ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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イメージしよう!

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英語研修を終えてから、午前中に撮った模擬プレゼンの様子を見ながら、
改善点とか、修正する箇所について、みんなで話し合ったんだ。
もう、ほとんど完成してるんだけど、悔いが残らないように、
少しでも気になるところがあったら、直そうってことになったんだよね。

全員が『これで良い!』って思えるものにして、当日はスッキリした
気分で臨みたいもんね。それで、良い結果が得られなかったとしても、
私たちの中で、やり切った感があったら、納得できるから。

それぞれの中で、すでにやり切った感はあると思ってたんだけど、
いざ、見直してみると、「もっと、こうした方が良いんじゃない?」
っていう点が出てくるもんなんだね(汗)
もしかしたら、キリがないのかもしれない。いや、キリはあるのかな?
今日を含めて、あと2日半は、このプレゼンに集中するつもり。

もちろん、他にも仕事はあるんだけど、それについては、うちは、
プロダクションに振って、返って来た資料を確認して、
クライアントに送るっていう作業だから、それほど時間がかかること
じゃないからね。といって、他のクライアントをないがしろにしてるワケ
じゃないよ。それも大事な仕事。丁寧に取り組んでます!

チャチャッと終わるかなって思ってたんだけど、
結局、プレゼンの見直しで1日が終わりそう(苦笑)

でも、みんな、イキイキしてて、楽しそう。こういう感じ、良いなって
思う。仕事っていうよりも学生時代の部活みたいな感じだよね。
仕事だから、当然、利害は発生するんだけど、そういうのを抜きにして、
ただ、自分たちが納得するまで詰めて行くっていうか、作り上げて
いくのって、楽しいし、やりがいも感じる。ここまでやって
ダメだったら、それは、仕方がないって思えるもん。

っていうか、私、さっきからダメだった時のことばっかり
考えてるよね?それじゃダメじゃん。誰よりも率先して、
私が、上手く行くって思ってないと、上手く行くものも行かなく
なっちゃうよね(苦笑)今夜から、毎晩、寝る前にプレゼンが
うまく行ったところをイメージするようにしよう。

最初は勢いで、ほぼ私の独断で受けちゃって、どうなることかと
思ったし、どうしたら良いのかも分かんなかったし、めっちゃ大変で、
プレッシャーもあった。でも、最終的にはチームの団結力も上がったし、
お互いのことを知る良い機会にもなったし、何よりこんなに
素晴らしい企画を創り上げることが出来たことで、全員が満足感を
味わえた。

それは、とっても良い経験になったし、私たち、一人ひとりの自信にも
なった。そして、見事、私たちの努力は報われて、プレゼンが採用された!
嬉しいなんて言葉じゃ、到底言い表せないくらいの達成感と充実感に
包まれてる。あとは、実現に向けて、また、たくさんやらなきゃいけない
こともあるけど、今まで以上にやる気が出て、前向きに取り組めてる。
マジで、めっちゃ楽しい!

こんな感じで良いかな?(笑)なんか、今、思い浮かべただけで、
もうドキドキしてるし、ワクワクしてる。
とにかく、『こんなにやったのに、ダメだった』ってなったら、
どうしようっていう不安じゃなくて、採用された時の喜びを先取りしよう!

みんなが、企画についての見直しをしてる時に、私は、こんな感じのことを
考えてたから、なんか、顔を緩んでたみたい(笑)

「チーフ、どうしたんですか?何、ニヤニヤしてるんですか?(笑)」

「あっ、ごめん!みんなが見直してくれてる時に(汗)
あのね、みんなにやって欲しいことがあるんだ」

「えっ、何ですか?僕たちに出来ることですか?」

「もちろんだよ!さっき、英語研修の時に、英語がペラペラな自分を
想像してみようって言ったじゃない?もし、英語がペラペラだったら、
何がしたい?どこに行ってみたい?って感じで、イメージを
膨らませようって話、覚えてるよね?」

「はい、覚えてます」

「それを今夜から日曜日の夜まで、プレゼンのイメージにして
欲しいんだよね。プレゼンが採用された時のイメージをするの!
たぶん、嬉しいなんてもんじゃないと思うんだよね。

最初は、どうなることかと思ったのに、ここまでのものが創れて、
今もこうして最終チェックをしてるワケじゃない?
自分たちは、最高の作品を創ることが出来て、ブルータイガーさんも
絶賛してくれて、実現することになったっていうイメージ。
どう?今夜からやってみない?」

「えっ、もしかして、チーフは、そのイメージをしていたから、
あんなにニヤニヤしてたんですか?」

「えっ、私、そんなにニヤニヤしてた?」

「えっ、自覚ないんですか?(笑)」

「全くありません(笑)」

「でも、プレゼンが採用されたらって考えたら、
ニヤけちゃうかもしれないですよね」

「うん、確かに」

「チーフが言ったこと、今夜から、みんなでやっていこうよ!
たぶん、それもプレゼン準備になるんじゃないかな?」

「そうだね。それに寝る前に楽しくなるっていうのは、良いもんな。
うん。やろう、やろう!」

「レオンくんもやってくれる?」

「もちろんです!というか、僕はもうやっていましたよ」

「うわぁ、さっすが!えっ、もしかしたら、レオンくんのイメージで、
プレゼン準備もスムースに進んでるのかもしれないね」

「そうだとしたら、僕も嬉しいです」

「じゃ、今夜から始めよう!もちろん、私もやるしね。プレゼンが
上手く行ったっていうだけじゃなくて、その時に何を感じて
いるのかも一緒にイメージしてみて。

例えば、『めっちゃ大変だったし、途中、ダメかもしれないって
思ったこともあったけど、諦めないで、最後まで信じて、
やり通して良かった』とか、『怖かったけど、チャレンジして
本当に良かった』とか、みんな、それぞれの思いがあると思うからさ」

「今の思いって、全部チーフの思いですよね?そっか、チーフも後ろ向きに
なることがあるんですね。なんか、安心しました。
で、今夜のチーフはベッドの中で、さっきみたいにニヤニヤしながら
寝るんですね(笑)」

「そういう想像はしなくて良いから!(笑)
私だって、後ろ向きになりそうになることもあるよ。
だけど、なって欲しくないことに引っ張られないようにしてるだけ。
なって欲しくないことに目を向けたら、そうなっちゃうでしょ?

だったら、なって欲しいことに目を向けた方が絶対、良いじゃない。
なって欲しくないことに目を向けたら、なって欲しくないことが
起こるんだったら、なって欲しいことに目を向ければ、なって欲しいことが
起こるってことになるでしょ?単純な話だよね。
じゃ、そろそろ片付けよう。また続きは明日ってことで」

「キンコーン、カンコーン」

「チーフ、めっちゃ良いタイミングですね。
もしかして、チーフが終業チャイム鳴らしてたりして」

「そうそう、私の手元にリモコンがあってね、って、
そんなワケあるかい!(笑)」

「マジでチーフって、ノリが良いですよね。
じゃ、チーフ、お疲れさまでした」

「はい、お疲れ!
じゃ、今夜からみんなでイメージ、やってみようね。お先です」

「お疲れさまでしたー!」

ぶっちゃけ、大変なんだけど、大変さよりも楽しさの方が
勝ってる気がする。仕事って、大変で、辛くて、キツくてって
思ってる人が多いと思うけど、本当は違うと思うんだよね。

だって、仕事も人生の一部なワケでしょ?神さまは、私たちに大変で、
辛くて、キツくてって、そんなことをさせたいなんて思ってないと
思うもん。本当は、仕事も楽しくて仕方がないって思えるものを
選んだ方が良いってことなんだよ。

とはいえ、私も好きな仕事ではあるけど、アトランティーナに
出会う前は、ここまで仕事が楽しいなんて思ったこと、
なかったかもしれないけどね(苦笑)


<次回へ続く>
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