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緊張しない方法
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無事、模擬プレゼンを終えて、来週の本番に向けて最終確認をするだけ。
さっき、撮影した模擬プレゼンを見て、もう一度、みんなで練り直そう!
って、もう、こんな時間!?ヤバッ!私、お昼用意してなかったんだ。
コンビニ行って来ないとっ!
「チーフ、さっきスマホで撮影したの、確認しますよね?」
「うん!そうだね。でも、もう11時半回っちゃってるじゃん。
だから、午後にしよう」
「えっ、今からチャチャッと見ちゃいませんか?」
「ごめん!私、昼、用意してないんだよね(汗)
今からコンビニ行って来ないとっ!先生、来ちゃうから!」
「あっ、そうだ!今日の昼って、英語研修だった(汗)」
「うわっ、私も!(汗)」
って具合に前日、リマインドしたにもかかわらず、みんな、お昼の用意を
忘れてたらしい(苦笑)でも、レオンくんだけは、用意してたみたい。
さすがだね。
ってことで、レオンくん以外のみんなでコンビニに走ったんだよね(苦笑)
時間が時間だから、お弁当とか残ってたら良いんだけど・・・。
もし、残ってなかったら、ファストフードのお店まで走らなきゃだ(汗)
う~ん、マジでしんどいわ。
結局、コンビニに走った人間と最初からコンビニじゃなくてファストフードに
走った人間に分かれたんだ。私は、コンビニに走ったの。
身体が「お米が良い」って言ったから、お弁当がなかったら、
おにぎりにしようと思って。お陰さまで、無事、お米のお昼を用意することが
出来た。みんな息が上がってたけど、とりあえず、先生が到着する前に
メンバー全員、揃うことが出来た。はぁ~、良かった。
来週は、プレゼンも終わってるし、もう少しちゃんとしたお昼を用意しようって、
心に誓ってみた(笑)
全員が会議室に揃ったところで、テル先生登場!
「ハロー!エブリバディー!ハワユ~?ファイン?」
あ~、今日からは、英語しか使っちゃいけないんだっけ・・・。
なんか、メンド~(苦笑)って思いながらも、みんながポカ~ンとしてるから、
私が「イエス!」くらい言わなきゃいかんのかなぁと思ってたら・・・
「イエス!ウィー アー ヴェリー ファイン!トゥディ イズ ハッピー!」
ってレオンくんが、とっても流暢に答えてくれたの。でも、レオンくんが
答えちゃったらダメな気がするんだけどね(苦笑)って、思ってたら、
テルさんが私が思ってることを言ってくれた。
「レオン、お前が答えちゃダメだろう!」
「あっ、そうだった。ごめん」
「ま、先週から始まったばかりで、いきなり英語で答えなきゃいけないというのも
難しかったかもしれませんね。まだ、英語と聞くと緊張しますよね?
では、早速、映画を観ていきましょう!日本語に訳そうとか考えずに、
ただ、何を言っているのかを聞き取って、聞き取れた単語、文章を書き出して
くださいね。レッツ スタ~ト!」
あとは、ご飯食べながら映画観て、なんとなく書き出してって感じ。
でも、本当にこの映画は、聞き取りやすいかもしれない。
とはいえ、100%聞き取れるかって言われたら、
それは無理なんだけどね(苦笑)
映画を40分くらい観て、テルさんが切りの良い所でビデオを止めた。
「いかがですか?先週と比べて、今週の方が聞き取れたんじゃないですか?」
「・・・」
「まぁ、急がなくても良いんですけどね(苦笑)ただ、皆さんを見ていて
思ったことは、緊張しすぎです。緊張するなという方が難しいのかも
しれませんけど、緊張すればするほど、何も入ってきませんからね。
その点、チーフのミウさん、緊張していませんでしたよね?」
「あっ、すみません。
映画観ながらランチ食べてるくらいな感じでいました(苦笑)」
「そう!そのくらいの気持ちでいる方が逆に言葉が入ってくるんです!
いかがでしたか?ミウさん、先週より入ってきませんでしたか?」
「そうですね・・・。ま、確かに先週、観た所と同じだったから、
先週よりは聞き取れたかもしれないです」
「そうなんですよ。だから、皆さんもチーフを見習って、聞こうとして
緊張するのではなくて、映画観ながらランチを食べているくらいの気持ちで
臨んでみてください。今、忙しい時期だということは、真田さんから
聞いています。その忙しい時にも、こうして集まってくださって、
ありがとうございます」
「いいえ。そんなふうに言われてしまうと恐縮です。実は、ずっと同じことに
取り組んでいたので、違うことをして、気分転換をした方が、作業効率が
上がるかなという気持ちで、今週もお願いしてたんです。すみません」
「良いじゃないですか!でも、ミウさん以外は、気分転換になっていなかった
と思うんですが、いかがでしょう?」
「確かに、変に緊張しちゃって、気分転換のために違うことをするってこと、
忘れちゃってました(苦笑)」
みんな、うん、うんって頷いてる。
「そっか・・・。テルさんがいらっしゃる前に、その点もリマインドしておけば
良かったね。ごめんね。私も余裕がなかったから(汗)」
「そんな・・・。チーフのせいじゃないです。でも、そうですよね。
『気分転換するんだ!』って思えてたら、緊張しなかったかもです」
「確かに!なんか、最近、一生懸命になることがクセみたいになって、
ちょっと前のめりになり過ぎてたかも(汗)」
「それは言えてる。っていうか、今まで、どんだけ一生懸命に取り組んで
なかったんだって話だよね、私たち(笑)」
「英語研修なんて、日常的なことじゃないんだから、今週だけに限らず、
毎回、気分転換してるって思って臨めば、少しは聞き取れるように
なるのかもしれないよな。って、甘いですかね?(汗)」
「うん、うん。真田さんから聞いていた通りのメンバーですね。
思ったことを素直に言葉に出来る。素晴らしいです!
前回、お話ししたように、言葉は、赤ちゃんが親や周りにいる人たちを
真似することで覚えていくものです。赤ちゃんは、『言葉を覚えるんだ!』
って一生懸命に周りの大人たちが何を言っているのかを聞いていますか?
そんなことはないですよね?聞こうとしなくても耳に入ってくるから
覚えるんですよね?
赤ちゃんだけじゃありません。例えば、小鳥、インコも言葉を覚えますよね?
あれも覚えさせようと一生懸命になるのは飼い主の方で、インコは、
『絶対に覚えて話せるようになってやるぜ!』とは、思っていないと
思うんです。あれも、同じことを何度も聞かされているから
自然と覚えてしまうんですよね?
それと同じ要領なんです。だから、緊張は無用なんですね。無用というより、
緊張は悪だと思ってください。緊張すると全身に力が入って、
視野も狭くなります。視野が狭くなると聞こえるものも聞こえなくなるし、
本来なら気がつくはずのことにも気づかなくなります。
そして、普段なら分かることなのに、分からなくなるという現象も起きます。
だから、緊張なんて百害あって一利なしなんです。
自分の部屋にいるような感覚で、臨んでもらうのが一番良い。
だから、こうした会議室よりもソファがあるような場所の方が本当は
良いんですよ。その方がリラックスできるでしょ?
だから、先ほどミウさんが言ったように映画観ながらランチ食べている
というスタンスが良いんです。その言葉から緊張感を感じますか?
いや、別にミウさんを非難しているわけではないんですよ(苦笑)
非難どころか、極端に言うなら称賛しているんですよ。
おそらく、仕事面でもミウさんはチーフですから、見習うところが
たくさんある方なんだと思いますが、仕事面以外でも、この英語研修に
関しても、ぜひ、ミウさんを見習って欲しいと思います」
「う~ん・・・。なんか褒められてるのか、貶されてるのか分かんなく
なっちゃったけど(笑)みんな、もっとリラックス上手になれると良いよね。
来週のプレゼンもそうだよ。初めて模擬プレゼンした時のこと、覚えてる?
一昨日のことだから覚えてると思うけど、緊張し過ぎて、何も言えなく
なっちゃってたじゃない?あれだと、何もしないうちに負けちゃうんだよ。
英語研修は、勝つとか負けるとかじゃないけど、せっかく、こうして
勉強するんだったら、少しでも英語が分かるようになりたいし、
喋れるようになりたいでしょ?英語でもコミュニケーションが取れるように
なったら、確実に世界が広がるよ。そうなりたいと思わない?」
「もちろん、仕事以外でも英語が出来たら、海外に行っても楽しいと思うし。
まだ、海外旅行に行ったことはないですけどね(笑)」
「それって、言葉がネックになって海外に行けてないってことはない?」
「あると思う。あっ、あると思います」
「もう、敬語とか、そういうの、どうでも良いよ(笑)
たぶん、みんな、あんまり海外に行ったことがないって、先週言ってたけど、
行きたいとか、行ってみたいとか、思わない?」
「そりゃあ、行きたいと思うし、行ってみたいですよ」
「私も行ってみたい!」
「私もチーフみたいにツアーじゃなくて、海外に行きたいです!」
「でしょ?だったら、この英語研修は、私たちにとって、チャンスなんだよ。
だって、会社がお金払ってくれて、勉強できるんだよ?スゴくない?
このチャンス活かさない手はないでしょ!?」
「それは、分かってるんですけど・・・。じゃ、どうしたら良いんですかね」
「その答えは、さっきテルさんが話してくれたよ。覚えてないの?」
「・・・」
「えっ、皆さん、僕の話、聞いていてくれてなかったんですか!?
ショックだなぁ。日本語で話したのに・・・」
「テルさん、ごめんなさい。聞いてたとは思うんですけど、テルさんは
先生じゃないですか。それでみんな、テルさんの話を聞いてる時も
おそらく緊張してたんだと思うんですよ。ねっ、そうでしょ?」
「は・・・い」
「これで、答えは出たよね?みんなが改善した方が良い点は、
緊張しないってこと。さっき、テルさんが話してくださったことを
もう一度言うよ。
緊張すると全身に力が入って、視野も狭くなる。視野が狭くなると
聞こえるものも聞こえなくなるし、本来なら気がつくはずのことにも
気づかなくなる。そして、普段なら分かることなのに、分からなくなる。
だから、緊張は無用どころじゃなくて、悪なんだって、話してくださったの。
そもそも緊張なんて、どんな時でもする必要ないんだよね。
じゃ、なんで緊張するんだろう?良いとこ見せたいとか、そんな感じ
なんじゃない?でもさ、そんなの必要ないんだよ。どんなに背伸びしても、
背伸びしてるなって、周りに気づかれちゃうから(笑)
背伸びするくらいなら、そのままでいた方が好感度高いと思うよ。
たとえ失敗したとしても。
私が海外に行く時は、ツアーを使わないのね。それは、言葉に自信があるから
じゃないんだよ。私は、せっかく遠くまで行くんだし、もう二度と
行けないかもしれないから、観たいところを観たいだけ観たいの。
だから、自分で行きたいところを決めて行くようにしてるだけ。
言葉なんて、同じ人間なんだから、通じるんだよ。それに間違ったことを
言ったら直してくれるしね、現地の人が(笑)そうやって、言葉って覚えたり
するんだよ。そこで、『間違ったらカッコ悪い』とかって思わないのが、
語学上達のキモなんじゃないかなって思ってる。
ね、そこに緊張なんてないでしょ?(笑)」
「ミウさん、素晴らしいです!おっしゃる通りですよ。緊張しないこと、
それが大事なんです。間違っても良いんですよ。出来なくても、
分からなくても良いんです。だって、出来ないから、分からないから
英語研修をするんでしょ?出来るんだったら、分かるんだったら、
研修なんてする必要ないんですから」
「本当にそうですよね?私も偉そうなこと言えるほど、英語を使いこなせる
ワケじゃないんですけどね(笑)
じゃあさ、みんな、英語がペラペラな自分を想像してみようよ。
もし、英語がペラペラだったら、何がしたい?どこに行ってみたい?
例えば、ニューヨークに行って、ブロードウェイのミュージカルを
翻訳機なしで観て、感動してるとか、L .A .に行って、ショッピングを
楽しんでるとか、海外出張に行って、現地のクライアントと
打ち合わせしてるとか、なんでも良いと思うんだよね。
みんなが、英語が堪能になったら、やってみたいことを思い浮かべて、
そうなってる自分を先取りしちゃうんだよ!
ほら、ちょっと楽しくなってきたんじゃない?」
「あっ、なんか・・・。ちょっとワクワクしてきたかも」
「私も!ちょっと楽しくなってきた!」
「僕もです。英語、勉強したくなってきました!」
「ヤベェ~。マジで俺、カッコイイかも(笑)」
「ほらね。そのイメージを英語研修の前にすると良いと思うよ。
あと、寝る前ね。どうせ、ろくなことしか、考えてないんでしょ?(笑)
だったら、今、イメージしたことを寝る前にもしたら、きっと何かが
変わってくると思うよ」
「はい!やってみます」
「今夜、寝るのが楽しみになってきました!」
「なんか、ワクワクして眠れなくなりそう。でも、それもアリかも!」
「チーフ、明日、マジでイケメンになってるかもしれないですよ(笑)」
「明日、楽しみにしてるよ、三神優一くん(笑)」
私たちが話している時、何やらテルさんとレオンくんが話していたみたい。
でも、何を話していたのか、全然、聞こえなかった。いったい、何を
話してたんだろう?ちょっと気になるかも(汗)
「ミウさんは、本当に素晴らしいチーフなんだね。メンバーの皆さんに
慕われていることが伝わってくるよ。そういえば、レオンは何も
言っていないけど、何か言いたいことは?」
「全部、ミウさんが言ってくれたから。それに、僕が言わなくても、
ちゃんとミウさんが、みんなに分かりやすいように伝えてくれること、
分かっているから、僕は何も言うことはないよ」
「レオンもミウさんのことを信頼しているんだね。
本当に、このチームは良いチームだ。みんな素直だし、良いね」
「ミウさんが素直だから、みんなも素直になるんだよ」
「そうか・・・。なるほどね。どんな組織でも、そのトップに立つ人間に
染まって行くからね」
本当に何を話してるんだろう?二人して、私を見て、
ニヤニヤしてるんですけど!でも、イヤな感じじゃないから、ま、いっか(笑)
「じゃ、今日は、ここまでにしましょう。
13時を少し回ってしまいましたね。申し訳ない」
「いいえ。私たちで伸ばしてしまったようなものですから、
私たちがテルさんの足止めをしてしまって、すみませんでした」
「いいえ、僕は大丈夫ですから、気にしないでください。では、また来週!
See you next week bye-bye!」
ふぅ~、今週もなんとか英語研修終わった。でも、今日のレッスンは、
英語研修というよりは、英語研修に臨む心構え的な話の方が
多かったような・・・。
でも、これでみんなも来週からは、楽しく英語研修に臨めると思うから、
良かったのかな。
それにしても・・・。緊張って、厄介だね(汗)
でも、これって社会と関わるようになってから生まれるものだと
思うんだよね。だから、保育園とか、幼稚園からになるのかな?
間違うと笑われたり、からかわれたりするじゃない?子供だと特にそうだよね。
その経験が積み重なって、いつの間にか、『間違っちゃいけない』って思うように
なるんだと思う。で、それが緊張に繋がってるような気がするんだよね。
私なんて、結構、平気で間違った答えを言っちゃう子だったから、
比較的緊張とは無縁だったのかもしれない。緊張したことがないとは
言わないけど、人から比べたら少ない方なんじゃないかな(笑)
別に笑われても平気だったっていうのかなぁ。間違って、イヤな思いを
した方が覚えるから、その方が良いって思ってたのかなぁ・・・。
たぶん、子供の頃からあまり人の評価を気にしなかったのかもしれない。
人の評価なんてアテにならないって、無意識レベルで分かってたような気が
しないでもないんだよね。だから、間違っても平気だし、分かんないことは
分かんないって言ってたしね。その方が断然、楽だよ。
変なプレッシャーかかんないから、自由でいられるしね。緊張もしないから、
割と色々なことが上手くいきやすいし。
緊張なんてしてもテルさんじゃないけど、悪いことはあっても良いことなんて
ないからね。ホント、百害あって一利なしだよ。出来ないものは出来ないし、
分かんないものは分かんないんだから、変に誤魔化そうとするんじゃなくて、
開き直っちゃった方が楽だし、解決も早まるから良いと思うよ。
それにね、何を言われても、笑われても、平気な顔してると何も言われなく
なるもんだよ。だって、反応がなかったら、つまんないから(笑)
そっか、開き直れれば緊張もしなくなるんだ!今、気づいたわ(笑)
<次回へ続く>
さっき、撮影した模擬プレゼンを見て、もう一度、みんなで練り直そう!
って、もう、こんな時間!?ヤバッ!私、お昼用意してなかったんだ。
コンビニ行って来ないとっ!
「チーフ、さっきスマホで撮影したの、確認しますよね?」
「うん!そうだね。でも、もう11時半回っちゃってるじゃん。
だから、午後にしよう」
「えっ、今からチャチャッと見ちゃいませんか?」
「ごめん!私、昼、用意してないんだよね(汗)
今からコンビニ行って来ないとっ!先生、来ちゃうから!」
「あっ、そうだ!今日の昼って、英語研修だった(汗)」
「うわっ、私も!(汗)」
って具合に前日、リマインドしたにもかかわらず、みんな、お昼の用意を
忘れてたらしい(苦笑)でも、レオンくんだけは、用意してたみたい。
さすがだね。
ってことで、レオンくん以外のみんなでコンビニに走ったんだよね(苦笑)
時間が時間だから、お弁当とか残ってたら良いんだけど・・・。
もし、残ってなかったら、ファストフードのお店まで走らなきゃだ(汗)
う~ん、マジでしんどいわ。
結局、コンビニに走った人間と最初からコンビニじゃなくてファストフードに
走った人間に分かれたんだ。私は、コンビニに走ったの。
身体が「お米が良い」って言ったから、お弁当がなかったら、
おにぎりにしようと思って。お陰さまで、無事、お米のお昼を用意することが
出来た。みんな息が上がってたけど、とりあえず、先生が到着する前に
メンバー全員、揃うことが出来た。はぁ~、良かった。
来週は、プレゼンも終わってるし、もう少しちゃんとしたお昼を用意しようって、
心に誓ってみた(笑)
全員が会議室に揃ったところで、テル先生登場!
「ハロー!エブリバディー!ハワユ~?ファイン?」
あ~、今日からは、英語しか使っちゃいけないんだっけ・・・。
なんか、メンド~(苦笑)って思いながらも、みんながポカ~ンとしてるから、
私が「イエス!」くらい言わなきゃいかんのかなぁと思ってたら・・・
「イエス!ウィー アー ヴェリー ファイン!トゥディ イズ ハッピー!」
ってレオンくんが、とっても流暢に答えてくれたの。でも、レオンくんが
答えちゃったらダメな気がするんだけどね(苦笑)って、思ってたら、
テルさんが私が思ってることを言ってくれた。
「レオン、お前が答えちゃダメだろう!」
「あっ、そうだった。ごめん」
「ま、先週から始まったばかりで、いきなり英語で答えなきゃいけないというのも
難しかったかもしれませんね。まだ、英語と聞くと緊張しますよね?
では、早速、映画を観ていきましょう!日本語に訳そうとか考えずに、
ただ、何を言っているのかを聞き取って、聞き取れた単語、文章を書き出して
くださいね。レッツ スタ~ト!」
あとは、ご飯食べながら映画観て、なんとなく書き出してって感じ。
でも、本当にこの映画は、聞き取りやすいかもしれない。
とはいえ、100%聞き取れるかって言われたら、
それは無理なんだけどね(苦笑)
映画を40分くらい観て、テルさんが切りの良い所でビデオを止めた。
「いかがですか?先週と比べて、今週の方が聞き取れたんじゃないですか?」
「・・・」
「まぁ、急がなくても良いんですけどね(苦笑)ただ、皆さんを見ていて
思ったことは、緊張しすぎです。緊張するなという方が難しいのかも
しれませんけど、緊張すればするほど、何も入ってきませんからね。
その点、チーフのミウさん、緊張していませんでしたよね?」
「あっ、すみません。
映画観ながらランチ食べてるくらいな感じでいました(苦笑)」
「そう!そのくらいの気持ちでいる方が逆に言葉が入ってくるんです!
いかがでしたか?ミウさん、先週より入ってきませんでしたか?」
「そうですね・・・。ま、確かに先週、観た所と同じだったから、
先週よりは聞き取れたかもしれないです」
「そうなんですよ。だから、皆さんもチーフを見習って、聞こうとして
緊張するのではなくて、映画観ながらランチを食べているくらいの気持ちで
臨んでみてください。今、忙しい時期だということは、真田さんから
聞いています。その忙しい時にも、こうして集まってくださって、
ありがとうございます」
「いいえ。そんなふうに言われてしまうと恐縮です。実は、ずっと同じことに
取り組んでいたので、違うことをして、気分転換をした方が、作業効率が
上がるかなという気持ちで、今週もお願いしてたんです。すみません」
「良いじゃないですか!でも、ミウさん以外は、気分転換になっていなかった
と思うんですが、いかがでしょう?」
「確かに、変に緊張しちゃって、気分転換のために違うことをするってこと、
忘れちゃってました(苦笑)」
みんな、うん、うんって頷いてる。
「そっか・・・。テルさんがいらっしゃる前に、その点もリマインドしておけば
良かったね。ごめんね。私も余裕がなかったから(汗)」
「そんな・・・。チーフのせいじゃないです。でも、そうですよね。
『気分転換するんだ!』って思えてたら、緊張しなかったかもです」
「確かに!なんか、最近、一生懸命になることがクセみたいになって、
ちょっと前のめりになり過ぎてたかも(汗)」
「それは言えてる。っていうか、今まで、どんだけ一生懸命に取り組んで
なかったんだって話だよね、私たち(笑)」
「英語研修なんて、日常的なことじゃないんだから、今週だけに限らず、
毎回、気分転換してるって思って臨めば、少しは聞き取れるように
なるのかもしれないよな。って、甘いですかね?(汗)」
「うん、うん。真田さんから聞いていた通りのメンバーですね。
思ったことを素直に言葉に出来る。素晴らしいです!
前回、お話ししたように、言葉は、赤ちゃんが親や周りにいる人たちを
真似することで覚えていくものです。赤ちゃんは、『言葉を覚えるんだ!』
って一生懸命に周りの大人たちが何を言っているのかを聞いていますか?
そんなことはないですよね?聞こうとしなくても耳に入ってくるから
覚えるんですよね?
赤ちゃんだけじゃありません。例えば、小鳥、インコも言葉を覚えますよね?
あれも覚えさせようと一生懸命になるのは飼い主の方で、インコは、
『絶対に覚えて話せるようになってやるぜ!』とは、思っていないと
思うんです。あれも、同じことを何度も聞かされているから
自然と覚えてしまうんですよね?
それと同じ要領なんです。だから、緊張は無用なんですね。無用というより、
緊張は悪だと思ってください。緊張すると全身に力が入って、
視野も狭くなります。視野が狭くなると聞こえるものも聞こえなくなるし、
本来なら気がつくはずのことにも気づかなくなります。
そして、普段なら分かることなのに、分からなくなるという現象も起きます。
だから、緊張なんて百害あって一利なしなんです。
自分の部屋にいるような感覚で、臨んでもらうのが一番良い。
だから、こうした会議室よりもソファがあるような場所の方が本当は
良いんですよ。その方がリラックスできるでしょ?
だから、先ほどミウさんが言ったように映画観ながらランチ食べている
というスタンスが良いんです。その言葉から緊張感を感じますか?
いや、別にミウさんを非難しているわけではないんですよ(苦笑)
非難どころか、極端に言うなら称賛しているんですよ。
おそらく、仕事面でもミウさんはチーフですから、見習うところが
たくさんある方なんだと思いますが、仕事面以外でも、この英語研修に
関しても、ぜひ、ミウさんを見習って欲しいと思います」
「う~ん・・・。なんか褒められてるのか、貶されてるのか分かんなく
なっちゃったけど(笑)みんな、もっとリラックス上手になれると良いよね。
来週のプレゼンもそうだよ。初めて模擬プレゼンした時のこと、覚えてる?
一昨日のことだから覚えてると思うけど、緊張し過ぎて、何も言えなく
なっちゃってたじゃない?あれだと、何もしないうちに負けちゃうんだよ。
英語研修は、勝つとか負けるとかじゃないけど、せっかく、こうして
勉強するんだったら、少しでも英語が分かるようになりたいし、
喋れるようになりたいでしょ?英語でもコミュニケーションが取れるように
なったら、確実に世界が広がるよ。そうなりたいと思わない?」
「もちろん、仕事以外でも英語が出来たら、海外に行っても楽しいと思うし。
まだ、海外旅行に行ったことはないですけどね(笑)」
「それって、言葉がネックになって海外に行けてないってことはない?」
「あると思う。あっ、あると思います」
「もう、敬語とか、そういうの、どうでも良いよ(笑)
たぶん、みんな、あんまり海外に行ったことがないって、先週言ってたけど、
行きたいとか、行ってみたいとか、思わない?」
「そりゃあ、行きたいと思うし、行ってみたいですよ」
「私も行ってみたい!」
「私もチーフみたいにツアーじゃなくて、海外に行きたいです!」
「でしょ?だったら、この英語研修は、私たちにとって、チャンスなんだよ。
だって、会社がお金払ってくれて、勉強できるんだよ?スゴくない?
このチャンス活かさない手はないでしょ!?」
「それは、分かってるんですけど・・・。じゃ、どうしたら良いんですかね」
「その答えは、さっきテルさんが話してくれたよ。覚えてないの?」
「・・・」
「えっ、皆さん、僕の話、聞いていてくれてなかったんですか!?
ショックだなぁ。日本語で話したのに・・・」
「テルさん、ごめんなさい。聞いてたとは思うんですけど、テルさんは
先生じゃないですか。それでみんな、テルさんの話を聞いてる時も
おそらく緊張してたんだと思うんですよ。ねっ、そうでしょ?」
「は・・・い」
「これで、答えは出たよね?みんなが改善した方が良い点は、
緊張しないってこと。さっき、テルさんが話してくださったことを
もう一度言うよ。
緊張すると全身に力が入って、視野も狭くなる。視野が狭くなると
聞こえるものも聞こえなくなるし、本来なら気がつくはずのことにも
気づかなくなる。そして、普段なら分かることなのに、分からなくなる。
だから、緊張は無用どころじゃなくて、悪なんだって、話してくださったの。
そもそも緊張なんて、どんな時でもする必要ないんだよね。
じゃ、なんで緊張するんだろう?良いとこ見せたいとか、そんな感じ
なんじゃない?でもさ、そんなの必要ないんだよ。どんなに背伸びしても、
背伸びしてるなって、周りに気づかれちゃうから(笑)
背伸びするくらいなら、そのままでいた方が好感度高いと思うよ。
たとえ失敗したとしても。
私が海外に行く時は、ツアーを使わないのね。それは、言葉に自信があるから
じゃないんだよ。私は、せっかく遠くまで行くんだし、もう二度と
行けないかもしれないから、観たいところを観たいだけ観たいの。
だから、自分で行きたいところを決めて行くようにしてるだけ。
言葉なんて、同じ人間なんだから、通じるんだよ。それに間違ったことを
言ったら直してくれるしね、現地の人が(笑)そうやって、言葉って覚えたり
するんだよ。そこで、『間違ったらカッコ悪い』とかって思わないのが、
語学上達のキモなんじゃないかなって思ってる。
ね、そこに緊張なんてないでしょ?(笑)」
「ミウさん、素晴らしいです!おっしゃる通りですよ。緊張しないこと、
それが大事なんです。間違っても良いんですよ。出来なくても、
分からなくても良いんです。だって、出来ないから、分からないから
英語研修をするんでしょ?出来るんだったら、分かるんだったら、
研修なんてする必要ないんですから」
「本当にそうですよね?私も偉そうなこと言えるほど、英語を使いこなせる
ワケじゃないんですけどね(笑)
じゃあさ、みんな、英語がペラペラな自分を想像してみようよ。
もし、英語がペラペラだったら、何がしたい?どこに行ってみたい?
例えば、ニューヨークに行って、ブロードウェイのミュージカルを
翻訳機なしで観て、感動してるとか、L .A .に行って、ショッピングを
楽しんでるとか、海外出張に行って、現地のクライアントと
打ち合わせしてるとか、なんでも良いと思うんだよね。
みんなが、英語が堪能になったら、やってみたいことを思い浮かべて、
そうなってる自分を先取りしちゃうんだよ!
ほら、ちょっと楽しくなってきたんじゃない?」
「あっ、なんか・・・。ちょっとワクワクしてきたかも」
「私も!ちょっと楽しくなってきた!」
「僕もです。英語、勉強したくなってきました!」
「ヤベェ~。マジで俺、カッコイイかも(笑)」
「ほらね。そのイメージを英語研修の前にすると良いと思うよ。
あと、寝る前ね。どうせ、ろくなことしか、考えてないんでしょ?(笑)
だったら、今、イメージしたことを寝る前にもしたら、きっと何かが
変わってくると思うよ」
「はい!やってみます」
「今夜、寝るのが楽しみになってきました!」
「なんか、ワクワクして眠れなくなりそう。でも、それもアリかも!」
「チーフ、明日、マジでイケメンになってるかもしれないですよ(笑)」
「明日、楽しみにしてるよ、三神優一くん(笑)」
私たちが話している時、何やらテルさんとレオンくんが話していたみたい。
でも、何を話していたのか、全然、聞こえなかった。いったい、何を
話してたんだろう?ちょっと気になるかも(汗)
「ミウさんは、本当に素晴らしいチーフなんだね。メンバーの皆さんに
慕われていることが伝わってくるよ。そういえば、レオンは何も
言っていないけど、何か言いたいことは?」
「全部、ミウさんが言ってくれたから。それに、僕が言わなくても、
ちゃんとミウさんが、みんなに分かりやすいように伝えてくれること、
分かっているから、僕は何も言うことはないよ」
「レオンもミウさんのことを信頼しているんだね。
本当に、このチームは良いチームだ。みんな素直だし、良いね」
「ミウさんが素直だから、みんなも素直になるんだよ」
「そうか・・・。なるほどね。どんな組織でも、そのトップに立つ人間に
染まって行くからね」
本当に何を話してるんだろう?二人して、私を見て、
ニヤニヤしてるんですけど!でも、イヤな感じじゃないから、ま、いっか(笑)
「じゃ、今日は、ここまでにしましょう。
13時を少し回ってしまいましたね。申し訳ない」
「いいえ。私たちで伸ばしてしまったようなものですから、
私たちがテルさんの足止めをしてしまって、すみませんでした」
「いいえ、僕は大丈夫ですから、気にしないでください。では、また来週!
See you next week bye-bye!」
ふぅ~、今週もなんとか英語研修終わった。でも、今日のレッスンは、
英語研修というよりは、英語研修に臨む心構え的な話の方が
多かったような・・・。
でも、これでみんなも来週からは、楽しく英語研修に臨めると思うから、
良かったのかな。
それにしても・・・。緊張って、厄介だね(汗)
でも、これって社会と関わるようになってから生まれるものだと
思うんだよね。だから、保育園とか、幼稚園からになるのかな?
間違うと笑われたり、からかわれたりするじゃない?子供だと特にそうだよね。
その経験が積み重なって、いつの間にか、『間違っちゃいけない』って思うように
なるんだと思う。で、それが緊張に繋がってるような気がするんだよね。
私なんて、結構、平気で間違った答えを言っちゃう子だったから、
比較的緊張とは無縁だったのかもしれない。緊張したことがないとは
言わないけど、人から比べたら少ない方なんじゃないかな(笑)
別に笑われても平気だったっていうのかなぁ。間違って、イヤな思いを
した方が覚えるから、その方が良いって思ってたのかなぁ・・・。
たぶん、子供の頃からあまり人の評価を気にしなかったのかもしれない。
人の評価なんてアテにならないって、無意識レベルで分かってたような気が
しないでもないんだよね。だから、間違っても平気だし、分かんないことは
分かんないって言ってたしね。その方が断然、楽だよ。
変なプレッシャーかかんないから、自由でいられるしね。緊張もしないから、
割と色々なことが上手くいきやすいし。
緊張なんてしてもテルさんじゃないけど、悪いことはあっても良いことなんて
ないからね。ホント、百害あって一利なしだよ。出来ないものは出来ないし、
分かんないものは分かんないんだから、変に誤魔化そうとするんじゃなくて、
開き直っちゃった方が楽だし、解決も早まるから良いと思うよ。
それにね、何を言われても、笑われても、平気な顔してると何も言われなく
なるもんだよ。だって、反応がなかったら、つまんないから(笑)
そっか、開き直れれば緊張もしなくなるんだ!今、気づいたわ(笑)
<次回へ続く>
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