えてください。
じゃ、お疲れさまでした!」

「は~い。お疲れさまでした!」

なんか、今日、めっちゃ濃い1日だったよね(汗)働いてる時間は、
いつもと変わらないのに、もの凄~く仕事したって感じ。
でも、疲れたってワケじゃない。人って、好きなことをしてると疲れって
感じないのかもしれないね。これって、なんか不思議じゃない?

頭も身体も疲れてるはずのに、疲れを感じないっていう時もあれば、
何もしていないはずなのに、めっちゃ疲れを感じる時もあるでしょ?
疲れを感じるのって、身体じゃないのかもしれないね。
心が満たされないと疲れを感じるのかも!?

今日もそうだ!朝は、やる気で満ちてたけど、部長に報告したり、
みんなに話したり、藤崎さんに電話したりしてるうちに、
どんどんプレッシャーを感じちゃって、午前中が終わる頃には、
疲れ果ててたんだよね。

でも、レオンくんにランチ誘われて、色々な話をしているうちに、
プレッシャー感じてることとか、弱気になったこととか、
自分の内側を蔑ろにして、外側にばかり目を向けてることとかに気がついて、
気持ちを仕切り直したら、また元気になったんだよ。

それで、午後を過ごしたから、今は疲れを感じていないワケでしょ?
ほら、やっぱり、そうだよ!ハートが満たされていれば、
疲れって感じないんだよ、きっと。

「アトランティーナ、ただいま~」

「おかえり、ミウ」

「今日ね、めっちゃ濃い1日だったんだよ!
でもね、一つ気づいちゃったかもしれない」

「えっ、何に?」

「帰って来る時に思いついたんだけど、心が満たされていると疲れを
感じないんじゃないかなってこと。間違ってる?」

「合っているとか、間違っているってことではなくて、
ミウがそう感じたのなら、そうなんじゃない?

色々、話したいことがあると思うけど、また、長くなっちゃうから、
ご飯、先にしない?」

「うん。そうだね(汗)今日は、話すこと、たくさんあるしね」

「それを言うなら、今日も、でしょ?(笑)」

「あっ、そうでした(汗)じゃ、手洗って、着替えてくるね」

アトランティーナのお手伝いをして、今夜もサクサクッとご飯を済ませて、
今は、コーヒータイム。この、アトランティーナと過ごす、
のんびりタイム、大好きなんだよね。

「それで、今日は何があって、濃い1日になったの?」

「朝、チェリーにね、<いつも内側に意識を向けるように
意識していれば良いと思うよ。>って言われたのに、真田部長に報告して、
みんなに話して、藤崎さんに電話してってしてるうちに、
どんどんプレッシャーを感じてきちゃって、午前中が終わる頃には、
げっそりしちゃったの。それでレオンくんがランチに
誘ってくれたんだよね。そのお陰で、元気になれたんだ」

「レオンは、いつもミウのことを見ていてくれるからね」

「うん、そうなんだよね。それで、私に何が起こっているのかも分かってて、
私が弱気になると、そのエネルギーがみんなに伝播して、
チームの士気が下がってしまうから、いつも強気でいてください
って言われた(苦笑)

あとね、クライアント目線ではなくて、私が楽しいと思うことを
提案しましょうとも言われたの。<結果のことばかり考えていたら、
どんどん萎縮してしまって、逆に発注を頂けるような企画を
生み出すことなんて出来ませんよ!望み通りの結果を得るためには、
苦しんでいてはダメなんです。ミウさんが、どのくらい楽しんでいるのか、
そこが重要なんです。>って言われた(苦笑)

あと、<ミウさんが心の底から楽しいと思ったものでないと、
仮に発注を取れたとしても虚しいだけです。だから、目線を変えてください。
そうすることが、ミウさんにとっても、チームのメンバーにとっても、
会社にとっても一番良いんですから>とも言われた(苦笑)」

「ホント、レオンの言う通りね」

「そうなんだよね。返す言葉もございませんって感じだった。
しかも、朝、チェリーに言われたばかりなのに、また、外側に働きかけようと
しちゃってたんだよね。内側にあることが投影されたのが外側だってこと、
忘れちゃうんだよね(汗)」

「前にも話したじゃない?目で見えるものが全てじゃないって。
むしろ、目では見えないものの方が重要で、大きいんだって。
氷山の話もしたわよね?」

「そうだよねぇ・・・。なんで、忘れちゃうんだろう?」

「それだけ、見ることに重きを置いているということよね。
だから、ミウは、自分の心を見るクセをつければ良いんじゃない?
いつも、自分の内側を視覚化するようにするの。

身体に何が食べたい?って聞き始めた時、部長と高梨くんの電球が
点いているかどうかを確認した時のことを思い出してみると良いわよ。
あの要領で、少しずつ、目を内側に移行させていけば
良いんじゃないかしらね」

「チェリーにもおんなじこと言われた(苦笑)たぶん、宇宙が
初心に返りなさいって言ってるんだと思うんだ。最近は、色々なことが
分かるようになったから、舐めてたワケじゃないんだけど、
なんか、『もう大丈夫でしょう』っていう、驕りみたいなものが
あったのかもしれない。お恥ずかしい限りです!(汗)」

「ミウは、驕ってはいないわよ。だって、現に色々なことが
出来てきているもの。誰でも新しいことは、なかなか出来ないものよ。
その出来ない自分を責めるのではなくて、
<大丈夫だよ。出来るようになるよ>って、自分のことを励ましながら、
進めていかないとね。それは、ミウが一番よく分かっていることじゃない?」

「そうだね。うん、気をつけるよ。っていうか、心の目を鍛えていく」

「心の目。良いわね。その感じに近いのかもね」

「あっ、レオンくんには、今のミウさんの最重要課題はハートに関心を持つこと
だって言われたよ」

「もう、レオンったら、勝手にミウの課題を変えないでよ!
ま、でも間違いではないわね。自分のハートに関心を持てば、
自然と目が内側に向かうものね。じゃ、ミウ、しっかり、心の目を鍛えて、
自分のハートに関心を持ってね」

「は~い。あとね、今日、私が仕事を抱えてるっていう声が
聞こえちゃったんだよね。前に比べたらっていうか、結構、私の中では
周りに仕事が振れるようになったと思ってたんだけどなぁ・・・。
悪い感じはしなかったんだけど、『えっ、まだ抱えてるの!?』って
思っちゃった。そんなに抱えてるつもりはないし、
無理をしてるつもりもないんだけどね」

「それは、ミウのイメージなんじゃない?」

「イメージ?」

「そう!今までのミウは、全部、自分で抱え込んで、誰にも
頼らなかったでしょ?おそらく、今回のブルータイガーの件も
以前のミウだったら、自分独りでなんとかしようとしていたと思うの。
でも、今回は、みんなと一緒にっていうスタンスで取り組んでいるけど、
ミウは、独りで頑張る人、仕事を抱え込む人っていうイメージが
強いんだと思うわ。でも、そんなイメージは、すぐに変わるわよ。

チームが新しくなって、チームとして仕事をするのは、今回が始めてでしょ?
今回の仕事で、みんなの見る目も変わると思うから、気にしなくても
良いと思うわよ」

「あっ、そっか。そうだよね。チームが新しくなってからは、
個々での作業しかなくて、一緒に何かをするってことがなかったもんね。
だからか!そっか、だったら、私が仕事を抱え込むって思われてても
仕方ないかもね。だって、以前の私は、そうだったんだから」

「でしょ?いちいち、気にしないのよ。レオンにも言われたでしょ?
強気よ、強気」

「は~い」

「ね、ミウ。どうしたら強気でいられるか、分かる?」

「ううん。そこが知りたかったのかも!?」

「強気でいるために必要なことは、自信よ。それと、どんなことがあっても
ブレない自分軸」

「・・・確かに!どんなことがあってもブレない自分軸と自信があったら、
強気になれるね!もう、両方共、今の私に必要なことじゃん!」

「そうなのよ!アトラン国に居た頃のミウは、強気な女の子で、
そこがまた可愛かったのに、すっかり、弱気になっちゃって・・・。
いったい、どうしちゃったの!?て感じよ」

「それ、レオンくんにも言われた(汗)」

「でしょ?世界の七不思議の中に入っていてもおかしくないくらいよ」

「いくらなんでも、それは言い過ぎでしょ?(笑)
あっ、それで思い出した!私の良いところ、レオンくんに聞いたよ!」

「レオン、なんて言ってた?」

「そんなに前のめりにならなくても良くない?(笑)」

「だって、気になるじゃない」

「レオンくんから見た私の良いところは・・・
なんか、自分で言うのって照れるね(汗)」

「もう、そういうのは良いから、早く!」

「え~っと、努力家で、頑張り屋さんで、明るくて、前向きで、素直で、
人のことを思いやれて、優しくて、切り替えが早くて、
勘が良いところだってさ」

「な~んか、当たり障りのないこと言うわね。
レオンは、だから面白みに欠けるって言われるのよ。
実際、そうなんだけど(苦笑)」

「何それ!?」

「だって、月並みじゃない?確かに、間違ってはいないんだけど、
ミウは、それを聞いて嬉しかった?」

「いや・・・特に何も感じなかったかな(苦笑)」

「でしょ?女性に<私の良いところってどこ?>って聞かれたら、
ひとつくらい、相手がトキメクようなことを言わなきゃ!
本当にスペインで生活してたの?って感じよね。つまんな~い」

「まあまあ、そう仰らずに(笑)
じゃ、ハヤトくんには聞かなくても良いかな?」

「ううん。ハヤトの方が、もう少し気の利いたことを
言ってくれそうだから、ハヤトにも聞いて!」

「え~」

「え~って言わないよ!ハヤトにもちゃんと聞いてね」

「ね、なんで、私よりアトランティーナが聞きたがるの?」

「なんでなのかしらね?(笑)」

「私に聞かれても分かんないよ(笑)」

「そうよね(笑)」

「私は、なんで、彼らがミウのことをどう思っているのか、
気になるのかしらね」

「知りません。ま、いいや」

「そうね、何でも良いわね。でも、ハヤトには聞いてね。
あと、明日からじゃない、英語研修」

「そうなんだよね(汗)また、課題が増えそうじゃない?
思ったことをハッキリと言葉にするって、私にとっては、
なかなかハードル高いからね」

「よく覚えていたじゃない。やっぱりミウは優秀ね」

「覚えていただけで、まだ、会ってないし、出来るかどうかも
分かんないから優秀って言わないで!」

「ほら、また始まった。
出来るかどうか分かんないんじゃなくて、やるんでしょ!」

「あっ、そうでした・・・。
明日も、なかなか濃い1日になりそうだよね(苦笑)」

「そうかしら?語学こそ、楽しまないと習得できないわよ。
楽しい1日になりそうだな♪くらいの感じで、明日を迎えたら?
そうしたら、きっと楽しい1日になるわよ」

「そうかもしれないね」

「なんか、やる気なさげね」

「そういうワケじゃないんだけど、初日って、やっぱり、緊張するよ」

「緊張する必要なんてないわよ。いつものミウで良いじゃない?
英語が話せないのは当たり前。だって、日常的に英語を
使わなかったんだもの。そうでしょ?逆に話せたらビックリよ!(笑)
こういう時も強気でいることが大切よ。
そうやって、少しずつ慣らしていかなくちゃ。

それに、言葉は習慣だから、週に一度でも英語に触れる機会が出来た
ということは、英語を話せるようになるチャンスが訪れたということよ。
新しい挑戦なんて、ワクワクするじゃない。それに、今のミウは
海外担当チームのチーフなんだから、やって損はないと思うわよ」

「うん、それは分かってる」

「ミウらしくないじゃない。どうしちゃったの?

「うん・・・なんか、今日、疲れちゃったのかも。っていうか、
次から次へと新しい展開が飛び込んで来て、私自身が対応に追われてるって
感じなのかな(苦笑)たぶん、明日になれば、また元気になれると思う」

「そう。週末からずっと新しいことの連続だったものね。
少し早いけど、今日は、もうベッドに入った方が良いわね。
何も考えず、ゆっくり休みなさい。ベッドに入ってからは、何も考えちゃダメよ」

「うん。ありがとう。何も考えないようにする。
どうしてもダメだったら、また、アトラン国の神殿に入るよ」

「そうね、それが良いわ!どんな石がオベリスクとして立つかしらね。
じゃ、ミウ、おやすみなさい」

「おやすみなさい、アトランティーナ。ありがとう」


<次回へ続く>
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