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第17話 高級肉屋
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フォルテは市場で初めに立ち寄ったのは肉屋である。
先ほど出された野菜は把握してあるので、追加の野菜を買うにしても、まずはメインとなる肉を買わなければ話にならない。
野菜をしっかり食べたい時にはあれだ。
あの国王達の様子だと、カロリーの高い物を食わせればいいと言う問題ではない。
多分貴族でイメージする様な料理には《罪悪感》が邪魔をしてくるだろう。
まずはリハビリの為に、肉だけではないバランスの良い食事。
そして、やはり食欲をそそるあの香りが必要になる。
大量に入れれば今の国王なら腹を壊すかもしれないので、少量にしておかなければいけないだろうがな。
作る料理が決まれば肉屋で買う肉が決まる訳だ。
「店主、豚の細切れ肉はあるか?」
「豚の細切れですかい? え、ケ、ケミーニア様!」
店主はフォルテの後ろに控えるケミーニアを見て仰天の声を漏らした。
「私は気にするな。フォルテ様の注文を優先するように」
「は、はい!」
ケミーニアに様付けされるフォルテに、店主は緊張した様子だ。
「それで、豚の細切れとはどう言った物でしょうか?どこの部位で?」
この店は貴族にも肉を販売する高級店で、ショーケースに並ぶ肉の塊は薄い桃色で輝いている。
臭みのない肉を置いているそうなので、豚は置いていると思ったが、店主は細切れが分からなかったようだ。
「なんと言ったらいいか? クズ肉? 肉の部位を切り分けた後の余った部位の詰め合わせだ」
豚コマ肉は色んな部位の端の部分を細かく切ってまとめて売っている物だ。
この世界にあるかは分からないが、クズ肉はどの世界でも出るだろう。
「クズ肉ですかい? 売り物にならない端の部分なら私達が食べる分に避けてありますけど……」
「ぬ、そうか。お主達の食事になるのなら譲れとは言えないな。店主よ、豚の肉を見せてくれるか?」
「え、えっと、豚とはどのような肉なのでしょうか?」
店主は、豚が分からないようである。この世界では違う名前なのか、フォルテは困った様子でケミーニアの方を見た。
「ケミーニア、俺が旅の途中で食ってた肉は分かるか? あの突進してくる奴だ」
フォルテはこの王都に来るまでにイノシシを何匹か食べた。
それがヒントになるかと思ってケミーニアに質問てみた。
「突進というと、牙付きのピギーでしょうか?」
「ピギーか。そう言えば前の肉屋がそんな事をいっていたな。店主、ピギーのような見た目で臭みのない貴族向きのものはあるか?」
「あ、それでしたら、ブーモの肉が良いかと。ピギーに比べて肉質が柔らかく臭みが無いので貴族様に下ろす高級肉です」
店主が、少ない情報からフォルテが指定する肉はこれではないかとブーモの肉が並ぶ棚へと案内した。
他の肉よりも薄い色のその肉は、フォルテが前世でスーパーで見ていた豚肉の肉の色に近い。
「よし、店主、この肉を少しずつ指定した切り方で切ってくれるか?」
「分かりました!」
勿論、フォルテと国王達が食べる量なので少しと言いながらも一般的な量よりも多い。
前世のようにスーパーに行けば欲しいものが買えるのでは無い不便さはあったが、フォルテは目的の豚の細切れ肉をゲットした。
この買い物はピギーと言うヒントを出したケミーニアが居なければたどり着くまでにもっと時間がかかっただろう。
そう思うと、心配してついて来てくれたケミーニアに感謝しようと思うフォルテなのであった。
先ほど出された野菜は把握してあるので、追加の野菜を買うにしても、まずはメインとなる肉を買わなければ話にならない。
野菜をしっかり食べたい時にはあれだ。
あの国王達の様子だと、カロリーの高い物を食わせればいいと言う問題ではない。
多分貴族でイメージする様な料理には《罪悪感》が邪魔をしてくるだろう。
まずはリハビリの為に、肉だけではないバランスの良い食事。
そして、やはり食欲をそそるあの香りが必要になる。
大量に入れれば今の国王なら腹を壊すかもしれないので、少量にしておかなければいけないだろうがな。
作る料理が決まれば肉屋で買う肉が決まる訳だ。
「店主、豚の細切れ肉はあるか?」
「豚の細切れですかい? え、ケ、ケミーニア様!」
店主はフォルテの後ろに控えるケミーニアを見て仰天の声を漏らした。
「私は気にするな。フォルテ様の注文を優先するように」
「は、はい!」
ケミーニアに様付けされるフォルテに、店主は緊張した様子だ。
「それで、豚の細切れとはどう言った物でしょうか?どこの部位で?」
この店は貴族にも肉を販売する高級店で、ショーケースに並ぶ肉の塊は薄い桃色で輝いている。
臭みのない肉を置いているそうなので、豚は置いていると思ったが、店主は細切れが分からなかったようだ。
「なんと言ったらいいか? クズ肉? 肉の部位を切り分けた後の余った部位の詰め合わせだ」
豚コマ肉は色んな部位の端の部分を細かく切ってまとめて売っている物だ。
この世界にあるかは分からないが、クズ肉はどの世界でも出るだろう。
「クズ肉ですかい? 売り物にならない端の部分なら私達が食べる分に避けてありますけど……」
「ぬ、そうか。お主達の食事になるのなら譲れとは言えないな。店主よ、豚の肉を見せてくれるか?」
「え、えっと、豚とはどのような肉なのでしょうか?」
店主は、豚が分からないようである。この世界では違う名前なのか、フォルテは困った様子でケミーニアの方を見た。
「ケミーニア、俺が旅の途中で食ってた肉は分かるか? あの突進してくる奴だ」
フォルテはこの王都に来るまでにイノシシを何匹か食べた。
それがヒントになるかと思ってケミーニアに質問てみた。
「突進というと、牙付きのピギーでしょうか?」
「ピギーか。そう言えば前の肉屋がそんな事をいっていたな。店主、ピギーのような見た目で臭みのない貴族向きのものはあるか?」
「あ、それでしたら、ブーモの肉が良いかと。ピギーに比べて肉質が柔らかく臭みが無いので貴族様に下ろす高級肉です」
店主が、少ない情報からフォルテが指定する肉はこれではないかとブーモの肉が並ぶ棚へと案内した。
他の肉よりも薄い色のその肉は、フォルテが前世でスーパーで見ていた豚肉の肉の色に近い。
「よし、店主、この肉を少しずつ指定した切り方で切ってくれるか?」
「分かりました!」
勿論、フォルテと国王達が食べる量なので少しと言いながらも一般的な量よりも多い。
前世のようにスーパーに行けば欲しいものが買えるのでは無い不便さはあったが、フォルテは目的の豚の細切れ肉をゲットした。
この買い物はピギーと言うヒントを出したケミーニアが居なければたどり着くまでにもっと時間がかかっただろう。
そう思うと、心配してついて来てくれたケミーニアに感謝しようと思うフォルテなのであった。
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