ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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ムチャブリがキッカケ!?

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もし、弦ちゃんがこれを機にスイーツ男子として目覚めて、
パティシエへの道に方向転換するようなことになったとしても、
それは反対するようなことじゃない。反対どころか、むしろ応援する
ところなんだと思う。でも、なぜだか、私の中で、弦ちゃんを
止めた方が良いんじゃないかって思ってたりもする。

だって、パティシエを目指したとして、どれだけの人がパティシエとして
自立していけるのかってことを考えると、やっぱり不安になるよね。
別に、つきあい始めたばかりだから結婚の話が出てるワケではないけど、
年齢的に結婚を全く考えないってこともないじゃない?

あ~、今、私、『年齢的に結婚を全く考えないってこともない』って
思ったよね?なんかイヤだなぁ、私。以前のクセが出ちゃってる(汗)
結婚と年齢は関係ないじゃん!結婚したいって思える人が現れた時が
結婚適齢期なワケで、それは幾つでも良いって分かってるんだよ。
でも、こういう咄嗟の時に昔の悪いクセが、まだ出ちゃうんだね(汗)

さっきもそう。弦ちゃんが会社員辞めて、<パティシエになる!>って
言い出したらどうしようって思ったでしょ?結婚を踏まえてってことも
考えてのことだけど、それ以前に弦ちゃんが会社を辞めることを恐れてた
よね、私。こういう保守的っていうか、そういうところ、自分でイヤだな
って思うんだよね。

でも、そうなるのにも理由があるはず。でも、今は他に考えた方が
良いことがあるから、後で、きちんと向き合ってみよう。

今は、私の保守的なところとか、それを実はイヤだと思ってるってことより、
弦ちゃんがスイーツ作りをすることについて考えた方が良い。
でもさ、別にスイーツ作りを始めるってだけで、パティシエになりますって
言ってるワケじゃないんだよね。私、先走り過ぎなのかも(苦笑)

まぁ、今は、様子を見た方が良いよね。弦ちゃんには、弦ちゃんの考えがあると
思うし。っていうか、パティシエになるって言ったとしても、弦ちゃんが本当に
望んだことだったら、何の問題もないんだよね(笑)もっと気楽に考えよう。

「弦ちゃん、さっきから笑ってはいるけど、肝心の顔が全く笑ってないの。
ね、本当に大丈夫なの?無理してない?」

「ミウさん、無理はしてないから大丈夫だよ。実は、僕もスイーツ男子って、
ちょっと目指してみようかなって思った時期があったんですよ。食べるだけ
じゃなくて、作る方のスイーツ男子ね。でも、一人だと作っても
全部食べられないから、勿体ないじゃないですか。

だから、僕にとっては、これは良い機会なんです。やってみたいと思っていた
ことに挑戦できるんですから。アトランティーナには、感謝ですよ。
ムチャブリされるのもたまには良いね」

「あら、生意気なこと言うじゃない(笑)でも、そう思ってくれるのなら、
それは良かったわ。何でも言ってみるものね。ミウも学んだでしょ?
一見、ムチャブリに見えることでも、実は、相手に挑戦する機会を与える
ことになるのよ。

それに、言わなかったら、弦夜がスイーツ男子を目指してみようと思って
いたことも知ることが出来なかったでしょ?こうやって、思ったことを
表現してみると意外なことが分かるから面白いし、お互いに世界が広がる
キッカケにもなるの。だから、思ったことは、遠慮せずにドンドン表現して
いくと良いのよ」

「なるほどね。それはそうかもしれない。やってみたいと思ってても、
なかなか行動に移せないことってあるもんね。でも、誰かのひと言がキッカケに
なって始めてみたら、意外とハマっちゃったりするって、よく聞くもんね。

その道で有名になった人の最初のキッカケも、そういう小さなことだったりする
からね。じゃ、弦ちゃん、今後、スイーツ界で有名人になっちゃうかも
しれないね!それは、それで楽しみ!」

「ミウさん、飛躍しすぎだから(笑)でも、分かんないですよね!やってみたら、
思っていたよりも楽しくて、ハマっちゃうかもしれないし。そう考えると、
ミウさんの想像が現実になっちゃうかもしれない!なんか、面白いですね。
僕もちょっと楽しくなってきました!」

「そう!どこに、どんなキッカケがあるか分からないの。それに、キッカケは
弦夜が作ったのよ。気づいているかしら?」

「えっ、僕ですか?」

「そうよ。やっぱり気づいていないわね。買って来たスイーツの感想を聞きたい
けど、私の話も聞きたい。それなら、見た目がキレイで、可愛くて、美味しい
スイーツを買って来なきゃダメだと思ったって言ったでしょ?そこから、
じゃ、弦夜が作れば良いんじゃない?っていう話になったんだから。
ね、だから、思ったことを表現することは大事でしょ?そんな些細なことから、
新しいライフワークの可能性が生まれるんだから!」

「そうだね!私、今まで何か逃したことがあったかもしれない!これからは、
何でも思いついたことを、とりあえず言ってみる!そうすれば、そこから何かが
始まるかもしれないんだもんね。なんか、それだけで、ワクワクしてきたかも!
ありがとう、アトランティーナ!」

「いいえ、どういたしまして。今回は、弦夜に言った方が良いかもしれないわよ」

「うん、そうだね。弦ちゃん、ありがとう!」

「いやいや、僕は何も・・・。ここに繋げてくれたのは、アトランティーナと
ミウさんだから。こちらこそ、ありがとうだよ」

「なんか、ありがとうって言い合える関係って良いね。こういう人間関係、
ホッとする」

「良かったわね、ミウ。やっとミウがホッと出来る相手と出会えて」

「うん!ありがとう、弦ちゃん」

「いいえ、こちらこそ、ミウさん、ありがとう。でも、思うんですよ。
今までミウさんが、辛い恋愛を経験してきたことが僕には理解できないんですね。
だからきっと、アトランティーナと出会ったことがキッカケなのかもしれない
けど、ミウさん自身が努力して、変わったんじゃないかなって。過去の
ミウさんが、どういう人だったのか、僕は分からないけど、おそらく、今の
ミウさんとは違ったんじゃないかなって」

「それは、そうだね。アトランティーナ曰く、アトランティーナと出会う前の私と
今の私は別人だから(笑)だから、運が良いとか、悪いとかって言う人がいる
けど、良い運も悪い運も自分次第なんだなって思う。

男運が悪いから仕方がないとかって言う人いるじゃない?あれって、責任を誰かに
押しつけてるだけなんだよね。男運が良いも悪いもなくて、自分が出会いたいと
思う人に自分がなれば良いだけの話。そうすれば、似たような人が集まって
くるんだから、その中に必ず、自分が良いなって思う人がいるはずだもん。

これって、恋愛に限ったことじゃないよね?どんなことでもそう。運が良い人に
なりたかったら、自分から良い運を引っ張って来なきゃ!だって、誰にでも、
それは出来ることだからね」

「ミウの言う通りね。運も出会いも人生も全部自分次第。思ったこと、
考えたことが現実になるっていう分かりやすい宇宙のルールがあるんだから、
そのルールに則れば良いだけのことよ。難しく考え過ぎなの。この世の中は、
至ってシンプルなんだから」

「そうですよね。でも、そこを知らない人があまりにも多くて、正直、
僕はビックリしました。いかに、自分を信じていない人が多いのか、
驚愕でしたよ」

「そうなのよねぇ。何よりも、まずは自分を信じるというスタンスがあったら、
こんなこと、誰にだってすぐ分かることなんだもの。思いついたことを
言ったり、したりするだけで、事が動いていくわけでしょ?

それなのに、どういうわけか、自分の気持ちは乗らないのに、誰かに言われた
ことはやってみるのよね。もちろん、結果は、火を見るよりも明らかなはず。
だって、当の本人の気持ちが乗らないんだもの。上手くいくはずがないのよ。
気持ちが乗らないのにも理由があるからね。なんで、それが分からないのかな
って不思議で仕方がないわ」

「たぶんだけど、自分が思いついたことを言ったり、したりしたことが
ない人が多いんだと思う。子供の頃に言われたことが足枷になっちゃって
るんだよ、きっと」

「そうだとしたら、勿体ないわね。じゃ、ここもミウと弦夜がお手本になって、
みんなに示していく必要があるわね」

「うん、そうだね。弦ちゃん、一緒にお手本になっていこうね。そのためには、
勇気が必要な場面もたくさんあると思うけど、私が日和ってたら言ってね(笑)」

「それは僕もそう!人間社会に慣れ過ぎちゃって、つい日和っちゃいそうに
なるんだよね(苦笑)そういう時は<弦ちゃん、日和っちゃダメ!>って
言ってくれると助かる(笑)」

「うん、分かった。自分じゃ分かんなかったり、気づかなかったりってこと、
あるもんね。お互いに、相手のこともチェックしていこうね」

「私が思い描いた通りになって嬉しいわ。ちょっと難しそうに見えても、
思い続ければ実現するということをミウと弦夜が示してくれたわ。
ありがとう」

「いいえ、どういたしまして!」


<次回へ続く>
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