ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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成し遂げるコツ

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中川理沙子に弦ちゃんの案内を頼んだ後、真田部長の席に向かった。
狭いところだから、部長も弦ちゃんが来たことは分かってるからか、
さっきから落ち着かない様子なんだよね。ここで、声を掛けないのは、
ダメでしょ、やっぱり(汗)

「部長、ブルータイガーの藤崎さんが、突然ではあるんですけど、
来社されたんです。今週金曜日のイベントに関して、最終確認を
したかったみたいで・・・。今、A会議室にお通ししたんですが、
部長もお時間がよろしければ、少しだけでも同席して頂けますか?」

「もちろんですよ!私も今週末のイベントについては、気になって
いましたからね。それにしても、気にかけてくださるなんて、
嬉しいですね」

「本当ですね。それだけ、ブルータイガーさんにとっても大切なイベント
ということでしょう。更に気が引き締まります」

「大丈夫ですよ、久遠さんのチームなら。先程のお話が聞こえましたけど、
気負わずに楽しみながら進めて行きましょう」

「はい!では、部長、よろしくお願いします。私は、席に戻って、
資料を取ってから行きますので、先に会議室に向かって頂いても
よろしいですか?すぐに行きますので」

「はい、分かりました。久遠さん、慌てないで良いですからね」

「ありがとうございます!」

こうして、部長は、会議室に向かってもらって、私は、一旦、席に戻った。
みんなも、自分が担当している案件の資料を持参して、会議室に向かった
みたい。私は、全体の流れや会場の配置図、それから私がまとめた資料を
持って、急いで会議室に向かった。

こうしていると、心配してたのが嘘みたいに感じた。だって、何も心配も
要らなかったから。だって、プライベートの時と会社で仕事モードに
なった時とでは、弦ちゃんも私もまるで別人って感じだから。みんなも
特に不審に思ってるふうではなかったしね。

ただ、相変わらずレオンくんは無言だったんだよね。何か仕掛けて
くるのかな?もし、仮にレオンくんが何か仕掛けてきたとしても、それは
私たちにとって必要だからだって思えるんだ。レオンくんは意地悪で、
何かを仕掛けてくることはしないって信じてる。

でも、私が誰かのことをそこまで信頼してるってことが、自分でちょっと
驚いてる。だって、今までだったら、誰に対しても、そんなふうには
思えなかったと思うから。それって、私が自分のことを信じ始めてるって
ことだよね?

これまでは、自分のことが信じられなかったから、自分以外の人のことも
信じられなかったワケでしょ?でも今は、レオンくんに対してだけかも
しれないけど、自分以外の人のことを信じられるんだもん。

いや、レオンくんに対してだけじゃないね。アトランティーナのことも
信じてるから。これって、私にとっては大きな一歩だと思う。この調子で、
もっともっと自分のことを信じられるようになっていきたいって思った。
だって、誰かのことを信頼するのって、思ってた以上に気持ちが良いから。

会議室に入ると、なんか緊張した空気で満たされててビックリした。
なんで、みんな、こんなに緊張してるんだろう?

「どうしたの?何か問題でもあったの?」

「いえ、チーフが来てから始めようと思ったので、問題どころか何も
ないんですけど、クライアントの方と部長ですからね。さすがに
緊張しますよ(苦笑)」

谷潤也が、小さな声で訴えてきて、思わず笑ってしまった。だって、
いつもは、『ちょっと能天気過ぎない?』っていう感じなのに、
こんなに緊張するなんて、意外だったからね(笑)

「何かありましたか?」

「いえ、特に何もないようです。ただ、ブルータイガーの藤崎さんと部長が
いらっしゃるということで、彼らが緊張してしまったみたいです(苦笑)」

「そんなに緊張しなくても・・・。だって、皆さんとは、一緒にランチも
頂いた仲じゃないですか」

「そうだよ!みんなで、会場に乗り込んだ後、一緒にランチしたじゃない!」

「でも、もうずいぶん前のことだし、やっぱり、チーフがいないと僕たち、
ダメみたいです(苦笑)」

「それは困りますね(苦笑)それだけ久遠さんのことを信頼していると
いうことは分かりました。でも、それでは、久遠さんの負担が大き過ぎます。
久遠さんが居なくても、みんなで説明くらいは出来るんじゃないですか?
久遠さん、どうなんですか?」

「部長、申し訳ありません。それぞれに担当を任せているので、
私が居なくても説明くらいは出来るはずなんですけど・・・。

もしかしたら、私が、全体の流れと会場の配置について担当して
いたので、その説明を最初にした方が良いと思ったのかもしれません。
みんな、どう?」

「あっ、はい!そうです!」

「説明の仕方が悪かったんだと思います。私もみんなも言葉が足らず、
申し訳ありません。では、早速、説明に入らせて頂きます」

こうして、私から説明を始めて、順番に担当ごとに説明をさせてもらった。
とりあえず、何も問題もなく、予定通り、当日、起こりそうなことを
ピックアップして、それに対する対応についても弦ちゃんと部長を交えて、
行うことが出来た。

私たちだけじゃなくて、クライアントと部長を交えて行えたことで、
リスクヘッジが出来て良かった。別に責任転嫁したいワケじゃないけど、
上の人を交えて対応策を考えた上で、何か不備があったとしても、
私たちだけの責任にはならないでしょ?ちょっとズルい考え方かもしれない
けど、組織で動いている上では、大切なことだと思うんだよね(苦笑)

もちろん、何も起こらないに越したことはないんだけどさ。
でも、こうしたリスクヘッジについては、何も考えてなかったけど、
私たちにとっては、良い方向に進んでるなって思う。これも宇宙の図りごと
なのだとしたら、感謝だよね。

っていうか、私が『絶対にイベントを成功させる!』って、
このイベント実施が決まった時から強く思っているから、その思いが宇宙に
届いて、後押ししてくれてるのかもしれない。

だから、何か成し遂げたいこととか、『こうなりたい!』『こうしたい!』
って思った時には、どうすれば、そうなれるのかとか、どうしたら、そうなる
のかってことを考えるんじゃなくて、ただ、ひたすらに自分の思いを宣言して、
『そうなる!』って信じることが重要なんだなって、改めて思った。

簡単そうに見えるけど、意外と出来てない人、多いんじゃないかな。
私は、アトランティーナに出会う前は出来なかったんだよね。
今でも必ず出来るかって言われたら、胸張って<はい、出来ます!>とは
言えないし・・・(苦笑)

あっ、そっか!もしかしたらだけど、今回の人生で叶えた方が良いこと、
その思いが生まれて来る時に決めた課題に関係することだったら出来るの
かもしれない!でも、その課題から逸れているものに関しては、
出来ないのかも!?

だから、それが出来るor出来ないも必然ってことなのかもしれないね。
なんか、めっちゃ奥が深いっていうか、なんというか、って感じ。
だから、この週末、アトランティーナに言われたこと、
<流れに身を委ねる、流れに身を任せる>っていうことも忘れない
ようにした方が良いってことだよね。これが、何かを成し遂げるコツ
なのかもしれない。うん、また勉強になった!

こんなことを考えてたら、打ち合わせっていうか、すり合わせって
いうかも無事に終わって、解散になった。結局、午前中いっぱい
使っちゃったな(汗)

そこでまた、弦ちゃんとチームみんなでランチに行くことに
なったんだよね。今日は、なぜか部長も一緒に行くらしい(苦笑)
さて、どんなランチ会になることやら。でも、もしかしたら、部長が
奢ってくれるかもしれないから、ちょっと贅沢なお店をチョイス
しちゃおうかな(笑)


<次回へ続く>
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