ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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弱点が強みになる!?

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私の提案に黙り込んでしまった五十嵐智美。でも、ずっと何かを
考え込んでいるのが、何も言わなくても伝わってきたから、
焦らせないよう、じっくり考える時間も必要なんだよねって思った。

でも、沈黙に包まれた状況を我慢できない人もいるよね?谷潤也は、
さっきからずっとソワソワしてるから(汗)三神優一は、五十嵐智美ほど
ではないけど、何かを考え込んでる様子。

そんな中、もう一人、沈黙に耐えられなかったのが中川理沙子。
谷潤也が何か言うかと思って我慢してたみたいだけど、彼女の我慢の限界を
超えたみたいだね。

「チーフ、ちょっと良いですか?さっきチーフが言った、
<変えたい、変わりたいって本気で思うんだったら、現実なんて、
あっという間に変わるんだよ>って話なんですけど、智ちゃんだけじゃ
なくて、このチームで取り組んでみるっていうのは、どうですか?

私も現実を変えたいっていうか、もっと上を目指したいっていうか、
具体的にどうなりたいっていうのはまだ見えてないんですけど、
今が最高とは思ってないっていうか・・・。

たぶんなんですけど、私だけじゃなくて、優一も潤也も同じだと思うんです。
だから、今回、すっごく良い機会だと思うんです。チーム全体が、自己実現
っていうのかな、そういうのを果たせたら、もっと大きな仕事とかも出来る
ようになると思うし、仕事以外、プライベートも充実させることが出来て、
良いことだらけなんじゃないかなって。

チーフが協力してくれるなら、私たちも心強いし・・・。でも、チーフ一人で
メンバー全員っていうのは、ちょっと大変ですかね(苦笑)」

「理沙ちゃん、とっても良い提案だと思う!私だけじゃなくて、レオンくんも
協力してくれると思うし、部長も協力してくれますよね?」

「もちろん、私も協力しますよ。レオンくんも協力してくれますよね?」

「僕は、何をすれば良いんですか?」

「まだ、何をするとか、そういう具体的なことは決まってないけど、協力は
してくれるってことで良いんだよね?」

「ええ、僕が出来ることであるなら・・・」

「あの・・・部外者かもしれませんけど、僕にも何かお手伝いさせてもらえ
ませんか?何が出来るのかは分かりませんが、協力させてください」

「えっ、藤崎さんも協力してくださるんですか!?久遠さん、どうします?」

「え~っと・・・そうですねぇ(汗)」

「僕から話すのが正しいのかどうかは分かりませんが、実は、久遠さんと
おつきあいさせて頂くことになったんです。と言っても、初めて二人で
食事に行ったのが先週の金曜日なので、まだ、ホヤホヤではあるんです
けどね(苦笑)そういったことも含めて、協力させて頂きたいなと思って
います」

「そういうことでしたか!では、藤崎さんは、久遠さんを支えるという形で
協力をお願いしてもよろしいですか?久遠さんは、ご存知かもしれませんが、
一人で背負い込む傾向があるので。

会社ではレオンくん、プライベートでは藤崎さんという二本柱で支えて
頂ければ、チーム全体での取り組みもスムーズにいくと思いますので。
もちろん、私も言って頂ければ、協力は惜しみませんよ。久遠さん、
これでいかがですか?」

「そうですね。じゃあ、毎週月曜日の朝にやってるチーム会の中で、確認を
していくことから始めてみようか」

「えっ、なりたい自分をみんなの前で宣言するってことですか?」

「いや、それはちょっとハードル高いかも(汗)」

「うん、私もいきなりそれは・・・ちょっと厳しいかな(汗)
ね、智ちゃんもそう思うでしょ?」

「私は・・・結構、自分をさらけ出しちゃったから、今更って感じだし、
別に問題ないけど」

「へぇ~、智ちゃんスゴイ!そういうとこ、見習わなきゃだよね」

「えっ、私を見習う?」

「うん!だって、私もだけど、男子2名もみんなの前で発表することには
抵抗があるもん。なんか、恥ずかしいっていうか、照れ臭いって
いうかさ(汗)」

「そっか・・・。そういうものなんだ。やっぱり、私って、感覚が
他の人とはちょっと違うってことだね(苦笑)」

「智ちゃん、他の人と違って良いんじゃない?っていうか、全てにおいて、
他の人と全く同じってことはないと思うんだ。もし、そんな人がいたと
したら、それは、自分を殺してるだけで、それはそれで、めっちゃ不健康な
ことなんだよ。

他の人と考え方も感じ方も価値観も違うのが当たり前で、それが個性
なんじゃない?特に私たちの仕事は、個性がウリみたいなところが
あるから、他の人と違うってことは、強みになるよね」

「さっすが、チーフ!でも、確かにそうですよね」

「だから、言葉にしてみるって大事なんだよ。だって、本来なら強みに
出来ることなのに、否定的に捉えちゃうって、なんか勿体ないとは
思わない?どんなことでも、見方を変えることで、弱点にもなれば、
強みにもなるってこと。

だから、智ちゃんだけじゃなくて、他のみんなも自分で、ウィークポイント
だと思ってるところがあるんだったら、見方を変えてみて欲しい。
それで、そのウィークポイントを強みにするためには、どんな方法が
あるのか、どんな考え方をすれば良いのか、感じ方をすれば良いのかを
考えて欲しいな。

その時に一人で考えるより、みんなと意見を出し合った方が新しい発見も
あると思うから、みんなで話し合いたいんだよね。どうかな?」

「なるほどですね!確かにそれはそうかもしれない。あと、もし、それが
実現したら、なんか、うちのチーム、一枚岩になれるような気がする!
そうなったら、無敵ですよね(笑)」

「そうかも!なんか、今、ちょっと想像してみたんだけど、ゾクゾクした。
もちろん、良い意味でね(笑)」

「僕もみんなの前で、自分の思いとか、ダメなところとか話すの、
ちょっとイヤだなって思ってたんですけど、意外とアリなのかもって
思ってきました。だって、さらけ出しちゃった方が、逆に気持ち的に
楽なのかもなって思えてきたから。

ね、五十嵐も一緒に取り組もうよ!それで、本当に現実が変わるかどうかは
分かんないし、五十嵐が抱えてるものが軽くなるのかどうかも分かんないけど、
少しでも可能性があるんだったら、やってみた方が良いじゃん!

それに、僕たちの話を聞いたら、『なんだ、そんなことを思い悩んでんの!?』
って、気持ちが楽になるかもしれないしさ。やってみて損はないと思うよ。
それでもし、本当に現実が変わったら、面白いしね」

ずっと俯きがちでいた五十嵐智美が、みんなの話を聞いてるうちに、
顔を上げ始めたんだよね。それに、まとっている空気感っていうのかな、
そういうのが、少しずつだけど、変わって行ったの!重たいものから軽いもの
へと移り変わっていく様子が、手に取るように分かって、『私でも分かるんだ!』
って、ちょっと感動しちゃった。

「で、智ちゃん、どうする?私たちと一緒に取り組んでみない?」

「う~ん、まだ、よく分かんないんですけど、さっき、どさくさに紛れて、
藤崎さんがチーフとおつきあいを始めたって言ったじゃないですか。
私、それを聞いても何とも思わなかったんですよ。それが今は不思議なんです。
だって、もし、そんな話を聞いたら、自分が荒れるなって、ずっと思ってた
から・・・。

それって、私の中で、何かが変わったってことなのかなって思ったら、ち
ょっと面白いなって思って。私だけじゃなくて、チームとしての取り組みなら、
断る理由もないし、私も参加しようかなって思います。さっき、三神優一が
言ってましたけど、変わらないかもしれないけど、変わるかもしれないなら、
やってみなきゃ損っていうの、確かにそうだなって思ったし」

「僕は、やってみなきゃ損なんて言ってないよぉ。やってみて損はないと思うよ
って言ったんだよ(笑)」

「どっちでもおんなじじゃん(笑)」

「ま、そうなんだけどね(苦笑)」

「久遠さん、ますます良いチームになりそうですね」

「ホントに!さっき、谷潤也が言ってましたけど、チームが一枚岩になれる
ような気がします。そうなったら、これからもどんどん難しい案件に
チャレンジできるし、みんなで成長していけるなって、今まで以上に
楽しみになりました」

「本当にそうですよね。レオンくん、これからも久遠さんを支えてあげて
ください。よろしくお願いします」

「僕よりも弦夜、お前がしっかりミウさんのこと支えろよ」

「もちろん!まぁ今は、僕の方が支えてもらったり、教えてもらうことが
多かったりもするんだけど、僕も一緒に成長していこうって思ってるよ」

「そういえば、五十嵐が言ってましたけど、藤崎さん、ホント、
どさくさ紛れに爆弾発言しましたよね!(笑)」

「あっ、そういうつもりはなかったんですけど、なんとなく、皆さんに
隠し事は良くないかなと思ってしまって・・・(苦笑)」

「藤崎さんって、真面目なんですね。でも、ウチのチーフのこと、
よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」

「あ、はい(汗)っていうか・・・。はい、ミウさんが、心置きなく、
仕事に集中できるよう、僕も精一杯サポートさせて頂きます!」

「いやいや、藤崎さん、藤崎さんも仕事してるんだから、藤崎さんが
一方的にサポートっておかしいでしょ?(笑)」

「そうだよね(笑)私も藤崎さんも一緒に成長していけるように、
これからも仕事も一生懸命やるし、プライベートも大事にしていこうと
思ってるから、引き続き、よろしくね」

「はい!」


<次回へ続く>
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