ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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頑張らなければ上手くいく!?

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アトランティーナのひと言で、忘れかけていたことが
鮮やかに蘇ったの!

きっと、改めて私の中に念押ししておく必要があること
なんだろうなっていう確信があって、本当は弦ちゃんが
居ない時の方が良いなとは思ったんだけど、話すことに
したんだ。

「弦ちゃんの前では、少し話しづらいんだけど・・・。私ね、
好きな人が出来ると告白せずにはいられないタイプなんだけど、
前に一回だけ、どういうワケだか告白する気になれないことが
あったの。それが、自分でも不思議だったんだよね。『なんで私、
動こうとしないだろう?』って。

でも、ある時、私が好きになった人の職場の部下にあたる人と話す
キッカケがあって、たまにお茶したり、食事に行ったりって感じで、
仲良くなったのね。それで、その人と話している時、私が好きに
なった人の話を聞いて、私が告白しようとしなかった理由が
判明したんだよね(汗)

その人には、婚約者がいたの。ただ、それだけじゃなくて、私が見てた
彼と実際の彼があまりに違ったんだよね(苦笑)職場では、めっちゃ
パワハラ上司だし、プライベートでも婚約者がいるのに、色々な女の子に
ちょっかい出しちゃうような人だったの。

私が見てたのは、外面だけだったってことなんだよね。でも、私の深い
ところでは、彼のそういうダークな部分も察知してたのかもしれないって
思ったんだ。だから、私にGOサインを出さなかったんじゃないかって。
不思議だったけど、理由が分かってスッキリしたことを覚えてるよ」

「ほら、ミウ、話していて気がつかなかった?」

「えっ、何に?」

「さっきミウが言ったように、<特に頑張らなくても、ただ流れに
逆らわないで、身を委ねていれば、良いタイミングの時に叶う>という
ことと同じでしょ?いつもなら告白するのに、ミウの中で、なんとなく
告白する気になれなかったから告白しなかったんでしょ?

それが流れに逆らわないということよ。おそらくミウは、タイミングを
待っていたんだと思うの。そうしたら、告白するタイミングではなくて、
告白しない方が良いということを知らせる出来事が訪れたというわけよ。
どう?理解できた?」

「なるほど~。確かにそうだね!あっ、そういえば、別れるタイミングも
そうかもしれない!もう別れた方が良いっていうタイミングが来ると、
目に見えない壁っていうか、シャッターっていうか、そういうのが
降ろされる感覚になるんだよね。その壁っていうか、シャッターって
いうのが強力で、<もうここでお終いにしなさい>って言われてるような
気がしちゃうの。

ただ、そういう気がするだけじゃなくて、本当にそれが起こるとことごとく
タイミングが合わなくなるし、問答無用な感じなんだよね(苦笑)
私の中に、まだ、その人のことが好きっていう感情が残ってたとしても
お構いなしなの(汗)だから、そうなった時は、降参するように
してるんだよね(苦笑)」

「それは、ミウの中に決めごとがあるからなんじゃないの?」

「決めごと?」

「そう、決めごと」

「えっ、なんだろう?決めごとなんてあったかなぁ・・・」

「ミウが大事にしていることだと思うわよ」

「う~ん・・・何かなぁ?・・・あっ、もしかしたらっていうのが
見つかったよ」

「それは、どんなことなの?」

「決めごとっていうかどうかは分かんないんだけどね。私の中に
ずっとある思いがあるの。それは、せっかく生まれて来たんだから、
少しでも魂を成長させたいっていう思い。今も変わらずにある。

だから、魂の成長を妨げることとは関わりたくないって思ってきたし、
今も思ってるけど、それかな?」

「正にミウのその思いが成せる技ということね。つまり、ミウの魂を
成長させるのに相応しくなくなった相手とのご縁を目に見えない力が
断ち切っているということよ。その目に見えない力を操っているのは、
実はミウなんだけどね(笑)

ミウは、誰かに目に見えない壁やシャッターみたいなものを降ろされて
いる感覚なのかもしれないけど、ミウの奥深い部分が、『もう、この人と
居ても魂の成長は望めない』って判断すると、ミウと関わらせないように
しているだけのことね。

だから、見えない力であることに違いないけど、ほら、ミウが意識する
ことが出来ない領域でのことだからね。でもそれは、他所からの力では
なくて、ミウ自身の力、つまり、ミウが自分で行っていることなのよ」

「へぇ~!なんかスゴイね!っていうか、それもまた潜在意識の力
なのかな?」

「そうね。潜在意識の力といって良いと思うわよ。潜在意識には、
ミウが大切にしていることが、漏れなくストックされているの。たとえ
ミウが忘れてしまっていたとしても、潜在意識は全部覚えているのよ。
それで、ミウがストックした情報を元に動かしているのね。

前にも話したけど、ミウの意識は、ミウ自身が意識することが出来る部分
よりも意識することが出来ない部分の方が遥かに大きいから、そのくらいの
ことは朝飯前なのよ。

ここでも登場したわね。特に頑張らなくても、ただ流れに逆らわないで、
身を委ねていれば、良いタイミングの時に叶うということが」

「本当だね!改めて潜在意識の偉大さを感じたかも(汗)私が忘れてても
全部覚えてるってことが、少し怖い気もするけど(苦笑)いずれにしても、
これは、しっかり肝に銘じておく必要があるね。ってことは、頑張らなくても
良いってことでもあるんだよね?」

「そういうことよ、ミウ!頑張ろうとする時、それは、ミウの本当の願い
ではないということを覚えておくと良いわ。なぜ、頑張ろうとするのかを
自分に聞いてみると良いかもしれない。そこには、ミウ自身の思いでは
なくて、例えば、他者からよく思われたいとか、優劣を競う思いとか、
誰かの期待に応えなければいけないとか、そういうエゴの声が聞こえて
くるはずだから。

それと、全部覚えているということも忘れないでね。それは、ミウにとって、
良いことも悪いことも覚えているということだから。潜在意識は、ミウを
裏切らない。でも、善悪の判断はしない。ここがポイントね。だから、自分の
潜在意識にどんな情報がストックされているのかを把握する必要があると
いうこと。とはいえ、おいそれと出来ることでもないけどね(苦笑)」

「だよねぇ(苦笑)でも、潜在意識に何がストックされてるのかを知るため
にも深い瞑想が有効なんだよね?そうやって、定期的に自分のメンテナンスって
いうのかな、そういうのをする必要があるってことだ!」

「そういうことよ。なかなか理解が早くて、頼もしいわね、ミウ。それと、
さっき話した、苦しくても大変でも頑張ること、自分を律して、厳しく自分に
接することはエゴに起因するということも理解することが出来たかしら?」

「うん、なんとなくだけどね。自分が本当に願っていることって、周りが
どうとか関係なくて、純粋に自分が満たされたくて願ってることだったりする
から、無理をするのではなくて、いつもハートをオープンにして、穏やかに
過ごしていたら、なんとなく叶っちゃうものなのかなって(笑)」

「ま、そんな感じかしらね(笑)その違いさえ分かれば、もう大丈夫
なんじゃない?あと、弦夜、ちゃんと聞いていた?ミウは、魂の成長を
妨げる相手とは、好きという感情が残っていたとしても別れる見たいよ。
気をつけないね(笑)」

「はい!僕も話を聞いていて、背筋が伸びるような感じだった(笑)
でも、もう大丈夫!ミウさん、そして、アトランティーナと会って、
意識が変わったから。この2日間は、僕にとっても、とてつもなく濃厚な
時間だったと思う。本当に来て良かったなって。

おつきあいしようって言った翌日に自宅を訪問するなんて、図々しいかなって
思ったりもしたけど、勇気を出して言って良かったって思っています。

でも、ミウさん、あと、アトランティーナも僕がまずい感じになってきたら、
別れを決める前に言ってもらえたら嬉しいかも(苦笑)<甘えるな!>って
言われちゃいそうだけど、お願いしても良いでしょうか!」

「あはは、そうだね。っていうか、これから色々な話をしていこうよ。
魂の話もそうだし、他にもたくさんネタはあるじゃない?他の人とは
話せないことも弦ちゃんとだったら話せるし、私は、それが今から
とっても楽しみだよ」

「ありがとう、ミウさん!」

「弦夜、良かったわね。ミウのことを導いて行くっていう気概を持って、
弦夜も精進しなさいよ」

「もちろんです!っていうか、また遊びに来ますけどね。アトランティーナには
教えてもらいたいことが、まだまだたくさんあるような気がするし」

「アトラン国に居た頃には寄りつかなかったくせに!」

「えっ、そうでしたっけ?(笑)」

「そうやって、都合が悪いことは忘れたフリするんだから(笑)
じゃ、もうそろそろ寝た方が良いでしょ。明日は二人とも会社なんだから」

「そうだね。ホント、昨日と今日、めっちゃ密度の濃い時間だった。
アトランティーナ、ありがとう!あと、弦ちゃんも!」

「僕の方こそだよ!ミウさん、アトランティーナ、ありがとう!
また、お世話になります(笑)」

「えっ、またなの?(笑)」


<次回へ続く>
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