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出会い編
殺人鬼が見つけたのはただ唯一のお人形-3 ★◆
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眩む視界の中、不合格と保留から撒き散らされる血飛沫を目にする。
ゆっくりと倒れていく不合格と保留の目が恨めしそうに恭華を見つめているような気がした。まるで『お前のせいだ』と告げているかのように。
思い入れがないにしろ、守れなかったという悔しさにギリッと歯が軋むほどに噛み締めるが、次は己の番なのだ。
これで全滅が確定してしまったのだから。
「や、やめろっ!!く、来るなっ!!」
合格認定の友人の恐怖に満ちた声が響き渡る。
気が付けば生きているのはその友人と恭華だけ。
無数の死体の何も見つめていない瞳孔の開いた目に見つめられ、ゾクッと身震いする。
そのどれもが苦痛に満ち、その表情には無念が見て取れる。
これだけ無念のうちに殺されていった死体があれば、そのうちの数体くらい、化けて出てもおかしくない。
そして間もなく自分もこの仲間入りをするのだ。
「うあぁぁぁぁっ!!・・・・ひぐっ・・・」
呆然と死体を見つめていた恭華の耳に、劈くような悲痛な叫びが届く。
「いっ!・・・・や、やめっ!!・・・・い、いたっ」
泣きわめきながら漏れてくる声と、パンパンと肌と肌がぶつかる聞きたくもない音に、耳を塞ぎたくなる。
「残念、貴方との相性は良くないようです。せっかく顔はまあまあ好みでしたのに、実に残念です」
さして残念そうもない殺人鬼の手にはいつの間にかナイフが握られ、組み敷いている友人の背中に容赦なく突き立てる。
「ギャアァァァッ!!や、やめ、やめ・・・し、死んじゃ・・・きょ、恭・・・」
殺人鬼は子守唄を聞くように悲鳴に心酔し、心地よさそうに目を細めニタリと笑う。
「ああ、いいですねぇ、その声・・・もっと聴かせてください。もっと啼いてください」
フフッと軽く微笑みを浮かべ、腰を打ち付ける度にナイフを振り下ろす。
友人の背中は黒髭危機一髪の樽のように無数の穴が空いている。
引っ切り無しに上がっていた悲鳴は弱々しいものに変わり、恭華の目から見ても絶命が近いことは明らかだった。
見開かれた目からは涙が幾筋も流れ、助けを求めるかのように恭華と合っている。
殺人鬼のナイフが尚も振り下ろされるが、友人の反応はない。
遂に力尽きたらしい。
殺人鬼も達したらしく、友人から自らを引き抜いている。
つい先ほどまで友人だったそれは、壊れた人形を捨てるかのようにドサッと無造作に死体の山に投げ入れられ、重なっていった。
その扱いはセックスドール以下だなと、どこか他人事のように恭華は思う。
身長の高さに引けを取らない程の長さと太さを持つ凶器とも言える性器を、殺人鬼は拭うこともしまうこともせず、ブラブラさせる。
今からこれをお前に挿れるんだと言わんばかりに見せつけながら恭華に近付いていく。
一歩、また一歩と歩み寄る度に硬く、高くそそり勃たせ、亀頭を擡げさせている。
「お待たせしてしまいました。イイ子ですね、大人しく待っていられて」
蹲っている恭華に大きな影が重なる。
別に大人しく待っていた訳ではなく、動けなかっただけだ。
殺人鬼の腕が振り上げられ、ビクリと恭華の身体が反応する。
最後の最期までこんな奴に恐怖を抱いているなどと感じさせるのは癪だ。
だが心は正直にできている。
心臓は跳ね上がり、カタカタと体は震えを隠し切れない。
わしゃわしゃと無造作に頭を撫でられ、いい子いい子と殺人鬼の囁く声が聞こえる。
刺されるか殴られるか・・・・何かしらの危害を加えられると考えていた恭華の視線が不思議そうに殺人鬼の顔に向けられる。
「恭華さん、僕が怖いですか?」
フフッと開いているか判断ができない眼で、笑みを零す。
怖いに決まっている。
痛みを耐えて身を縮めている場所は、四方八方に死体が転がり、その全てが自分を見ているのではないかと感じてしまう程に視線が突き刺さる。
そして一緒に参戦した筈の友人5人と、たまたま居合わせた若者グループ5人も目の前で次々と惨殺、いや瞬殺されていったのだ。
友人の一人などは殴られ犯され刺され、苦しみ抜いた挙句に命の灯を静かに消していったのだ。
聞くだけでも身の毛もよだつ様な話だが、今目の前で実際に起こっているのだ。
恐怖以外の感情が湧く方がどうかしている。肝は十分すぎるくらいに試された。
返答しようにも、恐怖から色を失った唇をわなわなさせるのが精一杯で、何も言えずにいる恭華を見て、殺人鬼がニマッと笑う。
「恭華さんは正直者ですねぇ。恭華さんのこと、凄く気に入ってしまいましたよ」
顔はもちろん中身もと殺人鬼が耳元で囁く。
その言葉の真偽が怪しいほど、殺人鬼の表情はニンマリと歪んだ顔から変化がない。
頭を撫でていた手は、スルリと滑り込むように鎖骨から胸へと撫でられ、その手の冷たさにビクンっと身体を慄かせる。
ただでさえ、殺人鬼の一挙一動に怯えを隠しきれず、心臓を高鳴らせているというのに。
ですが、と殺人鬼は続ける。
「僕の殺し屋としての顔を見て生きている人間は3人しかいないんですよ。残念です、恭華さん」
ちなみに、生きている3人は、2人が仕事仲間で1人が同業者だと、聞いてもいない情報まで告げる。
「こ、殺し屋・・・」
なんと、アサシンだったとは、と驚愕を隠せない。
てっきり快楽殺人者でただの変態だとばかり思っていた。
「ええ。本来は暗殺業を営んでいるんですよ。今日のこれはただの趣味ですが」
「しゅ、趣味・・・」
じゃあやっぱりただの変態だ。趣味悪すぎだろと、言おうとしてやめた。
もはやこれは趣味が悪いというレベルではなく、完全に世の中的にも法律的にも悪い趣味だ。
それに先程から口が上手く回らない。
声を発するために咽を震わせることさえ億劫な程に、身体が委縮しているのだ。
真夏の猛暑にもかかわらず、肌寒さに露出している腕が鳥肌を立てている。
本来ならば体を心地良く通り抜ける筈の風は、うすら寒く感じる程だ。
「でもこの人達が悪いんですよ?勝手に人の家に土足で上がり込んでくるんですもん・・・僕は悪くありません」
家?
殺人鬼の話に恭華が眉を器用に片方上げる。
こんな廃墟に?住んでいる?
外見は、昔、病院か何かだったと思われるような建物だ。
そして今は、まさに幽霊の噂が相応しい崩れ落ちそうな廃墟。
殺されたこの死体達も、人が住んでいるなどとは露程にも思っていなかっただろう。
動けないが故に大人しく聞いていたが、次の瞬間声を上げずにはいられなくなる。
「んなっ!!ちょっ・・・」
恭華のシャツに手をかけた殺人鬼が、ブチブチっと軽快な音を立て、シャツの釦を弾き飛ばしたからだ。
「夏は増えるんですよねぇ。出るって噂になっているみたいで、肝試しに来るカモ・・・失礼、獲物・・・いえ、学生が。まるでゴキブリですよ」
まったく、困ってしまいます、と全く困っていない、むしろこの状況を喜んでさえいるように微笑んでいる。
「や、やめっ!」
慌てて殺人鬼の手を払い、逃げ場を求め、地を這っていく。
だが、背後には廃墟の瓦礫、目の前には殺人鬼、そして脇を抜けても死体達と血の海。
どこにも逃げおおせる場所などないのだ。
それでも、この恐怖の対象でしかない殺人鬼から逃げるためならば、血の海だって泳ぎ切ってみせる覚悟だ。
「駄目ですよ、恭華さん。楽に死にたければ大人しくしていて下さいね」
終始一貫、ゆったりとした口調の殺人鬼が這う恭華のジーンズを鷲掴み、引き寄せる。
尻を突き出すように這っていた恭華はいとも容易く持ち上げられ、抱き寄せられるように腰に腕が巻きつけられる。
「いっ!・・・」
蹴り飛ばされた時に肋骨でも折れたかもしれない。
立たされただけで腹部に痛みが走る。
そのまま立っているのが辛く、蹲りそうになる恭華を殺人鬼が支える。
「大丈夫ですか?苦痛に歪むその顔も素敵ですねぇ」
フフッと口の端が半月はあるのではないかという程持ち上がる。
ハアハアと恭華の耳元で殺人鬼の荒い吐息が聞え、時々感じる温かい息に身震いする。
そしてジーンズの上からでも感じることができる殺人鬼のガチガチの性器が、絶え間なく恭華の太腿の付け根に擦り付けられる。
「は、はなせっ!!キモイんだよっ!」
後ろから腕を腰に回している殺人鬼を追い払うように肘を打つ。
殺人鬼にとって子猫がじゃれている程度にしか感じていないであろう。抵抗とも捉えずに、ことを進めていく。
ジッパーに手をかけ、恭華に音を聞かせるようにゆっくりと下げていく。
「やめろっ!!」
ジーンズと下着を一気に下げられ、いよいよ恭華の顔が青ざめる。
このままヤられてたまるかと、ジタバタと自由の利く体という体を動かし、全身で抵抗を見せる。
殺人鬼がその抵抗を叱り付けるように、恭華の腹部にグッと力を籠め、負傷した肋骨を圧迫した。
「痛っ!・・・」
途端に膝から落ちそうになる恭華を殺人鬼がすかさず支える。
だが殺人鬼が支えるその部分がまさに負傷しているところなのだ。
「痛いっ!いたたたたっ!・・・痛ぇっつてんだろっ!」
テメッわざとだろっ、と殺人鬼の腕を剥がそうと力を込めるが、びくともしない。
「オイッ!は、はなせ!本当に!・・・うっ・・・あっ・・・いっ!!」
力が緩むどころか、巻き付いている腕に徐々に力が加えられ、軽口を叩けなくなった恭華からは自然と呻きが漏れる。
「や!・・・あっ・・・は、はなっ・・・」
ギリギリと締め付けられ、痛みと恐怖による支配からガタガタと震える。
「いいですねぇ、その顔。僕に懇願は無駄ですよ?フフッ。好みの男性の泣き顔、命乞い、苦痛に耐える顔や恐怖に歪む顔が大好物なんですよ」
フフッと殺人鬼の何度目かの耳につく笑みと吐息が零れる声を聴く。
顔など目にしなくても容易に想像ができる。
歯を見せずにニヤリと笑っているのだ。狐のような目で。
「あぁぁぁぁっ!!・・・いぁぁぁっ!」
次第にメキメキと骨の軋む音が耳にできる程、圧力をかけられ、恭華からは痛みを紛らわすような大きな悲鳴しか聞こえなくなる。
誰もいない静かな廃墟に恭華の絶叫が響き渡る。
悲鳴に混ざり、バキッと一際大きな音が鳴り響く。
「うあぁぁぁっ!!・・・・あっ・・・っ」
頬に一筋の涙を流し、全身を脱力させる。
倒れ込みたい、その衝動が全身を前傾にさせるが、支えている殺人鬼の腕が邪魔をする。
「んん~っ、素晴らしいっ!!その悲鳴、その表情っ!!これだけでイけそうですよ」
何度でもヌケそうです、そう囁く殺人鬼の証言を証明するかの如く、先程から生身で触れている殺人鬼の硬く張り詰めた性器はドクドクと波を打っている。
その鈴口から溢れだした先走りがヌメヌメと恭華の内股を濡らしていく。
殺人鬼が言っていることへの真実味をこの身を持って体感させられる。
恭華の顎をグッと掴み、顔を持ち上げ頬に伝う涙をベロリと舐めとる。
気色の悪さにヒッと咽喉が鳴るが、抵抗する気力も勇気もすっかりもぎ取られた恭華は、殺人鬼のなすがままに体を預ける。
「フフッ、いい子ですねぇ」
尻たぶを鷲掴みにし、グッと乱暴に開き、恭華の蕾を露わにする。
「綺麗な色ですね」
蕾にフッと息を吹きかけられ、キュッと括約筋が締まる。
何の前戯も潤みもない状態で、殺人鬼の先端が宛がわれ、恭華が驚きに目を見開き、目が開かれていない殺人鬼の顔を見る。
「や、やめっ・・・」
ニヤッと口の端を持ち上げた殺人鬼の腰が一気に進められ、深々と根元までその長い凶器を埋め込まれる。
「うあぁぁぁぁっ!!・・・ぬ、ぬい・・・ぐっ!」
壮絶な痛みと異物を捻じ込まれる違和感からボロボロと涙を零す。
メリメリ音を立て、直腸を裂きながら殺人鬼のものを受け入れているそこは、幾筋もの血を流し、太腿を伝っていく。
異物を排出することも受け入れることも出来ずに拡げられた襞は、キュウキュウと収縮を繰り返しては、新たに血を溢れさせる。
圧倒的な物質量は恭華の直腸内の容量を軽く超え、臓器を圧迫される苦しさから吐き気を催す。
ゆっくりと倒れていく不合格と保留の目が恨めしそうに恭華を見つめているような気がした。まるで『お前のせいだ』と告げているかのように。
思い入れがないにしろ、守れなかったという悔しさにギリッと歯が軋むほどに噛み締めるが、次は己の番なのだ。
これで全滅が確定してしまったのだから。
「や、やめろっ!!く、来るなっ!!」
合格認定の友人の恐怖に満ちた声が響き渡る。
気が付けば生きているのはその友人と恭華だけ。
無数の死体の何も見つめていない瞳孔の開いた目に見つめられ、ゾクッと身震いする。
そのどれもが苦痛に満ち、その表情には無念が見て取れる。
これだけ無念のうちに殺されていった死体があれば、そのうちの数体くらい、化けて出てもおかしくない。
そして間もなく自分もこの仲間入りをするのだ。
「うあぁぁぁぁっ!!・・・・ひぐっ・・・」
呆然と死体を見つめていた恭華の耳に、劈くような悲痛な叫びが届く。
「いっ!・・・・や、やめっ!!・・・・い、いたっ」
泣きわめきながら漏れてくる声と、パンパンと肌と肌がぶつかる聞きたくもない音に、耳を塞ぎたくなる。
「残念、貴方との相性は良くないようです。せっかく顔はまあまあ好みでしたのに、実に残念です」
さして残念そうもない殺人鬼の手にはいつの間にかナイフが握られ、組み敷いている友人の背中に容赦なく突き立てる。
「ギャアァァァッ!!や、やめ、やめ・・・し、死んじゃ・・・きょ、恭・・・」
殺人鬼は子守唄を聞くように悲鳴に心酔し、心地よさそうに目を細めニタリと笑う。
「ああ、いいですねぇ、その声・・・もっと聴かせてください。もっと啼いてください」
フフッと軽く微笑みを浮かべ、腰を打ち付ける度にナイフを振り下ろす。
友人の背中は黒髭危機一髪の樽のように無数の穴が空いている。
引っ切り無しに上がっていた悲鳴は弱々しいものに変わり、恭華の目から見ても絶命が近いことは明らかだった。
見開かれた目からは涙が幾筋も流れ、助けを求めるかのように恭華と合っている。
殺人鬼のナイフが尚も振り下ろされるが、友人の反応はない。
遂に力尽きたらしい。
殺人鬼も達したらしく、友人から自らを引き抜いている。
つい先ほどまで友人だったそれは、壊れた人形を捨てるかのようにドサッと無造作に死体の山に投げ入れられ、重なっていった。
その扱いはセックスドール以下だなと、どこか他人事のように恭華は思う。
身長の高さに引けを取らない程の長さと太さを持つ凶器とも言える性器を、殺人鬼は拭うこともしまうこともせず、ブラブラさせる。
今からこれをお前に挿れるんだと言わんばかりに見せつけながら恭華に近付いていく。
一歩、また一歩と歩み寄る度に硬く、高くそそり勃たせ、亀頭を擡げさせている。
「お待たせしてしまいました。イイ子ですね、大人しく待っていられて」
蹲っている恭華に大きな影が重なる。
別に大人しく待っていた訳ではなく、動けなかっただけだ。
殺人鬼の腕が振り上げられ、ビクリと恭華の身体が反応する。
最後の最期までこんな奴に恐怖を抱いているなどと感じさせるのは癪だ。
だが心は正直にできている。
心臓は跳ね上がり、カタカタと体は震えを隠し切れない。
わしゃわしゃと無造作に頭を撫でられ、いい子いい子と殺人鬼の囁く声が聞こえる。
刺されるか殴られるか・・・・何かしらの危害を加えられると考えていた恭華の視線が不思議そうに殺人鬼の顔に向けられる。
「恭華さん、僕が怖いですか?」
フフッと開いているか判断ができない眼で、笑みを零す。
怖いに決まっている。
痛みを耐えて身を縮めている場所は、四方八方に死体が転がり、その全てが自分を見ているのではないかと感じてしまう程に視線が突き刺さる。
そして一緒に参戦した筈の友人5人と、たまたま居合わせた若者グループ5人も目の前で次々と惨殺、いや瞬殺されていったのだ。
友人の一人などは殴られ犯され刺され、苦しみ抜いた挙句に命の灯を静かに消していったのだ。
聞くだけでも身の毛もよだつ様な話だが、今目の前で実際に起こっているのだ。
恐怖以外の感情が湧く方がどうかしている。肝は十分すぎるくらいに試された。
返答しようにも、恐怖から色を失った唇をわなわなさせるのが精一杯で、何も言えずにいる恭華を見て、殺人鬼がニマッと笑う。
「恭華さんは正直者ですねぇ。恭華さんのこと、凄く気に入ってしまいましたよ」
顔はもちろん中身もと殺人鬼が耳元で囁く。
その言葉の真偽が怪しいほど、殺人鬼の表情はニンマリと歪んだ顔から変化がない。
頭を撫でていた手は、スルリと滑り込むように鎖骨から胸へと撫でられ、その手の冷たさにビクンっと身体を慄かせる。
ただでさえ、殺人鬼の一挙一動に怯えを隠しきれず、心臓を高鳴らせているというのに。
ですが、と殺人鬼は続ける。
「僕の殺し屋としての顔を見て生きている人間は3人しかいないんですよ。残念です、恭華さん」
ちなみに、生きている3人は、2人が仕事仲間で1人が同業者だと、聞いてもいない情報まで告げる。
「こ、殺し屋・・・」
なんと、アサシンだったとは、と驚愕を隠せない。
てっきり快楽殺人者でただの変態だとばかり思っていた。
「ええ。本来は暗殺業を営んでいるんですよ。今日のこれはただの趣味ですが」
「しゅ、趣味・・・」
じゃあやっぱりただの変態だ。趣味悪すぎだろと、言おうとしてやめた。
もはやこれは趣味が悪いというレベルではなく、完全に世の中的にも法律的にも悪い趣味だ。
それに先程から口が上手く回らない。
声を発するために咽を震わせることさえ億劫な程に、身体が委縮しているのだ。
真夏の猛暑にもかかわらず、肌寒さに露出している腕が鳥肌を立てている。
本来ならば体を心地良く通り抜ける筈の風は、うすら寒く感じる程だ。
「でもこの人達が悪いんですよ?勝手に人の家に土足で上がり込んでくるんですもん・・・僕は悪くありません」
家?
殺人鬼の話に恭華が眉を器用に片方上げる。
こんな廃墟に?住んでいる?
外見は、昔、病院か何かだったと思われるような建物だ。
そして今は、まさに幽霊の噂が相応しい崩れ落ちそうな廃墟。
殺されたこの死体達も、人が住んでいるなどとは露程にも思っていなかっただろう。
動けないが故に大人しく聞いていたが、次の瞬間声を上げずにはいられなくなる。
「んなっ!!ちょっ・・・」
恭華のシャツに手をかけた殺人鬼が、ブチブチっと軽快な音を立て、シャツの釦を弾き飛ばしたからだ。
「夏は増えるんですよねぇ。出るって噂になっているみたいで、肝試しに来るカモ・・・失礼、獲物・・・いえ、学生が。まるでゴキブリですよ」
まったく、困ってしまいます、と全く困っていない、むしろこの状況を喜んでさえいるように微笑んでいる。
「や、やめっ!」
慌てて殺人鬼の手を払い、逃げ場を求め、地を這っていく。
だが、背後には廃墟の瓦礫、目の前には殺人鬼、そして脇を抜けても死体達と血の海。
どこにも逃げおおせる場所などないのだ。
それでも、この恐怖の対象でしかない殺人鬼から逃げるためならば、血の海だって泳ぎ切ってみせる覚悟だ。
「駄目ですよ、恭華さん。楽に死にたければ大人しくしていて下さいね」
終始一貫、ゆったりとした口調の殺人鬼が這う恭華のジーンズを鷲掴み、引き寄せる。
尻を突き出すように這っていた恭華はいとも容易く持ち上げられ、抱き寄せられるように腰に腕が巻きつけられる。
「いっ!・・・」
蹴り飛ばされた時に肋骨でも折れたかもしれない。
立たされただけで腹部に痛みが走る。
そのまま立っているのが辛く、蹲りそうになる恭華を殺人鬼が支える。
「大丈夫ですか?苦痛に歪むその顔も素敵ですねぇ」
フフッと口の端が半月はあるのではないかという程持ち上がる。
ハアハアと恭華の耳元で殺人鬼の荒い吐息が聞え、時々感じる温かい息に身震いする。
そしてジーンズの上からでも感じることができる殺人鬼のガチガチの性器が、絶え間なく恭華の太腿の付け根に擦り付けられる。
「は、はなせっ!!キモイんだよっ!」
後ろから腕を腰に回している殺人鬼を追い払うように肘を打つ。
殺人鬼にとって子猫がじゃれている程度にしか感じていないであろう。抵抗とも捉えずに、ことを進めていく。
ジッパーに手をかけ、恭華に音を聞かせるようにゆっくりと下げていく。
「やめろっ!!」
ジーンズと下着を一気に下げられ、いよいよ恭華の顔が青ざめる。
このままヤられてたまるかと、ジタバタと自由の利く体という体を動かし、全身で抵抗を見せる。
殺人鬼がその抵抗を叱り付けるように、恭華の腹部にグッと力を籠め、負傷した肋骨を圧迫した。
「痛っ!・・・」
途端に膝から落ちそうになる恭華を殺人鬼がすかさず支える。
だが殺人鬼が支えるその部分がまさに負傷しているところなのだ。
「痛いっ!いたたたたっ!・・・痛ぇっつてんだろっ!」
テメッわざとだろっ、と殺人鬼の腕を剥がそうと力を込めるが、びくともしない。
「オイッ!は、はなせ!本当に!・・・うっ・・・あっ・・・いっ!!」
力が緩むどころか、巻き付いている腕に徐々に力が加えられ、軽口を叩けなくなった恭華からは自然と呻きが漏れる。
「や!・・・あっ・・・は、はなっ・・・」
ギリギリと締め付けられ、痛みと恐怖による支配からガタガタと震える。
「いいですねぇ、その顔。僕に懇願は無駄ですよ?フフッ。好みの男性の泣き顔、命乞い、苦痛に耐える顔や恐怖に歪む顔が大好物なんですよ」
フフッと殺人鬼の何度目かの耳につく笑みと吐息が零れる声を聴く。
顔など目にしなくても容易に想像ができる。
歯を見せずにニヤリと笑っているのだ。狐のような目で。
「あぁぁぁぁっ!!・・・いぁぁぁっ!」
次第にメキメキと骨の軋む音が耳にできる程、圧力をかけられ、恭華からは痛みを紛らわすような大きな悲鳴しか聞こえなくなる。
誰もいない静かな廃墟に恭華の絶叫が響き渡る。
悲鳴に混ざり、バキッと一際大きな音が鳴り響く。
「うあぁぁぁっ!!・・・・あっ・・・っ」
頬に一筋の涙を流し、全身を脱力させる。
倒れ込みたい、その衝動が全身を前傾にさせるが、支えている殺人鬼の腕が邪魔をする。
「んん~っ、素晴らしいっ!!その悲鳴、その表情っ!!これだけでイけそうですよ」
何度でもヌケそうです、そう囁く殺人鬼の証言を証明するかの如く、先程から生身で触れている殺人鬼の硬く張り詰めた性器はドクドクと波を打っている。
その鈴口から溢れだした先走りがヌメヌメと恭華の内股を濡らしていく。
殺人鬼が言っていることへの真実味をこの身を持って体感させられる。
恭華の顎をグッと掴み、顔を持ち上げ頬に伝う涙をベロリと舐めとる。
気色の悪さにヒッと咽喉が鳴るが、抵抗する気力も勇気もすっかりもぎ取られた恭華は、殺人鬼のなすがままに体を預ける。
「フフッ、いい子ですねぇ」
尻たぶを鷲掴みにし、グッと乱暴に開き、恭華の蕾を露わにする。
「綺麗な色ですね」
蕾にフッと息を吹きかけられ、キュッと括約筋が締まる。
何の前戯も潤みもない状態で、殺人鬼の先端が宛がわれ、恭華が驚きに目を見開き、目が開かれていない殺人鬼の顔を見る。
「や、やめっ・・・」
ニヤッと口の端を持ち上げた殺人鬼の腰が一気に進められ、深々と根元までその長い凶器を埋め込まれる。
「うあぁぁぁぁっ!!・・・ぬ、ぬい・・・ぐっ!」
壮絶な痛みと異物を捻じ込まれる違和感からボロボロと涙を零す。
メリメリ音を立て、直腸を裂きながら殺人鬼のものを受け入れているそこは、幾筋もの血を流し、太腿を伝っていく。
異物を排出することも受け入れることも出来ずに拡げられた襞は、キュウキュウと収縮を繰り返しては、新たに血を溢れさせる。
圧倒的な物質量は恭華の直腸内の容量を軽く超え、臓器を圧迫される苦しさから吐き気を催す。
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